月だけが、私のしていることを見おろしていた。 (メディアワークス文庫 な 3-1)

著者 :
  • アスキー・メディアワークス
3.37
  • (8)
  • (27)
  • (39)
  • (8)
  • (2)
本棚登録 : 281
感想 : 47
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (325ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048864749

作品紹介・あらすじ

高学歴、高年齢、高層マンション住まいの3K女・二宮咲子は、元彼の御厨に未練たらたらの日々を送っていた。週末の友人の結婚式で御厨と奥さんに再会することを悩む咲子は、占い師に一週間で出会いがないと一生独身と宣言されてしまい…。そんな彼女には、誰にも言えない楽しみがあった。それは、年下青年の住むぼろアパートを中古の天体望遠鏡で覗くこと。今の彼女の心を暖めてくれるのは、月夜に望遠鏡を通して知り合った青年・瑞樹との交流しかなくて-。第18回電撃小説大賞"メディアワークス文庫賞"受賞作。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 落ち着いていて綺麗な文章だったので、一気に読めました。

    ヒロインの年頃は、おっちゃんにも通づるところがあり、共感できました。
    やっぱその年頃が、仕事も任されること、出来ることが増えて、一番楽しい時期だったと思います。

    そして自身のことは二の次で、あれよあれよといい年頃に^^;

    ヒロインもおっちゃんも不器用。だけどおっちゃんの方が更に、人間がヘタクソだったもんでお一人様って現実ですわ(笑)

    本作は、綺麗にまとまっているように感じましたが、ラスト急にファンタジー要素を出してきて、少し“んんっ?”ってなりました。

    それが故の星3つ。

    綺麗な文章を書く作者さんなので、他の作品があるなら読みたい所ですね。

  • 今、同時に読み進めているものが
    ひとつひとつの単元のような形になっている本なので、
    少しずつ読んでいるため
    気晴らしにと手にとりました。

    タイトルとあらすじでネットで購入しました。

    装丁と中の絵のおかげで
    本当にマンガを読んでいるようでした。

    仕事に生きて、
    ちゃんとお給料をもらって、
    30にさしかかって、
    マンションを購入。

    彼氏は一年前に出て行った。

    そんな29歳咲子に舞い込む恋のはなし。
    一週間以内に運命の出会いがないと、一生独身と占い師に宣告され。

    恋を呼ぶのか、呼び寄せるのか。

    そして咲子には人に言えない秘密があった。
    マンションの個室にひとり。ひとりぼっち。
    望遠鏡で向こうの世界をのぞくこと。
    その先には、おんぼろアパートに住んでいる青年。
    いつしか彼と繋がり交流し、
    自分の気持ちに整理をつけていく。

    彼に会えるのも、
    恋を思うのも、
    運命を手繰り寄せるのも、
    月夜のこと。

    と、ストーリーの骨組みはなんだか素敵なんですが
    確かに途中から展開は見えてくるし
    この人あっさりこれで終わりなのか~と可哀そうになる場面も。苦笑
    全体的に登場人物があっさりしてます。
    なので伏線やバックグラウンドは、そこまで重視されてません。
    少女マンガを読んでる気持ちで。苦笑

    だけど、
    ヤッホーは素敵でした。
    ところどころわかるな~って描写も。

    会社いやいや病なんて、正に。笑
    行きたくないよ、ドロドロ人間になりそうだもん。
    だけど、人の気持ちなんて一言や一人の人間で変わるもんなんだなあ。
    そこまででなくても、
    必ず少しは元気になっちゃうんだよなあ。たぶん。

    「じゃあその気持ちはなんなの」
    「割り算の余りみたいなものです」

    そうそう、
    余ることってあるんだよー。そうなの。本当。
    とか思いながら読んでました。

    厳しい目よりも、
    少し息抜きとか気晴らしに読むことをおすすめしますっ

  • 素直に読んで、優しい気持ちになれる本です♪

  • 直感的に結末が読めて,それを確認したくて一気に読んでしまった.

    主人公の二宮咲子は29歳の3K女(高学歴,高年齢,高層マンション住まい).

    私はまったくそういう気持ちをもってないけど,男の人って自分より高学歴,高収入な女性をパートナーにしたがらないですよね.(とある女性がすごくいい車を買ったときいて,「あぁこれでまた婚期が遅れる」って思ったら実際にそうなってました...)

    しかも,元カレを忘れられず,新しい恋に踏み出せない,新しい恋が億劫になってしまった女性です.そんな自分を素直に認められれば突破口が開けるんだろうけど,素直になれなくて元カレへの思いは封印して生きています.

    自分にも封印した思いがあり,あっと言う間に咲子に感情移入しました.本作では素直になれなくてこんがらがって結び目ができてしまった咲子の恋はきれいにほどけてハッピーエンドになります.一方,現実の自分は10年思いを封印したままです...今となっては封印を解けば今の生活すべてがくるってしまうので,封印を解くことはできません.封印してしまったことを謝りたい気もするけど,たぶんそれは自分勝手な気持ちにすぎないでしょう.

    最後はちょっとしたファンタジー.メインのお話が解決した時点で,まだ50ページも残ってる.望遠鏡の話が解決してないので,それに費やされるんだろうと予測して読みましたが,実際読んでみると泣けます.

    仕事をすれば職場は殺伐としていて,その代償に心温まる話に飢えている感じがします.似たような感覚をお持ちの方にはぜひ読んでみてもらいたいと思います.

  • タイトルからあんま期待してなかったけど、
    ちゃんと続きが気になる!
    最後もいやみなくファンタジーでまとめてて
    なかなか文章力のあるラノベ。
    満足♪

  • タイトルやモチーフが良かっただけに、文章力と結末にがっかり。
    客観的に見たら、仕事で疲れちゃたイタい女の人の話。
    途中まで感情移入しかけてただけに、読後感の不快さは割増。
    まぁ、このモチーフに感情移入って、自分のイタさもかなり…w

  • ハッピーエンド。良いお話だった。
    うん、こういう話も悪くない。
    でもなんか御厨よりも瑞樹の方が目立ってて、御厨が少し可哀想に思った(笑)。
    幸せの形ってなんだろうって、そんなお話。

  • 途中までは
    主人公の咲子が
    元彼?の御厨をひきずりながらも
    お見合い相手の御曹司に曖昧な態度をとったり
    瑞樹に弱音を吐いたりする姿に

    少しじれったく感じながら
    読み進めていました

    でも最後の最後で
    全部がまとまって
    なんとなく納得出来ました

    瑞樹の秘密が明かされる場面は
    なぜか号泣してしまいました…

    一気読みして
    最後はスッキリできるお話だと思います(^^)

  • サラサラと読める文面であっという間に読めました。
    年齢を理由に焦る気持ちも分かりますが……
    自分は自分……と思う私には「そんな焦らんでも」とも思いました。
    咲子の周りの人々の優しさがよく表現されていて、彼女の人運の良さが羨ましくなりました。
    咲子だけでなく、友人の理菜にも人生の変化があり、胸がギュッとなりました。
    切なさも胸キュンも詰め込まれた少し不思議なお話でした。
    とても面白かったので、別の作品も読んでみます!

  • メインストーリーは簡単に察しがつくけれど、そんな原因ってありなのか? Luncher が繋ぐ想いにはちょっとしんみりした。

全47件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1975年青森県生まれ。東京外国語大学卒業。『月だけが、私のしていることを見おろしていた。』で電撃小説大賞メディアワークス文庫賞を受賞し作家デビュー。シリーズに『東京すみっこごはん』『今日は心のおそうじ日和』がある。著書に『ベンチウォーマーズ』『ハレのヒ食堂の朝ごはん』『坊さんのくるぶし 鎌倉三光寺の諸行無常な日常』『世はすべて美しい織物』『時かけラジオ 鎌倉なみおとFMの奇跡』『いつかみんなGを殺す』などがある。

「2023年 『月はまた昇る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

成田名璃子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×