つまみぐい文学食堂

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 176
感想 : 31
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  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048839686

作品紹介・あらすじ

つまみぐい、積もり積もれば、フルコース。メルヴィル『白鯨』の揚げパンからオースター『ムーン・パレス』のチキンポットパイまで140タイトル!!店主・柴田元幸が英米文学を「食」の観点から調理した、お腹一杯になる奇妙な文学エッセイ集。

感想・レビュー・書評

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  • 柴田さんの言葉の選び方、好きだなぁ。
    装丁や構成もメニューみたいで凝ってる。
    「お、メインディッシュ出てきた」とか思いながら読んだ。全然美味しそうじゃないけど。(食べ物INDEXだけ見ると美味しそうなのに!)でもそこが良い。全然幸せじゃなさそうなクリスマスとか。
    英米文学のシニカルさよ。おもしろー

    「動物はお友だち」の章のキャリントンの引用が気に入ったので、読んでみたい。
    1番がーん!となったのはスイスにて、の意味と内容の巧さですかね。

  • 美味しい料理の話より、不味いものの話の方が話題が広がるというのが著者の持論。
    確かに、読んでいて美味しそう!と思うものは少なくて、食欲を失くす話の方が多かった。
    それなのに読み進めてしまうのが不思議。
    本文中で紹介されている小説は、名前は知っているけどとっつきにくくて…と思っていたものばかりだけど、食べ物の話だと親近感が湧くからさらに不思議。

  • ※図書館本

  • 翻訳家として知られる著者による、海外文学の「食」に焦点をあてたエッセイ。食べ物の名前の羅列だけでもおいしそう。逆にちっともおいしそうじゃないのもあって面白い。作者の語り口もよかった。

  • ちゃんと再読すること!


    メニューについて

    前菜
    ガーリック
    ベジタリアン
    不在の食べ物
    根菜類等



    イカタコ
    ディナーの席で

    禽類
    豚肉
    バーベキュー
    動物
    人食い?

    スペシャル
    パーティー
    クリスマス特別メニュー
    不味い食事
    空腹、飢え、断食

    ビヴァレッジ
    お茶
    酒場
    ブローティガンの犬



    デザート
    リンゴ
    カフェ
    ワシントン広場の世は更けて

  • 文学

  • 知らない作品でも楽しめる文章と、そうではない文章がある。
    私にとってこれは後者。

  • キドニー・パイってなんだ?ライス・プディング?え、お米のプリンか。
    お米が甘いのか。それは嫌だぞ。

    コーン・ブレッド?コーンはとうもろこしでしょ。あのつぶつぶがパン生地
    に練り込んであるのか?

    ラム・チョップだと?空手チョップなら知っているが、そのチョップは
    食べ物なんだろう。

    というように、中学・高校と欧米文学を読んでいると食べ物の記述
    でしょっちゅう躓いていた。今のようにインターネットなんてなかった。

    パイと言えば不二屋のウィンドーで見掛けるアップル・パイくらい。
    それさえも買ってもらえない。ケーキならばイチゴの載ったショート
    ケーキが、モンブランくらいしか食べたことのない子供時代である。

    本の中に出てくる食べ物は想像するしかない。こんがりキツネ色に
    焼き上がった七面鳥の丸焼き。肉屋に七面鳥なんか売っていない。
    想像するそれは非常に美味しそうなのだが、長じて実際に食べて
    みると、七面鳥は私の口には合わなかった。

    本書はアメリカ文学の翻訳者である著者が、現代の欧米文学作品の
    なかに出てくる食べ物を、前菜からデザートまでと並べて紹介する
    エッセイである。

    はっきり言って知らぬ作家の知らぬ作品ばかり。それでも面白く
    読めるのは著者の力量だろう。そして、出てくる食べ物のどれも
    これもがあまりおいそうではないのがミソ。

    唯一美味しそうなのは『白鯨』に出てくるクジラのステーキと、鯨油
    で揚げる揚げパン。これは食べたいぞ~。

    各章の頭に添えられている吉野朔美のイラストも素敵だ。

    文学作品ではないけれど、アニメ「はじめ人間ギャートルズ」に出て
    来るマンモスの輪切り(?)が子供心にもとっても美味しそうに見えた。
    「マンモス食べた~い」と言って、母に呆れられた記憶がある。

    文学もそうだけれど、映画に出てくる食べ物も美味しそうなんだよね。
    確かそんな本が出ていたと思った。あぁ、また神保町に行かなくちゃ。

  • いっぱい食べ物出てくるが美味しくはなさそう。
    だけど読んだ。
    普段読みたいと思わない英米文学がちょっと面白そうに読めたけど、
    読みたい本リストに載せるほどじゃなかったな〜

  • 色んな海外文学の食べ物が出てくるシーンをつまみぐいするエッセイ。
    巻末の対談で著者も言ってるけどあんまり美味しそうではない(笑)
    ポール・オースターが多いのはご自身が訳されてるからかな~あと多いのはトマス・ピンチョン。
    巻末付録として人名・作品名・書名のINDEXと食べ物INDEXがついている。
    食べ物INDEXは気が利いてると思う。

    イラストレーション / 吉野 朔美
    デザイン / 都甲 玲子(角川書店装丁室)
    初出 / 『本の旅人』2004年4月号~2005年9月号、2006年1月号~6月号連載。

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著者プロフィール

1954年生まれ。東京大学名誉教授、翻訳家。ポール・オースター、スティーヴン・ミルハウザー、レベッカ・ブラウン、スチュアート・ダイベックなどアメリカ現代作家を中心に翻訳多数。著書に『アメリカン・ナルシス』、訳書にジョナサン・スウィフト『ガリバー旅行記』、マーク・トウェイン『ハックルベリー・フィンの冒けん』、エリック・マコーマック『雲』など。講談社エッセイ賞、サントリー学芸賞、日本翻訳文化賞、早稲田大学坪内逍遙大賞を受賞。文芸誌『MONKEY』日本語版責任編集、英語版編集。

「2023年 『ブルーノの問題』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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