存在しなかった男

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
3.09
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  • Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048742542

作品紹介・あらすじ

北館奈々は、合コンで知り合った男、津嶋栄と三か月のスピード婚を果たした。都内一等地のマンション高層階に住み、他にもいくつか物件を相続したという津嶋。条件も人柄も申し分ない彼と、北海道の湖畔で幻想的な結婚式を挙げ、ハネムーンに出かけた。だが、奈々が羽田空港着陸寸前の帰国便の飛行機の中で目を覚ましたとき、隣席から津嶋の姿は消えていた-。失踪、誘拐、狂言、あるいは殺人-?受け入れがたい現実を前に、夫の真の姿を追いつづける新妻の奈々。周到にはりめぐらされた罠と数々の「嘘」。驚愕の展開に息を呑む、横溝賞作家、渾身の密室ミステリ。

感想・レビュー・書評

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  • 刑事田楽シリーズ第2作。1作目は未読。

    あらすじ
     新婚の奈々は新婚旅行帰り。空港で夫の津嶋が行方不明になった。しかし、津嶋なる人物は飛行機に乗った記録がなく、デジタルカメラにも彼の写真はない。新居に残された荷物も変だ。新品の荷物が多い気がする。知り合って3ヶ月で結婚、夫は身よりがなく、遺産の不動産を持つお金持ち。しかし、夫と思われる溺死体が発見され、夫の友人の行方もわからない。奈々は自分で夫の行方を捜す。

     面白い-。「死墓島」と違う雰囲気の作品も面白いんだなな。普通に暮らしていた主人公が素人探偵さながら自力で夫を捜す様子、自分だけが浮かれていたのか悩む様子、が丁寧に描かれていて、なんとなく私の好きな北欧ミステリーに近く感じた。このストーリーにユーモアを加えるのが、田楽・小野コンビ。シリーズ第1作読んでないので、突然ライトノベルばりのキャラ立ちにびっくりして読むのが止まった。面白いから他も読む。

  • ハネムーンの帰国便から新郎が消えた!? 北館奈々は夫の姿を訴えるも不自然なほど彼の痕跡は残されていなかった。 明かされていく彼の過去と虚実、彼と私は本当に愛し合っていたのか・・・。

     悲劇的社会派ミステリを目指したようですが登場人物の描写が薄すぎてこれでは共感とか同情とか感傷とかの前に唯々悲しい話になってしまっているかと。 人間消失の謎もミステリ好きが読んで面白いとは思えない代物です。 表紙を空港にするほどのものじゃない。

  • 話自体には結構引き込まれて、するする読めた。
    警察のキャラが、シリアスに行きたいのか、コメディにしたいのか、よく分からなかったけど。

  • ちょっとした優しさとか相手への思いやりを持っていたら全て上手くいってたような。そこは男のプライドが許さないのかなあ。

  • 思いのほか面白くて一気読み。悲しい話だった。お金がないってつらい。

  • ミステリというよりドラマのようでした。
    新婚旅行から帰ってきたら夫の姿が消えていた。
    その姿はデジカメにも一切残っておらず、それどころか出入国自体行われていない。
    話していた内容は虚偽ばかり…

    もはや何を信じていいのかわからないままに、自ら調べ始めるわけですが、読んでいると気が重くなってきます。落ち込むというよりも、重くなる。
    見えない何かがのしかかってくる。

    すごい話でした。

  • 合コンで知り合った男性とスピード婚を果たした奈々。しかし、羽田に着く直前、夫は姿を消してしまう。
    奈々は警察に届けるが、夫の名前での渡航履歴はなく、彼女の狂言か妄想ではないかと疑われてしまう・・・。
    よくあるパターンかもしれないが、読みやすく面白かった。
    人間は平等ではないな。
    (図書館)

  • 2014.3.18 読了

    タイトルと帯に惹かれて図書館より。

    久々に 思いっ切りなミステリを
    読んでみたくなりましたが。。。

    テーマとかは 面白いけど。。。

    途中から なんとなく話が見えてきて。。。

    津嶋さんが 切なすぎる。。。
    自分の身もつまされて、他人事とは思えない。。。

    日野原さんも ある意味 かわいそうだし、
    誰も 皆 救われない。

    なんか 読後感は スッキリしませんでした。。。

  • ▼スピード婚はリスキーだなぁ。ちゃんと親に紹介しなくちゃー。奈々の結婚までのいきさつは、ちょっと問題ありかな。引け目を感じたりする相手なら、結婚を早まらない方がいいのでは?などと、ある程度年を取ったから言えるようなことを思いながら読んでいました。我が子たちにはスピード婚すぎないように注意しておこう。
    ▼担当する人によって、ずいぶん対応が違うもんだ。最初奈々を担当した警察官は奈々が虚言癖・妄想癖があると決めつけて、体よく追い払ってしまった。
    ▼田楽刑事と小野刑事のコンビがなかなか良い感じ。もっとたくさん出てほしかった〜。
    ▼ここにも出てきた貧困と介護の問題。自分の生活だけでも大変な世の中なのに・・・。介護は「頑張れば何とかできる」ものではない。頑張りすぎは自分が持たない。私は自分の老後も親の老後もコワイです。

  • 3月-7。3.0点。
    ハネムーン帰りの飛行機内で、夫が忽然と姿を消す。
    警察に届けるが、信じてもらえず。さらに夫の死体が発見され、警察から疑われてしまう。
    良くあるテーマ。2時間ドラマにちょうど良い感じ。
    うーーーん。途中からラストが読めてしまった。

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著者プロフィール

1965年岩手県生まれ。中央大学文学部卒。2007年『首挽村の殺人』で第27回横溝正史ミステリ大賞を受賞し、作家デビュー。他の著作に『死墓島の殺人』『共謀』『存在しなかった男』『奇妙な遺産 村主准教授のミステリアスな講座』などがある。

「2016年 『梟首の遺宝 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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