- 本 ・本 (600ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048741835
作品紹介・あらすじ
創薬化学を専攻する大学院生・研人のもとに死んだ父からのメールが届く。傭兵・イエーガーは難病を患う息子のために、コンゴ潜入の任務を引き受ける。2人の人生が交錯するとき、驚愕の真実が明らかに――。
感想・レビュー・書評
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アフリカ・コンゴ、アメリカ、日本を舞台にしたアクション×サスペンス×エンタメ群像劇!
これは人類の「新・出アフリカ」記か。
人類の脅威となりうる「何か」がコンゴで<生まれた>。それを火種に、米ホワイトハウスから物語が動き出す。「何か」に付けられた暗号名は<ヌース>。そして作戦名<ネメシス作戦>。
アメリカ政府機関、アフリカ紛争の内実、世界情勢、理系基礎研究、軍事、諜報、人類学などの緻密な描写が説得力と重厚さを生み、物語のスケールを支える。
約500万年前にアフリカで生まれた人類。約20万年前に現生人類が「出アフリカ」し、何万年もかけて地球上に広がった。
ここから、ふたたび人類が始まるのか。それとも、終わりの始まりか。
大統領以下の政府高官、科学者、傭兵、日本の大学院生まで、それぞれの信念と思惑が絡み合う。
デッドライン(文字通りの)があり「逃げながら闘う」2つのストーリー。
急流のような話の流れに、丹念に張られた伏線。それらが回収されたときのカタルシス。
人間の本質、戦争の非人道性などテーマは軽くはない。
しかし、活劇としての純粋な面白さと、知的好奇心への刺激を感じられる傑作だ。
あっという間の590ページでした。
作者の、意味不明(?)な日本人下げと たまに挿入される思想的スタンスはすこし引っかかるが・・・おいておこう。
あのラストを描いてくれたのだから。 -
高野和明さん著「ジェノサイド」
第65回日本推理作家協会賞、2012年このミス第1位受賞作品。
実のところ12年前にこの本を知人から戴いていたのだが当時は読書から離れていた時期だったため読まずにいたら本棚で時が一回りしてしまっていた。
意を決してやっと読み出してみたら凄くエンターテイメント感溢れる傑作で最高に面白かった。
物語は三場が同時進行し展開されていく。米国(ペンタゴン)、日本、コンゴ(森林地帯)の三場。
この三場同時展開が絶妙だった。
読み進めていくとミステリーと物語の理解度が増していく面白さ、不透明なものが透明になっていく様な作品だった。この作品の評価が高いのがよくわかる。
同時に超人類ヌースに対して登場人物達の各々の捉え方、感じ方が立場や文化毎にどれも生々しい人間らしさを色濃く描写されておりそのどれもが印象に残った。
凄く知的興奮が味わえる作品で、実際に今までの人類の歴史の中でこのような超人類は生まれていたのではないか?と思えてくる。作中にあったように多くの場合奇形児として早い段階で人の手によって葬られてしまってきたのではと思う。
古代エジプトのコーンヘッドのミイラをはじめ、超人類の存在と思わしき痕跡は人類の歴史上に結構存在している。
そういう高次元知的生命体には実にロマンがありつつも同時に脅威でもある。実際には脅威の方が強いのではないだろうか?
異端に思える程の高い知性を目の当たりにすればそれは神の領域の者だと思うしかない。
その人間の知性を越えた存在に対して恐怖心を抱き、未来に対しての大きな不安要素となりその存在自体が脅威だと感じるだろう。
この作品内でも人々のその葛藤が強く描かれており、その誰しもの葛藤に共感できた。最高だった。
高野和明さん、読まずに12年も放置しておきながら言うのもおこがましいが非常に素晴らしい作家さんだと思った。著者の「13階段」も読んでみたいと思い早速購入してきた。
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元グリーンベレーの傭兵 イエーガーは、不治の難病を抱える息子の命を救うために大金が必要だった。そこへ、多額の報酬と最高ランク機密の作戦任務の依頼がくる。イエーガーは『暗殺任務』ではないかと考えたが余命一ヶ月となった息子の命を救うため承諾する。イエーガーは選りすぐりの精鋭である3人の仲間と共に訓練を受け、第一次アフリカ大戦真っ只中のコンゴ民主共和国に潜入。そこで行われる「ガーディアン作戦」とは、危険な感染症が蔓延したピグミー族の住人たちを『一斉駆除』すること。そしてもう一つ、【これまで見たこともない生物】を見つけた場合、直ちに殺せという謎の任務だった。
専門分野を薬学とする大学院生の古賀研人は、父親の葬儀を終え、自宅のパソコンに届いた一通のメールを見て驚く。それは急死した父親からのメールで、父親が死亡してから5日後に送信されたものだった。そこには「不治の病を治療する新薬開発を、極秘に一人で完成させろ」「しかし、身の危険を感じた場合はすぐに放棄しろ」と書かれていた。父親の残したメモから、実験用のアパートと 創薬ソフトの入ったパソコンを手にした研人。そして、研人の携帯電話にかかってきた『今すぐあなたの部屋から逃げろ』という音声変換されたメッセージ。このソフトを手にしたことで、何者かに自分の命が狙われていると気づいた研人。しかし、病に冒された少女との出会いと 韓国人留学生の正勲の協力のもと、少女の命の尽きる前に新薬開発を成功させようとする。
『人類滅亡の可能性
アフリカに新種の生物出現』
何の接点もないイエーガーと研人。アフリカと東京のアパートの一室で同時進行する二つの物語。それを繋ぐ鍵は、現生人類の存続を脅かす『驚異的な知能を持つ生物』。
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疲れる読書だった。
何日かけて読んだのか。薬学の知識など難しい箇所では何度も寝落ち。
戦争の残虐なシーンでは心が折れるどころか粉砕し一旦やめる。
けれど、最後の研人とイエーガー、そして人類の命が危うくなるシーンがグルグル変わりながらやってくる展開に、そこからは心臓バクバクさせながら一気に読みきった!!「逃げきれー!」「新薬届けー!」と心の中は大騒ぎだった笑
研人と正勲の勇敢な青年の物語がなければ最後まで読み進めることは出来なかったかもしれない。
「戦争がこんなに怖いものだとは知らなかったんだよ」というピアーズ。本当にそう。人間が人間に対してこんなにも酷いことができるのかと。特に子供兵のページは心臓握りつぶされたように痛かった。また戦争からの帰還兵がPTSDを患うのも当たり前かとも思った。銃を持った子どもたちを敵にして殺し合う。まともな精神でいられるはずがない。
核のボタンを持つ大統領の愚かな決断を聞いた時は、ルーベンスの「この思い上がった下等動物を殺せ!」という心の声に「そうだ!そうだ!」と賛同しそうになった。
ジェノサイドを繰り返すのが人間だというハイマンズに、ルーベンスが「互いを思いやる心を持ったヒトの方が僅かに上回っているから、現生人類は滅びていないのでは」と反論するところも良かったな。
研人が アキリに言った言葉。「もう安心だよ。ここには戦争はないからね。この国の人たちは、もう戦争しないと決めたんだ。」
子どもたちの未来の為に、自分たちの命を顧みず闘った研人と正勲の言葉をアキリはどう受けとめたのか。
いまだに戦争をやめない私達を見て、アキリは人類に失望し見切りをつけないで欲しいと願うばかりです。
そして今度こそは間違えずに「グレイヴディッガー」を借りてこれますように(*ノ>ᴗ<)テヘ 笑-
いっきゅーさん疲れた…。
いっきゅーさんもお仕事お疲れ様。
やっぱりそのくらいボケないとダメかー笑
明日あたりまたジェノサイドのレビューあげ...いっきゅーさん疲れた…。
いっきゅーさんもお仕事お疲れ様。
やっぱりそのくらいボケないとダメかー笑
明日あたりまたジェノサイドのレビューあげてみるか笑2024/01/19 -
明日、ジェノサイド再レビュー!
「グレイヴディッガー」を読んだ時もジェノサイドのレビューで!w明日、ジェノサイド再レビュー!
「グレイヴディッガー」を読んだ時もジェノサイドのレビューで!w2024/01/19 -
書くことなくなるわっ!笑
わたしのレビュー読んだだけで、ほぼお話読んだのと一緒くらいになっちゃうよ笑書くことなくなるわっ!笑
わたしのレビュー読んだだけで、ほぼお話読んだのと一緒くらいになっちゃうよ笑2024/01/19
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著者、高野和明さん(1964~)の作品、ブクログ登録は2冊目。
本作の内容は、BOOKデータベースによると、次のとおり。
---引用開始
急死したはずの父親から送られてきた一通のメール。それがすべての発端だった。創薬化学を専攻する大学院生・古賀研人は、その不可解な遺書を手掛かりに、隠されていた私設実験室に辿り着く。ウイルス学者だった父は、そこで何を研究しようとしていたのか。同じ頃、特殊部隊出身の傭兵、ジョナサン・イエーガーは、難病に冒された息子の治療費を稼ぐため、ある極秘の依頼を引き受けた。暗殺任務と思しき詳細不明の作戦。事前に明かされたのは、「人類全体に奉仕する仕事」ということだけだった。イエーガーは暗殺チームの一員となり、戦争状態にあるコンゴのジャングル地帯に潜入するが…。
---引用終了 -
読むのに時間がかかりましたが私の稚拙な感想では本書の凄みが表せないシリーズの星10ぶち抜き案件です。
なので、数多くあるレビューの中の添え物としてそっと書こうと思います。例えるなら、ほか弁に入っている申し訳程度のお野菜ですね。
『ジェノサイド』この言葉を知ったのは『サイレン』というホラーゲームでした。エンディング後に主人公がえらい事になり敵をフルボッコにする様を物知りの友人がこう表現していたのです。
以来、私もすぐ冗談で「ジェノサイドするしかないな」とか言っていたのですが、本書を読んでこの言葉の重みを痛感し軽々しく使えなくなりました。
相手が敵であれジェノサイドは正しいのか…
高野さんの『グレイヴディッガー』でもそうだったのですが登場人物ごとの物語が交互に行き来します。更に登場人物が増えて内容も混み入っているのに読みやすくて分かりやすく、再三書いていますが脚本家の方は本当に凄い!
科学と暴力と政治が交互に展開するので緊張感がずっと持続します。
父親が亡くなり『肺胞上皮細胞硬化症』という難病の特効薬をたった一月で合成するという無茶苦茶なミッションを引き継いだ、院生の研人。
重度の『肺胞上皮細胞硬化症』に苦しんでいる息子の治療費を稼ぐために民間軍事会社で身体を張って戦いに身をやつしているイェーガー。主にこの2人を主軸に物語は展開します。ここにファッキ〇大統領のバーンズや飛び抜けたIQを持つ心理学にも明るい科学者のルーベンスなどかなりの登場人物が絡んできます。
もう禁止用語を使ってしまう位の怒りを覚えてしまうバーンズですが、今の時代に読むとプーチンに比べたらマシだなと思ってしまいますね。ドヤ顔で再選する気満々なので遠い国の私ですら頭を抱えているのに、ロシアの良識ある方々のご心労は計り知れないと思うのです。何故こんな現世への憂いが出てくるのかと言うと、本書は2011年に書かれたもので作中でも出て来ますがイラク戦争が終わったすぐ後の話です。
2024年の今、あれ同等かそれ以上に酷い殺し合いが続いている現状にゾッとしたからなのです。
もし今、イェーガーを含め抜擢された4人の特殊部隊が暗殺を命令されたとある未確認生物が現存していたら、我々人類を見てどんな決断を下すのか暫く考えてしまいました。
ここまででお察しの通り、読むのにかなりのエネルギーを必要とします。科学がサッパリなので知らない世界を知るのは楽しくて大好きなのですが、理解するまでに時間がかかった事も原因ではあります。政治の暗部や人間の善悪、神の視点から見た人類、何度も出て来る大量虐殺(子供も含まれます)に虐待。
かなりヘビーです。
それ故に命を懸けて他人を救おうとする研人と見返りも求めず研人を助ける韓国人のジョンフンの善性に感動が止まらないのです。
このバランスが絶妙。話の構成も素晴らしいので海外ドラマを見ている時のように先が読めずにハラハラし通しで、眠いけど少しだけでも、と思っていたら終盤はもうページを捲る手が止まらなくなり結局目がギンギンに冴えた上に最後の方で何度もやってくる久々の涙腺崩壊。
目の下のクマに加えて明日は目が腫れぼったくなっているというフルコンボですが、眼鏡をかけて誤魔化そうと思います。(さっき鏡を見てあまりの酷い顔に変な声が出ましたが)
イェーガー達が派遣されたのが南アフリカなので、舞台が日本、アメリカ、南アフリカと転換するのもページ数が多いのに一切飽きない要素の1つでした。
基本的にはバーンズが1番酷く書かれてはいますが、日本人にもヤバい人物が出て来ます。この辺りが平等なのでより本書で提示されている問題が身につまされます。
もしかすると小難しく思われてしまったかも知れませんが、この内容なのにエンタメ性が失われていないのでエネルギーは必要ですが全然苦ではありません。今こそ読むべき本だと思いますのでお気になられている方は是非チャレンジしてみて欲しい一冊です。
前のレビューで集中して読書をしたい時は音楽を流すと書いたのですが、今回は終盤ずっと『人間椅子』というクールすぎるおじ様メタルバンドの『さらば世界』という楽曲をリピートしていました。
このバンド、私はメタルで文学作品を聴かせてくれるバンドという認識なのですがこの楽曲は本書にピッタリな気がしました。
ちなみに、PVのCGの雑さが最高です。逆に今これが出来るなんてたまりません。-
レビューは濃く、弁当をあっさりにしますか
あっさり…、あっさり…、唐揚げのレモンソースなどw
もう、弁当の話はいいか…(^.^;
レビューは濃く、弁当をあっさりにしますか
あっさり…、あっさり…、唐揚げのレモンソースなどw
もう、弁当の話はいいか…(^.^;
2024/02/05 -
本日のお弁当は肉じゃがと卵焼きなのでややあっさりでした笑
唐揚げのレモンソース!食べたばかりなのにお腹減るー!!本日のお弁当は肉じゃがと卵焼きなのでややあっさりでした笑
唐揚げのレモンソース!食べたばかりなのにお腹減るー!!2024/02/05 -
またまたオイラ(2025年の一人称はこれでいきます)の本棚に「いいね」をありがとうございます。
なんかこの本か映画か、以前にすごく話題にな...またまたオイラ(2025年の一人称はこれでいきます)の本棚に「いいね」をありがとうございます。
なんかこの本か映画か、以前にすごく話題になりませんでしたっけ?2025/01/08
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面白かったが、長かった〜。
590ページの超大作。頭が疲れました。
第一部がなかなか進まず、そこにほぼ10日くらい費やして、第二部に入ってから、いろいろ繋がり出して2日で読んだ。
第一部で我慢を強いられなかったら、星5つでした。最後の伏線回収までが見事!
ハッピーエンドで読後感もスッキリ!
これ書くの大変だったろうなぁ。作家の凄さを改めて感じた作品でした^_^
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こんばんは
フォローありがとうございます♬.*゚
読了お疲れ様でしたっ!
私はルーベンスが好きでした(‘v’*)こんばんは
フォローありがとうございます♬.*゚
読了お疲れ様でしたっ!
私はルーベンスが好きでした(‘v’*)2025/02/09 -
こんばんは!
よろしくお願いします^_^
ルーベンス好きなんですね!
僕は李正勲の前向きな態度が好きでした!こんばんは!
よろしくお願いします^_^
ルーベンス好きなんですね!
僕は李正勲の前向きな態度が好きでした!2025/02/09
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すごい話を読んでしまった・・・
読んでる間はハラハラドキドキしっぱなしで
帯に「徹夜本」とデカデカと記載されていましたが
まさにその通り
読み終わった後は
壮大なスケールの3部作くらいの長編映画を見終わった後のような
清々しい満足感が得られて、今余韻に浸っています
本を読む醍醐味が味わえました
本を読んでいると、自分の想像力が試されることがあるのですが
この作品は勝手に映像が脳内再生されます
ちなみに私の脳内ではこちらの俳優さんで脳内再生されていました
イェーガーはブルースウィリス
ギャレットはケビンベーコン
マイヤーズは若い頃のオーランドブルーム
ミックはケインコスギ
ピアースはトムハンクス
研人は赤楚衛二
正勲は中村倫也
すごい豪華俳優陣だったので、読んでいて楽しかった
薬学の知識がゼロの私にも理解できるほど
新薬を作り出す過程がわかりやすく解説されており
新薬開発がいかに困難な道のりなのかを知ることができます
肺胞上皮細胞硬化症という病気は
実際には存在しないらしいです、よかった
できることなら
もう一度、記憶を消してハラハラドキドキ読みたい・・・
そのくらい楽しかったです -
高野和明さんは
『踏切の幽霊』『13階段』に続き3作目。
今回は長編大作の『ジェノサイド』
ジェノサイドとは一般的に「集団殺人罪」のこと。
物騒なタイトルに尻込みしつつ、ブクログ高評価に期待しながら読み進めた。
圧巻のスケール感と想像を絶する壮大な物語は、読書中に非現実的な興奮状態をもたらしてくれた。
頁を捲る手が止まらず、脳内にアドレナリンが出ているのを感じるほど。こんな読書体験はなかなか無い。そして読後、長編ハリウッド映画を観た後の様な、満足感と心地良い疲労感にしばし陶酔した。
さて、ネタバレは避けるとして・・・
日本、アメリカ、コンゴの全く異質な三拠点で同時進行する本作。舞台を切り替えながら疾走感と躍動感が高まる中で、ミステリーの要素が緻密に張り巡らされているのが面白い。
更に、現世人類の本質が見事に描かれていて、古からの生存競争に生き残った我々への課題と問題定義が物語の軸となっている。
読後、この内容を以てして、タイトル名を『ジェノサイド』とした作者の意図に思いを巡らさない訳にはいかない。そしてこれこそが、作者の読者への強いメッセージなのだと感じた。
いやぁ、高野和明さん。
3作品読んだが、どれも全く違う構想で驚かされる。
特に、本作『ジェノサイド』は、この物語を描き切られたその熱量と知能の高さに、同じ現世人類として尊敬の念を抱いた。本作を書くための膨大な知識の吸収は、並大抵な努力では叶わなかっただろうと思う。
読書に没頭して、未知なる読後感に心を躍らせたい方に特にオススメしたい作品♪ -
2020/08/30読了
#このミス作品43冊目
高度な知識を持った新人類の誕生に
恐れを抱く現人類の国を興した抹殺計画。
学生に委ねられたタイムリミット付きの
難病ワクチンの創薬。
2軸で進む壮大なストーリー。
とにかく頭フル回転で読み進めたい。 -
難解な専門用語に打ちのめされながらも、先が気になって読み進めずにはいられなかった。
・強欲と権力と傲慢が渦巻くホワイトハウス
・濃密なジャングルの湿度と血なまぐさい戦闘に渦巻くコンゴ
・荒削りでそしてフレッシュな頭脳をフル回転させている2人の若い科学者が潜む日本の小さな1部屋
この3つの拠点で、新薬と未知なる生命を巡りそれぞれが命をかける。
これでもかというほどの残虐な描写が続くストーリーのラストは、暗雲の中から一筋の美しい光が射すような思いがけず爽やかなものだった。
なんといっても魅力的だったのは大学院生2人の愛おしいまでの情熱だろう。
時間との戦いとなる後半はハラハラしどおしであった。「無理だ」と言わなくなった研人が自分の命を顧みずに薬を届ける場面では手を握りしめながらページをめくった。窮地でも柔らかく笑ってきっちり仕事をこなす正勲がまたパートナーとして素晴らしい。余談になるが、韓国の「情(ジョン)」の考えにもとても惹かれた。
エマの敵への報復もまた見どころである。
大統領にも思い切り報復を与えて欲しいとおもったけれど、未来永劫の恐怖を与えることが1番の報復なのだなぁと解釈。
本編中、人類とは人類の歴史とはなんと強欲と血にまみれた穢らわしいものなんだろうと悲しくなった。
日本では報道されない理不尽な紛争が世界にはあふれているのだろう。
ラストに研人がアキリに言った「この国の人たちは、もう戦争はしないと決めたんだ」という言葉が嘘になりませんように。と願ってやまない。
ピグミーのような愛すべき民族も平和で暮らせる地球であってほしい。
この著名な著者の作品を読むのは今回初めてだったが、なかなか生気を吸い取られる作品だった。
読み終わってしばしぼーっとしてしまった。
また他の本も読んで生気を吸い取られてみたい。笑
著者プロフィール
高野和明の作品






推しごとのプロの方がいた….笑。
シングルトン推しとかいってスンマセンでした!
推しごとのプロの方がいた….笑。
シングルトン推しとかいってスンマセンでした!
かっこよすぎました
かっこよすぎました
ギャレット、イケおじでしたね。
ギャレット、イケおじでしたね。