県庁おもてなし課

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  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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  • Amazon.co.jp ・本 (461ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048741828

感想・レビュー・書評

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  • とても興味の持てる話だったし面白かった。

    「村おこし」と言う題材も面白かったし
    県庁の役人が民間の(と言うか一般の)常識が解らずついて行けず
    そこからの常識を身につけるとこらかのスタートと言う所も面白かった。

    ここまでは行政に関わった仕事をしている訳ではないし公務員でお役人でもない
    人間の感想。
    多分これが行政に関わった仕事をしていたり、それこそお役人であれば感想も違うのではないか?と思う。
    見方によっては軽く行政批判とも取れる作品かな~と思います。

    最初の部分はやたら「お役人だから」的な言い回しが多く
    民間である私にしてみたら、全くそう言う意見になる。「行政はロクに仕事もしない」し
    「一般的感覚が民間と違う」
    この意見は行政を知らない人・・・と言うかその仕事を理解していない人の書き方です。
    強いて言えば行政には頑張って欲しいと思っている話で有れば、そこら辺はもっと客観的にあらわした方が良かったんじゃないか?思いますが

    正直言えば今回の『県庁おもてなし課』は面白いか?聞かれたら「面白かった」と答えますが
    なんて言うか・・・子供のじゃれ合いぽいな。思いました。

    話の半分からして「可愛い」という言葉が連呼。
    好きな女の子に対して「可愛い」と思うから可愛いと主人公に云わせてるんだろうけど
    男同士の友情でも『可愛い』と表現するのは・・・
    読んでて言葉のボキャブラがないのか?と思うほど頻繁に出てくるんで

    あと佐和の存在もな・・・
    いきなり水をぶっかける。いきなり人をひっぱたく。
    百歩譲って役人が嫌いだから追い返すつもりで水をかけるは理解できるとして
    いきなり「ひっぱたく」は常識的に考えてこの女、常識ないんか?と思う。

    県庁が父親にしたし打ちで恨みに思うのは解りますが
    子供か?と云いたくなるほどヒステリックすぎて好感が持てない。
    それでも有川作品なのでお決まりの恋愛話を持って行く。

    シアターあたりから登場人物全員が皆、恋愛をする。と言うのは少々うざったく見える。
    だから1つの本で2つ以上の話が出来ているので
    どれも「恋愛成就」させる事を目的とした話となってきている。
    折角、題材的には興味持てる面白いものを使っていても、折角の題材を消化できずに終わっている。
    だったら最初から題材使わず「恋愛」だけをメインにした方が読みやすい。
    あっちもこっちもとするから中途半端になってきている。

    なので有川作品お得意の恋愛劇甘話も、オチを付けるのもムリムリっぽく見えました。
    ハッキリ云って吉門と佐和の恋愛は無かった方が良かったんじゃない?と
    思ったな~
    無理にこの話で関係とかの説明を入れる為に題材の「村おこし」が中途半端だし
    と言って、この話に上手く持って行ったのかと言えば
    無理やりハッピーエンド感にした感じが強かったので

    それで星2つにしました。

  •  県庁「おもてなし課」を舞台とした観光ネタのラブストーリー。文章は上手いのですが、観光や県庁の描写が今ひとつで、恋愛描写も単調な感じを受けました。特に、作者の経験からか、公務員に対するマイナスイメージが前面ににじみ出ており、バランスを欠いた作品になっているように思います。単なるラブストーリーなら、この内容でも悪くはないのですが、観光や公務員問題に切り込むにしては、その構成があまりに貧弱です。民間=有益、行政=非効率という短絡的な考え方のみで、それぞれの役割や特性については深く考えられていません。その上、観光施策がトイレの修繕および「高知総レジャーランド化」と、それこそ箱物行政・総花的施策という旧施策的な内容では、本当に観光問題や行政問題について向かい合ったのか甚だ疑問です。個人的な感情を単に小説の中で振り回すのは小説家の傲慢であり、その姿勢に疑問を感じざるを得ません。
     それでも、父親の与太話である「パンダ誘致論」を上手く小説に取り込んでいる所は流石です。才能ある作家だと思うのですが、こうした一面的で安易な構成には、全く残念な思いです。

  • ワクワク→モヤモヤ


    仕事につながる部分もあり、ご当地ものは大好きなので、かなり期待して読みました。が。
    正直期待しすぎたかも。
    つまらなくはないんですが…。
    ここまで高評価だらけなのが不思議。
    まあそもそも嫌いな人はわざわざレビュー書かないでしょうが。

    なんか、モヤッとするんですよね。
    好みの問題も大きいですけど。

    まず、観光とか地域振興が主題ですが、その途中ではさんでくる恋愛ネタが、中学生の頃よく読んでいたコバ○ト文庫を彷彿とさせる文章で。
    登場人物はみんないい歳した大人なのに、こんな中学生みたいな恋愛ばっかりしてるのは正直不自然。

    観光の秘策も、さんざん引っ張った割に、蓋を開けてみればグリーンツーリズムとか地元の人が気付かないものに価値があるとか、だいーぶ昔から地域振興のシンポジウムなんかでは言い尽くされたネタばかりでがっかりしました。
    斬新なものが必ずしも正解ではないのは分かるけど。
    大学の時の授業をもう一度聞き直した感じの今更感。
    設定上、まちづくりの答えを観光カリスマに言わせてしまってるのもどうかと。
    ミステリーで、物語終盤に犯人に動機から手口からひとつ残らず喋らせてしまうのと同じような安直さ。

    絶賛していらっしゃる方には申し訳ないですが、正直事例のレベル的には大学生(院生ではない)のレポートと変わらないです。


    あとやっぱり、恋愛ネタは蛇足かなぁ。
    小説として成立させるための心理描写なら、清遠家のエピソードだけで充分だと思います。

    あと、最初は痛快に思えた役所の手際の悪さの指摘も、途中から段々嫌味に感じてきました。
    『あたし正しいこと言ってるのよ、“民間感覚”を知らないあんた達に教えてやってんのよ、どーよ!』という著者のドヤ顔が見えてきそう。


    キーパーソンの一人である清遠氏も、どうせ小説なら、もっともっとはじけてた方が面白いのに。
    実在の事例を小説として馴染ませる為にはこのあたりが妥協点だったのでしょうか?
    敢えて普通っぽい入門編の事例に留めておいた方が万人受けはするのかな。
    個人的にはそれが逆に小説としてのエンターテイメント性も損ねてしまっているような気もするのですが。

  • 前半は御役所感覚の主人公が悪戦苦闘して打たれ強く努力するのが面白かったのですが
    後半はこれといってパンチあるものがなかったかなーっと

    前半は成長物語で
    後半恋愛小説になってたから
    ただたんに私が恋愛小説好きじゃないからかなー…

    最後スッキリしない終わり方だったので星2つです

  • 本文に何度も出てくる「民間感覚」という言葉が印象深い。公務員に欠けていること。

  •  タイトルで衝動買いしてしまった。

     主人公は、高知県庁おもてなし課に勤務する、入庁3年目、25歳の若手男性職員。そんな彼が、県庁「おもてなし課」で、観光政策をしながら、悩み考え成長し、友情を育んだり、恋に落ちたりもするという、いたってシンプルな内容である。

     このような話に、シンパシーを感じないわけがない。読まずにはいられない。

     作品中では、観光に関する様々な提案やヒントが記されており、観光行政について、参考になった。

    (1)観光行政を行う上で、県はサポート役。民間企業が観光客からのお金を受け取ることが大切という発想。

    (2)民間感覚を取り入れるのに、「公務員じゃない、フットワークが軽く、気がきく、若い女性」が大事という点。

    (3)観光客の印象に残るのは、生理的な欲求。すなわち「食事」と「排泄」
    トイレの整備が大切ということ。

     感覚的にはわかってるけど、実際に文字として表現されると納得。

     この作品はもう1つの軸として、公務員体質の批判がある。そして、民間感覚は素晴らしいと。
     
     もちろん「お役所体質」というものは負の部分はたくさんある。この作品を読んで、心が突き刺さる事例はいくつもあった。確かにそうだなと。
     
     でも、何でもかんでも民間感覚で「公」の行政をすればいいというわけでもない。まあ本作の観光という分野は、民間感覚が必要な分野だと思うが、そうじゃない分野もある。

     そしてそこに、公務員として働く魅力・意義があると想っている。賛否両論。いろいろ考えさせられる。

  • 有川作品は大好きだけど、これはちょっとなーと。

    高知県庁おもてなし課。
    県の観光事業を盛り立てようとつくられたこの課に配属された
    若手社員の掛水。
    高知出身の新鋭作家に観光大使にお願いしたところ
    初っ端から県庁の発想、やり方、立ち位置、全否定。
    作家の紹介でやり手の観光アドバイザーが現れて…。

    ほぼノンフィクションらしいです。
    吉門=有川さんで、実際におきたエピソードが
    随所にあるようで。興ざめでした。
    有川さんはいつからライターになってしまったのかしら。
    読者に対する「こういう風に受け取れよ」という意図が見えすぎる。
    昔の作品の方が素敵だったな。

    面白くないわけではないし、
    吉門と佐和ちゃんの関係には
    涙しながら読んだので楽しんだことは楽しんだんだけどね。

    もしドラがドラッガーの超絶入門書だったように
    この本も観光政策の超絶入門書という位置づけでいいと思います。
    小説として分類されることに抵抗があるw

  • 読むのにかなりやっかいでした。

    物語の展開が遅く、スピード感がありません。そのため非常にストレスが溜まります。

    また文章の多くが会話形式なので、読み疲れします。

    町おこしをドラマティックにそしてロマンティックに描こうとしておりますが、どうも幼稚な設定で、町おこし企画もさもリアリティありそうで画竜点睛を欠く内容・・・。

    またキャラ設定がステレオタイプで陳腐。ツンデレ、ゆるーい淡い恋愛感情。好みの分かれるところです。

    さらに無理やりハッピーエンドにもっていくあたりなどは、正直人間を馬鹿にするなと感じてしまいました。深み、悩みなどもっとエグイ部分を描いてもいいんじゃないのかなと。

    かなり辛口批評になりましたが、逆を返せば「さわやか」という評価になります。

    しかし、観光の現実を知り、旅行の現場を知っていると、もうなんだか残念極まりない作品でした。

    ライトノベルとしてはすごくいい読み物なのかな?

  • ご当地ソングならぬご当地ノベルス。
    舞台は高知県。
    土佐弁と土佐の名産品と観光名所を織り込みながら、
    けれど、ストーリー自体は平凡。
    県庁職員に民間の視点を教え諭す「作家吉門喬介」が
    著者自身にダブってみえて、
    そうなると上から目線のセリフが妙に気になって、
    あまり小説世界に浸れなかった。
    ちょっと残念でくやしい。

  • 同じパターン、ステレオタイプの人物像と表現・展開はもういいかな…追うの。

著者プロフィール

有川 浩(ありかわ ひろ)
1972年高知県生まれ。PN由来として、「有川」は書店に本が並んだ時に「あ」から始まる名前として、著者五十音順で棚の最初のほうにくるから。「浩」は本名から。
2003年『塩の街 wish on my precious』で第10回電撃ゲーム小説大賞を受賞。2006年『図書館戦争』で「本の雑誌」が選ぶ2006年上半期エンターテインメントで第1位を獲得し、さらに2008年には同シリーズで第39回星雲賞日本長編作品部門を受賞。映画化もされた代表作となる。
『植物図鑑』で第1回ブクログ大賞小説部門大賞、『キケン』で第2回ブクログ大賞小説部門大賞を2年連続で受賞。2011年には『県庁おもてなし課』で「ダ・ヴィンチ BOOK OF THE YEAR 2011」で総合1位と恋愛小説1位、第3回ブクログ大賞小説部門大賞を3年連続で受賞。2012年『空飛ぶ広報室』が「ダ・ヴィンチ BOOK OF THE YEAR 2012」で小説部門第1位。
その他、ドラマ化作『フリーター、家を買う。』、映画化された『阪急電車』『県庁おもてなし課』『植物図鑑』などが代表作。

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