クローバー

著者 :
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レビュー : 298
  • Amazon.co.jp ・本 (259ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048738170

感想・レビュー・書評

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  • 華子、冬治 双子の姉弟(大学生)が主に恋愛の事で右往左往する話なのでちょっと甘っちょろいのではないかと思っていましたが、ある意味予想通りの恋愛甘っちょろい話ではありました。
    ところがこれが僕の心にジャストフィット。彼らの事がだんだん好きになって来てしまいました。特に冬治の事を好きになる、超見た目がダサくてそして聡明な女性、雪村さんの存在がとにかく大きい。僕的には彼女の言動を見たいが為に読んだようなもので、他は殆ど風景に等しいです。
    目の前に居たらいらいらする可能性も有りますが、いじらしい女性って小説で出てくると全面的に応援したくなりますよね。まさにそんな感じです。
    内容的にはとりたてて珍しい話でもないのですが、そんなキャラを産みだした時点で僕の中では大絶賛です。

  • あまり共感できないお話だった。でも両親の考えはしっかりして、凄いと感じた。

  • 儘ならないもの、不本意なこと、叶わない想い。そんな現実にどう折り合いをつけて生きるのか、モラトリアムとその終わりの物語、と島本さんの後書きの言葉。自信のなさで、何事にも「正解」を求め、進路も恋愛も、踏ん切りがつかない弟冬治と、過剰な承認欲求で弟にしか弱い部分をさらせない姉華子の双子対比。どちらか一人に焦点を絞ってもよかったのでは?若干物足りなさが残る。他人に嫌われるのを過剰に恐がり、自分の気持ちを常に手放し、受け身で自分を抑圧し続ける。予測不可能の状況が怖くて判断を躊躇するなど、テーマはさすが島本さん。

  • 島本作品はまだ三作めだけれど、ややこしい人も 変に闇を抱えている人もあまり出てこなくて真っ当な恋愛小説な気がす…いや、やっぱり真っ当ではないかな。うーん…



    大学生の双子の姉弟、華子と冬治。ワガママで思いこみが激しい、女子力全開の華子。理系男子の冬治は人生やや不完全燃焼気味。ちょっとこじらせ男子の傾向あり。
    冬治を軸に進む物語。



    それぞれが抱える思い、想い。
    そして、進む道。
    進むべき道。
    でも、進む方向に「べき」なんてないよね。

    選んだ道と 選ばなかった道と。
    結局は、ずーっと後になってからでないとわからない。
    もしかしたら、後になってからだってわからないかもしれない。
    ただ、決めた自分のココロに納得できるか否か。
    好きな人と、好きなことと、明日へ向かう道。

    「悲しみや後悔や不幸って特別なものじゃなくて、切ったら種が黒かったアボカドみたいに、たまたま自分のところに来ないときもあるし、来るときもある。ままならないのが人生ですよ」

    そうです! 人生なんてままならないんです。
    だからこそ。
    だから、こそ。。。


    冬治の選択を私は応援したいと思う。

    祝クラッカー 脱、モラトリアム冬治!

    青春の鬱々とした感じと、未だ見ぬ明日への微かな希望と不安。
    島本作品にしては息苦しさも閉塞感もなく、未来を感じることのできる作品だったかな。
    青春ですね。

  • 島本理生の『クローバー』は恋愛小説なのか?青春もの?島本理生に対する知見なく読み始めた本書は、変な双子の姉をもつ双子の弟目線から書いた普段小説かと思った。でもやっぱり恋愛小説だった。それもかなりしっかりとした。

    双子の姉華子は冬冶の前でしか登場しないが、そこの無茶苦茶ぶりは逆にすっきりとするほど。それが身内の前だからなのか、一般的なのか。でも物語が進むにつれて、だんだんまともになっていくというか、物語全体が真面目に心理をほどいていくというか。

    姉さんのハチャメチャぶりのまま、恋愛が成就するなんてのが面白いと思ったけど、冬冶に真面目に入り込みすぎたかな?

    結局、(本人は全くそう思っていないが)特定の人にはモテる冬冶が無意識のうちに傷つきたくないという気持ちで、ガードしたり、深入りを避けたりする行動に対して、雪村さんが、きちんと読み解いて真の気持ちを取り出すっていうまともな展開。しかし実際にはこのまともな展開っていうのは心理まで表現する物語上の理想であって、実生活ではそれができなくてもどかしいというか面白いというか。そんなある意味理想の形を物語で提示している本書の魅力は結局ラブロマンスっていうか、求める道が合意できてよかったね、というほっとした感なのかもしれない。

    是非スピンアウトした華子目線の物語も読んでみたいと思うのはわたしだけ?

  • 雪村さんが鼻につくわ~。こういう、いわゆるスクールカーストの低い女の子が、そこそこの男に惚れられて少女マンガみたいな恋愛劇を……っていうのが寒気が出るほど苦手。話の本質はそこではないかと思いつつ、後半はほぼそうか。華子はひどい女だけどキャラクターが立ってていい。島本さんっぽくない話だったけど、史弥の話が一番好き。
    島本さんは人間の嫌なところが書けていてすごいとおもう。「嫌な人間」ではなく、普通に関わっている普通の人の「嫌なところ」。意識的に誰かを傷つけたり、やり返せない状況で不愉快なことををやったり、それを特異的なエピソードとするのではなくて日常のひとつとして書けるのは彼女の才能だろうなあ。この刺さる感じが欲しくて著作を選ぶこともわりとある。今作は雪村さんがそれを凌駕してしまったので読みきっておしまい。

  • 2017/3/6

  • 強引で女子力全開の華子と人生流され気味の理系男子・冬冶。
    双子の前にめげない求愛者と微妙にズレてる才女が現れた! 
    でこぼこ4人の賑やかな恋と日常。
    ずっと一緒にいられたら…キュートで切ない青春恋愛小説。

  • 配置場所:摂枚普通図書
    請求記号:913.6||S
    資料ID:95070517

  • 双子の姉弟の空気感がすごくいい。
    お互いの距離がわかっていて、それに踏み込むことも傍観することも
    時と場合で面白かった。

    冬冶のもどかしい恋愛と華子の激しすぎる恋愛がいつしか逆のものになっていく様を作家さんと一緒に追いかけていくのはとても楽しいことだった。
    やっぱり熊野さんがめっちゃいいスパイス。
    大学生という特別の時期を丁寧に描いている作品。とても良かった。

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著者プロフィール

島本 理生(しまもと りお)
1983年東京都板橋区生まれ。都立新宿山吹高等学校に在学中の2001年に「シルエット」で、第44回群像新人文学賞の優秀作を受賞し、デビュー。06年立教大学文学部日本文学科中退。小学生のころから小説を書き始め、1998年15歳で「ヨル」が『鳩よ!』掌編小説コンクール第2期10月号に当選、年間MVPを受賞。2003年『リトル・バイ・リトル』で第128回芥川賞候補、第25回野間文芸新人賞受賞(同賞史上最年少受賞)。2004年『生まれる森』が第130回芥川賞候補。2005年『ナラタージュ』が第18回山本周五郎賞候補。同作品は2005年『この恋愛小説がすごい! 2006年版』第1位、「本の雑誌が選ぶ上半期ベスト10」第1位、本屋大賞第6位。2006年『大きな熊が来る前に、おやすみ。』が第135回芥川賞候補。2007年『Birthday』第33回川端康成文学賞候補。2011年『アンダスタンド・メイビー』第145回直木賞候補。2015年『Red』で第21回島清恋愛文学賞受賞、『夏の裁断』で第153回芥川賞候補。『ファーストラヴ』で2回目の直木賞ノミネート、受賞に至る。

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