南の子供が夜いくところ

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
3.61
  • (58)
  • (148)
  • (141)
  • (23)
  • (6)
本棚登録 : 839
レビュー : 168
  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048740326

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • ワタシはあまり、作家の時系列を考えて読んでないんですが(新作も何も気にしてないし)、この本を読んでいるとき、デビュー当時の作品なのかと勘違いしました。
    少し、今までの恒川さんの作品とは違う感じ・・・です。
    わざとやってるんだろうけど、文章もなんとなく荒削りな感じ。作風も、荒削りな感じ。
    でもやっぱり恒川さんの作品が好きですけれども~♪(笑。
    最後の章が一番好き、かな。

  • これまでの日本的なほの暗さを感じさせる作風から、舞台を南国へと移して色が変わり新鮮でした。
    湿り気のある南国の空気、悠久の時を刻み続ける煌めきや物悲しさ。
    時空間を超越した物語の数々は読み進める度に奥行きを広げていく。
    それぞれのお話の中にリンクする所もあり、沢山の夢を見ているような気持ちになりました。
    『紫焔樹の島』と『まどろみのティユルさん』がお気に入り。
    最終話のおぞましい夜の闇や絶望を、読み手に最後に光を感じさせて幕を下ろす所も好きです。
    ある話で【オン】の文字が出てきて何故か心が温かくなりました。
    続編希望。

  • いやーやっぱ恒川さんはいいっ。
    この独特の世界観。
    なんとゆーか、目に見えているものは同じでも空気が違うような、
    場所も時代も空間もなにもかもがいっしょくたになって、
    みたこともないような世界が現われてくる感じ。
    なんか、色が、どっちかってゆーと原色っぽくて、
    でもその配色がすっごく独特で、くせになる味みたい。

    一番最後に読んだからやっぱパイナップル頭は衝撃的だったな。
    うわー、喰ってる、おいしいんだっって。
    しかもそのあとアボガド頭になって、
    そうしてそのあとまた帰ってゆくんだからすごい。
    なんなんだ、それは、とゆー感じ。
    本人にしては相当な悪夢だ。

    好きなのはやっぱユナのトイトイさまの話だろうか。
    安穏と生きることは人を弱くするのだろうか。
    生きるか死ぬかの中で生き続けることは確かに強さがなければできないか。
    が、どちらがいいといえば私は前者がいいな。
    でもそれゆえに滅んでゆくのを受け入れることは・・・・できるだろうか?
    うーん。
    魔神はなんだか怖かったな。
    あの海賊と感じが似てた気がするのだけれど関係あったりするのだろうか?
    そしてユナとともに旅をしていた彼は今はどこにいるのだろう。

    南の、という題名にあるからか、
    なんだか熱帯の島の暑さが感じられるような。
    神話のような時代から、現代まで、暗闇の奥の方から眩しすぎてみえなくなるほどの光のなかまで、ものすごい濃い密度のお話を読んだ気持ち。

  • 不 思議な本だ。民話のようにどこか懐かしくて、SFのようにまったく空想のようにも思える。7話の短編集なのだが巧妙につながっていて、それでいてそれぞれ が独立した世界を持っている。味わい的には筒井康隆の世界にも似ているし、これまでの誰とも似ていないように思える。全体に悲しいトーンに満ちているが決 して暗くもなく、むしろ独特の明るい光を放っている。 

  • 2018.3再読。

  • 読み進めていくにつれて不思議な世界にはまり込んでいく気のしていく連作。

    最初は小学生のタカシが不思議な南の島にまで行く話なんだけれども、実はこの親子一家心中を考えていた。しかも読み進めて行くと、バラバラになった両親は結局離婚してしまいそう。父親も「良くぞ言ってくれた」とまで思っているし、アボカド頭になってバスに乗り遅れるしもうさんざん。

    しかし、漂う南国の雰囲気はいいですね。
    余計な文化が入らない分平和でいいような気がする。ちょっとうらやましいな。

  • 「世界の九十九パーセントは想像するしかないものばかり」とあったとき、ハッとしました。
    なんでもインターネットで調べられると勘違いしはじめてけっこう時間が経ってるなと。
    いいですよね、想像するしかないものがあるのって。

  • 呪術師ユナさんに繋がる南国が舞台の短篇集。
    それぞれの物語が、ゆるくほんのりとリンクしていながら、恒川ワールド的な不思議感も漂い、ひとまとまりになっている感じ。
    「夜の果樹園」が一番印象的。一番ホラー要素が強いかな?

  • 一つの世界の中で、時間と場所を越えてつながりあう短編集。
    がっつり伏線まみれではなく、
    ゆるく関係する距離感が、いつものことだけど本当に気持ちよく読める。
    一つ一つは独立した話でもある。
    長さもそれぞれに、相応しい長さ。
    さわさわと心がざわめくような話や、軽いような不気味な話や、
    じっくりと深くまで入り込んでしまう話やら。
    「まどろみのティユルさん」「夜の果樹園」が印象深い。

  • 2014年23冊目。
    五十嵐大介氏の絵でずっと脳内再生してました。

    またいつか読み返したくなりそうな感じ。

著者プロフィール

1973年東京都生まれ。2005年、『夜市』で日本ホラー小説大賞を受賞しデビュー。同作で直木賞候補に。14年、『金色機械』で日本推理作家協会賞を受賞。著書に『雷の季節の終わりに』『秋の牢獄』『南の子供が夜いくところ』『竜が最後に帰る場所』『金色の獣、彼方へ』『南の子供が夜いくところ 』『スタープレイヤー』『ヘヴンメイカー』などがある。

「2019年 『白昼夢の森の少女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

南の子供が夜いくところのその他の作品

恒川光太郎の作品

ツイートする