雪冤

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
3.26
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本棚登録 : 302
感想 : 81
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  • Amazon.co.jp ・本 (396ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048739597

作品紹介・あらすじ

平成5年初夏-京都で残虐な事件が発生した。被害者はあおぞら合唱団に所属する長尾靖之と沢井恵美。二人は刃物で刺され、恵美には百箇所以上もの傷が…。容疑者として逮捕されたのは合唱団の指揮者・八木沼慎一だった。慎一は一貫して容疑を否認するも死刑が確定してしまう。だが事件発生から15年後、慎一の手記が公開された直後に事態が急展開する。息子の無実を訴える父、八木沼悦史のもとに、「メロス」と名乗る人物から自首したいと連絡が入り、自分は共犯で真犯人は「ディオニス」だと告白される。果たして「メロス」の目的は?そして「ディオニス」とは?被害者遺族と加害者家族の視点をちりばめ、死刑制度と冤罪という問題に深く踏み込んだ衝撃の社会派ミステリ、ここに誕生!第29回横溝正史ミステリ大賞&テレビ東京賞W受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 友人2人をメッタ刺しにし死刑判決を受けた青年
    無実を訴えて15年…ついに死刑執行がされるのか
    無実を訴え続ける息子の為に15年間奔走する父
    冤罪なのか?
    時効を目の前に自分が犯人だと連絡が…

    もう期待して読み始めるでしょ?
    最初面白かったんだけどなぁ(*_*)
    なんで「走れメロス」になぞらえちゃうかな…
    教科書で読んだけど別に感動しなかったからメロスしか名前わからない笑

    頑張って3分の1読んで飛ばしながらざっくり真相を読んじゃった( ̄▽ ̄)

    この作品で受賞してデビューって事で熱い意気込みはヒシヒシと感じる。
    盛りだくさん過ぎて真相がどんでん返しどころか
    もう3回転捻りで捻り過ぎのやるせ無さ過ぎ。

    だけど絶対好きな作家になる予感がする‼︎
    探し当てよ〜っと(๑˃̵ᴗ˂̵)

    ズルしたから☆は無しで!


    • 土瓶さん
      困ったり、当たりが引けなかったり、流行にのれなかったり。
      それでもみんな読書からは離れられんのよな~。
      ぜんぜん読まなかった時期もあった...
      困ったり、当たりが引けなかったり、流行にのれなかったり。
      それでもみんな読書からは離れられんのよな~。
      ぜんぜん読まなかった時期もあったけど、それでも本屋に行くと無条件にワクワクする。
      なんなんだろね^^
      まわりに本を読む人が少ないので、こんなふうにブグログでいろいろ語れるのは幸せや♪
      2023/03/23
    • おびのりさん
      そうそう。私の周りも読まないのよ。
      一人、コミックを教えてくれていた若者を誘ったんだけど、レビュー入力しないからコメントできないの。
      そして...
      そうそう。私の周りも読まないのよ。
      一人、コミックを教えてくれていた若者を誘ったんだけど、レビュー入力しないからコメントできないの。
      そして、本屋って、ワクワクするよね。最近はブグログで他の人の読んでる本が並んでると、親近感がわく。あんまり買わなくて申し訳ないけど。
      2023/03/24
    • みんみんさん
      趣味は読書って言うと「すごいね!」って(*_*)
      映画やDVDも一人で観る派だからブク友さんと
      好みが違っても本の話ができるのは嬉しいわ♪
      趣味は読書って言うと「すごいね!」って(*_*)
      映画やDVDも一人で観る派だからブク友さんと
      好みが違っても本の話ができるのは嬉しいわ♪
      2023/03/24
  • 冤罪はあってはならない。しかし、自分の命と引き換えにしても守りたいものがあったらこうなるのか。真相がわかるのはみんなにとって辛い。

  • 著者デビュー作。
    他に「罪火」「氷の秒針」を読みましたが、処女作から犯罪被害者遺族、加害者、加害者家族や時効、冤罪について濃密に書かれています。
    特に今作のメインテーマは死刑制度。
    ミステリ要素もあるので動向も追っていきつつ、死刑制度について考えさせられました。
    登場人物が多かったり、終盤に集約し過ぎていてやや混乱する部分もありますが、なにより優しい話でした。

  • 横溝正史ミステリー大賞受賞作。裁判の弁護の功罪を主題に丁寧に物語を構築している。
    謎解きその物は特異性は無い。事件の真相は推測できる範囲の物で、複雑に殊更紙面を費やしているのはデビュー作ならではと判断する。
    注目すべきは、作家自身が文学部出身者で法律家を目指した経験から、司法社会の問題点を浮き彫りにしていく手法に有る!!その点では横溝と言うよりも松本清張に近い!
    犯罪者の内面の判断の難しさと、再犯防止の難しさ、冤罪判決の危惧など盛り沢山で、作家のライフワークが網羅されている。文学や演劇、合唱に宗教そして心理学と云うテーマも絡ませて描ききっている。今後の期待は推測できる。

  • 冤罪や死刑制度について考えさせられる作品です

    息子の無実を信じて一人で闘う元弁護士の父親

    先が気になり一気に読みましたが、ラストがなぁ!
    いじり過ぎな感じだし、理解?共感?できないなぁ!
    ちょっと残念です

  • 面白かった。
    でも、話が途中でこんがらがって
    わかりづらかったかも。
    私の読み方が雑なのか?

    でも、こうゆう話は好きやなぁ。
    テーマも重くて
    ちっとも楽しい話じゃなくて。

    タイトルは元のまま
    「ディオニス死すべし」の方が
    私は良かったと思う。

  • 雪冤…

    冤罪をはらすという意味です。

    父が死刑が求刑された息子の無罪を信じて、
    死刑執行までになんとか、と事件の真相を探るお話しです。
    真実が解き明かされ、めでたく息子は釈放。
    父子の絆を取り戻す…
    という感動のミステリーを想像してください。

    その想像はみごとに裏切られます。

    終盤、真実が急に沢山明らかになりすぎて、混乱、というか面倒くささはありましたが、

    暗さと、ビックリ度が高く、とても好みでした。

  • 図書館より。
    十六年前に起こった殺人事件を巡り、事件の犯人と思われる死刑囚の父親と被害者遺族が真相を探る社会派ミステリー。

    死刑と冤罪という重厚なテーマに対ししっかりとした作家さんの考えが見えて、読んでいるこちらとしても考えさせられるものがありました。確かに自分も作中の登場人物の言葉通りあまりにも簡単に死刑のことを考えているのかもしれません。

    ミステリーとしてはラストの展開にきちんとついていけるかが楽しめるかのポイントとなりそう。結構人間関係が分かりにくくなってしまったので、ラストの解決のシーンですっと驚けなかったのがちょっと心残り……説明を読んで一拍を置いてから「ああ、そういうことか」と気づけた感じだったので。

    終章が自分の中ではとても印象的に残っています。劇の台本調に語られる分余計にインパクトもあり、もの悲しさが残すあたりも巧いなあ、と感じさせられました。

    それと持田のキャラがとても好感が持てたのもよかった。口は悪いけどいいやつ、というべたなキャラなんですが、なぜだかとても温かみを感じることができました。

    第29回横溝正史ミステリ大賞〈大賞〉〈テレビ東京賞〉

  • 死刑制度、冤罪、再犯など非常に重い内容をテーマにした作品。まだ殺人が15年の時効があった時代。殺人で死刑囚となっている息子の無実を信じる父親のもとに時効間際に真犯人を名乗る男から電話がくる。予想外の展開、そして後半の怒涛のどんでん返し。読み応えありました。でも、何があっても人の命を尊いと思うなら、自分の命や家族の存在を忘れてはいけない。

  • 京都で15年前に若い男女が殺される事件が起こり、合唱団の仲間の八木沼慎一が逮捕され死刑が確定する。元弁護士の父親は息子の冤罪を信じ、再審控訴の活動をする。そんな折り、真犯人から時効が成立したら自首すると。しかし、慎一の死刑が執行された。二転三転とどんでん返しが仕込まれ、登場人物も複雑に絡み合う。終章で持ち去られた演劇の台本が意外な事件の真相を明かし、慎一の役割と石和弁護士にしても何だったんろうと悲しかった。。冤罪と死刑の賛否を提起され、また被害者と加害者の心情が交差する重い話だった。

  • 第29回横溝正史ミステリ大賞&テレビ東京賞受賞作。
    死刑制度の問題点に鋭く切り込む社会派小説&どんでん返しもの。


    京都において、残虐な殺人事件で現場で目撃され逮捕された八木沼真一。

    しかし真一は一貫して無実を訴えるが死刑判決が下ってしまう。

    息子の冤罪を信じ、活動する父悦史のもとに真犯人からの電話が。

    真犯人からの連絡はあるものの、自首することはなく、タイムリミットは迫る。

    父の調査に寄り、事件の発端は過去にさかのぼっていく。

    真一の罪を雪ぐことができるのか!?


    走れメロスの登場人物と対比した演出で、少しごちゃごちゃした感がありました。

    最後はどんでん返しに次ぐどんでん返しで、少々しつこいかなとも思わなくもなかったかな。

  • (雪冤とは無実の罪をすすぎ晴らすこと)
    ある殺人事件が起こった。犯人として逮捕、起訴された青年は死刑を宣告された。
    しかし彼は無実を訴えていた…。

    疑問が解けたと思っても、結局は最後の最後まで読まないと分からない。
    ストーリー自体は面白かったのですが、冤罪、死刑制度、被害者感情が重くのしかかってきて気が滅入りました。

  • 序盤から中盤にかけて翻弄されるように読み進んでいくが、後半1/3はどこに着地するのか、動機は何なのか登場人物とどんな繋がりを持たせているのかが伝わりにくかった。
    死刑廃止論、冤罪、犯罪被害者、加害者家族普段は新聞やニュースでしか関わりのないWordを考えさせられた本。

  • 複雑過ぎ、どんでん返しし過ぎ、文章がくど過ぎ…といまいち好きになれずに読了^^;

  • 2009年度。第29回横溝正史大賞受賞作。
    ミステリーというよりは、横溝というよりは、書きたかった伝えたかったことがあるんだな、って感じ。
    死刑制度の是非。
    そして文章がうまい。比喩がうまい。って、図書館に返してしまったから引用できないのだが。これは私の記憶力のせい。
    この賞ならではの(ミステリーだからね)真相は、え?ってな感じ。ってか、最後のあれが真相なのでしょ? 冤罪で死刑執行される価値なくない?いや、冤罪詩形執行で、価値あるってパターン思いつかないけど。
    坂東眞砂子が審査員のこの頃、彼女の書評を読むのが一番楽しみだった。彼女には、直木賞とった前後の頃の気合の小説を望むわ。長くて読むの大変なんだけどねー、読むわよ。

  • おもしろかったけど、少しやりすぎ感があるかな。読んでてちょっと登場人物の背景が分からなくなったりした。

  • 横溝正史ミステリ大賞+テレビ東京賞受賞作。
    死刑制度をテーマにすえた作品だけど、とにかく濃い。けど重いかと言われると、少し違う気がする。
    2人を殺した罪で死刑判決を受けた息子の冤罪を信じる父親、そして殺された女性の妹の、2人の目線からストーリーは進む。その2人のもとに、真犯人を名乗る人物からの電話が入ることから話が動き出す。
    じゃあ息子の冤罪が晴れるのか(=雪冤)かど思いきや、その息子は話が半分くらい進んだところで死刑執行されてしまうという…。
    とにかく主題は「事件の真相とは?」の一点。ラストの真相が二転三転するところ、もう驚きの連続。言葉は変だけど、”真の真相”にきちんと納得できるのも良い。
    ただ選評で坂東眞砂子氏が書いているように、「登場人物が煩雑すぎて、読み進むうちに誰が誰やらわからなくなってしまうという欠点もある」。特に”やっさん”のとこ。
    けど無駄な人っていうのはいないかな。特に八木沼さんに昔弁護された男に父親を殺された持田君(偽名だけど)は、ストーリーに深みを出してると思う。

  • 仮説のどんでん返しは混乱するだけで本筋が頭に入ってこない。

  • 2015.8

  • えーっと。面白いから、結末を知りたくて、斜め読み状態。再読したいと思います。

  • ちょっと描写がわかりにくかったけど、まあまあ楽しめた。慎一の気持ちをもう少し溜められていたら感動したのかなと思うが、そこが浅く残念。

  • こないだ読んだアンソロジーで知った人。横溝正史ミステリ大賞受賞作となるデビュー作。死刑制度と冤罪がからんだ話。ミステリというより、死刑制度についての本というくらい、その議論が沢山出てくる。被害者側、加害者側、ともに切ない。確かに死刑にやられたらやり返す的なことを求めてる人は多いだろう。自分だったらどうか。やっぱり自分の好きな人を殺した犯人が生きてるなんて許せないと思うだろうなぁ。でも、確かに犯人が死んだからといって苦しみが変わるわけではない。まぁデビュー作だからいろいろ不満はある。真犯人を名乗る電話、いつの間にか地声はメロス、ボイスチェンジャーはディオニスになってたとこ。悪の化身のような長尾と、慎一や恵美がどうして一緒に活動していたのか。長尾弟の悪行はほんとに菜摘には知られなかったのか。何か人物がごっちゃになって、いまいちすっきりしない。

  •  慎一君の行動が理解できない。なぜそこまでできるのだろうか? 自分の名誉とか遺される家族のこととか考えないの? 自己犠牲なのか? それともこんな結末になるとは考えもしなかったの?
     まあ、どんでん返しには驚かされたが、後味は悪いよね。最初から正直に真相を警察に伝えていたら、誰も傷つかなかったと思うんだけど……。
     現実にこのようなことが起こったら(冤罪を疑われていて死刑執行されたと言われている件もあるけれど)、絶対に真相は究明されないと思う。だって国の沽券にかかわるもの。だからこの話の終わりはここでいいと思う。

  • 第29回横溝正史ミステリ大賞、テレビ東京賞をW受賞。
    応募時「ディオニス死すべし」を改題だそう。
    (図書館によっては、旧題でないと検索システムで
    ひっかからないところがあります。注意!)

    Soon-ah Will Be Doneという黒人霊歌を背景に
    繰り広げられるミステリ。

    テーマも重厚で、読みでがあった。
    個人的には、おお、久々にミステリ!って感がありましたが、惜しむらくは、後半でどんでん返しの連続するところがさほどスマートに処理されていなくて、却って失速する感じ。

  • 死刑制度について、著者の思いみたいなものはよく伝わってきました。
    しかし、ミステリーとしては最後の方でこねくり回し過ぎのような感じでしたね。

  • 某ミステリ大賞作品。

    前にも別のミステリ大賞作品読んだけど、それは少年犯罪についてだった。そして今回のこの作品は冤罪についてだった…

    こういう題材が大賞に選ばれやすいのかわからないけど、個人的にこの手の題材はどう転んでも後味悪ィ…(ーー;)

    しかもこの物語で、なんで庇ったのかな気持ちが自分にはわからなかった…

  • 2009年読了。

  • 死刑にかんするはなし
    ごちゃごちゃしてるけどおもしろかった


    ネタバレですが
    息子が何故冤罪だと訴えつつ
    真犯人を守ったのかが、理解できない。

  • 最後は最早よくわからん!と思いながら読み切りました。しかし、冤罪も死刑問題も難しいテーマであるなと思いました。死刑によって被害者の心の痛みが少しでも和らぐこともあるだろうし、そうは言っても人が人を裁いて合法的に殺すのは本当に正しいことなのかとも思う。でも大切な人が殺されれば殺した相手は当然憎い。頃したいほどに。思考のループに陥りそうです。

  • 序盤は真犯人の意図が見えず、この先どうなるのか期待が膨らみましたが、結局尻すぼみした印象でした。
    大どんでん返しのオンパレードも詰め込み過ぎだと思いました。もっとシンプルにした方が面白かったと思います。
    しかし、死刑制度という重いテーマをしっかり絡めていますし、精密な人物描写と手堅い文章は好感が持てました。

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著者プロフィール

1974年三重県生まれ。龍谷大学文学部卒。『雪冤』で第29回横溝正史ミステリ大賞、及びテレビ東京賞をW受賞。ほかの著作に、『罪火』『確信犯』『共同正犯』『獄の棘』など。

「2023年 『正義の天秤 毒樹の果実』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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