モルフェウスの領域

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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本棚登録 : 1963
レビュー : 327
  • Amazon.co.jp ・本 (261ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048741538

作品紹介・あらすじ

日比野涼子は桜宮市にある未来医学探究センターで働いている。東城大学医学部から委託された資料整理の傍ら、世界初の「コールドスリープ」技術により人工的な眠りについた少年・佐々木アツシの生命維持を担当していた。アツシは網膜芽腫が再発し両眼失明の危機にあったが、特効薬の認可を待つために五年間の"凍眠"を選んだのだ。だが少年が目覚める際に重大な問題が立ちはだかることに気づいた涼子は、彼を守るための戦いを開始する-"バチスタ"シリーズに連なる最先端医療ミステリー。

感想・レビュー・書評

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  • コールドスリープ(冷凍睡眠)、SFではお馴染みのガジェットですが、、
    「バチスタシリーズ」の海堂さんが、その冷凍睡眠を題材にした物語。

    現役のお医者さんが描くと、妙にリアリティを感じてしまいます。
    『ナイチンゲールの沈黙』とどことなくシンパシーも。

    そのバチスタでの東城大の懐かしい面々もてんこ盛りに。
    如月翔子、田口、高階、そして、渡海、、うーん、豪華。

    後の『医学のたまご』ともつながっていて、桜宮サーガの軸の一つとも。
    羊水をたゆたうその描写が、詩的で絵画的で、ただ美しい。

     「スリーパーをひとりぼっちにしてはならない」

    冷凍睡眠の技術、どこまで実用化されているのかと、気になります。
    Aiの実用性を考えると、決して絵空事ではないとも思いたいですが。。

    知的好奇心を刺激してくれるのは相変わらずに。
    続編も書かれているとのことで、待ち遠しく感じてしまいました。

  • 5年間凍眠し、新医療の導入を待つ。
    高度で革新的すぎる技術なのに、それ故か蔑ろに扱われている。行政と医療の悪い意味での乖離が悲しい。アツシにとっては良かったのかなぁ…良かったと信じたい。
    西野の得体のしれなさ、曽根崎教授の問の答えなど、釈然としないことが多い。

  • バチスタシリーズを読んだことないのですが、どうやらそこでの登場人物たちがたくさん出ているらしい。
    無駄な登場人物がいるなぁと思ったらそんな理由だからなのか、、、ファンにはたまらないんだろうなとは思います。
    網膜芽腫により両眼失明の危機にある9歳の少年が、特効薬の認可を待つために五年間の“凍眠”を選びます。世界初のコールドスリープ技術により人工的な眠りについた少年の生命維持を担当している涼子。
    母性愛なのか愛情なのか、ただ情が移ったのか、それとも使命感のようなもの?涼子の少年に対する思い入れの深さは理解しかねます。過去の出来事も何があったのかよくわかりません。
    感傷的な雰囲気が漂っていて、根拠のない自分の未来を捨てても構わない無償の愛情へと展開されます。
    消化不良のまま読了。うーむ。

  • 網膜芽腫が再発した佐々木アツシくんは、コールドスリープで5年の眠りについている。
    そのスリーパーのサポーター、日比野涼子。
    五歳のレティノって、本当にあるのかしら?という涼子の言葉の意味はなに?

    凍眠八則を発表した曾根崎伸一郎。
    スーパーに買い物に行った涼子とすれ違う幼い薫と祖母。
    小夜ちゃんは自由のない場所にいるってことは、服役してるんだろうね。

    涼子がノルガ共和国で知り合った医務官はだれ?

    倫理や哲学的な内容は一度だけでは理解し難い部分もあった。ただ、なんとなく涼子がスリーパーになることを選ぶような気はした。

    アツシくんをひとりぼっちにさせてはいけない。
    のこたえ。

    この後のお話も、また違う形で知ることになるのだろうか?

    こんなに小さくても大きくても様々な登場人物が絡み合うなんて。発刊順に読んできて正解に思える。

  • 理系作者の本って感じ。冷たく深く漂う感じ。論理に感情が加わってしかし論理的にミステリアスに展開する。

  • スッキリしないようでスッキリした。
    そんな感じ。
    つかめそうでつかめない。
    知りたいけど、ここままで良い気もする。
    でもそれが不快じゃない。

    海堂作品の中でもすごく難しいと思うし
    実際理解できなくて読み返す部分も多いんだけど、
    気持ち的には流れるように読めた。
    女性が主役だから?
    コールドスリープという非現実な話だけど、
    人物にも設定にも深みがあるぶん、
    実際は知らないことの多い現実の世界よりリアルに感じる。

    お馴染みの人たちが、違和感なく効果的に登場してる。
    ノルガ共和国の医務官って・・・私の思い浮かべてるあの人で良いの?!

    医学のたまごとナイチンゲールをもう一回読みたくなった。

  • 毎回唸りながら読むが、今回もまた・・・。いやはや、海堂氏の頭の中って、どうなっているのか。全作品を読まずにはいられないと思わせる、そういう作家は珍しい。キャラクターの造形、面白み(軽さ)と哲学的な深さ(重さ)、読者への問いかけ、その全てが巧みなストーリーの上で組み合わされている。いやはや・・・。

  • いつも思うのですが、海堂さんのシリーズは、どんどん読みたくなって、あっと言う間に読了。今迄の作品との繋がりも絶妙です。前の作品も読み返してみたいです。

  • ホヤホヤの中学生になった我が家の凡児が「医学のたまご」を読んだ。普段、まったく本を読まないのに。高校生の姉に勧められたのか?この長女も中学生の頃、この本を読んでいる。二人とも面白かったと云う。大人が読んでも、なかなか読みごたえのある本だと思うのだが。
    久しぶりに、読み返すとスーパー高校生アツシ君が恰好良くって、ほれぼれする。「ナイチンゲールの沈黙」では、甘えん坊の子供だったのに。

    本棚に本が溢れて、妻に怒られるので、文庫になるまで我慢しようと思っていたのだが。そんなわけで昔の本を読んでいたら、アツシ君の話が読みたくなって、我慢できなくなった。
    「医学のたまご」の後の話かと思っていたが、前半は9歳からの5年間、コールドスリープするアツシと見守る涼子の話。海堂先生独特のカッコつけ過ぎで、けれん味タップリの文章が堪らない。死神のような西野とか、ステルス・シンイチロウとか、初めて読んだら口に合わない人もいるかも。最初、涼子の逡巡の訳が判らなかったが、ジワジワ伝わってくる。この辺の加減、ホント巧いなと思う。
    後半は、覚醒したアツシと田口先生や看護師長の翔子も絡んでの話。
    文体はやや落ち着きを取り戻す。9歳の心、人並み外れた知性、中学生の身体のアツシが生まれ変わっていく。
    敷き終えた線路をゆっくり下りてゆくような印象。それでも、クライマックスはジーンと感動した。
    シンイチロウの「スリーパーをひとりぼっちにしてはならない」の答えがこれだったんだろうか、とか思わないわけではないが、あまりに美し過ぎる結末で、細かい疑問なんてどうでも良いや。
    涼子と翔子の二人の女性の在り方が素敵で、海堂先生の知らなかった一面を見たような印象。

  • 瞳を失う病気にかかり、その治療方法が発見(確立?)されるまで
    世界初の「コールドスリープ(凍眠)」についたアツシ(モルフェウス)。
    彼を5年間メンテし続けた日比野涼子。
    あんまりリアリティがなく、かといってファンタジーに溢れてるわけ
    でもなく、どうもぱっとしない印象でした。
    色々な話題が中途半端で、検索してみた、なにやらシリーズモノらしく、
    シリーズで見てる人はわかるのかな?って感じでした。
    初見で分からないことや決着が付かないことを書くなら、○○シリーズと
    書いてほしいです。
    特に興味も惹かれなかったので、他のシリーズは読まないかなぁ。

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著者プロフィール

海堂 尊(かいどう たける)
1961年、千葉県生まれの作家、医師。医師としての所属は、国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構放射線医学総合研究所・放射線医学総合研究所病院勤務(2018年3月時)。
2005年に『チーム・バチスタの崩壊』で、第4回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、作家デビュー。
同作はのちに『チーム・バチスタの栄光』と改題して出版される。映画・テレビドラマ化もされた代表作となった。

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