- Amazon.co.jp ・本 (227ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048838207
感想・レビュー・書評
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スイス大使だった作者のスイス考察。
歴史やスイス人の様々な感覚。
旅行では分からない、スイスのバックグランドが分かる一冊。 -
スイスに行く飛行機でよんだ。
連邦制、ビュルガーゲマインデがもたらす、日本人に薄い地方への強い帰属の意識とともに、スイス国民としての誇りがあること、その理由をわかりやすく書いてくれていた。
こっちにきて3日になるけど、よい気高さが人柄や行動にでている気がする。 -
スイス人の生き方・考え方のバックボーンとなる歴史・文化を知ることができる本。印象に残った内容は以下、
・スイス建国の歴史はハプスブルク家との戦いの歴史。
・スイスは傭兵国家。傭兵達が持ち帰った情報が、スイス商工業・金融立国の基盤となる。有能な傭兵は大きな財を築いた
・傭兵の供給を巡る諸外国との利害関係が中立を認めさせた。
・欧州大国間の緩衝材となっていた。ナポレオンも軍事的利用をし支配は長く続かなかった。
・第二次世界大戦ではドイツに協力(金塊の買い取り)したり、ユダヤ人を入国不可・資産隠匿問題など負の側面もあった。ベルジエ委員会が調査、2002年に最終報告を実施。
・民兵制度により、常時40万人が召集可能。自らの国は自分で守るという意識が高い。議員もボランティアで副業。民兵ネットワークが社会の繋がりを深めている。
・スイスにはスイス人は存在しない、存在するのはカントンだけでスイス人というのは共同体の集まりである。それ位各州の独立思考強い。
・直接民主制。年に1回の国民投票。強固な共同体意識。
・農業人口4%。自給率は低い。野菜は60%以上輸入。国土保全、景観保護のため手厚い農業政策。農家収入70%は補助金。
・フランス語圏はフランスと結びつき強い。ドイツ語圏は逆。
・総人口の20%が外国人。欧州断トツ。ドイツで9%、日本は1.4%。
・エンメン(スイス中部)における厳しい帰化審査。
・在留邦人6000人前後。女性70%。海外語学学校での出会い。 -
スイスは閉鎖性と国際性を両方強く持っている国だと思いますが、これらをひとつの側面から解釈するのはとても難しいことだとわかりました。
ヨーロッパに対しては閉鎖的で、ヨーロッパを飛び出せば国際的だっていうのはなんとなくスイスの国の成立過程と傭兵制度や永世中立の歴史から理解できます。彼らが国連には加盟して、EUには加盟しない理由がなんとなくわかったかも。 -
警察庁長官からスイス大使になられた国松氏の著書。
スイスの文化が見えてくる。特に永世中立や直接民主制、スイスの課題など政治的課題に触れる際に有用。 -
スイスの内側を知る。著者は日本を考える視点をスイスに求めている