共謀

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
3.10
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本棚登録 : 54
感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (381ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048741187

作品紹介・あらすじ

全国に巨大ショッピングモールを展開してきたユナイテッドリテール。レジ係から驚異の出世を遂げた広報室長の泉は、建築中の巨大モールの取材で焼死体を発見。泉が対応に追われているちょうどその頃、本社ビル最上階にある会議室では非情な決断が下されていた。拡大路線を強行する社長の方針に反対した広報担当取締役の中谷は、事実無根の背任行為を盾に解任されてしまったのだ。中谷不在の同社に、社長令嬢が誘拐されたという報せが入った。「身代金は社長の命」。思わせぶりな脅迫は、強烈なメッセージとも読み取れて…。『首挽村の殺人』での鮮烈なデビュー後、一貫して現代人の苦悩と希望をテーマにしてきた著者が満を持して描いた問題作。

感想・レビュー・書評

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  • 今回も長かった。
    泉の裁判でのシーンとか長すぎて途中で飽きてきた。
    保険の逸失利益と重いテーマだし、謎が多くて面白かったけど、くどくて長かった。

  • 金持ちの嫁が大暴走して困る話。面白いけど、長い。

  • 建設中のショッピングモールに突如、毛布にくるまれた焼死体が現れるところから物語は始まる。
    うーん、読んでいるときはそれなりに緊迫感があったんだけど、読み終わって思い返してみるとなんだか肩すかし感が……
    パートから上り詰めたキャリアウーマンが事件に巻き込まれてゆくさまとか、誘拐された社長令嬢とか、おもしろくなる要素はあったのに逆に詰め込みすぎかなぁ。

    主人公の母親がすでに亡くなっているのに、兄はまるで生きているように扱っていたというのが切ないエピソードだった。でもそれだけですべてが美談になるような感じは納得いかないなぁ。

  • 保険金に逸失利益と言うものがあることを知りました。いくつもの殺人事件が起こり、一見関係ない事件が一つにつながる所が構成が良く出来ており読み易かった。おもしろい。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    全国に巨大ショッピングモールを展開してきたユナイテッドリテール。レジ係から驚異の出世を遂げた広報室長の泉は、建築中の巨大モールの取材で焼死体を発見。泉が対応に追われているちょうどその頃、本社ビル最上階にある会議室では非情な決断が下されていた。拡大路線を強行する社長の方針に反対した広報担当取締役の中谷は、事実無根の背任行為を盾に解任されてしまったのだ。中谷不在の同社に、社長令嬢が誘拐されたという報せが入った。「身代金は社長の命」。思わせぶりな脅迫は、強烈なメッセージとも読み取れて…。『首挽村の殺人』での鮮烈なデビュー後、一貫して現代人の苦悩と希望をテーマにしてきた著者が満を持して描いた問題作。

  • 横溝正史さんをリスペクトし、拘り抜いた前三部作は…、
    結局…ぜんぶ途中で断念して…読破できませんでしたが…、
    心機一転の本作は…、とても読みやすかったです…。

    中谷取締役の一件は…欲しかったのかなぁ~。
    もぅ少し…別の絡ませ方でもよかったかも…。
    それ以外は…、及第点でした…。

    あっ…、せっかくの二人の刑事のキャラを…、
    後半…活かしきれてなかったのは…残念でしたね…。
    その点は…、次回作に期待しましょう…。

  • 逸失利益について書きたかったのだろうが説明的でミステリー的でない。偶然が多すぎてなおかつ登場人物に現実感がない。

  • 唐沢泉の機敏な活躍,洒脱な捜査を展開する田楽警部,悪女の典型のような城山勝子.大冊ながら登場人物のユニークさが秀逸.一気に読破しました.

  • 主役は逸失利益

    若い人は知らないと思うけど、飛行機事故の時に話題になりました。

  • 全国に郊外型の巨大ショッピングモールを展開し、アジアへも進出するユナイテッドリテール社。
    その広報室長の唐沢泉は新しいモールの建築現場で焼死体を発見する。
    そんな中、社長・城山龍の片腕であった広報担当取締役の中谷敬一が背任行為により解任されてしまう。
    社長の拡大路線の方針に反対していたことも関係しているらしい。
    そして社長の娘の失踪事件が起き、同じ頃、地元秋田へ戻った中谷の失踪も判明。
    泉の周りで起こるこれらの事件は一体どうつながっているのだろう・・・。

    大村さんの新作は社会派。予想外で驚きました。
    横溝賞でのデビュー以来、一貫して横溝テイストできていたのに、この転身。
    といっても地方と中央との職業格差や過疎化などのテーマも扱ってらっしゃったので、こちら方面へいかれるのは納得です。

    今回は男女の職業・賃金の格差や事故の際支払われる賠償額の算定、逸失利益について問題提起されていました。
    この逸失利益についてはかなりショッキングでしたね。
    子供が不慮の事故で死亡した場合、男の子か女の子かですでに算出額が違っているという・・・。
    人の命の値段・・・。特に自分の子どもがこんな風に計算されちゃうなんて、泉でなくとも怒りを覚えました。

    物語についてはここまで偶然に繋がるのはどうかとも思いますが。泉が抜擢されたことに裏があったら、もう少し納得できたかなぁ。
    最後の法廷での争いも、こちらを描きたかったのだろうとは思いましたが、ミステリ的にはやや蛇足。
    会話での謎解きもイマイチ。
    それでもこれまでの作品ほどの「もうちょっと」感はなく、素直に読み進めることができました。

    そもそも横溝作品の世界を現代にもってくるのは、ここまで情報が開示されている時代ですから無理があります。
    今後、こっち方面に進むのでしたら、もっと面白い作品を書いてくれるのではないかと期待します。

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著者プロフィール

1965年岩手県生まれ。中央大学文学部卒。2007年『首挽村の殺人』で第27回横溝正史ミステリ大賞を受賞し、作家デビュー。他の著作に『死墓島の殺人』『共謀』『存在しなかった男』『奇妙な遺産 村主准教授のミステリアスな講座』などがある。

「2016年 『梟首の遺宝 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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