- Amazon.co.jp ・本 (359ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048739481
作品紹介・あらすじ
ある日、道ばたに落ちていた彼。「お嬢さん、よかったら俺を拾ってくれませんか?咬みません。躾のできたよい子です」「-あらやだ。けっこういい男」楽しくて美味しい道草が、やがて二人の恋になる-。書き下ろし番外編に加え、イツキ特製"道草料理レシピ"も掲載。
感想・レビュー・書評
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作者重視で、内容は確認せず、タイトルやカバーに惹かれて本を選ぶ傾向がある。なので、今回も、読み始めてわかったちょっと苦手な恋愛小説だった。
主人公・河野さやかは路上で行き倒れの男性に「お嬢さん、よかったら俺を拾ってくれませんか」「咬みません。躾のできたよい子です」──。酔った勢いで拾たイケメン犬・イツキは、家事万能の植物オタク。突然の同居生活が始まり、お互いが惹かれあっていく恋愛小説。
本作の中で、昭和天皇のお言葉、「雑草という名の草はない。すべての草には名前がある」が、何度か登場している。この言葉は、属にいう「お母さんと言う名前ではない」と同じ意味なのか?人間だったどのように言い換えれるか?この言葉がどんな状況のときに発せられ、どんな意味があるのか知りたくなり調べてみた。
この言葉は天皇の侍従長・入江氏が「宮中侍従物語」で記していたお言葉であることがわかった。
昭和天皇が留守中に、お住まいの庭の草を刈った侍従の入江相政氏に天皇は尋ねられた。
「どうして草を刈ったのかね?」入江は、ほめられると思って、「雑草が生い茂って参りましたので、一部お刈りしました。」と答えた。
すると天皇は、「雑草という草はない。どんな植物でもみな名前があって、それぞれ自分の好きな場所で生を営んでいる。人間の一方的な考え方で、これを雑草として決め付けてしまうのはいけない。注意するように。」と諭された。
このお示しは、仏教に関わるようで、それぞれが持つ個性や生命も大切にしなさいと言う意味のようで、「…すべての草には名前がある」に続く言葉があった。
それがわかると、作者が、この言葉をここで出した意味はもしかしたら別の意味もあるのかなぁと考えると、恋愛小説は、推理小説と化した。
また、イツキが名前を明かさないのは何故か?何故か?と考えると、ひょっとしてローマの休日の逆バージョンかもという仮説を立て、さやかが部長から「登来柳明:現代生花の世界」の招待券をもらい、イツキを誘い断られたとき、これは確定!絶対、華道家と関係がある。だから草木に詳しいのだと、半ば推理小説の如く読み進め、想像通りの展開に満足した。(イツキが詳しかったのは、地べたに咲いているような花にのみ詳しかっただけのようであったのが判った)
そしてイツキは華道家として生きることではなく、植物に携わることが個性(適正)であり「雑草という名前の草はない。すべての草には名前がある」に私の中では繋がった。
そう考えると、何故か、自分が恋愛小説は苦手と思い込んでいるのが、滑稽に感じれ、小説の不思議マジックに改めてほくそ笑んだ。
最後に…有川先生の描く男性が、私の中で一貫しており、きっと先生の男性像なんだと推した。 -
2021/03/01読了
#有川浩作品
マッタリした恋愛小説。
野草を使った料理シーンがベース
になっていて面白い。
ツクシやわらび、イタドリなんかは
わたしも小さい頃採って食べたなぁ。
外に出たくなる気分にさせる。 -
今回も好きなやつでした
中身はほんとこつちが恥ずかしくなるくらいベタなんだけど芯のところが斬新すぎてそっちにも食いつき要素があるところがいいんですよね
最後のおまけ短編2つも良かったです -
現実にはありえないはじまりですが、『イツキ』と『さやか』の素直で一途な恋愛が微笑ましい、いや、うらやましいです!!
時には下を向いて歩いてみるのもいいですね。
実は美味しい『雑草』を発見できるかも知れません。
私もちょびっとだけ、二人の真似をしてみましたよ。アップルミントティーとピーマンの胡麻和え^^;ソレダケカヨ… -
2人のやり取りにきゅんとなったし、彼の爽やかさ、彼女の可憐さがひしひしと伝わってくる。
この中に出てくるお料理が美味しそうでお腹が鳴りました、、。 -
食いしん坊な感想で申し訳ないけど、
ノビルのパスタをいつか食べたい、、ってなる。
有川さんの本の中でも、何度も読んだ本だけど。
読んでいるといつも、美味しそう、、食べたい!ってなってくる -
とろけるような甘~い恋愛物語。
甘く幸せすぎる毎日は、壊れてしまいそうで怖かった。
そしてついにその時が!と思ったが…
ラストも好きな感じ。
男の子を拾う、という、ありえない場面から始まる物語。
読んでいる時間は、本当に幸せで楽しい時間だった。
草花にもちょっと詳しくなったりして。
カーテンコールの「ゴゴサンジ」「午後三時」も、とっても良かった。
個人的にサンジソウは好きな花なので、嬉しかったです。 -
ヒロインは会社勤めの河野さやか。26歳で一人暮らしだが家事は嫌い。
都会っ子のヒロインが、ふと部屋に入れた行き倒れの男。
それはある意味、本能的な勘だった。
名前しか名乗らない謎の男・樹(いつき)がお礼に作ってくれた朝食に惚れ込み、ルームシェアを申し出る。
家賃代わりに家事をしてくれればという申し出を受け、礼儀正しく暮らす樹。
どんどん惹かれていくさやかは、はがゆい思いをするが‥
この男が実は知識の宝庫だったのだ…
旬の野草を摘みに、ハイキングに出かけるようになる二人。
身近な野草の特徴とその旬、食べ方が次々に。
ツクシは楽しくて採りすぎると始末が大変で、雰囲気がいい割には味がないとか、フキノトウは苦みが強すぎて天ぷらにはあまり向かないとか。
作者自身、野草を摘んで食べるのが好きなんだそうです。
花冠の作り方なんか、上手くできたことがないので、ちょっとやってみたくなりました。シロツメクサが丈夫なのでベースにして、3本重ねた所へ一本を巻き付けて結び、編み込んでいくとか。
お勉強になります。
‥まあ個人的には、親が田舎育ちなので、下拵えや料理などはある程度はずっといぜんに経験済みなので、そんなの知ってると言いたくなる部分も。だけど、正確に説明は出来ないし、最近はない‥自分でたくさん摘んだことは記憶にないなあ‥
そりゃあ彼氏と一緒なら楽しいでしょ!
会社勤めで起きるちょっとした悩みやもめ事なども、実感込めて盛り込みつつ。
恋愛としては、かな~り甘あまで、一度は別れている期間もありとじれったいけど、ちゃあんと満足させてくれる読み応え。
それにしても、家事が得意で紳士的、才能はあるが実家からは距離があるって。こういう彼、ある意味、理想? -
このタイトルの本でまさか泣くとは、、、
中盤でキュン
ラストで泣いてしまった
続きが気になって一気読み
そして料理がとても美味しそう
イツキに作ってもらいたいーーー
さやか辛かったね、、、
待ち続けて頑張ったね、、、
ハッピーエンドで本当によかった
恋愛要素もあり
植物のお話もたっぷり楽しめて
大好きな本になりました
日常にたくさんの発見と幸せがあって
こんな暮らし楽しいだろうなぁー
イツキ拾いたい!笑
でも途中のあの1年半?は、辛すぎる、、、
有川浩さん1冊目の本
また春に読み返したい
他の本も読んで見るの楽しみ♪
レビューを見るとこの本みたいに甘々なのは珍しいのかなぁ
このくらい(もっとでも)がいいなぁ、、、笑
次は有名どころの図書館戦争を読んでみよう
2020.08.01 -
オススメだけあって、植物図鑑かなり良かったです
私も大好きな一冊になりました甘甘なところがにやけちゃう
出だしからもういいし、「咬みません。躾のできたよい子です」
樹のキャラが凄く好きです
格好付けない素朴で優しい感じ、でも何か抱えていて謎なところ
あとは色んな料理が出てきて美味しそうだなと
長野も結構山菜食べるので、色々試してみたいと思った
「雑草という名の草は無い・・・。」これから道端に咲いている花とか
気になっちゃいますw お散歩が楽しくなりますね
後半のさやかの心情も可愛くて、なんかウルウルきちゃいました
そして終わったかに見せかけてのカーテンコール・・・もう完璧です
これからも大切にしたい1冊です -
実際にはあり得ない出逢いと、雑草を通しての二人の結びつきが新鮮でした。
カーテンコール章でも杏奈はだれ? と思わせる結末にハラハラでした。
ともあれハッピーエンドでホッとしました。く -
王道胸キュン系のストーリーですが、身近な植物の要素が加わることで、とても優しく暖かな雰囲気になっています。
植物の安らぎを与えてくれるところと、美味しく食べられるところが魅力的に描かれていて、自然好きにはたまりません。 -
友人に借りた図書館戦争シリーズから有川浩さんにはまって、その流れで読んだ本の中の一冊。読んでから10年以上経つので、内容はぼんやりと覚えている程度ですが、野草を使った料理がとても印象的でした。料理好き、自然好き、そして当時はとても田舎に住んでいたので、身の回りに野草はたくさん、物語にでてくる全てのレシピに興味津々で、一品が二品は実際に作って食べたような気がします。そして、確かユキノシタの天ぷらも紹介されていて、我が家の裏庭の崖にそれは生えていたのですが、葉の裏にたくさん毛のようなものがある植物を食べる!というのに抵抗があって、その料理は作らずじまいに終わりました。
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三匹のおっさんふたたびの巻末「好きだよと言えずに初恋は」はこの小説のスピンオフと聞いて、読んでみた。キュンじに。まさに。好きすぎて聞けないとか、すきすぎてはなれる・突き放すとか、好きだから楽しいとか、恋のわくわくをつめしこんでますね、ごちそうさまです。サバサバしてるけど、嫉妬が隠しきれてない、ちょっぴりツンデレなさやかとか、カッコよくて頭がよくて、人当たりよし、ちょっぴりミステリアスでときどき甘えん坊な樹とか、恋愛の理想形ですか?でもそれが嫌みじゃない。ハンカチ一つにココロがぐわんぐわんゆれるさやかが、可愛かった。あと、ユキノシタとイタドリが食べたい。
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胸キュンものを探せば、必ずオススメとして出てくるのが、この本。
確かに…胸キュンでした。
あと、草花や野草のことがバラエティ豊かに書かれていて楽しかったです。
狩りに行きたい気持ちになりました。 -
ずっと前から気になりつつ読めていなかった本
朝ドラのらんまんも見ているので読むなら今かな、と思って読んでみました
いい。
そして、自覚なく振り回してくる男の人って…いるよなぁってしみじみ思ってしまいました
たらの芽の天ぷら大好き
春になったら親が採ってきてくれて、作ってくれる
私の実家は田舎だから
小さい頃は草花摘んで遊んでた
楽しかったな -
行き倒れの男を助けたことから、同棲を始めることになったさやか。助けた樹は植物に詳しく、季節に合わせて、「狩り」を行い、「狩り」の成果が毎日の食卓を彩る・・・すごくお腹の空く話だった。有川作品の中で、これが好きと言う人も多いが、私はやっぱり図書館戦争とクジラの彼が好き。
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ベタ甘過ぎて、少し驚いたが面白い。少女マンガのような感じ。
ある日、道ばたに落ちていた彼。「お嬢さん、よかったら俺を拾ってくれませんか?咬みません。躾のできたよい子です」「―あらやだ。けっこういい男」楽しくて美味しい道草が、やがて二人の恋になる―。書き下ろし番外編に加え、イツキ特製“道草料理レシピ”も掲載。-
ふふふ。
照れながら、読む方も微笑みながら
読んでいらっしゃる感じですね。
レビュー拝見して、私もちょっと笑顔に^^
これ、私は未読で、...ふふふ。
照れながら、読む方も微笑みながら
読んでいらっしゃる感じですね。
レビュー拝見して、私もちょっと笑顔に^^
これ、私は未読で、気になっていたのです。
幸せなおはなしが読みたいので、今度是非。
どうしようかなあと迷っていたところに、
良いきっかけをありがとうございました。2012/09/04 -
2012/09/12
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この本を読む前に言っておくッ!私は今この本を全て読んだ
い…いや…読んだというよりはまったく先入観を超えていたのだが……
あ…ありのまま今起こった事を話すぜ!
「私は植物と恋愛の小説を読んでいたと思ったらいつのまにかお腹が減っていた」
な…何を言っているのかわからないと思うが、私も何を読んでいたのかわからなかった…
頭がどうにかなりそうだった…料理本だとか山菜摘みのテクニックだとか
そんなチャチなもんじゃあ断じてねえ
もっと恐ろしいもののときめきを味わったぜ…
恋愛と植物の本だと思っていたら、主役の二人は植物といえども身近な植物、道端に生えていたりする雑草(雑草という名前の植物はありません、が)を調理して恋愛して、という内容でした。お腹が減っている時に読んではいけない(笑)
恋愛の方も穏やかで、女の人はさやかに感情移入して嬉しさだとか悲しみをリアルに感じるのではないでしょうか。 -
超個人的な感想で申し訳ないのだけど
イツキが私の大好きな人にどうしようもなく似ていて、読み進めるのが苦しかったです。
途中、自分と同じようになってしまったらどうしようって心配になったけど、ハッピーエンドだったからほっとしました。
単なるお話なんだから、これからどうなるってわけでもないけど、さやかとイツキの幸せがずーっと続いてほしいな。いつまでも笑っていてほしい。
それと、巻末の付録すごくすてきですね。このお話読んだら絶対に食べたくなる(挑戦したくなる)であろうイツキのレシピが紹介されてます。フキの混ぜごはんとノビルのパスタ、食べてみたいな。 -
雑草という名の草は無い──
道で倒れていたイツキと同棲を始めるさやか。草花を「狩り」親睦を深めていく2人の恋愛小説。
山菜をとって作る料理がどれも美味しそう。少女漫画みたいな甘々で切ないストーリー -
気になっていたけど「植物図鑑」という題名にちょ〜っと引け目というか抵抗を感じてしまって読まずにそうっとしていた本。学校の夏休み貸出で丸1ヶ月借りられるということで思い切って借りてみたが、そのストーリーにのめり込んでひと息に読んでしまった。
やっぱり出会いは大切だなと思う。今は当たり前だと思っている人やものでも、いつかはなくなってしまうかもしれない。もし、そうなったとしてあとで後悔したら、、と思うと、気になっているけれどタイミングが合わず関われない人も、やってみたいけれど怖くてチャレンジできないことも、自分が「今」動かなければいつか後悔するときがくると思えば、チャンスだと思ったときにすぐ行動したほうがいい気がする。今回勇気を振り絞って(?)手にとってみたこの本のおかげでこんなことに気づけた。これも立派な出会いだったと思う。 -
心が温かくなるお話でした。
物語にででくる料理を作ってみたいなぁと思いました。 -
「雑草という名の草はない。草にはすべて名前があります ー って昭和天皇は仰ったそうだよ」 植物に詳しくて、散歩に連れ出してくれて、名前だけは知ってる山菜や名前も知らない葉っぱや蕾たちを狩って、手際よく料ってくれるイツキ。食べたことのない料理だけど、いつもは目に留めてない花の色だけど、こんなに素敵だと思える有川マジック。