雪冤

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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本棚登録 : 249
レビュー : 78
  • Amazon.co.jp ・本 (396ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048739597

作品紹介・あらすじ

平成5年初夏-京都で残虐な事件が発生した。被害者はあおぞら合唱団に所属する長尾靖之と沢井恵美。二人は刃物で刺され、恵美には百箇所以上もの傷が…。容疑者として逮捕されたのは合唱団の指揮者・八木沼慎一だった。慎一は一貫して容疑を否認するも死刑が確定してしまう。だが事件発生から15年後、慎一の手記が公開された直後に事態が急展開する。息子の無実を訴える父、八木沼悦史のもとに、「メロス」と名乗る人物から自首したいと連絡が入り、自分は共犯で真犯人は「ディオニス」だと告白される。果たして「メロス」の目的は?そして「ディオニス」とは?被害者遺族と加害者家族の視点をちりばめ、死刑制度と冤罪という問題に深く踏み込んだ衝撃の社会派ミステリ、ここに誕生!第29回横溝正史ミステリ大賞&テレビ東京賞W受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 著者デビュー作。
    他に「罪火」「氷の秒針」を読みましたが、処女作から犯罪被害者遺族、加害者、加害者家族や時効、冤罪について濃密に書かれています。
    特に今作のメインテーマは死刑制度。
    ミステリ要素もあるので動向も追っていきつつ、死刑制度について考えさせられました。
    登場人物が多かったり、終盤に集約し過ぎていてやや混乱する部分もありますが、なにより優しい話でした。

  • 横溝正史ミステリー大賞受賞作。裁判の弁護の功罪を主題に丁寧に物語を構築している。
    謎解きその物は特異性は無い。事件の真相は推測できる範囲の物で、複雑に殊更紙面を費やしているのはデビュー作ならではと判断する。
    注目すべきは、作家自身が文学部出身者で法律家を目指した経験から、司法社会の問題点を浮き彫りにしていく手法に有る!!その点では横溝と言うよりも松本清張に近い!
    犯罪者の内面の判断の難しさと、再犯防止の難しさ、冤罪判決の危惧など盛り沢山で、作家のライフワークが網羅されている。文学や演劇、合唱に宗教そして心理学と云うテーマも絡ませて描ききっている。今後の期待は推測できる。

  • 冤罪や死刑制度について考えさせられる作品です

    息子の無実を信じて一人で闘う元弁護士の父親

    先が気になり一気に読みましたが、ラストがなぁ!
    いじり過ぎな感じだし、理解?共感?できないなぁ!
    ちょっと残念です

  • 面白かった。
    でも、話が途中でこんがらがって
    わかりづらかったかも。
    私の読み方が雑なのか?

    でも、こうゆう話は好きやなぁ。
    テーマも重くて
    ちっとも楽しい話じゃなくて。

    タイトルは元のまま
    「ディオニス死すべし」の方が
    私は良かったと思う。

  • 雪冤…

    冤罪をはらすという意味です。

    父が死刑が求刑された息子の無罪を信じて、
    死刑執行までになんとか、と事件の真相を探るお話しです。
    真実が解き明かされ、めでたく息子は釈放。
    父子の絆を取り戻す…
    という感動のミステリーを想像してください。

    その想像はみごとに裏切られます。

    終盤、真実が急に沢山明らかになりすぎて、混乱、というか面倒くささはありましたが、

    暗さと、ビックリ度が高く、とても好みでした。

  • 図書館より。
    十六年前に起こった殺人事件を巡り、事件の犯人と思われる死刑囚の父親と被害者遺族が真相を探る社会派ミステリー。

    死刑と冤罪という重厚なテーマに対ししっかりとした作家さんの考えが見えて、読んでいるこちらとしても考えさせられるものがありました。確かに自分も作中の登場人物の言葉通りあまりにも簡単に死刑のことを考えているのかもしれません。

    ミステリーとしてはラストの展開にきちんとついていけるかが楽しめるかのポイントとなりそう。結構人間関係が分かりにくくなってしまったので、ラストの解決のシーンですっと驚けなかったのがちょっと心残り……説明を読んで一拍を置いてから「ああ、そういうことか」と気づけた感じだったので。

    終章が自分の中ではとても印象的に残っています。劇の台本調に語られる分余計にインパクトもあり、もの悲しさが残すあたりも巧いなあ、と感じさせられました。

    それと持田のキャラがとても好感が持てたのもよかった。口は悪いけどいいやつ、というべたなキャラなんですが、なぜだかとても温かみを感じることができました。

    第29回横溝正史ミステリ大賞〈大賞〉〈テレビ東京賞〉

  • (雪冤とは無実の罪をすすぎ晴らすこと)
    ある殺人事件が起こった。犯人として逮捕、起訴された青年は死刑を宣告された。
    しかし彼は無実を訴えていた…。

    疑問が解けたと思っても、結局は最後の最後まで読まないと分からない。
    ストーリー自体は面白かったのですが、冤罪、死刑制度、被害者感情が重くのしかかってきて気が滅入りました。

  • 序盤から中盤にかけて翻弄されるように読み進んでいくが、後半1/3はどこに着地するのか、動機は何なのか登場人物とどんな繋がりを持たせているのかが伝わりにくかった。
    死刑廃止論、冤罪、犯罪被害者、加害者家族普段は新聞やニュースでしか関わりのないWordを考えさせられた本。

  • いろんな思いが交錯した深い話。
    被害者遺族の思いも死刑制度賛成/反対論者の思いも、0か100かではなく本当にいろんな思いが混ざりあってて、テレビに取り上げられるような整理された感情ばかりでなく、結論も出ないが考えなきゃいけないなと思った。
    ラストは皆さんのレビューにある通り あれ?こんなことだったの?と思ったが、凶悪な真犯人ディオニスを期待していた私の心も犯罪を消費するマスコミおよび視聴者になってたかなと、どんなドラマを思い描いても最後は真実に目を向けなきゃいけないんだなと、言われているような気がした。

  • 複雑過ぎ、どんでん返しし過ぎ、文章がくど過ぎ…といまいち好きになれずに読了^^;

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プロフィール

だいもん・たけあき
1974年三重県生まれ。龍谷大学文学部卒。第29回横溝正史ミステリ大賞とテレビ東京賞をダブル受賞した『雪冤』で2009年にデビュー、ドラマ化される。主な著書に『告解者』『婚活探偵』『優しき共犯者』『鍵師ギドウ』などがある。『テミスの求刑』『獄の棘』など映像化作品も多い。

「2017年 『反撃のスイッチ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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