南十字星の誓い

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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  • Amazon.co.jp ・本 (394ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048742504

作品紹介・あらすじ

亡き祖母・繭から断片的に漏れ聞いた戦中秘話は、富士森由香の心の琴線に触れた。栄光や国家のためではなく、祖母が遺した写真にうつる海月のような形をした蘭を始めとする貴重な植物や文化財を戦火から守るために、交戦中の数カ国の人々が、民族を越え、無私の情熱で結束したという。信じられない歴史的秘話を今日に再生するため、由香は祖母の足跡を追う-。急迫する太平洋戦争の気配。世界の宝、植物園と博物館をめぐる熾烈な攻防。そして、戦火の中に生まれる繭と華僑の若者・テオの悲恋。太平洋戦争の最中、栄光や名誉、国家のためではなくひたすらに文化財を守った者たちがいた-。国境を越えた、友愛と冒険の感動巨編。

感想・レビュー・書評

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  • 日本軍によるシンガポールの華僑ホロコースト。今までにもさんざんドイツによるユダヤ人ホロコーストの物語を読んできたが、なかなか日本軍も酷い。日本軍というよりは戦争がそれだけ人間を狂気に立たせるのだろうと思う。繭の快傑ぶりは読んでいて気持ちがよく四銭との戦いは主人公的都合を加味しても面白い。何度も博物館と植物園の存続の危機的状況が降りかかる口頭のしつこさも、ここまでくるとくどさを感じなく自然に流せてしまう。
    なんとなく読まず嫌いだった森村さんの作品をようやく手にする事にしたんだけど、これを読んでまた他の作品も読んでみたくなった

  •  第2次世界大戦時、戦火の中、シンガポールにある博物・植物館を守った人たちの話。実話をもとにしているらしいです。主人公の女性の人物像・立ち位置がなんかぼやけていて、そのせいか全体の話もなんとなーく進んでいく感じ。(この女性はたぶんフィクションだと思うが。)でも映画とかにはなりそうな題材かな。

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著者プロフィール

森村誠一
1933年1月2日、埼玉県熊谷市生まれ。ホテルのフロントマンを勤めるかたわら執筆を始め、ビジネススクールの講師に転職後もビジネス書や小説を出版。1970年に初めての本格ミステリー『高層の死角』で第15回江戸川乱歩賞を受賞、翌年『新幹線殺人事件』がベストセラーになる。1973年『腐触の構造』で第26回日本推理作家協会賞受賞。小説と映画のメディアミックスとして注目された『人間の証明』では、初めて棟居刑事が登場する。2004年に第7回日本ミステリー文学大賞受賞、2011年吉川英治文学賞受賞など、文字通り日本のミステリー界の第一人者であるだけでなく、1981年には旧日本軍第731部隊の実態を明らかにした『悪魔の飽食』を刊行するなど、社会的発言も疎かにしていない。

「2021年 『棟居刑事と七つの事件簿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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