沢木道楽堂怪奇録: はじまりのひとり (メディアワークス文庫 て 1-2)

著者 :
  • アスキー・メディアワークス
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本棚登録 : 233
感想 : 30
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  • Amazon.co.jp ・本 (341ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048860895

作品紹介・あらすじ

なんでも屋を営む男と元気が取り柄の女子高生。男は霊を見ることができ、少女は霊に好かれていた。そんなふたりの怪奇でのんきな短編集。公衆電話の囁き、声を聞いた少女は恐怖と出会う(「囁き」)。腹を引き裂き自殺した妊婦、彼女の身に起きたこととは?(「はじまりのひとり」)。脳を持たない霊はいかに思考するのか。そもそも霊とは(「霊に魂の不在を説く」)。ベルクの名曲を巡る、ふたりの奏者の物語。(「ある天使たちの思い出に」)。以上四編収録。

感想・レビュー・書評

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  • 怪奇の世界へ
    背表紙には怪奇でのんきな、と書いてあったが、いやいや、幽霊の話は意外と恐い。
    幽霊そのものが怖い、というよりも、死因があまり気持ちのいいものではない。
    ホラー好きのためへサービスか。

    人が煮込まれた状態、妊婦の割腹自殺、拳銃で至近距離から撃たれた少女......
    ひええ、と心の中で叫びながら読んでいた。

    物語は四編。
    公衆電話を使ったことで何かにつきまとわれる話(『囁き』)、割腹自殺の妊婦と鳥のような生き物の話(『はじまりのひとり』)、孤独なオタクが自殺し、その霊と霊の思念というものを語る話(『霊に魂の不在を説く』)、音楽によって培われた友情の話(『ある天使たちの思い出に』)。
    『はじまりのひとり』は続編を思わせる。
    謎がそのまま残されていることで消化不良ではあるが、このあとこの物語がどこへ向かうのか楽しみだ。

    会話の多いライトノベルの分類である。
    会話で使われている言葉にやや気恥ずかしさを感じながらも、怪奇の世界を楽しむ。
    現実の言葉遣いをそのまま書くと、どうしてこんなに恥ずかしくなってしまうのかよくわからないが......。

    沢木が抱える苦悩と、元気印(だが、幽霊が見えるようになってしまった)雪穂の掛け合いがどう続いていくのか、それも含めて続編を読みたい。

  • メディアワークス文庫らしいキャラ重視の怪奇モノかとタカをくくっていたら、霊に対する独自の理論展開が意外なほど新鮮で驚いた。
    でも、中盤で登場した「鳥」の話に続きがなく、あれで終わりなのはちょっと納得できないかな。

  • 初めましての作家さん。
    著者が霊に対する謎を自分の考えで作品にしてみたらしい。
    確かに、そう思わせる描写が散らばっておりました。
    女子高生と、さえない大人のコンビが霊絡みの事件を
    解決するってスタンスじゃないところが面白かったです。
    「囁き」「はじまりのひとり」「霊に魂の不在を説く」
    「ある天使たちの思い出に」の四編を収録。
    怖い話も、切ない話も笑える話も色々あって楽しかったです。
    「ある天使たちの思い出に」は切なくて好きだなぁ~

  • 古書購入

  •  ラノベで女子高生とキャハハウフフなお話だろ、と油断していたらがっつりホラーでござった。怖い。猫出せばいいってもんじゃないですよ。可愛いけど。

  • 読みやすい。ホラーミステリ。

  • 幽霊が見える男と、幽霊に好かれる女の子のお話。
    この二人を中心に起こるちょっと怖いお話の短編集です。
    怖いといっても、怖いだけではなく、最後にはちょっとほっこりしちゃって、ちょっと涙しちゃうようなそんなお話です。

    雪穂ちゃんいい子だなー。

  • 霊感のある沢木さんと霊感に目覚めた女子高生雪穂とのお話。

    どのエピソードも読みやすく、面白い。
    恐い感じと、ちょっと笑える感じ、ホッコリした感じ。
    3つのバランス、よかった。

    霊の解釈には、フムフムホウホウと興味深く読みました。

  • とある事件をきっかけに霊が見えるようになった沢木と、なぜか霊に好かれる女子高生。
    短編と長編が入り混じる構成で、短編については伏線をおおいに残して終わる感じなので、どんどん先を読みたくなる小説です。
    主人公の沢木が”霊”というものを論理的に説明するシーンは、霊というものに対するひとつの解釈として理解できる気がします。
    おそらく複数巻で完結する物語なので、どちらかと言えば全巻発売されたらまとめ買いをして一気に読むことをオススメします。

  • 前半の方がホラー要素が強く、後半は、感動系の話。個人的には、後半の方が好きです。主要人物の二人が、良いキャラをしています。二話目の話は次卷へ続く話なのでしょうが、それにしても尻切れトンボな感じがしました。全体的には、楽しめたので、次の卷も読んでみようと思っています。

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