世界は俺が回してる

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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本棚登録 : 66
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (429ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048740081

作品紹介・あらすじ

昭和三十年代、黎明期のテレビ業界に身を投じた一人の男がいた。己のセンスだけを信じ、音楽番組制作にすべてを賭けた彼の名は渡辺正文、通称「ギョロナベ」。剛腕プロデューサーはやがて、未曾有の大イベント「東京音楽祭」を成功へと導く。テレビ黄金期を駆け抜けた破天荒な男を通し、全ての日本人にエールを贈る、なかにし礼の新たな代表作。

感想・レビュー・書評

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  • 最後まで渡辺正文は好きになれなかった。だからといって一重に毛嫌いする訳ではなかった。豪快さが読んでて心地よかった。女遊びの激しさには辟易するものがあった。テレビというものをずっと一直線に求める様はとてもかっこいいなぁと思った。お父さんや叔父さんと同じような死に方をしていって渡辺正文は本望だったんだろうなあと思い、人が思い描く死に方は人それぞれだなあと読みながら考えた。

  • 文章が雑駁で拙く週刊誌を読む感じだった。同じ時代をテレビの受け手として知っている事が多かったので、興味深く、ただそれだけが面白かった。

  •  産経新聞に連載された小説。「東京音楽祭」など音楽系番組で有名だった、TBSのプロデューサーが主人公。なかにし本人も実名で登場する。
     何と言うか、そもそもこんなものなのか知らないが、実に粗い文章だ。説明セリフ、三人称のはずだった地の文が突然馴れ馴れしい一人称になったり、時制が混乱したりと、無茶苦茶な印象だ。
     このぐらいの時代に興味があったので読んでみたのだが、歴史的イベントなどの箇所に来ると、どこかの資料を丸写ししたような文章が続く。AはBに行ってCに会った、そしてカギカッコの会話があって、というパターンで物語が進行していき、スターの実名は登場するけれど、それが当時どれくらいの輝きを持っていたのか、といった、想像力によってこちらが描こうとする「絵」のために必要な描写がほとんどない。

  •  小さい頃からわがまま放題に育った男が、昭和のテレビ業界で頭角を現し、世界的な音楽祭を立ち上げて大成功をおさめる。

     TBSの名プロデューサー故渡辺正文の、命を燃やすような破天荒な生きざまは、実在の人物とは思えないほど烈しく、光り輝いている。そんな正文を取り巻く男も女も、なぜか熱い連中ばかり。音楽が好きで、女も好きで、自分の才覚と運だけを信じて、仲間と一緒に新しいテレビと音楽の時代を切り拓いていく姿はいやに眩しかった。

     一方、名プロデューサーとして名を馳せながら「金を金とも思わない。会社を会社とも思わない。女を女とも思わない。人間を人間とも思わない。自分の人生を人生とも思わない」と酷評される面もあった。癌におかされた最後は、なんと関係を持った7人の女たちに見守られながら息をひきとっていく。
     優しい平成の世では生き場所を見つけられない、熱い昭和の男だった。

  • 凄まじい男の生き方!本当にこんな人がいたんだろうか。花火のような人生。非常に憧れます。

  • 黎明期のテレビ業界に身を投じた一人の男。のちに世界の音楽業界を巻き込んだ大イベント「東京音楽祭」をとり仕切った、不世出のプロデューサーの破天荒な生涯を通し、スターに彩られた昭和の黄金期を描く長編小説。 私は、主人公の渡辺正文氏のことをまったく知りませんでした。業界裏話として読む分にはかなり面白いと思います。どこまでが事実で(著者自身も登場します)、どこからがフィクションなのかは分かりませんが。

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著者プロフィール

1938年旧満州牡丹江市生まれ。立教大学文学部卒業。2000年『長崎ぶらぶら節』で直木賞を受賞。著書に『兄弟』『赤い月』『天皇と日本国憲法』『がんに生きる』『夜の歌』『わが人生に悔いなし』等。

「2020年 『作詩の技法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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