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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784048741002
作品紹介・あらすじ
19世紀、幕末時代の琉球王朝。那覇で暮らす新米岡っ引きの武太は、日々町中で起こる事件に立ち向かいながら、法と正義の間で揺れるのだった――。人情味溢れる庶民たちが躍動する、琉球版・千夜一夜物語。
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この本を表す言葉
みんなの感想まとめ
琉球王朝の庶民の生活を描いた物語が展開され、主人公の武太は新米岡っ引きとして様々な事件に立ち向かう中で成長していきます。軽快な読み物として、沖縄の歴史や文化が楽しく表現されており、特に『テンペスト』の...
感想・レビュー・書評
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沖縄を舞台にした大作『テンペスト』でヒットを飛ばした池上永一氏の最近作『トロイメライ』を読了。今回も沖縄を舞台にしているが、前作よりぐっと軽い読み物になっているが沖縄出身の作者が沖縄の歴史を消化して書き上げた楽しい沖縄歴史小説になっている。琉球王朝の歴史を知りたくなるなあ。
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テンペストと関連があるかのように宣伝されていましたが、テンペストと同時代の琉球が舞台で、同作品のキャラクターも登場する以外関連はありません。
まさにジェットコースターだった前作とは真逆の、あったかい庶民のストーリー。
「パガージマヌパナス」「夏化粧」に雰囲気は似ていますが、短編集のせいか、物足りなさを感じました。
そのため、星二つ。
第三夜以降が好き。
下品で雑な文章もあるのに、なぜなんだか。情景も情感も、たっぷり湿気とにおいを伴って、心に立ち上がって来ます。
こういうところが、池上作品の魅力じゃないでしょうか。 -
『テンペスト』の世界を舞台にした捕物帖(?)。琉球王朝の商都、那覇の街を、筑佐事であり三線の名手でもある武太が駆け抜ける。一章につき一人以上は『テンペスト』の登場人物が顔を出してくれるのも、サービスとして楽しい。
捕物帖の常として短編集なのだけれど、推理・逮捕が目的ではなくて、琉球の民の哀歓を武太が見聞きし、唄に昇華するのが物語の核になっているのが面白い。
『テンペスト』を読んだときにチラッと思ったとおり、この人は短編の方が巧い。しかし『テンペスト』を読んだときに不満に思ったとおり、会話がくだけすぎていてイヤだ。 -
『テンペスト』では琉球王朝の華やかな世界が描かれていたが、今度は庶民の生活が描かれている。
そして嬉しい事に『テンペスト』の登場人物がちらほら。
三線の腕前は見事だが、それ以外はからきしの武太。
そんな武太が見習い筑佐事(岡っ引き)になり、様々な事件と向きあう中で少しずつ成長していく。
単細胞で短絡的思考の持ち主、でもとても熱い心の持ち主。
だから罪よりもそれを犯すしかなかった罪人の心情につい同情してしまう。
筑佐事としてまだまだ半人前なんだけど、でも、憎めないんだよなぁ。
王宮の料理にも劣らぬ絶品の料理をだすをなり宿の三姉妹や涅槃院の大貫住職に見守られ、さらに成長する武太の姿は続編で? -
表紙のイラストに登場人物が描かれていて楽しい。テンペストのキャラも登場し、スピンオフというわけではないが、テンペストで確立された世界が広がっている。黒マンサージの正体とか、盛島開鐘の行方と紅型の女形など、話が完結していないエピソードがあるため、まだ続くとすれば、今後が楽しみである。魔加那と真美那の姉妹のエピソードで必殺技「真美那、泣いちゃう」があり、これがテンペストに繋がっている等、懐かしい登場人物の再登場の他、伏線として繋がっているところを探すのも一興。
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琉球王朝末期のベルバラ『テンペスト』と同じ時代設定で、那覇のグルメと歌と人情を描いた痛快作。要所要所のくすぐり(ギャグ)にクスリと笑い、運命を受け入れ立ち向かう女性と子ども達にホロリとする。『テンペスト』の登場人物も登場するサービスもうれしい。
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テンペストに出てきた登場人物がちょいちょいでてきます。ですが、
先にテンペストを読まないと話がわけらないというわけでもありません。帯に「テンペストの熱狂から2年」とかかれてあったので勝手にあの話がおわってから2年後の設定かと思ったら、テンペスト(ハードカバー)上巻あたりの時代で、設定的にはモロかぶりでした。ちょいちょい出てくる人たちはオマケみたいなもんですので、完璧に別の話にしてくれたらよかったのになぁーという個人的見解から星よっつにしました。昔の作品のようなハチャメチャ感はほとんど感じられなかったのですが、あいかわらずさわやかで絵画的な文体が本当に魅力的です。味を表現するという新境地にチャレンジされたんだなぁーと、バガージマの時からのファンとしてはなんだかしみじみ。 -
あ~・・・・・・以前にレビューしました「テンペスト」の・・・続編ではないな。なんだろう?スピンオフ?それともちょっと違うような。切り口を変えた感じでの短編集。テンペストの登場人物もちょいちょいでてきます。
で、内容はテンペストみたいなドキュメンタリー的なものではなくて、市井の人々のあれこれみたいなざっくばらんな話・・だと思う。
ん~・・・・・・まあこの作者の作品なのでいつも通りっちゃいつも通りですが、あんまり深くなく終わるというか。そこがいい点でもあり悪い点。え?それで終わり?みたいな。テンペスト読んで楽しめた方は読んでみても悪くないですが、そうでない方は別に(ry -
テンペストは幕末の琉球王朝を舞台にした物語でしたがトロイメライは同じ時代の那覇を舞台にした庶民の人情物語。
テンペストみたいな壮大なスケールはありませんが、市井の人たちの雑草のごとく生きるたくましさ、貧しいながらも明るく生きる毎日が新米岡っ引き武太を中心に生き生きと描かれた秀作に仕上がってます。
大貫長老、部分美人三姉妹、わがままジュリの真加那、謎の覆面黒マンサージと熱血漢武太を取り巻く脇役陣のキャラも光ってますね。
ストーリーとは直接関係ないのですがテンペストの登場人物が随所にサービス出演しますのでテンペストを読んでるほうが楽しめるでしょう。
読み終わったあと沖縄料理と三線の島唄が恋しくなる素敵な連作短編集でした。 -
琉球を舞台とした、エンタメ“捕物帖”です。
ノリが漫画なので、スラスラ読めます。
あの「テンペンスト」の登場人物たちも出てくるので、その辺もお楽しみです。 -
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お前は釵と三線を使いこなす筑佐事になれ!(p.47)
〔内容〕筑佐事(岡っ引きみたいな感じ)になった武太はさまざまな人物と出会っていく。
〔感想〕あっさり、あっけらかんとしているが情を描く、捕物帖というよりは人情もの。短編集ということもあって池上永一さんの作品によく出てくる変態といえるほどの強烈キャラに育った者はいないが、これはこれでいい感じ。
■長虹堤についての簡単な単語集
【赤犬子/あかいんこ】伝説の三線弾き。
【アマダンジャ】武太にとって最初の自分の三線の名前。革張りではなく紙張り。
【大与座/おおくみざ】警察機構。
【踊奉行/おどりぶぎょう】王府の式典担当の役人。
【加尼/かに】城間(ぐすくま)の恋人。
【峨嵋刺/がびし】指に嵌めた簪状の武器。黒マンサージが使う。
【喜舎場親雲上/きしゃばペーチン】評定所筆者。彼の上司が、まだ読んでないけど『テンペスト』の主人公のようだ。
【北崎倫子】花崎(はなぐす)神社の巫女。千の仮面を持つと言われる神楽の踊り子。
【金武仁徹/きん・じんてつ】武太が尊敬する筑佐事。火事で取り残された老人を助けようと火の中に飛び込んで亡くなった。
【城間親雲上/ぐすくまペーチン】王の厨房、寄満(ユインチ)の役人。王宮での働きはパッとしないが那覇の街では生き生きしている。加尼(かに)の恋人。最初の話でジーマミ豆腐を食うためにピーナッツをちょろまかした男。
【黒マンサージ】黒の手巾(マンサージ)をたなびかせてる義賊。女性に人気。峨嵋刺という武器を使う。武太より圧倒的に強い。麝香の薫りをまとっている。
【護得久/ごえく】王国でも指折りの海商。美女をはべらすのが趣味。
【五良/ごらー】武太の同僚。
【釵/さい】十手のような武器。筑佐事が持つ。切る以外のあらゆる機能を備えている。
【サチ】武太やをなり宿の三姉妹が幼い頃可愛がってもらったオバア。最近身体が弱っている。多くの人に好かれている。
【冊封使節団】清国の外交使節団。琉球は朝貢国として清国に仕えることで王位を認めてもらっている立場なので。清国には頭が上がらない。
【ジーマミー豆腐】ピーナッツ豆腐らしい。すごく美味しいらしい。王様しか食べられないらしい。
【宗門改/しゅうもんあらため】パスポートみたいなもん? 常に携行を義務付けられている。
【ジュリ】遊女とか芸者のようなものか?
【首里天加那志/しゅりてんがなし】王様のこと。
【尚育】現在の王。
【孫寧温/そん・ねいおん】評定所筆者。たぶんこの人が、未読やけど『テンペスト』の主人公?
【孫嗣勇/そんしゆう】女踊りをさせれば琉球一と言われる美少年。稚児衆の一人。
【大貫長老/だいかん】涅槃院という寺院の住職。元は政府高官だったが引退後に寺を引き取り住職に収まった。武太を博打仲間の大佐事に紹介した。武太が空回りしそうになると「お前が憎いっ!」と叫びながら煙管でぶつ。涅槃院は清濁が混沌と入り混じりおそろしく賑わっている。武太によると那覇の犯罪の半分はここで生まれていると噂されているらしい。《真如古のことを調べ、心で感じ、彼女の人生を理解しようと努力しろ。それができる者が筑佐事になれる》p.16。
【多嘉良/たから】銭蔵の役人。呑み助。
【多根】虎寿、美戸と同時に売られた少女。教養があり王宮勤めとなる。
【筑佐事/ちくさじ】岡っ引きのようなものらしい。
【朝薫/ちょうくん】評定所の役人。喜舎場親雲上(きしゃばペーチン)。武太の天敵。
【長虹堤/ちょうこうてい】長さ一キロの橋。表紙カバーの橋はこれと思われる。
【泊高橋/とまりたかはし】魔加那の縄張り。
【虎寿】多根、美戸と同時に売られた少年。糸満売り(素潜りの漁師)となる。
【評定所】武太たちより上位の役所。
【魔加那/まかな】遊郭街のジュリ。鬼気迫る美貌。舞、琉歌は超一流、武太の三線すら圧倒する。気位が高く気まぐれ。中身汁が好きだという噂。《魔加那の生き甲斐は思わせぶりな態度で男をおちょくることにある。》p.191。じつはけっこうすごい身分。
【真如古/まねこ】墓泥棒をしたらしい。
【真美那/まみな】魔加那の妹。
【美戸/みと】虎寿、多根と同時に売られた少女。器量だけが武器。遊郭に行く。
【武太/むた】主人公。新米の筑佐時。単純な若者。きょうだいが多いので情報を集めやすいだろうと見込まれて任官された。三線の腕は天才的。
【盛島開鐘/もりしまケージョー】王家所蔵の三線。気難しくて、自分弾きこなせる者がいないときは隠れている。他に城(ぐすく)開鐘、アマダンジャ開鐘、湧川開鐘、西平開鐘がある。
【ユタ】この当時ユタ行為はご法度だったらしい。
【をなり宿】長虹堤の途中にある料理屋兼宿屋。料理がとても美味い。《をなり宿は食の罪人たちの集う隠れ家だ。》p.36。女将と娘三人が切り盛りしている。長女の鍋(ナビー)は目元美人、次女の竈(カマドウ)は鼻筋通った横顔美人、三女の甕(カミー)は歯並びが整った口元美人。娘たちは武太とは幼馴染。 -
幕末琉球での事件?というかお話色々六編。あまり文化に馴染みが無いのである意味新鮮。しかし分かりづらくもある。なんだかどれも尻切れトンボで終わった感があるのだが?
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このハチャメチャ感が持ち味だよなあ。サーターアンダギー食べたい。最近大作傾向になってるからもっとこういう軽めの話も書いて欲しい。短編集も得意だと思う。
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池上さん世界満載でとっても読みやすかった
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POP用に再読。
ん~、どうかなぁ。 -
テンペストの庶民の方の生活。唄と三線は名手だが働いてない武太は涅槃院の長老の計らいで筑佐事となった。勉学も知識もない武太が勢いだけで手柄を立てようと無闇に動き回るドタバタ劇。
日本なら昔はどこもそうだったろうけど貧しさ、治安の悪さは胸に迫る。
三姉妹がいいキャラです。 -
まだ「首里」と「那覇」が別の時代、人情溢れる港町で様々な立場で生きる人達の織り成す人情劇。
いい話だった。個人的には、「東京バンドワゴン」の琉球版。サチおばぁの話は、癒しが必要な時に、また読もう。
ありがとう。 -
琉球の人々の生活を描く小説。
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江戸時代後期(?)の沖縄が舞台の捕物帳。あまり馴染みのない舞台設定だったので読んでみたけど好みじゃなかった。
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