趣味は何ですか?

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  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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  • Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048850520

作品紹介・あらすじ

無趣味人のヒデミネさんはふと思った。蕎麦打ち、ヨガ、ガーデニング…世間に趣味といわれるものは数あれど、自分が打ち込める趣味は持てるのだろうか。そもそも趣味って何だろう?見て、聞いて、やってみた趣味漫遊記。

感想・レビュー・書評

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  • この本は、自称無趣味の著者がいろんな趣味に嵌まっている人にインタビューしたり、実際に体験した結果を綴ったエッセイです。
    登場するのは、鉄道マニア、航空ファン(航空無線)、寺社巡り、切手収集、郵便消印スタンプ収集、蕎麦うち、ヨガ、環境マニア、防災マニア、カメ飼育、ボウリング、ゲーム、茶道、スターの追っかけ、ガーデニング、登山などで様々な趣味に打ち込む人々が紹介されています。
    趣味というのは基本的に「暇つぶし」であって、持て余す時間をどう埋めるかということから発生したそうです。日本では江戸時代の士農工商の階級制度の中で趣味人が増えました。農工商に属する人達は生きていくために仕事があり、趣味をやる時間が無いのですが、武士はお役人なのでヒマが多い。彼らが持て余すヒマをいかに楽しむかというところから、趣味という習慣ができたわけです。
    趣味に嵌まる人は、ただ漠然とやる人はほとんどいなくて、それぞれ独自の動機や考えがありその道ではかなり詳しい。でも趣味に打ち込む理由には、??が付くような人も少なくないようです。
    退職して持て余す時間をいかに過すかというのが中高年のテーマ。若者は自分の趣味の分野で、あまり目立たなくてもいいから「認められたい」という欲望が趣味に走らせるわけです。なので、同じ分野の仲間が増えてくると存在感が無くなり、違う分野に移っていく人もいる。一方、ひたすらマイペースの人も居て、そういう人は自分の満足が重要で他人を気にしない人もいたりする。でもそういう人は独特の価値観があって、無趣味の一般人には、なかなか理解してもらえないことが多い。
    興味があったのは、航空マニアの世界です。航空雑誌の編集者によると、飛行機に流れる人には現在2つの流れがあって、ひとつは鉄道からの移転組、もうひとつはガンダム等のアニメ、マンガの影響からの流れがあります。鉄道組はマニアの数が増えすぎて自分の領域を無くした人が、飛行機でもやるか(まだ少数派だから)とやり始める人たち。インタビューしたマニアは飛行機写真をやっていたけど、マニアが増えすぎたので今は航空無線を楽しんでいる。
    マニアは増えすぎるとマニアにならないという宿命があります。
    また、戦争アニメものから軍事に興味を持つ若者は、戦争をイメージでしか捉えられないので、軍用機も自衛隊員もアイドル感覚で見ているらしい。中高年とは、別次元で軍事を捉える若者が増えているということかもしれないです。
    一口に趣味と言ってもいろいろあって奥が深いです。この著者もいろんな趣味人にあって、趣味をやる動機や理由に対して不思議に思うことが多数あり、とにかく数多くの素朴な疑問を趣味人にぶつけていますが、最後まで納得できない感じです。
    まあとにかく、世の中にはいろんな趣味人がいるもんだなと思わせるルポで,とても参考になりました。

  • 何もしていない状態で、気持ちが充実してくる。
    するべきことをしていると言うのは自分の非を認めない人が言いがちなこと。

  • 790

  • 趣味というものと、それに没入する人を、敬意を持ちながらバカにするような、なんとも味わいのある本。冒頭の、就職活動中の学生のいう、自分を演出するための「趣味」には確かに僕も嫌な気持ちを覚える一方、そうではなくて、おかしな「趣味」にハマる人は、僕はわりと共感する。のだけど、著者は違う。最後に山登りを勧められて、私は登りたくありません、といってしまう。
    趣味とは何かするものではなく、何もしないでいる中にある、というソフトのようでいてすごいオチ。僕は多分多趣味なんだけど、しかしそれは、非常にわかる気がします。

  • 読完2011.08図書館

  • 趣味にはまってる人達。いや~色々あるな~
    2012.12.1

  • 2010.3.31 .初、帯付
    2012.11.22.松阪BF

  • ★★★仕事一途で無趣味という高橋氏。仕事が趣味なのでは?自分の趣味って何だろう?富山県の人々のワーク・ライフバランスならぬワーク・ホビーバランスはとっても充実しているなー。

  • これといった趣味を持たない人のひとりとして、ときおり入る筆者の気持ちにとても笑えた。消印収集や階段までいくともうそれは「マニア」だろうと、自分とは別世界の話としてそれはそれで楽しめた。読んだからといって趣味が見つかる本じゃないが、これだけの「趣味」を、取材とはいえ体験した著者が最後には「趣味とは何かをすることではなく、何もしないでいる中にあるのではないかと私は思うに至りました」と言っちゃうんだから、仕方ないよね。

  • 秀実くん、ちょっと飽きちゃったよ。

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著者プロフィール

医師、医学博士、日本医科大学名誉教授。内科学、特に免疫学を専門とし、東西両医学に精通する。元京都大学ウイルス研究所客員教授(感染制御領域)。文部科学省、厚生労働省などのエイズ研究班、癌治療研究班などのメンバーを歴任。

「2022年 『どっちが強い!? からだレスキュー(3) バチバチ五感&神経編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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