私の赤くて柔らかな部分

著者 :
制作 : 村田 善子 
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
3.21
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本棚登録 : 60
レビュー : 13
  • Amazon.co.jp ・本 (185ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048739719

作品紹介・あらすじ

恋人との別れを引きずり、飛び乗った電車。終着駅に降りたった私は、寂れたホテルにたどりつき…寄るべなく自由な女ひとり、吹きっさらしの感情の揺らぎを現代詩の旗手が活写する、奇天烈な恋愛小説。

感想・レビュー・書評

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  • 失恋小説というジャンルがあるかどうか分からないけれど,
    筆頭にあげたくなる本だった。
    実際に失恋したときには,痛くて辛い本なのかもしらんが。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「失恋小説というジャンル」
      あるんでしょうかね?まぁ恋愛小説の1ヴァリエーションですよね。その中に含まれちゃうのかも。。。
      しかし、意味深な...
      「失恋小説というジャンル」
      あるんでしょうかね?まぁ恋愛小説の1ヴァリエーションですよね。その中に含まれちゃうのかも。。。
      しかし、意味深なタイトルだなぁ、、、文庫があったら読んでみようかな(失恋とは無縁だから面白さが判るかどうか)。。。
      2012/09/12
  • 意外な処へ行くのね
    そんな生活もあり?
    フツウ~~な非日常

  • 独特だなあ、と思った
    語り口調とも違うけどなんか独自のテンポで進んでく

    こういう進み方、あまりすっきりしなくて好きじゃない
    話もさくさく進まず、よくわからない

    わたしには合わなかったみたい、残念

  •  憧れていた上司・影山さんの死、恋人・誘児との離別。それらが交じり合った痛みを抱えたまま出席する「影山さんを送る会」。
     そこを抜け出し青山から上野へ、上野で飛び乗った鈍行電車を乗り継いで3時間。
     終着駅に降りたったまなみは、寂れたホテルにたどりつき...帰るきっかけを失って...
     寄るべない自由な女ひとり...吹きっさらしの感情の揺らぎ...

     小さな町でのさまざまな出会い--国道沿いのステーションホテル、お子様ランチの上田屋、上田宇枝(うえだうえだ)、八十八(やどや)、照穂(てるほ)、学生服の老人、赤いアパート、赤いマフラー、赤い靴下、ろっぷく祭...そして、まなみの誘いでやってくる沼子....影山さん。

     人を想うこころの揺らぎ、そのあとに訪れる まなみ、沼子の再出発...祭の描写には涙しました。

  • 影山さんのお別れ会は一時に始まるはずだった。夜中の一時ならいいけれど昼の一時だ。十一時に起き、寝ぼけた顔のまま部屋を出る。渋谷駅で電車をおり、明治通りを渡る。頭のてっぺんを太陽にあぶられながら宮益坂をのぼっていく。でこぼこした道は歩きにくく、油断すると足をくじきそうになる。おまけに坂の上からは、岩が転がるように人が続々とおりてくる。

  • 物語自体は何にも目新しくないよくある感じ。失恋と、親しい人を喪った悲しみから、何もない街で心の洗濯をするはなし。だけれど、文章の端々にひっかかるものを感じて、ああ、またこの人の作品手に取るだろうなあ、と思った。

  • 頁の上にある文字をまっすぐに目は追っているのだけれど、まるで回り道をするように頭の中の思考は中々目の動きに追いつけない。一行読んではふらふらと書かれている筈もない別の物語のことが気になってしまう。目の方は知らんふりをして先へ行ってしまいそうになりつつ、後ろを振り向いて脇道に逸れて行っている思考の方へ、そっちじゃない、と声をかける。

    何か強いメッセージがはっきりと書かれている訳ではないのだけれど、一つの文章が、一つの言葉が印象に残り、その残響を求めて気持ちがどうしても脇へ脇へとそれていってしまう。とても不思議な心持ちになる。

    短い作家の紹介の文章の中にうまい言葉が見つかる。「この世の位相」。確かに作家の言葉には位相に係わる不思議な力がある。それは実のところとても強い作用を及ぼすものである筈なのに、見掛けは何も起こらなかったかのよう。しかしその力は実は鏡の向こうの世界に突然送り込まれてしまうような作用。突然、自分が身知った世界の実像が取り去られてしまった世界に自分が置かれていることに気づいた時のような(もちろん、そんな経験を実際にはしたことはないけれど、似たような気持にはなったことはある)感慨に襲われる。

    目を凝らして見ても何が変わったというわけではないのだけれど、何かが決定的に異なっている。微分をした筈の正弦曲線が、元の波の形そっくりの余弦曲線として目の前にあるのを見て、まったく何も変わっていないと勘違いしてしまうような。しかしその物理的作用は確実に世界を変化させており、自分自身はしっかり実世界で波の形を眺めているつもりでも実は虚数の平原へπ/2だけ位相が変換されてしまっている。

    元の波と位相が返還された波が、フーガのようにやって来て重なり合い、何度かの位相変換の後、ふっと波を打ち消し合って何もなかったかのような無に戻る。実体は消滅しているのに、エネルギーが存在したことだけは記憶に残る。その正体はなんだったのだろう、という訝しさだけが残る不思議な味わい。正体の見えぬものに説明をつけようと頭が活発に機能する。

    そうやって幾つもの物語を並行世界の中に読み解きながら本を読み終えると、果たしてこの本の中に本当は一体何が書かれていたのかが、すっかり解らなくなっている。

  • 2010.4
    恋人との別れ、上司の死。
    受け入れられないまま乗り込んだ電車の終点の町にたどり着く。
    現実と距離を置いた生活の中で、記憶や妄想、不確かな女の感情が描かれる。

    著者は詩をかく人だからか言葉の選び方、並び方が好きです。
    妄想がふっと入り込んで事実なのか一瞬わからなくなるようなそんな雰囲気もなんだか惹かれます。
    装丁が凝ってます。

  • 2011.01. 装丁とタイトルはとても気になる雰囲気を醸している。が、内容はつかめないなー。上田屋だけ、ちょっと行ってみたい。

    2010.02.14. 日曜の本屋巡り(4店舗)にて、平台で発見。タイトルが、気になるじゃないの。

  • 失恋から仕事も辞め、ふいに乗った電車で知らない街へ行くまなみ…虚構の世界と思い出をいったりきたり不思議ワールド満載だけどスラスラと読めて何故か温かい。最後の雨の中の「ろっぷく祭り」の情景が好き(´・ω・`)

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