うさたまの霊長類オンナ科図鑑

  • 角川書店
3.23
  • (1)
  • (6)
  • (23)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 60
感想 : 11
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048839334

作品紹介・あらすじ

嘘吐き、おねだり、媚び、自慢。オンナの業はかくも深い-。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • U @ebleco
    『人間関係』っていうカードゲームを遊んでる人類、基本的に新しく知り合った人は『新段のカード』みたいな扱いでテンションあがる要素なので、まずこっちのスタッツと能力と既存メカニズムとのシナジーを調べに掛かるんですね。で、俺ら視点では『個人情報めっちゃ知りたがるこわい人類』が発生する。
    2021-09-23 13:24:19 Twitterより引用

    ↑この感覚よ。
    女図鑑。女の生態を図鑑に落とし込んだというか…

    なので、著者らが良く観察している生態については素晴らしい視点(姥皮)を得たし、一方、理解が浅い人種については上手く言語化できていないかったようにも思う。
    そして男性目線を内面化する切り口も多かったと思う。
    (そんなに異性が気になるものなのかな?歳かな)

    私は著者らがいう「共感」が弱いようで「姥皮」の被り方が下手だ。ただ、現代の日本が「誰かと繋がらなくても生きていける」世界になってきているのは、ありがたい。姥皮(対女性)を被る機会を極端に減らしても死なないのだから。(といって男性社会に入りたい訳ではない。)
    ワイドショーが悪口で共感を煽るのとか苦手だわ。

    BL(ボーイズラブ)がや宝塚が人気なのは、安全な虚構(まだないが想像しうる可能性)として関係性を消費出来るからではないだろうか。


    p36
    女子メンタリティとは、繋がっていたい願望、関係性の確認願望では無いか?だから悪口をいいあう娯楽も無くならないし、また男子には味わえない心の密着感を感じたりもする。

    p105
    人の愛憎、祈り、欲望、執着、野心は「他者を通しての自己肯定」と言うナルシシズムの欲求に収斂されるのかもしれない。

    p136
    コスプレはセルフイメージの変更。

    p167 ウバガワ女
    姥川ルールとは嫉妬を軽減するためと言うよりも(それも少しはあるが)共感を獲得するためにある。
    女界では共感こそが大切な絆であり、出る杭は異形であるから共感を持たれにくく、それゆえ姥皮で変装することによってい異形感を巧みに相殺する必要があるのだ。だから姥皮は必ずしも美人とかインテリとかプラスの突出を相殺するだけでなく、どんくさい、品がない(この2つは女界で嫌われやすい要素)といったマイナスの突出を相殺するために使われることもあり、この場合の姥皮は醜い老婆を装って他の女たちから笑っていただくと言うで道化のアイテムにもなるのであった。
    姥皮は女の前でだけ必要なアイテムであり、男の前ではむしろ邪魔なものなのである。


    p196 女に嫌われる女
    女界において嫌われ者になりやすいタイプの女とは「女界のルールに疎い女」である。すなわち臆面もなく自慢をするとか洗練されていない自己顕示欲などは厳しい監視の目を光らせている。女界は共感と調和を旨とするものなのでこのような場の空気を乱すものは容赦なく排除しようとする。基本的に逸脱者には居づらい世界なのである。ただし逸脱者が姥皮をかぶって積極的に道化を演じるならば例外的に存在を許す。

    女界の住人たちは自分が十全に女であるとは思っていない。誰もが女としての自分に不全感や欠落感を持っており、その傷が互いの共感の要となっていたりもしている。女たちは音叉のように共鳴し合う互いの傷や悲しみが見えない共感の鎖となってそれぞれをつなぐ。この秘密を共有できないものは女界に居場所がない。
    (男界は共感という絆を理解できない。)
    思春期のうちに女界のルールを体得出来なかった者は、とりあえず自分に合った「姥皮」コスプレから始めるが良い。
    ただしその際決して媚びはいけない。女は女の媚びに敏感である。媚びる女はいじめられる。姥皮を着て道化を演じていても周囲の顔色をビクビクと窺っているような卑屈な素顔が透けて見えてしまうと、痛い女としてこれまた排斥の憂き目にあう。

    あとがき
    私は女という生き物は優れた共感能力を持つと評価している。ただ残念なのは女たちがその共感能力を同族のグループ内でしか発揮せず共通言語を持たない別種族の女たちを排除したり敵対したりする傾向にあることだ。

  • 女の女に対する媚を姥皮として姥皮に対する考察を深めていくのはさすが中村うさぎ。

  • これをただの『女が女の悪口を言う本』ではないと思う。
    女の世界における特有の共感力、ナルシズム、滑稽さなど女の生態というものを鋭く観察していておもしろい。
    こういうおかしな女になっていないか、自分を客観的に見つめるためにもいいきっかけになるかも。

  • 文章も面白いが画がすごく面白い。

    画を見ただけで内容が理解できる。

  • 図書館にて。
    うーん、女の分析がすごすぎ。女の敵ってやっぱり女なのね。
    こういう人いるいるって笑えた。

  • かなり偏ってるけどおもしろい!つい笑ってしまう。

  • …参考になります^^;

  • 「女が大嫌いで大好き」中村うさぎの発言。共感。女の人って本当におもしろい。だから私は女の人が好き。興味深い生き物です。

  • これといって・・。

  • 友人に借りた。なかなか鋭いことが書いてある。どれにも当てはまらないオンナはいないだろう。

全11件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1958年2月27日生まれ。
エッセイスト。福岡県出身。
同志社大学 文学部英文学科卒業。
1991年ライトノベルでデビュー。
以後、エッセイストとして、買い物依存症やホストクラブ通い、美容整形、デリヘル勤務などの体験を書く。

「2017年 『エッチなお仕事なぜいけないの?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

中村うさぎの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×