マリアビートル

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
4.08
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本棚登録 : 7295
レビュー : 1167
  • Amazon.co.jp ・本 (465ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048741057

作品紹介・あらすじ

元殺し屋の「木村」は、幼い息子に重傷を負わせた相手に復讐するため、東京発盛岡行きの東北新幹線"はやて"に乗り込む。狡猾な中学生「王子」。腕利きの二人組「蜜柑」&「檸檬」。ツキのない殺し屋「七尾」。彼らもそれぞれの思惑のもとに同じ新幹線に乗り込み-物騒な奴らが再びやって来た。『グラスホッパー』に続く、殺し屋たちの狂想曲。3年ぶりの書き下ろし長編。

感想・レビュー・書評

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  • 双子のように似通った雰囲気だけど、B型で雑・理屈より行動・機関車トーマスが大好きな(檸檬)と、A型で論理的で慎重・読書家の(蜜柑)。

    依頼通り、峯岸のぼんぼんと身代金の入ったトランクを奪還し、新幹線はやてに乗り込んだ2人だが…

    真莉亜の指示でそのトランクを狙う、とびきりついていない男 七尾(天道虫)。

    我が子を意識不明の状態にした中学生(王子)への復讐を誓う木村(元アル中)。

    あどけなさの残る美少年の姿ながら、王子の悪質さは「オーデュボンの祈り」の城山や、「悪の教典」の蓮見と同等。いや、子供の形をしている分余計にたちが悪い。

    ぼんぼんが急死したり、どうやら他にも殺し屋が潜んでいるらしい。

    そんな、殺し屋密度高めの新幹線に乗り合わせてしまう鈴木(「グラスホッパー」参照)。

    ばんばん殺し殺されますが、どことなくユーモラスで可愛げのある殺し屋たち。王子は徹底した悪なので、つい殺し屋たちを応援してしまいました。

    トーマス知識も身に付くし、最終的には爽快です。

  • 殺し屋たちが新幹線<はやて>に大集合。
    大事なトランクの奪い合い、あっちで対決、こっちに死体。新幹線の中は大混乱。
    七尾と蜜柑の対決は読み応えあった。 緊迫感あふれる頭脳戦だった。七尾のひらめきはすごい。
    七尾とスズメバチ女もこちらは格闘戦ですごかった。
    グラスホッパーより今度の殺し屋の方が親しみが持てた。
    残虐性が少し減ったからか、実際死人の数は減っていると思う。
    それとも殺し屋の話に慣れたのか…。 
    グラスホッパーの「鈴木」も登場。笑顔の優しい鈴木の姿が目に浮かぶ。
    殺し屋たちも鈴木の笑顔にはかなわない。

  • 東京発盛岡行の新幹線・はやて。
    その車内、あちらこちらで何やら物騒なことが起こるのです。
    殺し屋たちがうようよひしめいている新幹線…思わず苦笑いがこぼれました。

    あちこちに張られた伏線が気持ちよく回収されていくのが爽快です。
    殺し屋たちのキャラクターもすてき。
    檸檬と蜜柑の果物コンビの掛け合いのテンポが小気味よかったです。
    いざとなると強いのに、不運の女神に愛されまくりの七尾さんの間の悪さに同情せずにはいられません…w
    王子のような中学生がいたらと思うとゾッとします…まさに悪意が美少年の皮をまとって歩いているといった感じなのです。

    『グラスホッパー』に登場した面々も活躍するので、こちらも再読してみようと思います。

  • 元殺し屋でアル中の木村。殺しや盗みで生計を立てる裏社会の住人「檸檬」と「蜜柑」。同じく裏社会の住人である「天道虫」こと七尾。
    皆同じ新幹線に乗っていた。東京発盛岡行きの東北新幹線〈はやと〉。
    それぞれ目的は違っていた。木村は、愛する我が子をビルの屋上から突き落とし、殺そうとした中学生の王子を殺害するため。檸檬と蜜柑は、監禁されていた、裏社会の大物である峰岸の息子と、救出のために渡された身代金を盛岡まで送り届けるため。七尾はある新幹線の乗客のトランクを盗むため。
    各人のやるべきことは簡単なはずだった。しかし、全員予定通りにはいかず、気がついたときにはそれぞれの利害関係は複雑に入り組んでいた。

    当初無関係だった人たちの別々の物語が、新幹線の進行に合わせて繋がっていき、最後に一つの大きな物語になる。繋がる度に各人物が持つ物語の世界は広がっていき、どんどん先を読みたくなった。

    殺し屋を中心にした話のため、残酷な場面や描写も多々あり、死人もたくさん出る。しかし最後は、読者の「こうなるべきだ!」という希望に沿った展開になるので、全体的には不快感よりも爽快感が勝った。

    同じく裏社会の群像劇である、ガイ・リッチー監督の映画「Lock, Stock and Two Smoking Barrels」と「Snatch」に様々な点で似ていると思った。頭が悪く不運な主人公、裏社会で絶対的な力を持つ悪役、残酷な暴力描写、洒落た会話、物語の終わり方など。

    金、力、頭脳、あらゆる意味でも持たざる者が、運の力を借りて大きな悪を倒すのはどんな媒体でも痛快である。

    • だいさん
      レビューの前半、とてもスピード感があり、良かったです。
      レビューの前半、とてもスピード感があり、良かったです。
      2012/12/24
  • 怖かった!怖いので、細かい描写は飛ばしながら読みました。
    年寄はかっこいい、その方がいい。
    年寄は、敬った方がいい。
    怖いけど、それでいて読み終わると
    ほんわかするのだから、伊坂さんの作品は凄いです(^-^)


    [昔から存在しているものは、それだけで優秀だ、ってことらしいですよ。(p548)]
    お年寄りや、年上の人の話を聞くと
    そんなこと自分では出来ないなとか
    よく耐えたなって思うことがあるけど、そうゆう事だなと思った。
    すごい勢いで時代は変わっていて、その中で生き抜いてる。
    自分はこのあと、50年も生きる残れるのかな?生き残れたら、優秀。楽しめたら上出来☆
    楽しめるよう頑張ろう♪

  • 伊坂幸太郎の殺し屋シリーズ第二段。

    △「木村」=元アル中。息子が屋上から突き落とされ、犯人の中学生「王子」を殺しに新幹線に乗るが、逆に拘束される。
    ◎「王子」=幸運。外見は「お育ちの良い子供」だが、狡猾で残忍。良い子を装うのが上手い。
    ○●「果物」=檸檬・蜜柑。二人組の殺し屋。本能で動くトーマス好きが檸檬で、理性的な読書家が蜜柑。依頼を受け、拉致された大物の息子と身代金の入ったトランクを奪還して新幹線に乗るが…
    ★「天道虫」=不運。「新幹線からトランクを持って降りろ」という仕事を引き受けるが、不運故に新幹線から降りられない。何をやっても裏目に出るも、追い詰められると頭の回転が高速になる。

    複数の殺し屋・複数の死体を乗せた新幹線。
    偶然と必然、幸運と不運がごちゃまぜになった先で、生き残るのは誰なのか――

    『グラスホッパー』の続編。前作の主人公「鈴木」と、キーパーソンだった殺し屋の「槿(あさがお)」も登場。
    槿さんがたんぽぽと天道虫を眺めてほのぼのしているシーンは癒し。
    だけどこの人、交差点で人の背中を押すのが仕事ですから…

    伊坂幸太郎の作り出すキャラクターは、好きだけど一癖どころか十癖くらいあって扱いに困ります(^^;)

  • 新幹線を舞台に繰り広げられるドタバタ・スペクタクルとも言うべき作品。

    伊坂ワールドお馴染のキャラも含め、多くの個性的な登場人物が物語に華を添えてます

    ノンストップに物語は進みます、むしろ加速します
    新幹線の中だけに、ね。。

    皆、それぞれに物騒で“ヤバイ”人なんだけど
    何故か憎めない、可愛らしいというところがこれまた
    伊坂さんの世界の住人だな、と。
    とくに檸檬・蜜柑のコンビや七尾なんかは微笑ましいし、
    ちょいと応援したくなる。

    中学、高校の頃から好きで好きでしょうがない伊坂ワールド、
    依然として大好きです。たぶん生涯、伊坂さんのファンなんだろうなあ


    としみじみ思いました。

  • 大好きな伊坂氏が戻ってきた~。
    時間も忘れて読みました。

    これは「グラスホッパー」の続編。
    だけど、読んでなくても楽しめる。


    新幹線「はやて」で起きる事件。
    密室のなかで、事件が起きます。

    伊坂氏特有のストーリー展開。
    様々な登場人物(というかどれも主役w)主観で物語が進み、
    最後は見事に一本に。

    でも、あんな中学生が居たら嫌だな。
    心理ゲームにめっちゃ強い中学生が、最後にボロが出ちゃうところが、
    やっぱり中学生なんだな、大人には敵わないわ。
    他の登場人物も、個性的で憎めない人物ばかり。
    七尾と真利亜、檸檬と蜜柑の掛け合いは、ついついニヤニヤしちゃう。
    でも、槿の役割が途中から気づいちゃったなw
    それでも十分面白かったけどね。


    槿や鈴木さんを思い出すために、
    「グラスホッパー」を読み直そう。

  • グラスホッパーの続編。寺原の死後の話として書かれているため、鈴木や槿、スズメバチが登場する。

    蜜柑と檸檬、天道虫、木村、王子が互いの任務遂行のために東北新幹線内で殺り合う。
    どんどん死ぬのは好きじゃないけど、個々の台詞はやっぱり良かった。
    最後の木村父の爽快感が半端ない。
    そして、結局七尾が一番ツイてるじゃん!

  •  前半はなかなか読み進めなかったのですが、後半は一気に読んでしまいました。伊坂ワールド全開ですね。
     ぼくはとても好きな展開。殺し屋の話なので、人が何人も死んでいくのですが、読み終わった後にはそういう雰囲気を感じさせず、爽快感のようなものを感じさせてしまうのが、伊坂さんのすごいところ。
     次作も楽しみです。「PK」読みたいなぁ。

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プロフィール

伊坂 幸太郎(いさか こうたろう)
1971年千葉県生まれ。東北大学法学部卒業後、SEとして働くきながら文学賞応募し、2000年『オーデュボンの祈り』で新潮ミステリー倶楽部賞受賞、デビュー作となる。その後作家専業となり、宮城県仙台市に在住しながら執筆を続けている。
2004年『アヒルと鴨のコインロッカー』で第25回吉川英治文学新人賞、同年『死神の精度』で第57回日本推理作家協会賞短編部門、2006年平成17年度宮城県芸術選奨文芸部門、2008年『ゴールデンスランバー』で第5回本屋大賞、第21回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。同作で直木賞の選考対象となることを辞退したことも話題になった。
上記受賞作のほか、『重力ピエロ』、『バイバイ、ブラックバード』、『アイネクライネナハトムジーク』など話題となる作品は多い。代表作も殆どが映画化されてきている。

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