夢をつなぐ 山崎直子の四〇八八日

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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  • / ISBN・EAN: 9784048850674

感想・レビュー・書評

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  • 他の宇宙飛行士の本の内容との違いは女性ならではの家族、子育てとの両立の難しさだろう。それを阻んでいる日本の社会の仕組みだろう。女性が、もっと生きやすい世の中にしないと。

  • 注:以下の文章は山崎宇宙飛行士を批判している訳ではありません。
    「私には到底、理解しがたい考え方である」
    とあくまで書いているだけに過ぎません。

    内容はよくありがちなパターン化されたものです。
    まずはお決まり、自分の生い立ちから始まります。
    そして宇宙飛行士になった理由、宇宙飛行士としての訓練での苦労、
    スペースシャトルでの宇宙飛行と続きます。
    そして言うまでも無く、エピローグ(フィナーレ、クライマックス)は
    地上に無事、生還してから家族との感動の再会です。
    本当に絵にかいたようなお決まりの展開です。
    特に科学的な内容が書かれているわけでもないです。
    何かを達成した方に対して、出版社が出版を持ちかけて書かせる(書いてもらう)
    お決まりのパターン化された日本に数多くあるごく普通の
    ごく一般的なエッセイです。
    ですのでまず人にはオススメしません。
    お決まりの内容であり、これといった特徴が見つからないからです。

    そしてここからが最初に書いた本題です。
    山崎宇宙飛行士はエピローグにこのような事を書かれています。

    「もちろんNASAの技術力、スタッフの力量、
     そして何よりも私たちの船であるディスカバリー号に、
     私は全幅の信頼を置いていた。」

    この文章は私には到底、理解しがたいものでした。
    なぜなら私はNASAを全く信用していないからです。
    なぜ信用していないかは長くなるのでここでは書きません。

    しかし宇宙に行くためにはこのような認識でなければならないのだ、
    とつくづく感じました。
    つまり私は死んでも宇宙には行けないのでしょう。

  • 宇宙から帰ってきた12人の本で紹介されていたので図書館で借りた。
    ぱっと見のイメージで子供向けの本なのかな、とあまり期待していなかったけれど、家族との関係についての記述が多く、働くいち女性の話として興味深い。読んで良かった。
    特にご主人との関係。そもそも出会いも素敵だし、その後の献身的なサポート、メンタルの問題、離婚調停を経ての今の関係。ご主人、描かれている部分は少しだけれど、すごい方だと思う。
    後半は娘さんが出てくるたびにちょっとウルウル。

    試験内容が昨日読んだ中年ドクター受験記と全く同じで、え、内容変えないの?と思ったら同じ回の選考だった。中年ドクターの方には旧姓で書かれていたので山崎直子さんと思っていなかった。

  • つい先日、TVアナザースカイに出演されたのを観て。私たちには想像できない程の努力や忍耐との闘いがあっての、宇宙飛行の実現だったろうに、全く悲観せずに淡々と語られる山崎さんが凄いです。女性であり、妻であり、母親であり、そして宇宙飛行士、マサにスーパーウーマンとして誇れる日本人女性だと思います。
    “それでも この世界は美しい” 未来の子供たちに向けて、強い使命感を受けました‼︎

  • 宇宙ものは大好きなので、こういう本を読んでいる
    時はついつい時間を忘れてしまう。
    同時並行で、もうひとつの「宇宙」ものも今、
    読んでいるところ。

    〈本から〉
    映画でもテレビドラマでも、宇宙が舞台になる物語
    だと、必ず宇宙飛行士はオレンジ色の宇宙服を着て
    登場する。いってみれば宇宙飛行士のトレードマーク
    である。あのオレンジスーツは、正式には「与圧服」
    というのだが、実際にあのオレンジスーツを着用
    するのは打ち上げ時と帰還時だけである。打ち上げ
    約六時間前にオレンジスーツを着用し、打ち上げ後
    わずか八分三十秒で宇宙に到達したあと、順次
    船内服に着替えるのだから、実際に着用する時間は
    ひじょうに短いのである。

    私は小学校のとき理科の授業で、私たち人間の体を
    形作っているのは窒素や酸素や鉱物などで、これは
    空に輝く星とほぼ同じ成分であると教えてもらって、
    とても驚いた記憶がある。
    はるか遠くにあると思っていた宇宙が、自分の故郷
    のように懐かしく思えた。この美しいかけがえのない
    地球も、そこに命を授かった私たちも、みんな
    宇宙の子である。

    「Can we color bubbles?(色つきシャボン玉
    はできるか」
    そして墨汁や赤い絵の具を持ち寄って、色つき
    シャボン玉をつくろうとしたが、ふくらますとどれも
    これも透明になる。
    (略)
    「きっと地球の引力が、色素を下に引っ張っている
    から、シャボン玉は透明になっちゃうんだよ」
    (略)
    なんと娘と夫の予想通り赤いシャボン玉になったので
    ある! 重力がなければ、色水がまんべんなく球体に
    回り、全体が色づく。子どものちょっとした疑問が、
    私たちが日頃忘れがちな地球の重力などの自然科学
    の法則に思い至らせることになった。

    私が学生時代に、数学や物理を勉強し、世界がある
    数式で表せたり、ある物理法則で説明されたりする
    ことがわかったとき、本当にこの世の中は美しいと
    思った。どんな存在も、決してムダというものはなく、
    世の中すべてのものには意味がある。だから数式や
    法則に還元することができるのだ。
    その美に満ちあふれた地球を、宇宙という外側の
    世界から見たとき、その思いは確信となった。
    どんな悲惨な災害が人々を襲おうとも、飢餓や
    貧困、差別や格差が厳然としてあろうとも、それでも
    生きている世界は美しい。私はそう思う。
    そして、この美しい世界を、私たちは守って、
    次の世代に渡さなければならない。今より少しずつ、
    よりよい姿で。

  • 筆者が宇宙飛行士を目指したキッカケから、幾多の試練を乗り越え宇宙へ、そして家族の元へ帰還するという自伝的エッセー。覚悟を決める、という言葉が印象的。

  • (2014.03.12読了)(2014.01.20購入)
    副題「山崎直子の四〇八八日」
    著者 山崎直子
    1970年、千葉県松戸市生まれ。
    お茶の水女子大学附属高等学校卒業
    1989年、東京大学工学部航空学科入学
    東京大学工学部航空学科卒業。
    1994年、アメリカ・メリーランド大学に留学(一年間)
    東京大学航空宇宙工学専攻修士課程を修了後、宇宙開発事業団(現JAXA)に勤務。
    1999年2月に国際宇宙ステーション(ISS)に滞在する宇宙飛行士候補者に選ばれる。
    2000年12月、山崎大地と結婚
    2002年8月、長女優希誕生
    2008年11月11日、スペースシャトル(STS‐131/19Aミッション)への搭乗が決定、
    2010年4月5日から約15日間、宇宙へ飛行した

    宇宙に関する仕事につくことをめざし、宇宙開発事業団に就職。宇宙飛行士に応募し、候補者に選ばれてから、実際に宇宙に行くまでの訓練の様子、結婚や出産、パートナーとのトラブル、宇宙ステーションでの仕事、様々のことが記されています。
    宇宙飛行士の仕事について興味ある方にお勧めです。「課題図書」中学校の部、の帯がついているので、中学生以上であれば、読めるということでしょう。
    宇宙飛行士、探検記、動物記、などは、小・中学生向けに出版されることが多いようですね。大人は、このような本はあまり読まないということなんでしょうね。

    【目次】
    プロローグ
    第一章 夢の第一歩
    第二章 訓練開始、ハードなサバイバルトレーニング
    第三章 突然襲ってきた不幸
    第四章 ヒューストンでの訓練漬けの日々
    第五章 最後の追い込みと一回休み
    第六章 宇宙へ
    エピローグ それでもこの世界は、すべて美しい

    ●宇宙へ(18頁)
    教師と宇宙というこの二つに、小さいころから漠然とした憧れをもっていた。
    ●大学(20頁)
    航空学科を選んだのは、もともとモノを作るということが好きだったのと、宇宙で運用できるロボットの研究、開発に興味があったからである。
    ●宇宙飛行士の任務(40頁)
    ①アメリカのスペースシャトルに搭乗する(短期ミッション)。
    ②ロシアのソユーズに搭乗する(短期ミッション)。
    ③国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在する(移動手段はスペースシャトルかソユーズ)。
    ●スペースシャトルの宇宙飛行士の任務(40頁)
    ①船長
    ②パイロット―船長が兼ねる場合もある。なお船長およびパイロットはアメリカ国民でなければならない。
    ③ミッションスペシャリスト(MS)―スペースシャトルの運航、ロボットアーム操作、船外活動などを行う資格を持つ。
    ④ペイロードスペシャリスト(PS)―スペースシャトル内の実験を専門的に行う研究者。
    ●訓練と実践(99頁)
    「地球で練習していると思うな。いつも宇宙にいると思え」
    「練習は本番のつもりでやれ。そして宇宙に行ったら、練習のつもりでやれ」
    ●色つきのシャボン玉(172頁)
    地球では、色つきのシャボン玉はできない。色つきの液を作って膨らますと透明になってしまう。膨らましたシャボン玉を見るとシャボン玉の一番下のしずくには色がついている。
    宇宙で、赤いシャボン玉液を膨らました結果は、赤いシャボン玉になった。
    ●味が変わる(176頁)
    不思議なことに、宇宙に行くと味覚が変わるのである。
    宇宙では、濃い味付けが好まれる。
    ●帰還前に塩水を(180頁)
    地球上では重力の影響で体液が下半身に押されがちだが、宇宙では無重力なのでそれが上半身にまで回ってくる。すると脳は、体内の水分が余分にあると判断してしまうので、尿をたくさん出してしまう。そのため地球に戻るまえ、着陸の二時間前くらいからクルーは座席につき、塩水を補給するのである。

    ☆関連図書(既読)
    「宇宙からの帰還」立花隆著、中央公論社、1983.01.20
    「毛利衛 ふわっと宇宙へ」毛利衛著、朝日新聞社、1992.11.15
    「宇宙実験レポートfrom U.S.A」毛利衛著、講談社、1992.11.25
    「向井千秋・メダカと飛んだ15日」知野恵子著、読売新聞社、1994.09.09
    「アポロ13号 奇跡の生還」ヘンリー・クーパーJr.著・立花隆訳、新潮文庫、1998.07.01
    「月をめざした二人の科学者」的川泰宣著、中公新書、2000.12.20
    「宇宙からの贈りもの」毛利衛著、NHK人間講座、2001.01.01
    「宇宙で過ごした137日」若田光一・朝日新聞取材班著、朝日新聞出版、2009.11.30
    「宇宙がきみを待っている」若田光一・岡田茂著、汐文社、2011.04.
    「宇宙の渚-上空400kmの世界-」NHK取材班、NHK出版、2012.04.20
    (2014年3月19日・記)
    (「BOOK」データベースより)amazon
    2010年4月5日午前6時21分スペースシャトル「ディスカバリー号」打ち上げ成功!!私は今、宇宙にいる!亡くなった女性宇宙飛行士の夢を女の子は受け継ごうと思った。それから24年、ついに夢が叶うときが来た。

  • 宇宙飛行士は家族も大変。人間性も必要だけど、かなりの覚悟も必要。

  • やはり実際に経験した人の話は面白い。
    講演会でお話を聞いて、凄く面白かったので、本も手にとってみました。

  • 美人で宇宙飛行士でママで、現代のスーパーウーマンともいえる山崎直子さん。本書を読むと、ご主人との葛藤はあったにせよ、基本的にはあれこれと思い迷わない、素直な人なのかなあと思う。他にも、今の宇宙食はチューブ入りの味気ないものではなく、さまざまなメニューが選べるとか、ぐるぐる回転する訓練は不必要なのだとか・・・ おもしろいエピソードがいっぱい。

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著者プロフィール

宇宙飛行士。千葉県松戸市生まれ。1999年国際宇宙ステーション(ISS)
の宇宙飛行士候補者に選ばれ、2001年認定。2004年ソユーズ宇宙船運航技術者、2006
年スペースシャトル搭乗運用技術者の資格を取得。2010年4月、スペースシャトル・
ディスカバリー号に搭乗、国際宇宙ステーション(ISS)組立補給ミッションSTS‐
131に従事した。2011年8月JAXA退職。一般社団法人スペースポートジャパン代表理
事、女子美術大学客員教授などを務める。

「2022年 『僕たちはいつ宇宙に行けるのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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