ペンギン・ハイウェイ

著者 :
制作 : くまおり 純 
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
3.89
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本棚登録 : 7849
レビュー : 1264
  • Amazon.co.jp ・本 (348ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048740630

感想・レビュー・書評

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  • なんて可愛らし…なんて面白い…そしてなんて切ない…

    まさか森見氏の作品でこんな涙を流すとは思わなかった。

    なんだか素敵な夏休みを過ごしたような、さわさわと柔らかい風が頬をすべるような読後感。そして夏休みが終わって秋に向かっていくような切なさ…

    少年よ。君はとても大切なことを学んだんだね。

  • この子は賢い。
    好奇心が旺盛で、知識欲に溢れ、かつそれでいて謙虚である。
    そして何より。他人の気持ちを想像することができる。

    そこには、僕のなりたかった人間像があった。
    もう小学生には戻れない以上、こんな小学生にはなれないのだが、願わくば、こんな息子が欲しいと思った。


    いくつか好きな点があるので、引用しておくことにする。

  • ファンタジー・SF小説。モリミー作品で一番SF色が強いかな。センス・オブ・ワンダー。
    読んでいるうちにポニョっぽいって何度か思ったな。なんとなく。

    主人公は世の中のあらゆることの研究し、ノートに記すロジカルな小学4年生。
    理屈っぽい理系チックな感じは相変わらずモリミー作品って感じ。


    ・一番印象に残ったことば
    「世界には解決しない方がいい問題もある」
    「もし息子が取り組んでいるのがそういう問題であったら、
    息子はたいへん傷つくことになる。
    私が心配するのはそれだけですよ。」
    ----281p アオヤマくんの父

    なんでもかんでもハッキリとわかってしまったらどれだけ怖いか。イヤか。傷つくか。
    大げさに、超極端に言えば人の気持ちが目に見えてわかる、
    自分や友達や家族の死ぬ日がわかるとか、
    例え知りうる状況にあっても
    知るべきじゃない・理解すべきじゃないことってたくさんある。
    そういう種の"神の領域"に触れようとしている息子を心配しての父のセリフ。
    妙に印象に残った。
    知らないでいるコトがあるから楽しみがあるわけなんです。
    好奇心旺盛過ぎるのは諸刃の剣。
    そうアオヤマくんの父の言葉から思った。てか同じようなことよく思ってる。
    あーそれって事なかれ主義ってことなのかな。まったく。
    安牌ばかり切る大人になってしまった。


    今回は終わり方が切ないなー。モリミーで切ない終わり方は珍しい。
    モリミー作品の終わり方と云えば……

    四畳半神話大系はニヤニヤ
    夜は短し歩けよ乙女もニヤニヤ+ワクテカ
    恋文の技術もニヤニヤ+ワクテカ
    有頂天家族も同じくそんな感じで
    宵山万華鏡はほっとする感じ

    今回は前向きな終わり方ではあるんだけど絶望的に切ない。
    いつもみたいなスッキリ!って感じじゃない。そんなモリミー初めて!


    最後に、なんとなくこのことばが浮かんだ。
    "空想は知識より重要である。知識には限界があるが想像力は世界を包み込む。"
    誰もがみな尊敬するかのアインシュタインのことば。
    アオヤマくんにこの言葉を捧げて応援したい気になった。



    まとまりが無い感想だなこりゃ。

    • おやすみさん
      ポニョっぽいってわたしも思ったよー。
      あと、ジブリがアニメ化したらどんなだろ~とか。

      それにしても、森見さんの本でこんなに泣かされるとはね...
      ポニョっぽいってわたしも思ったよー。
      あと、ジブリがアニメ化したらどんなだろ~とか。

      それにしても、森見さんの本でこんなに泣かされるとはね!
      我々のストーカーばりにオマージュしたCDを送りつけてやる!
      2010/07/28
    • YUTA.K(i:vy)さん
      やっぱり思った!?
      あの世界観の影響あるとおもうよね。

      曲作ろう!
      贈ろう贈ろう!送りつけよう!
      やっぱり思った!?
      あの世界観の影響あるとおもうよね。

      曲作ろう!
      贈ろう贈ろう!送りつけよう!
      2010/08/11
  • 森見さん特有のファンタジックな部分は、日常にペンギンが現れること。今回は小学四年生アオヤマ君の目線で描かれている。
    とても小学四年生とは思えないような悟っているアオヤマ君なのに、年上のお姉さんへの目線がなんだか生々しい。
    アニメは評判が良さそうなので読んでおこうと思ったけど、話しのテンポも合わないので、半分まで読んで脱落しそう…。

  • 2018年にアニメ映画になったらしい。
    狸じゃなくて、ペンギンかぁ ......
    森見ワールド in どこかの新興住宅地。

    ある日、突然、住宅地にペンギンが現れる。小学4年生のアオヤマ君は研究熱心。友達のウチダくんやハマモトさんと協力しながら、ペンギンや ペンギンを研究していて見つけた海や この街の川など、なんでもノートに書いて研究をすすめている。
    お父さんや、歯科医院のお姉さんも協力してくれる。
    やがてすべての謎がひとつに収束されていき ...

    京都の街を乙女を追う話と、構造は似ているかな。
    あちらはもう青春真っ只中で、彼女を追い求めているが、こちらはまだ4年生、自分の初恋にも気がついていないような ..
    いじめっこ集団にやられたりしても、状況を客観的にみて対応するやけに老成したアオヤマ少年のキャラがユニーク。
    立派なはずの大人が、都合の悪い事実を曲げたり隠蔽したりすることに対する すがすがしい皮肉でもあるか。

    夏らしさもいっぱいの、清涼感のあるお話でした。

  • 主人公の男の子とお姉さんや友達との会話のやり取りもすごく面白い。主人公のアオヤマ君も、ちょっと理屈っぽい男の子なんだけど素直ですごくかわいい。
    子どものとき経験した「世界を知る」という経験。私も大した発見でもなんでもないのにこんなにもドキドキしたなーと思い出して懐かしくなった。
    でも後半でアオヤマくんが謎の確信に近づけば近づくほど切ない。最後お姉さんに推理を聞かせてるところもすごく切なかった。

    はっきりと謎の解決はしないのでスッキリはしないけどそれがまたいい感じ。夏に読みたい小説。

  • SFの要素が大半で、アオヤマ君とおねえさんの掛け合いがとても面白い。小学生にしては大人びているアオヤマ君がどこか憎めないキャラクターであり、周りの少年少女たちとの友情やライバル心をアオヤマ君がしっかりと表現する書き方になっている。読んだあと味の良さは格別。

  • SFだけど童話のように無垢で不可解。でも怖いこと、心配なことは起こらず、具現化された不可解もペンギンとか可愛い形でしか現れないので、誰にでも安心して薦められる本。

    あと終わり方が綺麗だし感動的、小説のお手本のようだ。
    冒頭をリフレインしつつお姉さんだけを失ってしまった町。そこで語られる主人公の希望に満ちた決意。頑張れよ少年…!とぐっと来た。
    また同時に、ここを読むまであくまで一少年の物語としか捉えていなかったのが、急に普遍的な男性の人生の壮大なメタファーなのかもしれないと思えた。
    もしかしたら男は皆少年時代に憧れた理想のお姉さんを胸に抱きながら生きているのかも、と。

  • とても読みやすくて、すんなり物語には入れた。少年の口調も心地好かったし、スッキリきちんとしているものが好きなので、全体的に好みでした。
    でも、ジャバヴォックの自分の想像が怖すぎて夜寝れなくなった。

  • アオヤマ君同様に、「ペンギン・ハイウェイ」という言葉がとても気に入ってこの本を手にした。お姉さんとアオヤマ君のお父さんの関係が気になった。ペンギン、シロナガスクジラ、そして「海」、本来ありえないものが出現しているにも関わらず、アオヤマ君の研究テーマの一つとして扱われて物語は進んでいってしまい、オイラは置いてきぼりにされた。あまり難しいことを考え続けるのは得意ではない。お姉さんが人類じゃないっていうこともそうだけど、ここに登場する大人たちってリアリティがない気がする。子供たちはリアルなんだけど……。小学四年生のひと夏の甘酸っぱくてドキドキワクワクする出来事、大人になってもそんな気持ちは忘れずにいたいものだ。日本一忙しい小学生として生活するアオヤマ君は見習うべきものをたくさん持っている、好奇心とか行動力とか。

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著者プロフィール

森見登美彦(もりみ とみひこ)
1979年奈良県生まれの作家で、京都を舞台にした作品が多い。京都大学農学部卒、同大学院農学研究科修士課程修了。2003年、『太陽の塔』で日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。2006年に『夜は短し歩けよ乙女』で本屋大賞2位、山本周五郎賞などを受賞し注目を集める。2010年『ペンギン・ハイウェイ』で2010年日本SF大賞、2014年『聖なる怠け者の冒険』で第2回京都本大賞、2017年『夜行』で第7回広島本大賞をそれぞれ受賞。2010年に『四畳半神話大系』がTVアニメ化、2018年8月に『ペンギン・ハイウェイ』が劇場アニメ化された。2018年11月に『熱帯』を刊行し、第160回直木賞、2019年本屋大賞にノミネートし、第六回高校生直木賞受賞。

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