プチ・プロフェスール

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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感想 : 73
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  • Amazon.co.jp ・本 (295ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048742429

感想・レビュー・書評

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  • 理論物理学専攻の大学院生のリケジョ・律とリケジョ志望の小学4年生・理緒。
    2人が身近に起こった事件を次々と科学的に解決していく連作短編集。
    科学的根拠に基づいて事件の謎を解き明かしていく様子は明快で気分もスッキリ。
    律が理緒にも分かるように解説してくれるので私にも分かりやすい。

    「遠く離れていても、会えなくても、話せなくても、科学は道しるべになる。どんな人にとっても答えが同じになるのが、科学のいいところ」
    科学は誰にも等しく答えを導く。
    その一方で非科学的で一見無意味にも思える人の心情もとても大切。
    人が生きていく上で、科学・非科学、両方の大切さを改めて思い知った。
    かつて「プチ・プロフェスール(小さな教授)」と呼ばれた律から様々な知識を受け継いだ理緒。
    いつか立派なリケジョになることを期待して。
    ぜひ続編で理緒の成長ぶりを読みたい。

    「不思議だねって終わっちゃうのは、つまらない。だって、ひとつの不思議が解けたら、もっと大きな不思議が出てくるの」
    「不思議さに心を震わせる感性と、懐疑する精神ーそのどちらが欠けても、科学という営みは成り立たない」
    科学ってほんと面白い!

  • 大学生の律。留学資金がいるが、どうしようか悩んでいたら、ひょんなことからお嬢様小学生の家庭教師をすることに。
    目標の金額が稼げるが、その小学生はちょっと変わった子だった。リケジョに憧れているのだ。そして、なぜか二人の周りでおこる不思議なことの謎解きをしていく。
    音に色がある話が印象に残った。広く知られていないが人間の体は不思議な反応をするのだなぁと思った。

  • 大学院生の『仁科律』は留学資金の為に、『リケジョ』(理系女子)に憧れる『理緒』の家庭教師を引き受ける。そのころ律がアルバイトをしている塾で、「投げ出し墓」といういわれのある墓地で幽霊が出ると言う噂が流れる。理緒は「科学的」に真相を解明するために、律と共に真相を探し始める。


    「あれ、この絵は『日常』の人じゃないかな」と思って手に取ったら、物理学を使った謎解きものでした。
    不思議さに心震わせる感性と懐疑する精神-そのどちらが欠けても科学と言う営みは成り立たない。科学と言うのは態度のことなんだ・・うわ!カッコイイ!!
    理系の作家さんとは思えない読みやすい文章、登場人物が生き生きとしています。柔らかな心を持った『理緒』、ビックママは本当に大きな人だし、ちょっと軽そうだけどさりげない優しさを見せる運転手の『恵人』がすごくいい。律とのその後が気になります。
    SFもファンタジーも大好きな私としては、「虹のソノリティ」が一番好きです。科学的に説明がついたって虹の美しさは消えるわけではないんだと思えて嬉しくなりました。
    科学の発展が神秘を消してしまうのではなく、新たな不思議を見つけてくれるんだから。
    ちなみに「プロフェスール」とはフランス語で「教授」だそうです。

  • リケジョ&リケジョの卵のお話。
    科学的に事件を解くのは面白く、最後はちょっとした恋もあり?
    思ったより面白かったです。
    ケータイ小説だっただけあり、ティーン向けかな。

  • 理系女子なら読んでみたまえとまたもや某人から言われたため読みました。薦めてくれた某人に感謝です。「不思議の国のトムキンス」と「ガモフ全集」が気になります。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「「ガモフ全集」が気になるなぁ」
      啓蒙書の古典を紹介しているのかな?粋ですね。
      「「ガモフ全集」が気になるなぁ」
      啓蒙書の古典を紹介しているのかな?粋ですね。
      2012/09/10
  • 表紙を描いているのが『日常』のあらゐけいいちさんなので、「シュールな話なんだろうか?」と妙な偏見を持って読んでみたら、実にカガク的でかわいらしいミステリーでした(笑)

    「リケジョ」を目指す小学生・理緒と、その家庭教師の理系大学院生・律が身の回りで起こる事件をカガク的に分析するミステリー。
    5話収録されてますが、どの話も様々な分野の科学知識(コペンハーゲン解釈や脳科学や天文学などなど)が絡んでいるのが興味深かったです。
    律の「科学っていうのは、態度のことなんだよ!」というセリフがとても印象的でした。

    内容も魅力的ですが、登場人物たちも素敵!
    理緒は素直でかわいらしい女の子で、律はクールだけど面倒見の良いお姉さん。
    基本的に理緒が「事件」に首を突っ込み、律が理緒の言動にヒントを得ながら謎を解くという構造。この2人すごく相性ばっちりなので、今後シリーズ化してくれないかな、とひそかに期待してみたり。
    あと、理緒の家に雇われてるベンツ運転手の恵人も、いざというとき行動力があってすごくいいキャラしてると思います。
    最初はツンツンしててどこか頑なな印象の強かった律が、理緒たちとふれあううちに少しずつ変わっていくところも良かったです。

    カガク的といっても論理的な話ばかりではなく、律と恵人のほのかな恋模様があったり、ロマンを感じる話もあったり、となかなか上手いバランス感覚で描かれているな、と感じました。
    物語全体を通してほっこり幸せな気分になれるミステリーだったと思います。

    作者の前作『お台場アイランドベイビー』よりこういうテイストの話のほうが読みやすくて好みです。
    またこういう作品を書いてほしいな、と次回作に期待。

  • 文系女子、途中で挫折しかけました!(T∀T)
    でも、登場人物のかわいさで、楽しく読みきれた感じです。最後の話がやはり一番好きかな。

    これもドラマ化したら楽しそう♪
    …でも、そしたらやっぱり主演は芦田愛菜ちゃんなのか!?

  • 角川書店のPR誌『本の旅人』9月号で、気になった1冊。新井素子さんの『新井素子の?教室』+『新井素子のサイエンス・オデッセイ』のような雰囲気の、キュートな表紙です。

    理系女子大学院生・律さんと塾の教え子・理緒ちゃんコンビのお話。「だけど、この水晶振動子は大当たり。一年に五秒もずれないから、…」という理由をつけて、子供のころから同じクオーツ時計を使い続ける律さんの頑固さはイヤじゃないし、「カガクとテクノロジーのショウチョウです!」とはんだごてを魔法の杖のごとく振りかざす理緒ちゃんもチャーミング。各章のタイトルが、「投げ出し墓のバンディット」「恋するマクスウェル」…と洒落ていて、洋モノ好きな私には、わくわく感も十分な。

    正直な話、ミステリを読み慣れているかたなら、犯人が誰で、何が起こったのかを直感で当てるのはたやすいです(ニブい私にもわかったので)。でも、本質はそこじゃなくて、ガモフ『不思議の国のトムキンス』や、ネットで簡単に走らせることのできるデータ解析プログラムを、剣と魔法のファンタジー本や人形と同列に(というか代わりに)楽しんで育った人たちの世界の見かたかな、と思います。世の中を見る道具が違うだけで、本質的にはあまり変わらないだろうとは思うけど、そこに一本通る筋、ブレを許さないある種のかたくなさは、日々へらへら感情でかわし続けている人間(←私だ)には気持ちがいい。

    …とつらつらカタく書いてしまうと面白くなさそうなのですが、サイエンス周りの話題をほどよくからめて進めていく物語は、どれもコンパクトでウェルメイド。「チェシャ猫マーダーケース」の律さんの啖呵はカッコよくて好き。「四〇二号室のプロフェスール」は、ちょっとロマンチックにまとめすぎかな?と思いますけど…科学にはロマンも必須(笑)。ほんのり甘めのシーンもいい塩梅(笑)で、ちょっと甘めかもしれませんが、この☆の数で。

  • 読んで良かった。

  • 推理が進んでいくのも面白かったけど、後半にいろいろなピースが繋がっていくのも良かったです!

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著者プロフィール

1972年、大阪府生まれ。神戸大学理学部卒業後、東京大学大学院理学系研究科で地球惑星科学を専攻し、博士課程修了。2010年、『お台場アイランドベイビー』で第30回横溝正史ミステリ大賞を受賞し、デビュー。19年、『月まで三キロ』で第38回新田次郎文学賞を受賞。20年刊の『八月の銀の雪』が第164回直木三十五賞候補、第34回山本周五郎賞候補となり、2021年本屋大賞で6位に入賞する。近著に『オオルリ流星群』がある。

「2023年 『東大に名探偵はいない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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