本日は大安なり

  • 角川書店 (2011年2月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (336ページ) / ISBN・EAN: 9784048741743

作品紹介・あらすじ

企みを胸に秘めた美人双子新婦、プランナーを困らせるクレーマー夫妻、新婦に重大な事実を告げられないまま、結婚式当日を迎えた新郎……。人気結婚式場の大安の一日を舞台に人生の悲喜こもごもをすくい取る。

感想・レビュー・書評

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  • 大安吉日に予定された4組の結婚式。いい夫婦の日のおまけまでついている。
    でもすべて一筋縄ではいかないカップル。
    美人双子姉妹の複雑な感情、妬みと独占欲が働いて、はらはらする展開。その微妙な心情を余すところなく描きつつ、ドラマチックな展開にしあげていく。辻村深月さんの真骨頂!

    ウェディングプランナーが一番祝いたくない人の担当になる話も胃が痛む。でも、プロ意識で乗り切る彼女はハムラビ法典を超越している。

    小学2年生の真空くんの新婦のりえちゃんへの愛情深い心配行動は微笑ましい。子ども故の純粋さがいい。

    もう一つは既婚者でありながら違う相手と挙式をあげようとする話。これはない。

    しかし、最後はすべてハッピー気分で終了。読後感よし!

  • 大安
    『暦注である六輝の中で、何事においても全て良く、成功しないことはないとされる吉日。
    結婚式など、祝い事には特に向いている。』

    ホテル・アールマティウェディングサロンでも、大安の今日、4組のカップルのウェディングが予定されていた。

    美人双子が胸に秘める企み。
    新婦のクレームに振り回される、ウェディングプランナー。
    大好きな叔母の結婚相手を、信用できない、男子小学生。
    重大な秘密を抱えたまま、当日を迎えた訳ありの新郎。

    この4組が起こす騒動。

    それでも、
    全て、ハッピーエンドで、良かった。

  • 4組の結婚式はどれも「非常事態だ、さぁやるぞ」って感じ。大安でこれなら、「勘弁してよ」ってなるし、防災ベルも鳴るわけだ。でも魔女は女神で、ピアスの男はストッパーだった。面白くて愉快で、エンタメだぁ。

  • 私が読む辻村深月氏作品の39冊目(アンソロジー含む)。

    図書館のマイページ内「今度読みたい本一覧」に随分前から入れておいた本。

    私が小中学校の頃、同級生に何組か一卵性の双子ちゃんが居たけど、ちゃんと見分けられた。
    私だけでなく、誰もが。

    大学駅伝から社会人マラソン競技者になっている有名どころの一卵性双子兄弟も何組もいらっしゃるが、私は友達でも親戚でもないから「どちらが誰」と名前を言うことや「どちらがあの会社」と企業名を言うことなどはできないけれど、お顔の違いはわかるんだよなあ。

    本書のように喋り方や仕草にそれぞれの特徴が有ったとしても(だからそれを取り替えたとしても)、まずお顔が違うのよ。
    友達や、ましてや両親が間違えるとか、本当にあるの?

    表紙の絵の雰囲気が内容と全く合わない。(個人の感想です)

  • 自分の住む地域でもまん延防止措置の適用が始まりました
    通称まんぼう、そしてまんぼうといえば北杜夫先生の『どくとるマンボウ』です(関係ない)

    そのまんぼうによりまた図書館が閉館になってしまうのかとどきどきしていましたが、よく行く町の図書館は今回は時短と休日閉館ということになりました
    もともと夜勤明けの平日の朝一番で行ってますので全く影響ありません
    平日の朝は人も少ないので感染リスクも低いですしね

    というわけで無事『本日も開館なり』です

    さて『本日は大安なり』です

    4本の太さも色も違う糸がすうっと伸びていき一箇所でぎゅっとまとまったかと思うとまた4本に広がってふんわり絡まりあったら全然違う色の糸になる
    そんな物語でした。えー全く伝わらないであろう自覚あります

    よくある複数のストーリーがちょとづつ絡みあっていってそれぞれに結末を迎えという手法ですね
    しかも舞台は一同を簡単に集めやすい結婚式場でそれぞれの登場人物を掘り下げやすい結婚というイベントつきです

    よくある手法、よくある設定でよくある話にならないのがさすが辻村深月さんです
    そして優しく穏やかなラストに騙されてますが各ストーリーにしっかり毒がありこちらもさすがの辻村深月さんでした
    人間のある意味人間らしいちょっと醜い部分にもスポットを当てつつなんだかちょっと幸せな気持ちにさせられちゃう
    まだまだ辻村深月さんに騙されたい自分なのでした

  • ピアノを弾いて♪ と頼まれる中で、とりわけうれしいのは
    やっぱり、親戚や大切な友達の結婚式での演奏なのです。

    特に忘れられないのが、アニメ大好きな後輩に、キャンドルサービスのBGMを
    アニメソング尽くしでぜひ!と頼まれた時のこと。
    各テーブルを廻るのに予定より時間がかかった上に、
    最後のハート型のキャンドルになかなか灯が燈らない。
    準備していた曲は全部弾いてしまったので、彼女の好きなアニメを必死に思い出し
    即興でアレンジして弾きまくる私に、式場係の女性が目顔で送ってくれた励ましと
    「あとちょっと!」 「そろそろ弾き終えて大丈夫!」の合図が素晴らしくて。

    そんなことを懐かしく思い出しながら、
    ハプニングに見舞われても決して諦めず全力で対処し、
    晴れの日を温かく支えるウェディングプランナーの世界に惹きこまれました。

    双子の片割れとしてではなく、愛する人にだけは
    「世界にたったひとりの私」として見つめられたい、ややこしい花嫁。
    わがままでいつもケンカ腰、要望に沿うよう努力を惜しまないプランナーに対して
    感謝はおろか、自分がミスしても絶対に謝らない、クレーム魔の花嫁。
    大好きな叔母がいかにも怪しい相手に嫁ごうとしているのを
    なんとか阻止して守らなくては!と思いつめている小学生の男の子。
    愛する妻がいるのに、生来の調子の良さから、浮気相手と
    賑々しく結婚式を挙げる破目になり、当日になってぶち壊しを目論む花婿。

    何事においても成功まちがいなしのはずの大安吉日に押し寄せるハプニングの数々を
    登場人物の誰ひとりとして救いようのない悪者にはせず、
    心温まる解決に導く辻村さんの筆が鮮やかです!

    なぜだかツキに恵まれて、嫌なテストも学校に雷が落ちたことで免れてしまった過去とか
    評判のグラタンが生焼けだったりとか、あいかわらず伏線のさりげなさも絶妙で。

    「勘弁してよ」とつぶやきながら、「ややこしい子」を深い愛情で包む
    花婿の映一さんにきゅんきゅんしながら
    物語に関わった全ての人を祝福するように鳴り響くウェディングベルが
    本当に聞こえてくるような大団円に、歓びがこみ上げます。

    結婚式に夢を抱いていて、予算に余裕のあるカップルは
    日本経済のためにも、思う存分お金をかけて。
    ちょっぴり懐がさみしいカップルは、創意工夫で思い出に残るふたりだけの式を。
    そして、今、片想いに胸をこがしているひと、恋を失ったばかりのひとは
    いつか最愛の誰かと素敵な式があげられますように、と
    祈らずにいられなくなる物語でした。

    • まろんさん
      マリモさん☆

      最初はにこやかに弾いていたのですけれど、
      後半では青ざめて、キャンドルサービスの進行ぶりをちらちら気にしながら弾く私に
      いち...
      マリモさん☆

      最初はにこやかに弾いていたのですけれど、
      後半では青ざめて、キャンドルサービスの進行ぶりをちらちら気にしながら弾く私に
      いち早く気付いて、励ましの笑顔や絶妙な合図を送ってくれた
      式場係さんの頼もしかったこと!
      弾き終えたあと、うわ~ん!と飛びつきたくなる衝動を必死にこらえました(笑)

      そうそう、文体も展開も、作者名が伏せられていたら、
      辻村さんとは気づかないような雰囲気がありましたね。
      でも、登場人物の過去の些細なエピソードとか、
      結婚式場らしい、ごく当たり前の出来事として読み飛ばしてしまうようなところに
      周到な伏線を張っておいたり
      いちばんどうしようもない重婚騒ぎの花婿にも救いを用意するあたりが
      やっぱり辻村さんらしくて、やられた~!と思いました。
      「愛がある」だなんて書いていただいて、
      今月生まれの私にとっては素敵すぎるプレゼントをいただいた気分です♪
      マリモさんのコメント、娘に「見て見て見て!」と見せびらかしてしまいました(*'-')フフ♪
      2012/12/04
    • tiaraさん
      メッセージ頂きありがとうございました。

      結婚式のエピソードステキですね。
      この物語も心が温かくなって、わたしも好きです。

      すごく丁寧にレ...
      メッセージ頂きありがとうございました。

      結婚式のエピソードステキですね。
      この物語も心が温かくなって、わたしも好きです。

      すごく丁寧にレビューを書かれていて、本を愛しているんだなぁと。
      これからも楽しみに拝見させてもらいますね。
      2012/12/05
    • まろんさん
      tiaraさん☆

      こちらこそ、ありがとうございます。
      幸せな気持ちになれる本が大好きなので、
      この本はまさに理想そのもの♪
      読んだ後何日も...
      tiaraさん☆

      こちらこそ、ありがとうございます。
      幸せな気持ちになれる本が大好きなので、
      この本はまさに理想そのもの♪
      読んだ後何日も、頭の中でウェディングベルがリンゴンリンゴンと鳴っていました。
      tiaraさんのレビューも、わくわくしながら楽しみにお待ちしています(*'-')フフ♪
      2012/12/06
  • 伏線の回収がすばらしく、とても楽しめました。
    結婚式を迎える4組のお話です。
    ミステリ要素もあり最後まで一気に読めました。


    企みを胸に秘めた美人双子新婦、プランナーを困らせるクレーマー夫妻、新婦に重大な事実を告げられないまま、結婚式当日を迎えた新郎……。人気結婚式場の一日を舞台に人生の悲喜こもごもをすくい取る。

  • 大安吉日。
    一生に一度の一大イベント。
    そんなおめでたい日に不穏な空気が胸騒ぎを感じさせる。

    4組のカップルそれぞれの結婚式で巻き起こるハプニングにハラハラ。
    最後にはうまくまとめあげられた洗練されたエンターテイメント作品でした。

    結婚式に何度か出席したことがあり、やはり花嫁のドレス姿に憧れはある。
    しかし、現実的にそれほどの費用をかけてまですることなのかと疑問に思ってしまう。
    この本を通して結婚式の意義を考え直させられた。


    We can’t stop wishing them happiness when every couple gets married.
    They have to be happy.
    I wonder when I can find people whom I want to live with.

  • 先の展開が気になりすぎて、あっという間に読み終わりました。

    大安でも問題が起こる時は起こる!

    同時進行で進む、当日に結婚式を挙げる4組の新郎新婦のお話。
    特に、一卵性双生児のそっくり姉妹の加賀山妃美佳と鞠香のお話が
    お互いが嫉妬や執着などで拗らせすぎてて、人間味あって面白かったです。
    親でも騙せるくらいに似ている双子姉妹でも、すぐに結婚相手の妃美佳だと認識できる映一さんはただただ凄い…!

    ウエディングプランナーの山井さんの仕事に対するプライドがとてもカッコ良かったです。

    相手の考えてることなんて分からないんですよね。
    辻村深月さんってそういう細かいこと、すれ違いとか複雑な感情を書いてる多いイメージあります。
    それがなかなか面白いんですよね〜

    ハッピーエンド万歳!

  • 憧れの高級結婚式場で、同日に行われる四つの結婚式。それぞれの思惑と事情が臨界点に達したその時…

    四つのストーリーが複雑に絡み合う。人名や関係性や時系列が最初は混乱しましたが最後まで楽しく読めました。エンターテイメントって感じです。

  • 数年前に読んだ記憶があったけど内容ど忘れしてた。

    めちゃくちゃおもしろかった(^○^) お話を読む中で自分も結婚式を挙げた時の様子を思い出しながら読んでました。
    妃美佳と鞠香、真空くん、山井さんのお話しは良かったです。
    鈴木陸雄には腹が立ちました笑 貴和子よく耐えたなと思う(^^;;

  • 老舗結婚式場ホテル・アールマティ。

    大安の日、挙式予定のカップルが4組。

    美人双子の片割れ 加賀山妃美佳と眼鏡がクールな相馬映一。

    ギャル風でワガママな大崎玲奈と年の差婚の十倉氏。

    白雪姫になりたい薬剤師 白須りえと年下で頼りない東誠。

    軽薄なホスト顔の鈴木陸雄とその想い人。

    それぞれの画策や秘密に山井多香子や岬らプランナーまで巻き込み、無事式は進行されるのか!?

    ややこしく面倒くさい双子たちやどこまでも自己中心なギャル嫁に女たらしに……悪巧みの匂い。。

    途中ハラハラしたが、小気味良い展開で見事に辻村深月ワールドへ引き込まれる。2人が佳き日を迎えられるまでには本当にたくさんの人の想いやお金が動くんだなぁ…。その全てに応える意味でも新郎新婦は幸せになる責任がある。

  • たまには口コミとか評価を気にしないで、自分で選んでみようかと思い、図書館をブラブラ。

    赤のまだら模様と金色の文字、そして2011年話題の本のシール(結局評価参考にしてる)の背表紙に惹かれ手に取った本。
    表紙とタイトルをみる限り、どうやら結婚式関連っぽい。
    失敗したときの為に(失礼(-人-;))他にもお気に入りの作者さんの本も一緒に貸し出しカウンターへ。


    4組のカップルとその家族、それとプランナーさんの話し。
    話しは時系列で進んでいくのでわかりやすい。
    でも登場人物が想像しにくくて最初はパニック。

    一卵性の双子の妹の挙式、新郎が7歳年下のフリーターで家族に反対されていた薬剤師、プランナーの婚約を破談にした憎き花嫁、そして結婚してるのに不倫がそのまま結婚式まで話が進んでしまった糞男。

    前3組の話しはとてもよくて感動……
    でもさぁー糞男にはもっとちゃんとした罰がほしかったなぁー…( `°罒°)
    そこがちょっと腑に落ちない。

    わたし自身、結婚式はあげてない。
    ドレスも着てない。まぁ今となっては後悔もないけど、やっぱ結婚式って素敵だなぁーって思うえる話でした。

  • 胸イタのウェディングの話で泣けるイイ話なのかと思ってたら、不穏な雰囲気が。
    やがて大事件へと〜と思っていたらまたまたイイ話、そしてドンデンへ。
    飽きずに読めました。

  • さすがの辻村作品。一気読みしました。
    毒と優しさが程良く混ざり合って、全体としては、善を信じたくなるお話です。

    登場人物はみな多面的というか一筋縄ではいかないややこし系が多い中、相馬映一氏は突出した感ある。東マコト君はよくある、理解されないモッサリ男で、比較的理解できるような。

    連載時からは相当加筆されたのだろう、と思うくらい、映画的なカット割で、ドラマ版も見てみたくなった。

    結構式をドタキャンされた三田あすかさんだけは、不憫な役回りでした。。

  • ウエディングプランナーの多香子が勤めるホテルで行われる4つの結婚式にまつわるお話。

    11月のある大安の日に、4組のカップルが結婚式をとりおこなわれた。
    1組目は、双子の美人姉妹の妹と、眼鏡の奥の瞳に冷たい光がさす男性(どうやらずいぶんややこしい性格の持ち主らしい)の物語。
    この一卵性の双子である姉妹は、顔はそっくりなのだが、性格がずいぶん違うようだ。
    華やかで積極的、存在感があり仲間内の意思決定に常に関わる姉。
    子どもの頃のある日を境に、地味でおとなしく、姉に庇護される立場を甘んじて受け入れるしかなかった妹。
    どちらもこの立場を求めて落ち着いたわけでなく、そのようにふるまうことで絶妙なバランスを保ち、あたかもそれが正解であると生きてきた。
    誰よりも仲良く、太陽と月のように対となってどちらも決して欠けることなく、分かち難い2人。けれど、実際はそれぞれがお互いを強く意識し、自分が相手を出し抜き、自分こそが絶対の愛を手に入れたことを相手に突き付けたいと思っている。
    その企みは、結婚式当日に予想もしない形で実行された・・・。
    表向きの振る舞いとは違う心の奥の奥に気づいているのは、結婚相手の映一さんだけ。それは、最後に明かされるのだが。

    うーん。
    兄弟、親子の人間関係って難しい。
    いい話ももちろん多いけれど、複雑で依怙地になって、ひりひりした辛い感情を含むものも、あれこれ思い浮かぶ。
    (最近読んだ本では「ビブリアシリーズ」にもありましたね)
    なにしろ、長年にわたってじわじわと環境を変えずに既成事実化していくわけだから、何か雷に打たれてショックを受けるようなことでもなければひっくり返りにくいんだろうね。

    3組目の話に登場してくる甥っ子の真空くん。
    情報の混乱により、誤解が生じ、末端にいた彼は一人苦しむことに。
    ボタンのかけ違いからくる思い込みや勘違い、間違った方法で点と点をつなげて事実をゆがめてしまうことの恐ろしさ。
    真空くんのお母さんも妹のことを思っているからこそなんだけど。

    だんだん年をとり、敬語で話しかけられることも多くなってきて
    つい経験から決めつけてしまうこともあったと反省。
    視野を広く。知らないことの前では、謙虚にならねば。

  • 4組の新郎・新婦の結婚式までの心情の変化の描写は具体的で素晴らしかったのと、新郎・新婦のキャラ立ちが明確で4つのお話しはブレずに読み応えがありました。一方で、この本で何か得たかと考えてみると、あまり得るものがなかったかな?多分、感情移入が全くできなかったのが原因かな?本の説明に「エンタメ史上最強の結婚式小説! 」とあるが、それは納得。他人の結婚式って、やっぱり他人事なんだよね。4つのお話しに共通項(単に同一日に結婚式のみ)を設定し、それを劇的に押し通して欲しかったのですが、それが見えず残念だった

  • 今まで読んだ辻村作品とは ちょっと違った感じの作品。
    高級老舗結婚式場で 同じ日に行われる4組のカップルのお話が時系列で 進んでいくので、読んでいても先が気になり、わくわくしながら読み進められた。
    読み終わった後の読了感は清々しく、やっぱり辻村さん好きだな~。

    人生最高のエンターテイメントである結婚式に携わる ウエディングプランナーって大変だなと思う。山井さんのプロ意識さすがです。こんなプランナーさんに結婚式を作ってもらったら素敵な結婚式になるんだろうな~。

    私的には 双子のお話が一番好き。映一さんが 素敵。あ、東くんもよかったなぁ・・

    • まろんさん
      おお!ウェディングプランナーのお話、おもしろそう♪

      辻村さんの作品は、ようやく初期の長い長い作品群を読み終えたところなので
      作品がコンパク...
      おお!ウェディングプランナーのお話、おもしろそう♪

      辻村さんの作品は、ようやく初期の長い長い作品群を読み終えたところなので
      作品がコンパクトに纏められるようになるその後の作品を読むのを楽しみにしています。
      直木賞受賞作はちょっと作風が暗めみたいなので
      noboさんのおかげで、清々しく読める作品も待っていてくれるんだ♪とわかって
      なんだかほっとしました(*^_^*)
      2012/09/22
  • 今まで読んできた辻村作品は「冷たい校舎の時は止まる」「子どもたちは夜に遊ぶ」
    「ぼくのメジャースプーン」「凍りのくじら」「スロウハイツの神様」
    「名前探しの放課後」。

    この作者さんに対する私の評価は基本、「登場人物達を慈しむ作家さん」。
    まるでその目線は、神のような高さにあって母のようだ。
    しかもこのかーさんはたいへんな子だくさんで、どの作品も登場人物がてんこもり。
    しかも横軸でわずかに、それらの幾人かがつながってゆく。
    だから私たちはこの人の作品から目を離せない。

    どう成長するんだろう、何があったんだろう。
    一冊読み進むごとに顔をのぞかせる「顔なじみ」がいて、
    ちゃんと事後報告してくれるから、辻村作品にはある意味、終わりはないんだろうと思う。

    だから、この「大安吉日」1日ですべてのけりを付けざるを得ない今回の構成に、
    期待と同時に不安を覚えたのも事実だ。
    だって1日じゃ、誰も十分に成長できないじゃん?


     ところが読み終わって、かーさん、やるね?
    (すいません辻村先生、あたしよりかなりお若いですね)

     辻村作品の子供達はなんと、このわずかな間に爆発的に成長してた。
    憧れのお姉ちゃんを守る小さなナイトが、優柔不断なダメ夫が、シスコンの姉(妹?)が。

    そうしてなんだろう、この潔いばかりの前向きなケッコン讃歌。
    キモチいい!!
    とかく商業主義的だとかお約束だとか言われるけれど、
    やっぱり結婚式って大事じゃない?

    目の前のこの人が絶対に自分にとっての唯一無二であり、
    しかも自分も相手にとっての絶対じゃなきゃ、やってらんない。

    さらにそんな能天気な自己中なカップル達の思いを縦軸に、
    脇でしっかり「徹頭徹尾の完璧な脇役」に徹するプロ意識。

    そんな脇役にだって主役席をちゃんと用意するあたり、
    ここはかーさんの面目躍如といったところか。

    いろいろなところに楽しみをちりばめつつもちょこちょこっと棘のある、
    でも全体にハッピーエンドでカラフルな今回の辻村作品はなんだか、
    懐かしいこんぺいとうみたいだなって、
    いやいやもしかしたらカレイドスコープかな?なんてあたしは少し、考える。

    そうして、この本を手に取ったあなたに今好きな人がいて、
    ついでにもしもその人との大安吉日のケッコンを考えていたとしたら、
    そんなあなたを私はとても、羨ましく思う。


    いつかはあなたの王子様は、お姫様は、今のきらきらを少し、失うかもしれない。
    そんなときに胸に手を当ててこう呪文を唱えるだけでいい。
    「大安吉日にケッコンしたじゃん、ダイジョブダイジョブ」

    辻村作品、万歳。なんだこの、爽快感?
    くーっ、ケッコン式、ジューンブライド、いいなぁ!

  • 途中途中で読み進めるのが怖くなるくらい、状況の恐ろしさを感じる作品でした笑
    大安というハレの日に繰り広げられるすったもんだ。有り得ないんだけど、先の展開を想像したり、裏切られたり、ジーンときちゃったりと感情ぐちゃぐちゃにされました。私はこの作品好きですね。

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著者プロフィール

1980年山梨県生まれ。2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。11年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、12年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、18年『かがみの孤城』で第15回本屋大賞を受賞。『ふちなしのかがみ』『きのうの影ふみ』『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』『本日は大安なり』『オーダーメイド殺人クラブ』『噛みあわない会話と、ある過去について』『傲慢と善良』『琥珀の夏』『闇祓』『レジェンドアニメ!』など著書多数。

「2023年 『この夏の星を見る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

辻村深月の作品

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