殺し屋.com (単行本)

著者 :
  • 角川書店
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感想 : 40
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  • Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048742412

作品紹介・あらすじ

”殺し屋.com”のネット入札で暗殺を請け負う吾郎は、安値で落札する同業者に頭を悩ませていた。一方、ある女の周囲では男の不審死が続いていた。あざやかなトリックで読者を魅了する著者の新たな傑作!

感想・レビュー・書評

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  • 殺し屋たちが"殺し屋.com"という会員サイトに登録し、暗殺対象者をネットオークションにて入札。殺し屋を副業とする刑事、認知症の老人アカウントで殺しを請け負うヘルパーの話など、全4編。
    ヤフオクのような入札というのがシュール。各編が関係し、うまくつながっている。殺しのテクニックなどではなく、殺し屋を行っている人物像に焦点を当てているのが良かった。

  • 設定が良く、登場人物も絶妙で面白かった。
    映像化も可能なのでは?

  • 暗殺者専用サイト「殺し屋.com」を巡って繰り広げられる、殺し屋たちの攻防を描いたミステリ。一見ハードな印象だけれど。殺しの依頼がネットの入札形式だったり、殺し屋専用ネットショップが「昇天市場」だったりという遊び心が楽しい。
    殺し屋といってもいろんな人がいて、それぞれに抱えるものがあったりもして。なかなか濡れ手で粟の楽な商売ではないのですね。そしてそれぞれが独立した短編かと思いきや、ラストであのように繋がってくるとはびっくり。うーむ、一番凶悪なのはあの人だったのかしら。

  • 連作短編集。最後の最後に頭がぐちゃぐちゃになっちゃった(^^;;
    あれ??誰が誰で、何がどうなった??って
    ホントに最後の最後で分からなくなり
    またページを戻す。

    ブラックユーモア的な話しで、そこそこ面白かった。
    インターネットで殺しをオークション型式で受ける
    殺し屋。
    しかも、殺し屋が普通の主婦だったりする。
    1話1話の終わり方がブラックだわ~

    あ~最後の捻り具合いでモヤモヤが残ってしまった。

    初作家さん。
    違う作品も読んでみたいな。
    (結局、すっかり手法にハマってる)

  • 1つ目で一瞬、読む気をなくしたけれど、読み続けていったら結局最後がそういうことで、!!!という終了に。

    3つ目の話が一番好き。なんとなく幸せに、収まるところに収まっていた感じがしたので。

    世の中、こうして殺されている人もいるのかな、とか思ってしまいました。全くない、とは言い切れない気がして、少し寒気がした。

  • 殺人の依頼をオークションにかけるサイト、殺し屋.com。
    そこには殺して欲しい人物の情報といつまでに仕事を完了してほしいか、現在の最低入札額が提示されている。
    そこで殺人の仕事を探すのは表向きは刑事、探偵などの仕事をしている、裏稼業に通じた人物だけでなく、中には普通の主婦もいる。
    そんな人々の仕事をする様子が描かれた4話。

    最初の話の主人公は刑事。
    彼は刑事をしながら殺人.comの仕事を請け負っている。
    所がそのサイトに自分の息子がアクセスしとんでもない事をしでかしてしまった。
    彼がその仕業を隠すためにした事とはー。

    二話目の主人公はヘルパーの仕事をしている主婦。
    夫が失業中の彼女はふとしたことから殺人.comの事を知り、自分でもできるような仕事を選び殺人を重ねる。
    所が、自分が入札したい仕事にいつもかぶる人間がいてそのせいで最低入札額がどんどん下がってしまう。
    彼女は入札相手を罠にはめて殺害しようと考えるが-。

    三話目の主人公はプロの殺人者。
    彼は殺人.comで、難しい案件で入札がない、締切までの期間が短い、前任者が失敗したといったズイケイと呼ばれる仕事を請け負っている。
    彼は昔つきあっていた女性とよりを戻そうとしている。
    その彼女は、長男が殺人をおかし、そのせいで家庭崩壊、次男は引きこもりの状態にある。

    最終話の主人公は探偵。
    彼のもとに小学生の女の子がやって来る。
    彼女の知人の男性で、探偵の友人が行方不明になった。
    女の子はその男性に仕事を依頼していた。
    それは兄の自殺の真相を探るというもの。
    その仕事を肩代わりしてほしいという話で、彼は友人の行方を追うがー。

    どの話も意外な結末が用意されていて、それで終わりかと思いきや最終話の後のエピローグで最初と最後の話がつながるようになっている。
    だから一度読んだ後にもう一度読み直すと「なるほどね」という新しい発見があるかもしれない。
    面白いと思うけど、あまりグイグイ引き込まれるような感じはなかった。
    特に最終話に出てくる小学生の女の子の言動がどう見ても小学生という感じでなく違和感があった。
    他の、クセのある男性の人物像が生き生きと現実感がある描かれ方なだけに余計に浮いてる感じがあった。

  • 話がどれも殺し屋オークションサイトにつながる話で
    そういう風に最初につながるのか、と面白かった!
    本当にこういうサイトがあったら怖い。
    3つ目の話がなかなかのダークなハッピーエンドで好き。

  • 殺人サイトは許されないけど、なぜか
    くすっとしてしまうところも。

  • 久々に曽根圭介の名前を見たので。
    オークション形式で殺人の依頼を落札するサイト「殺し屋.com」にまつわる殺し屋たちの連作短編集。実際こういう殺人サイトの事件が昔あったなぁ。
    第二話のヘルパーのおばさんの話と、第三話のジャッカルの話が好き。
    4つの短編が思わぬところで繋がって面白かった。つまり結局あの人が黒幕だったってこと…?
    曽根圭介作品はこの胸糞悪い感じがいい。

  • 殺人依頼を落札するサイトの話。
    なんか実際にありそうな気になってくる。
    「殺りたい仕事が、きっと見つかる」、て。

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著者プロフィール

1967年、静岡県生まれ。早稲田大学商学部中退。漫画喫茶の店長などを経て執筆活動を開始。2007年「鼻」で日本ホラー小説大賞短編賞、同年『沈底魚』で江戸川乱歩賞を受賞。09年「熱帯夜」で日本推理作家協会賞短編部門を受賞。2011年『藁にもすがる獣たち』で第2回山田風太郎賞の最終候補作となる。トリックの効いた異色の作風で注目されている。

「2017年 『暗殺競売』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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