2012 3/23読了。WonderGooで購入。
シリーズ最終巻。
前回でセルニアに告白された秋晴は、しかし付き合ってとか続きがなかったこともあってどうしたものかと悶々と悩む。一方のセルニアも秋晴をつい避けてしまいぎくしゃく。
そして告白の様子を見た朋美もどう動いていいのか悩むも、バレンタインデーを機に心を決め・・・。
===以下、壮絶にネタバレ===
バレンタインに朋美にキスして告白された秋晴。
セルニアと朋美にどう応対するか悩んで熱まで出すも、進級or退学を賭けた従育科の最終試験でトップ合格できたら、どちらかと交際しようと心に決める。
しかし最終試験では最後まで残って進級は決めたものの、大地に大きく水を開けられた2位という結果に。
そんなんでは異性と交際している場合じゃないと心を新たにし、両方に付き合えないと伝える。
秋晴が自分で付き合ってもいいと思えるくらい成長するか、我慢しきれなくなるくらい自分たちを好きになってくれることを期待して今後も今までどおり(ではないかもだけど)付き合っていく・・・という感じでエンド。
結局、「どちらと」付き合うつもりだったのかは最後まで明かされないままで終わる。
あとがきにおいて作者曰く、それぞれのヒロインでどんな結末になるかは考えているけれど、それは明かさないので読者の皆さんで考えて欲しいとのこと。
・・・ないわー!
これはないわー!
「こんな状態で誰かと付き合うなんて」って考えられる秋晴の態度は、それは評価されて然るべしと思うんですよ。うん、秋晴はいいやつだよ。
だが! しかし!
13巻も引っ張ってきて、いよいよついにセルニアか朋美か秋晴が選択するのかという場面で、これはあまりにも日和った結末だろうと。
個人的にはセルニア押しだし、もしこれでセルニアと秋晴が付き合ったならば「作中で先に仲良くなった方が正ヒロイン」的なお約束(ずっと仲の良かった設定は噛ませなので、あくまで作中での話)を打破してくれるラノベ史上の画期になるんじゃないかと思ってたくらいですが(『ココロコネクト』シリーズでもう達成されているといえばいるけど)。
仮に朋美を選んだとしても(っていうかむしろその可能性が高かったんだろうけど)、それはそれでありだと思ってましたよ。お約束は打破できずとも、勝手にサブヒロインが引いたりせず痛みのある展開にしてくれたならばうん、まあいいよねと。
しかしこれはさあ。
結局、最後までハーレムのままで誰かを選んで誰かを選ばない展開にはもっていけないのか・・・まるでギャルゲーのノーマルエンド(グッドエンドどころかトゥルーエンドでもない)のような終わり方・・・なんたる不完全燃焼感。
期待値が大きかった分、結末に割りとしょんぼりしてしまった。
扉絵がなんか一枚絵CGみたいになっているのもギャルゲーを意識していたんだろうけれど。
最近実際にギャルゲーになってヒロイン選べるラノベもそれこそ電撃に多いけどさあ、ゲームはさておき小説は小説なんだからそこを読者任せにされてもなあ。
それこそ各ヒロインエンドはゲームにでも任せて、作者が考える展開としてはどっちを選ぶのか見せて欲しかったなあ。