鳩とクラウジウスの原理

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
3.13
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本棚登録 : 156
レビュー : 36
  • Amazon.co.jp ・本 (187ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048740487

作品紹介・あらすじ

恋愛に縁のない貧乏青年・磯野のアパートに学生時代の仲間が転がりこんできた。磯野の新しい職場は「鳩航空事業団」。そこでは鳩が恋文を運ぶ伝書鳩サービスを提供している。ある日、伝書鳩が「クラウジウス団」なる連中に拉致されてしまう。彼らの目的は「この世のあらゆる恋愛を妨害すること」。磯野は無事に鳩を相手に届けられるのか?かくして鳩を巡るナンセンスな闘いが幕を上げた。第1回野性時代フロンティア文学賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 鳩への餌のやり方を見込まれて伝書鳩団体にスカウトされる青年。なんだか現実味のないふわふわした感じで頭に入ってこなかった。

  • ストーリーはともかく、登場人物にはおおいに魅力を感じる。
    著者の他の作品も読んでみたい、と思わせるだけの力はある。

  • 小さな広告会社で働く主人公 磯野君。アフロの老人に勧誘され、伝書鳩の管制官に。第1回野性時代フロンティア文学賞受賞作。
    不思議というか奇妙というか、ゆるーい空気に浸るのがなんだか楽しい本だった(笑)色々こじらせまくったロンメル、不思議系女子 犬さん、桃ジュースの間宮さんとかキャラも突飛(褒め言葉)。うまく説明できないけどなんか好きなのだ。★3.5
    装画:しいら

  • 最近読んだ『昼寝の神様』の作者・松尾佑一さんのデビュー作。『昼寝の神様』同様に阿呆な主人公たちとばかばかしい設定。どこかほちゃごちゃした感じは否めないけれども、設定は魅力的だなと思う。メール全盛の今、手紙を認めることはあまりないし、ましてや伝書鳩なんて古典的な手法なんて…。「クラジウスの原理」とはエネルギーは必ず低いところから高いところへ移動するという原理のこと。2012/488

  • タイトル買い。なかなかイカした著書名だと思いませんか?こういう捻ったようで何も考えていないタイトルが大好きです。
    気分も左右したと思いますけど、たまにはこういう行き当たりばったりな小説を読むのも面白いと感じました。と言いますのも、内容にまとまりがないし、ジャンル的な方向性がまるでデタラメだしどこに向かってるのかはっきり言ってわからない内容でした。でも、そこに惹かれてしまうんだなぁ、という自分がいる。
    物語の中で幾度も語られていますが、このクラウジウスの原理『他の影響を一切出すことなく、熱を低温から高温へと移動することは出来ない』。一体何の意味を持たせてこんなことを書いたのかと。物語の本筋には一切関わってこないこの至言。笑ってしまいます。
    更にばら撒かれた伏線もほとんど回収されないまま物語は終わります。なんだこれはと怒号をあげる気にもなれないほどに、バカっぽさが前面に押し出されている。
    嫌いじゃありません、真面目にやらない小説。ただ、この作者さんはこういうものは単発でコレっきりにしたほうがいいでしょうけれどね。

  • モリミーでしたねぇ!主人公たち三人の設定がモリミズムに満ちていてにこにこしちゃいました。犬さんかわいいよ犬さん。でもわたしは間宮さんが好きです。1048ですね。
    鳩と聞いて飛びついてしまった鳥好きのわたしですが、伝書鳩というのはこれほど高性能なんでしょうか・・・? むかし中学の近くに伝書鳩を育てているらしき建物があって、そこから大量の白い鳩が吐き出される光景があったのですが、それを思い浮かべながら読みました。うん、おもしろい。最後の展開は綺麗だったなー!

  • 人物設定は好きです。
    今後、もっともっといい作品が期待できる作家さんだなぁ。と思いました。

  • 小さな広告会社に勤める磯野(男性、25歳)が主人公。公園で鳩にせんべいをあげていた主人公は、一風かわった風体の老人に声をかけられる。一方、彼のアパートには、ここ2年ほど会っていない旧友と、大学時代の一学年下の女の子が押しかけてくる。
    アフロの老人や長身で軍服の友人など、独特の外見を持つ人物が多く登場するのに、性格はそれほど濃くはない。それなりに悩みをもつ、普通の人ばかりです。「クラウジウス団」の構成員の年齢がばらけているところは意外でしたが、全員が絵に描いたような「非モテ」で、逆に残念に感じました。
    伝書鳩の仕事も、各地に支部があるらしいけれど引継ぎくらいしか話にでてこないし、どういう組織なのかもあまりはっきりしなかった。伝書鳩自体も、いままで自分が伝書鳩に対して持っていたイメージから逸脱する描写がなく、主人公がはまるほどの魅力があるとは思えませんでした。
    「クラウジウスの原理」も、なんだかもやっとしていますね。要所で何度も出てくる割には効きが甘いように感じます。
    全体的に、もうちょっと何かあればなあ、という印象でした。

  • 野性時代フロンティア文学賞~磯野は瀬戸内の町から競馬で大穴を当て入学した大学を5年掛かけて卒業し小さな小さな広告会社に入って大阪のアパートで暮らす。生命保険の広告を「鳩に餌をやる祖父と孫」ででっちあげ,公園で妙な老人に声を掛けられる。アパートに帰るとドイツ軍のアマガエル色の服を着た大学時代の友人・ロンメルが派遣切りにあって転がり込んできたと思ったら,大学の後輩・犬さんもOL仕事に向かないと云って拾った柴犬を連れてやってきた。収入をあてにしてアフロヘアの老人・柳田に誘われ,難波の吉本のビルの屋上にある伝書鳩の管制室に連れて行って貰い,間宮という管制官の雑用を任される。薬剤や恋文も運ぶ今風の伝書鳩通信だ。女性に縁のない男達が作ったクラウジウス団が無線通信を傍受し鳩を捕らえて恋文をすり替える悪戯を仕掛けている。磯野は当然,団の中心メンバーがロンメルであることを打ち明けられない。一部屋で生活する内にロンメルは犬さんに恋をし,間宮はハトコイを断念しなければならなくなっている時,犬さんは自分の恋心を鳩に託すと云う。間宮の恋鳩トシヤをメインに30羽の白鳩を飛ばすことになり,ロンメルは複雑な気持ちで鳩を追うが~主人公の恋の話が薄のは仕方ないか。クラウジウスの原理とは「熱を低温の物体から高温の物体へ移動させ,それ以外に何の変化も起こさないような過程は実現不可能である」という事。解りにくいが,流石に工学の博士号を持つ研究者で,女性に縁のない男が多いのだろうとは思う。可愛い装丁にして貰って次も本を売って貰えるように頑張らなくてはならないね

  • 淡々と進む話。一風変わったキャラクターが、面白かったです。

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