共同正犯

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048742139

作品紹介・あらすじ

姫路・夢前川の製鎖工場で、男の遺体が発見された。あくどい商法で知られた不動産業者。疑いの目は工場の持ち主で、被害者への巨額の連帯保証債務を抱え苦しむ、女社長に向けられた。しかしベテラン刑事・岩田は見抜いた。この事件には、共犯者がいる-暴かれてゆく過去の因縁。真犯人は、そして犯行の真の意図とは?社会派ミステリの旗手、最新作。

感想・レビュー・書評

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  • 「連帯保証人」殺害事件
    理不尽な法律の一つ「連帯保証人」から多額の負債を抱えた一人の女性を守るために周りがなんとか救済しようと動き回る。そこに債権者が他殺体で発見、だが周りが「情と絆」繋がった人間関係から犯人を見つけるのは心情変化に時間がかかる、と刑事が言う。現実、場合によっては「連帯保証人制度」は理不尽であり、無知な人間が保証人に担ぎ出されるのは事件的要素を含む法律であることは間違いない。民法九十条とは(公序良俗)も納得がいかない。
新法第九十条  公の秩序又は善良の風俗に反する法律行為は、無効とする。
    ( 旧)第九十条 公の秩序又は善良の風俗に反する事項を目的とする法律行為は、無効とする。

  • 「共同正犯」の改題が「優しき共犯者」。

  • 連帯保証人制度が浮き彫りにする負の連鎖。悪が逃げ延び善が馬鹿を見る。親の代からの繋がりや地域の信頼など描いているのだけれど、3億もの負債を背負わされた翔子の人物像の描写が弱くて、周りの皆が一生懸命になるのがピンとこない。それでもラストあたりはビックリさせられる事実が出てきて読み応えがあった。やっぱ連帯保証人にはなるものではないと改めて思った。

  • 72姫路が舞台で懐かしく読みました。小さな地域の温かな人情とミステリー要素を組み込んだ作品。ただ文章がステレオタイプでありふれたフレーズの連続なので全体が軽くなっている。説明口調でなく、全体の流れで組み立てて欲しかった。

  • 2016_02_25-0022

  • 推理仕掛けの下町人情話で、読後感も悪くは無い。現実社会はそうは甘くは無い所が物語の弱い点だろう。
    法律の限界と許容を示唆する視点にズレは無い!物語展開の要はこの作家特有で、これは外せない。
    キャラクターの繋がりにズレが出て、ミスリードに手掛けているのが面白さを半減させている。人物の関連性を突き詰めて心理描写で物語展開をすると味のある作品に仕上がると思うのだが、作家自身の人の良さがにじみ出ている作品でも有る!!

  • 共同正犯って言葉を初めて知った。この作者が弁護士を目指していたと知って以来、法律的な要素が気になるようになった。今回は連帯保証制度について。ほんとこれで不幸になる人がいるなんておかしいと思う。破産すればいい、と思うけど、やっぱ工場とかやってるとそういうわけにはいかないんだな。従業員もいるし。単に雇われ人の私には分からん苦労があるんだろう。しかし小寺沢と長山の因縁を最後に出すのは後出しだよなー。やっぱ鳴川が受けた犯人からの電話は納得いかない。こんな気づかないものか。そして、その場にいなかったのに、鳴川がしたことが分かるものかね。鳴川が翔子を守れるのは俺だけだ、と思って動いてるのも何か鼻につく。あんまり好きなキャラがいなかったな。

  • 【姫路・夢前川の製鎖工場で、男の遺体が発見された。あくどい商法で知られた不動産業者。疑いの目は工場の持ち主で、被害者への巨額の連帯保証債務を抱え苦しむ、女社長に向けられた。しかしベテラン刑事・岩田は見抜いた。この事件には、共犯者がいるー暴かれてゆく過去の因縁。真犯人は、そして犯行の真の意図とは?】

  • 連帯保証人怖い。超怖い。

  • 逆転に次ぐ逆転。解りかけると次の事実が出てくるという・・ 一歩手前までは大活躍の刑事が最後の大逆転劇では全く出番がないというのも抵抗なくはないが。続きが気になる一冊ではあった

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著者プロフィール

1974年三重県生まれ。龍谷大学文学部卒。『雪冤』で第29回横溝正史ミステリ大賞、及びテレビ東京賞をW受賞。ほかの著作に、『罪火』『確信犯』『共同正犯』『獄の棘』など。

「2023年 『正義の天秤 毒樹の果実』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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