マリアビートル

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
4.07
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  • Amazon.co.jp ・本 (465ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048741057

作品紹介・あらすじ

元殺し屋の「木村」は、幼い息子に重傷を負わせた相手に復讐するため、東京発盛岡行きの東北新幹線"はやて"に乗り込む。狡猾な中学生「王子」。腕利きの二人組「蜜柑」&「檸檬」。ツキのない殺し屋「七尾」。彼らもそれぞれの思惑のもとに同じ新幹線に乗り込み-物騒な奴らが再びやって来た。『グラスホッパー』に続く、殺し屋たちの狂想曲。3年ぶりの書き下ろし長編。

感想・レビュー・書評

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  • この本はとても中味が濃い内容だった。
    私が伊坂さんの殺し屋シリーズを読む
    のは、初めてだ。他にも何冊か順番が
    あるかも知れない、とは思ったが伊坂
    作品を読むには理由がある。
    777トリプルセブンの予習本として
    読むにはどの本がいいのか?
    フォロワーさんに聞くと、私にはこの本では?と選書してくれた。まことさん
    ありがとう!――さてどんな本だろう?

    東北新幹線「はやて」東京発ー盛岡行。
    この新幹線は盛岡到着時には、死体列車
    と化する。そして、盛岡駅ホームでは
    一大事件が・・・・

    こんな新幹線なんてあるだろうか?
    元殺し屋、現役の殺し屋が最終的には
    いったい合計何人乗車しているのか!
    生意気な中学生までいる。死体を見ても
    慌てるでもなく、怖がることもない。
    この中学生には罰を与えたい、と思い
    ながら読んでいた!

    「蜜柑」と「檸檬」。このふたりは楽しい。
    まさかここで、機関車トーマスが登場
    するとは嬉しくなってくる。昔、良く
    息子と一緒に観ていた。パーシー、ゴードン、ヘンリー、エドワード etc.
    このふたりが殺し屋の中で、一番好ましく思えた。ふたりの個性が良い!

    この新幹線に乗っている殺し屋は、本当
    に個性的な殺し方をする奴がいる!
    書きたいが、それはネタばれになって
    しまう!


    このような恐怖が隠された新幹線、私は
    絶対に乗り合わせたくない!
    ――木村は良かった!それだけでも
    言いたい!

    2023、12、5 読了

    • アールグレイさん
      私にとって、伊坂さんの殺し屋はとても新鮮な本でした!
      私にとって、伊坂さんの殺し屋はとても新鮮な本でした!
      2023/12/05
    • アールグレイさん
      まこちゃん!
      マリアビートルと777はどう違うのか?
      志して読んでみますね♪
      (-.-”)凸
      まこちゃん!
      マリアビートルと777はどう違うのか?
      志して読んでみますね♪
      (-.-”)凸
      2023/12/05
    • まことさん
      アールグレイさん、おはようございます♪

      ネタバレになるから内容は言わないけど、『777』楽しまれてください♪
      アールグレイさん、おはようございます♪

      ネタバレになるから内容は言わないけど、『777』楽しまれてください♪
      2023/12/06
  • 再読
    777のために復習。
    伊坂幸太郎作品の中で一番好き

    機関車トーマスオタクの檸檬と運が悪すぎて新幹線から降りられない七尾
    個性的過ぎる殺し屋達が新幹線の中でどんちゃん騒ぎのエンタメサスペンス。

    殺し屋達が新幹線に乗り合わせるという緊張感しかなさそうな設定なのに、緊張感を維持しつつエンタメ要素を取り込んでシリアスな笑いを実現している。

    次回作の七尾の活躍がたのしみ。
    ☆4.8

  • 殺し屋シリーズ第2弾。軽妙かつ重層的な遣り取り、巧妙な伏線、ハラハラする展開にのめり込む。前作を読んでいた方がより楽しめることは間違いない。随所に物事の本質を織り込んでくる手法はお見事! 次作への期待値が高まる一冊。

  • 殺し屋シリーズ読了です。
    本当は順番通りに読みたかったんですが、シリーズだと知らずに他の2作を読んでしまったので、マリアビートルが最後です。
    新幹線という閉鎖的で短時間の環境で、こんなに色んなことが起こるとは、本当に大変そうでした。
    登場人物がみんな個性派で、飽きずに読めました。
    特に檸檬のトーマス愛は面白かったです。子供の頃トーマスが好きだったので檸檬の比喩は割と理解できたのですが、他の登場人物との温度差が可笑しかったです。
    こんなにドタバタやっているのに、人になかなか気付かれないのはさすがプロの業者達だと感心しました。
    生き延びて欲しい人に生き延びてもらえて良かったです。

  • 殺し屋が新幹線に何人もいる…ってだけでワクワク。なんなら全員殺し屋?って想像しながら読みました。グラスホッパーに続き展開が面白いし、殺し屋特有の動きや言葉がそれぞれあって妄想が膨らんだ。
    「蛙の子は蛙」なんですかね!
    次はAXへ

  • 双子のように似通った雰囲気だけど、B型で雑・理屈より行動・機関車トーマスが大好きな(檸檬)と、A型で論理的で慎重・読書家の(蜜柑)。

    依頼通り、峯岸のぼんぼんと身代金の入ったトランクを奪還し、新幹線はやてに乗り込んだ2人だが…

    真莉亜の指示でそのトランクを狙う、とびきりついていない男 七尾(天道虫)。

    我が子を意識不明の状態にした中学生(王子)への復讐を誓う木村(元アル中)。

    あどけなさの残る美少年の姿ながら、王子の悪質さは「オーデュボンの祈り」の城山や、「悪の教典」の蓮見と同等。いや、子供の形をしている分余計にたちが悪い。

    ぼんぼんが急死したり、どうやら他にも殺し屋が潜んでいるらしい。

    そんな、殺し屋密度高めの新幹線に乗り合わせてしまう鈴木(「グラスホッパー」参照)。

    ばんばん殺し殺されますが、どことなくユーモラスで可愛げのある殺し屋たち。王子は徹底した悪なので、つい殺し屋たちを応援してしまいました。

    トーマス知識も身に付くし、最終的には爽快です。

  • 再読。
    ブラッド・ピットのブレットトレインを観たので。
    内容を忘れていたので新鮮な気持ちで、映画と比較しながらブラッド・ピットと真田広之で脳内再生しながら楽しく読んだ。本では曖昧に描写してるけど王子の最期をしっかり見せるところは映画的な感じがする。

  • 『殺し屋シリーズ』第二弾!
    新幹線の中という逃げ道の少ない場所での抗争。
    数人の立場で語られる話が臨場感あふれていてドキドキです。

  • 大好きな伊坂さんの小説の中でもかなり上位にはいる作品。個人的には魅力的に感じていた蜜柑と檸檬が…という点や、悪役には最終的に罰が下るという、なんともスカッとする展開も大好きな点。王子が狡猾すぎる。

    最初からどこに伏線があるのだろう、と考えながら読むのもまた違う視点で読めて楽しいし、意外な繋がりや共通点が提示されると、やはり伊坂さんの脳内には勝てないし面白いと毎度のことながら感動。

  • 読み終わった後の痛快さで伊坂幸太郎の上を行く人はいないなあ。ちょっと長かったけど、伏線の欧州で最後の100ページは手が止められなかった。現実離れした内容で、のめり込めないと読み進めるのに心が折れてしまうかな。

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著者プロフィール

1971年千葉県生まれ。東北大学法学部卒。2000年『オーデュボンの祈り』で新潮ミステリー倶楽部賞を受賞し、デビュー。04年に『アヒルと鴨のコインロッカー』で吉川英治文学新人賞、短編「死神の精度」で日本推理作家協会賞(短編部門)、08年『ゴールデンスランバー』で本屋大賞と山本周五郎賞、14年『マリアビートル』で大学読書人大賞、20年『逆ソクラテス』で柴田錬三郎賞を受賞。その他の小説に『クジラアタマの王様』『フーガはユーガ』『ホワイトラビット』『AX』『サブマリン』『陽気なギャングは三つ数えろ』『火星に住むつもりかい?』『重力ピエロ』『グラスホッパー』などがあるほか、阿部和重氏との合作『キャプテンサンダーボルト』、八組の作家による文芸競作企画「螺旋プロジェクト」から生まれた『シーソーモンスター』がある。

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