- Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048739986
作品紹介・あらすじ
初恋に秘められた謎(ミステリ)を追え!吹奏楽の"甲子園"-普門館を目指す弱小吹奏楽部で繰り広げられるチカとハルタの名推理。『退出ゲーム』の続編にして青春ミステリの決定版。
感想・レビュー・書評
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ハルチカシリーズの第2弾。アニメを先に見ているのでストーリーを後追いしている形ではあるけれど、それでも結構面白い。米澤穂信の「氷菓シリーズ」のような青春ミステリーではあるが、そこに吹奏楽がプラスされているのが更に面白い。続編も続けて読みたい。
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シリーズ第二作目。
あいかわらず安定した読みやすさと面白さでした。キャラクター一人ひとりが個性的で、特に主人公のチカちゃんの言動が楽しい。
まだまだこのシリーズは続くのかな? -
前回同様ハルタとチカちゃんがドタバタと問題を解決?見届ける?
この高校は毒のある生徒ばかりでおもしろい。
次回はいよいよ吹奏楽の発表会かな・・・。
チカちゃんのがんばりには頭が下がるよ! -
「退出ゲーム」の続編です。待っていました!
弱小吹奏楽部に所属するハルタと千夏。
二人は一見いいコンビに見えるけど実はライバル。何のライバルってそれはもちろん「恋」!
というわけで今回もこの二人を中心に身近で起こった事件を解決していきます。
前回よりもおもしろさパワーアップ!ますますおもしろくなっていますね。
読んでる最中は千夏やハルタたちのやりとりがおかしくて声を出して笑っちゃうくらいなのに最後の最後でいつも胸に痛みが走ります。
今回は特に「アスモデウスの視線」と「初恋ソムリエ」の謎解きの裏に隠された真実にやられました。
各篇冒頭での「誰かの」独白。事件が解決したときにこの「独白」の意味するところがわかり、「すとん」と心の中に落ちてきて切なさが増しますね。
『スプリングラフィ』ではまたひとり癖のある登場人物が増えます。
なんと彼女はたぐいまれなクラリネット奏者なのにアンチ吹奏楽部なんです。
更に彼女は音楽家として大きな局面に立たされていて・・・。
音楽という好きな場も、プロを目指すとなると一転して戦場となる。
しかもたった一人でそれに立ち向かわなければならないんですね。
でもそんな彼女が千夏たちと触れ合うことによって心が少し軽くなっていく、そんな成長を見てみたいです。
『周波数は77.4MHz』では秘密のラジオ局の人生相談に、同級生が恋のライバルなんだけど、自分は社会学的にも不利だから、ライバルを引き離すためにちょっと汚い手に出たことを懺悔するリスナーが(笑)
このラジオ局、どこから誰が発信しているのか不明なんです。一方、吹奏楽部では部活の部費を手に入れるため、千夏たちは地学研究会の部長を追うはめに・・・。
高額な部費の支給を学校からあてがわれている地学研究室の裏に隠されたある秘密とは?
隠された真実の題材は重いのですが、救いの光があるから温かい一篇でした。
『アスモデウスの視線』
初のコンクールに向けて気合いの入る千夏たち。しかしいきなりつまずいてしまう事態が。
なんと愛しの草壁先生(吹奏楽部顧問、千夏&ハルタの恋のお相手)が過労で倒れて入院してしまったのだ!
実はライバル校の吹奏楽部の顧問の先生が謹慎処分となったため、ヘルプ要請を受け顧問の掛け持ちをしていたのです。考えられる要因のひとつが席替え。堺先生のクラスではこの一月で3回もの席替えが行われたという。いったいなぜ?
一ヶ月に席替えが3回。しかもその席替えの方法がとても奇妙。
いったい何でその必要があったのかをさぐるのは、いかにも謎ときっぽくて面白かったです。
真相が明らかになったとき、そこには本当に深い生徒を思いやる愛情に溢れていて、涙が出てきました。
『初恋ソムリエ』、これは四十年前にあった騙しあいの話であり、叶うことの無かった初恋の物語。
クラリネットの芹澤さん。卒業後はいろいろと確執のある家を出て、オーストラリアで暮らす伯母と日本で一緒に暮らすことに。その伯母が下見のためにやってきたのだが、なんと興信所に初恋の相手を探してほしいと依頼していた。その興信所の息子が初恋ソムリエの朝霧亨。
四十年たった今になって、なぜ伯母は初恋の人を捜そうとしているのか。いったい二人の恋はどんなものだったのか。
初恋研究会代表であり初恋ソムリエとなのる朝霧亨が登場するのですが、そもそも初恋ソムリエっていったい何?
思い出の味に隠された彼の思い、名前に込められた真実をしったとき、とても胸が切なく痛みました。
もうあの頃には戻れないけれど、真実を知ることができてきっと良かったに違いないと思いました。
冒頭での語りが今回は千夏なのですが、ハルタと交わす「ホタル」の話がとても美しく悲しくて心に残りました。
++++++++++++++++++
前半二篇は新たな仲間を迎えるための助走的な感じでさらりっと読めましたが、それに対して後半二篇は謎解きも深みがありましたし、隠されていた真実の重厚さがぐぐっと来ました。
キャラクターたちにすっかり愛着もわき、はやくも続きが読みたくなってしまいました。
次はもしかして3年生?
楽しみです。
お気に入り度:★★★★★
(2010年1月26日読了) -
チカ&ハルタ2人の吹奏楽部員が活躍する青春ミステリ『退出ゲーム』の続編
進入部員獲得のためなりふり構わぬ勧誘をして、とがめられ凹んだチカ。このままでは大会参加も危ぶまれると悩むが…
そんな中、春休みの練習の前に誰かが毎日音楽室に入室している形跡が…。誰が?いったい何のために?事件の鍵を握るのは、消えたクラリネット、そして謎の社長令嬢…
木管&パーカッション、新たな楽器も加わりそうな予感。チカとハルタの掛け合いもほほえましく、楽しく読めました。後半はやや重く、『アスモデウス視線』は月3回の席替えの謎解きですが、教え子を思う教師の思いに胸を打たれました。
シリーズはまだまだ続きそうです。次回のタイトルと装丁を楽しみに待っています。 -
静岡の20数名の吹奏楽部を舞台にした小説第二弾。
プロのクラリネット奏者を目指すが片耳が難聴になり補聴器をすることになった、
今は吹奏楽部に入れないという芹澤直子。
地学研究会部長麻生美里。宝石の原石を追う彼女と、地元のFM放送DJのカイユの
檜山界雄と古寺で介護されている人生相談7賢人。
別の高校の吹奏楽部顧問が担任のクラスの出来事により自宅謹慎。クラスの盗撮騒ぎに
席替で犯人捜し。教育実習生大河内を守るために堺先生が沈黙を守る。
初恋ソムリエ朝霧が芹澤の伯母の初恋を再現。そこには自分にだけ工業塩のおにぎりを
食べさせずに救った男性の姿があった。
まだまだ普門館への道は遠そうである。
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うーん、やたら読み辛かった。登場人物の言動が不自然に見えて掛け合いで笑えず、展開が唐突に感じて真相で泣けず。扱う題材の重さとその扱い方もちょっとなぁ。アスモデウスの話とか、私にはどうにも納得できなかった。
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ハルチカシリーズ第2作。
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2016年12月7日読了。
アニメは本当に原作に忠実だったのだなあ(アニメが先でした)。
文章力からみると、アニメの方がよかったくらいだ、と思わなくもないです。 -
広い校内でそれぞれ散らばって練習してるハルタ、マレン、成島さんが、ときどき合図を送りあってアンサンブルの即興を始めるという。カッコいい~!そりゃ野球部員も練習やめて聴き入るわ。それぞれの抱えてる何かを結果的に手助けする形になる吹奏楽部。まぁ、部員獲得、予算獲得のために、巻き込まれてしまったのですが。高校生の彼らだからできないこと、どうにもならないこともたくさんありますが、一緒に悩んだり、喜んだりしてくれるということは、問題そのものを解決するより大切なことなんだろうなと思いました。しかし胡散臭い生徒ばかりだな~、文化部(笑)部活維持に大変なのにめげない心が素晴らしい(笑)