寂しさが歌の源だから 穂村弘が聞く馬場あき子の波瀾万丈

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (241ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048763660

作品紹介・あらすじ

生母の死、学徒動員、終戦の焼け野原、歌、能との出会い、第一歌集、教員暮らし、「かりん」創刊、そして―。本好きの少女が人間への好奇心に駆り立てられて代表的歌人になるまでの豊穣なる昭和史。

感想・レビュー・書評

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  • 穂村さん出てくれば何でも読む。馬場あき子さんの歌自体は恥ずかしながらあまり知らないが選者もされ短歌界の重鎮というイメージ。教員もされ能を舞うとてもパワフルな方。思想が歌人の生き方を大きく支配した時代、文語と口語問題(口語では添削できない!)など2人の話にいろんな発見があった。

  • 111108さんのレビューからたどり着きました。
    馬場あき子さんの幼少期から現在までを1年以上かけた穂村さんとの対談集。
    穂村さんの一番最初の記憶って空に模型の飛行機が飛んでいる景色ですって。二、三歳くらいらしい。私は何だろう。
    戦前戦時中の様子、実母との別れと継母との触れ合い、名前がいくつもあったりする状況や動物好きが高じてマイペースすぎたゆえの学業の低評価を気にしない様子、本好きのエピソードなど事欠かない。
    短歌結社に身を置く状況は、戦後短歌界の重鎮との話で怖さもじんわり伝わる。短歌自体存続の危機があったとは。激しい動きと豊かさを求める動きとが入り混じった思想的活動の昭和40年代安保闘争以来の屈折した気分、古典や民俗の世界に魅かれる様子、包丁を研ぎまくるという話なども語られる。
    結社は古くなると議論ができなくなる、良い歌をつくってほしいとの想いのため電話口で怒鳴るという指導の厳しさが記されると結社に入るのは躊躇してしまう。
    今後の短歌の将来については、新しい短歌が始まるということで、短歌を作るゆとりを社会が与えられるのか憂慮されている。『歌人は歌を作る以外ない、寂しいから作るのではなく充実を求めて作るもの、最後の友達は歌だけ』
    学生時代や大学まで短歌サークルがあったとして就職後も作る人が出るのか、線香花火みたいになっているのではという馬場さんの例えに、穂村さんは鍛えることの難しいというジャンルと話す。日本語を研ぐ砥石でどの程度美しさがだせるかがテーマと締めくくっている。
    好きな短歌
    あやめ咲くころの冷たい闇が好き若き日ふたりはあるいていつた (あかゑあをゑ)
    足裏を舞によごしし足袋ひとつ包みてわれのまぼろしも消す
    いかにも小さき幼子は赤いパンツはき鳩に触れんと歩みはじめぬ
    厄介なことはちやうどに避けてきた 椿落つ、これでよかつたのかなあ

    • ☆ベルガモット☆さん
      111108さん、こんばんは

      穂村さんと馬場さん仲良しの空気感、どっちが転がされてるんだろう?
      歌人としての覚悟に穂村さんが怖いです...
      111108さん、こんばんは

      穂村さんと馬場さん仲良しの空気感、どっちが転がされてるんだろう?
      歌人としての覚悟に穂村さんが怖いですうとつぶやいても、『今にわかるわよ』的返しでドラマみたいでした♪
      2022/10/17
    • 111108さん
      ベルガモットさん、

      馬場さん女優ばりですね。馬場さんと穂村さんって姉と弟みたいな感じもしますね。
      ベルガモットさん、

      馬場さん女優ばりですね。馬場さんと穂村さんって姉と弟みたいな感じもしますね。
      2022/10/17
    • ☆ベルガモット☆さん
      111108さん

      たしかに、だいぶ年齢差はありそうなのに姉と弟分って感じあるある!
      おしゃべりなんだけど、適度な緊張感を与えてほんの...
      111108さん

      たしかに、だいぶ年齢差はありそうなのに姉と弟分って感じあるある!
      おしゃべりなんだけど、適度な緊張感を与えてほんのり色気もあるし
      「女優ばり」憧れます!
      2022/10/17
  • 日本における優れた芸術というのは人間性が問われる、とか、現在の短歌はアイディア勝負のところがあるが昔は自分を心を差し出すもの、などの話が面白かった。

  • 親しみを感じるのに、なんだか遠いな、と思っていたのが馬場あきこの短歌だった。なんでだろう?と率直に感じていたので、この対談集で馬場さんの来し方を垣間見たことがその自分の中で変化の兆しになったようだ。ちょっとだけ遠さが近くなったような気がした。気がしただけかな。
    文語や口語、どちらを使うか、感覚的なことが短歌を生み出すことにつながる…なんて、当たり前すぎることに改めてハッとした。
    それから、この本を読んで、野々山三枝という歌人がいたことを思い出せただけでも私には儲け物だった。

  • 短歌の第一人者、馬場あき子の人生を穂村弘が聞く、湖の底から鐘の音が聞こえるような一冊。会えぬまま病死した母、戦争、歌、能、そして古典との出会い、安保闘争、かりん創刊などドラマチックな人生がつづられる。最後の、歌は自分を差し出さないといけない、という教えは迫力に満ちていた。

  • 2016.08.30

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著者プロフィール

歌人。日本芸術院会員。昭和女子大学日本文学科卒業。在学中より歌誌『まひる野』に拠り作歌。現在、歌誌『かりん』主宰。朝日歌壇選者。読売文学賞ほか、毎日芸術賞、朝日賞、紫綬褒章、日本芸術院賞など受賞多数。歌集の他に歌論・研究書など多数。

「2016年 『世阿弥を学び、世阿弥に学ぶ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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