天地明察

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
4.22
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本棚登録 : 9319
レビュー : 1784
  • Amazon.co.jp ・本 (475ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048740135

感想・レビュー・書評

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  • そうとう良かった。長過ぎなければ、人にもどんどんオススメしたくなる小説。歴史的な知識がなくても楽しめると思うが、登場人物の名前や時代背景くらいは知っていた方がもっと楽しく読めるかもしれない。
    希望に燃え、しかし挫折を繰り返しそのたびに周囲と力を合わせて乗り越えようとする姿勢に、心を打たれた。失敗しても、そこで諦めなければ失敗にはならないんだな、と教えてくれた小説。

  • 歴史は苦手でよく分からないけど、こういう教科書みたいな表舞台に出てこない人の話は大好き。


    今みたいにGPSとかパソコンみたいな道具がない中で、人々が和暦(カレンダー)を作っていく。


    普段見ている、カレンダーもこういう人達がいるからこそ。

    カレンダーを見る目が少しばかり変わりました。

  • もっと小難しい話かと思っていたら、意外にも軽いテイスト。
    暦を作る話という認識だったが、算学に熱中した若者の成長ストーリーが正しかった。
    全体的にカジュアルで、学者の堅苦しい話でも、重々しい時代小説でもないので、とても読みやすい。
    きちんとした時代背景で成り立っているが、説明的な文章がさらりとさり気ないので、時代小説初心者にもお勧め。
    派手さはないけれど、知的な駆け引きが散りばめられていて面白い。

  • さわやかな秋風を思わせる読後感。
    大仕事を成し遂げた男の、一途なまでに星を追いかけた情熱。
    男の生き方を教えてくれる物語だった。

    小細工や策など無用だと、この物語は決して大声でではなく語りかけている。
    好きなもの、のめり込めるものがあるなら、後先考えずまっすぐな気持ちでのめり込めば、結果は後から付いてくる。またそれを助けてくれる理解者も現れるものだ。活力と希望を与えてくれる素晴らしい物語だった。

    目下の者、年齢が下のものにも、敬うべきところはある。そこを見極め、彼らに頭を下げて教えを請う。普通の人間にはプライドが邪魔をして、そんなことは出来ないだろう。しかし、プライドとはそういうものだろうか?
    素晴らしい者を認める心、そしてそれを敬う心こそ本当のプライドというものではないだろうか?主人公、春海を見習い矜持をただして生きて行きたいと強く思うのだ。男は器が大きくてなんぼなのだ。

    近頃、元気のない日本人、みんな読めばよいと思う。

  • 舟を編むの江戸時代版みたいな...かんじ。
    先に舟を編む読んだからなんだろうけど。
    モノの歴史にプロジェクトXありね!

  • さすがのクォリティ。数学だったり天文学だったり、ともすれば取っつきにくくなりがちな題材を扱っているにも関わらず、難解になり過ぎることなく、集中力も切れないまま、一気呵成に最後まで読み通せる内容。結構な分量だけど、飽きさせられることなく、先が気になって仕方ない。正しいカレンダーを導入するのに、色んな苦労談があったんですね。

  • 日本史がどうも苦手で、江戸時代と聞いただけで小説も漫画も読まず嫌いをしていました。 しかし、暦・天文・数学…と興味をそそるキーワードにつられて、最初に漫画版を読み、続けて小説を読みました。漫画版で江戸時代の雰囲気や人物のイメージがおおよそできていたので、たいへん読みやすかったです。 文体がすごく好みでした。簡潔で無駄がなくて、それでいて基本的な知識を押さえるところはきっちり書いていてくれて。ドラマはあってもべたべたしていない。美しくて、何度も読みたくなります。(今2回目を読んでいます)

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「興味をそそるキーワードにつられて」
      私もです!
      こんなに壮大で、人間が書けてて、飽きさせない作品でした(勢いでマンガも買ったのですが、もう...
      「興味をそそるキーワードにつられて」
      私もです!
      こんなに壮大で、人間が書けてて、飽きさせない作品でした(勢いでマンガも買ったのですが、もう少し溜まってから読もうと置いてある)。。。
      2013/02/07
  • 話題の本。かなり遅れたが読了。
    全編に渡って、清潔さ、誠実さが満ちている、気持ちのよい読後感の小説だった。
    ひとつのことに精進し、邁進し、それに関わる多くの人の願い想いを背負って生涯を送った主人公を、とても優しく、そして尊敬の念を込めた筆致で描いて、私の心にまで、清らかな水が流れたような気がする。

    ただ、文章の書き方としては、個人的には、もう少しと感じる。どこがとはうまく表現できないが、自在さ、余裕が足りないような。以前愛読していた浅田次郎や宮部みゆきの上手さが、逆に際立って感じられた。比較するものではないけれど。

    だけど文句なしに良い小説だと思います!

  • 映画ガイドブックで算哲とえんが夫婦だと知ってしまっていたので
    えんと出会い、そのまま結ばれるとばかり思っていたら
    そうではなくていい意味で意表をつかれた。
    (とはいえ、そこまでの道のりで起こったことには、とくに算哲の様子には
    胸がいたんだ)

    荒木邸でのえんとの再会のくだりはとてもおもしろかった。
    その後もえんとのからみは算哲がかわいらしく、
    えんもとてもえんらしく、ほほえましい。
    プロポーズの場面は笑えるほど最高だった。

    算術に夢中で、すぐに正座して算木を並べ始める姿は可笑しい。
    関への憧れの大きさ。
    まさかはじめて会うのが謝罪になるとは。
    算哲の気持ちがとても痛い。
    けれど関も算哲もお互いを深く思っていた。

    算哲という星が輝くためにまわりにいる星々が光る。
    支えたり励ましたり、常に同じ空にいる。
    それは算哲が挫折しようとも立ち上がっていくからだろう。

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著者プロフィール

冲方丁(うぶかたとう)
1977年、岐阜県生まれ。4歳から9歳までシンガポール、10歳から14歳までネパールで過ごす。早稲田大学第一文学部中退。小説のみならずメディアを限定せず幅広く活動を展開する。
『マルドゥック・スクランブル』で日本SF大賞、『天地明察』で吉川英治文学新人賞、本屋大賞、北東文芸賞を受賞し、第143回直木賞にノミネートされた。『光圀伝』で第3回山田風太郎賞受賞。
代表作となる『天地明察』は2011年にコミック化、そして2012年に岡田准一主演で映画化されヒット作となる。2019年1月、『十二人の死にたい子どもたち』が堤幸彦監督により映画化。

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