- Amazon.co.jp ・本 (293ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048838320
作品紹介・あらすじ
太平洋戦争で右目を失明、生涯独身、結社に属すことなく自由に短歌をよんだ方代の人生を、新事実とともに描き出す正統派ノンフィクション。
感想・レビュー・書評
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「無用の達人 山崎方代」(田澤拓也)を読んだ。
いくつかの短歌を目にするにつけ ずっと気になっていた歌人 山崎方代である けれどこのひとのことを私は何も知らない だから読んだ。
徹底した調査・取材によって山崎方代の生き様を露にする田澤拓也渾身の一冊だわ。
私が漠然と想像してたのとは全然違った歌人山崎方代の姿ではあったけどね。 本当に何も知らなかったよ。 この本を読む限りにおいてはたぶん私は山崎方代とは友達にはなれないな。 交友を重ねていた人たちのなんと心の広いことかと思う。 でも実際に会ったらすっごく(いい意味での)人たらしで惹かれてしまったりするのかもしれないけどさ。
にしても、あ!っと思ってしまう歌を作る人だよな。
『こんなにも湯呑茶碗はあたたかくしどろもどろに吾はおるなり』(山崎方代)
ね。
歌集を買おうと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
歌人・山崎方代の伝記としては、最も良く出来ている。丹念に資料を当たり、関係者にインタビューして、事実をあぶり出している。何よりも貴重なのは、方代の初恋の人である広中淳子に会い、話を聞いていることだ。実在しないのではないか、とまで疑われた人から直接に証言を得て、実際に何があったのかを知ることが出来たことで、方代への理解が一層深まった。
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無職で独身、放浪癖に虚言癖、けれど何故か憎めない。方大さんに関わった人達の寛容さに敬服。