ドラフィル! 竜ヶ坂商店街オーケストラの英雄 (1) (メディアワークス文庫)
- アスキー・メディアワークス (2012年3月26日発売)


- 本 ・本 (386ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048864756
作品紹介・あらすじ
音大を出たけれど音楽で食べる当てのないヴァイオリニストの青年・響介。丁度人を探していたアマチュアオーケストラ・竜ヶ坂フィルハーモニーを訪れるが、そのボスは破天荒な性格をした車椅子の若い女性で……?
感想・レビュー・書評
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フルートは和菓子屋の若奥さん。
オーボエとクラリネットは、喫茶「ぴっころ」の熱愛夫婦。
(ピッコロ担当じゃないのはご愛嬌☆)
ホルンはペットショップの主人で、トロンボーンは魚屋さん。
トランペットは葬儀屋のご隠居、コントラバスはスナックのママ。
毎日エンドレスで『ニュルンベルクのマイスタージンガー』が
スピーカーから高らかに流れる、竜ヶ坂商店街。
メンバーのほとんどが商店街の老若男女で、
練習時間に急な変更があっても、商店街を端から端まで
順繰りに走って呼びかければ、あっという間に連絡が行き渡ってしまう
竜ヶ坂商店街オーケストラ、素敵です♪
期待されて音大に進んだはいいけれど、コンクール入賞歴もないまま卒業し
ニートになりかけていた響介が、コンマスとして召喚され
謎めいた車椅子の指揮者、七緒に翻弄されながら、
オーケストラという大きな家族の一員となっていくのですが
音楽を通して、商店街の面々の悩みが解決される微笑ましい展開の中、
父の期待に添うようなプロのオケで活躍する力がないことを自覚する響介の苦しさや
天賦の才能に恵まれたのに、事故で楽器を諦めたらしい七緒の謎解きも
丁寧に描かれて、ハラハラさせられます。
コンクールで優勝したり、プロのオーケストラに所属して
マエストロの指揮で難曲を演奏するのも、もちろんすばらしいけれど
音楽で得られるよろこびには、もっと人それぞれの、いろんなかたちがあっていい。
ワーグナーの数ある歌劇の中で唯一ハッピーエンドを迎える
『ニュルベルクのマイスタージンガー』の輝かしいメロディを胸に
それぞれの家業を地道に営みながら、音楽を愛し、音楽で繋がって
自分たちの音楽をうたい続ける、竜ヶ坂商店街のマイスタージンガーたちに
「ブラボー!」と精一杯の賞賛の声をかけたくなる1冊です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
商店街の町おこしを目的としたオーケストラがメインの人情もの。
出てくる登場人物が個性的で、ドタバタ感がまた楽しい。
ドラマ化やアニメ化もできそうだと思う。
基本的に読みやすい文章ではあるのだが、台詞の後にくる地の文章で気になるところがいくつかあった。
そこさえなければ、突っかからずスラスラと読めたのだが、私が慣れていないせいだろうか。
出てくる曲名は、誰しも聞いたことがあるだろう作品ばかり。
作者のブログに飛べば、その曲の動画を見ることができるので、気になった方は見に行ってみるといいかもしれない。
私はそのことに気づいたのが読了後だったため、気になったらすぐネット検索して聴いていたのだが。
音楽に関しての専門用語はそれほど出てこないし、出てきてもきちんと説明がある。
音楽が好きな方なら尚更楽しめるが、そうでない方でも立ち止まらずに読めるだろう。
物語後半に出てくる「贖罪」のお話。
それほど重くする必要はなかったのでは・・・と思うところもあった。
だが、そういう背景があったからこそ、最後の演奏会が輝くのだろう。
とても引き込まれる描写で、映像としても見てみたいと思えた。
2巻も機会があれば読んでみたい。 -
オーケストラで人情物。
音楽をかじっていたので興味を持って購入。
読みやすい文章で、演奏シーンの描写がすばらしい。
実際に楽器を持って舞台に立った時の気持ちを思い出しました。
展開が予想できる内容ではありますが、
キャラクターが魅力的で退屈さは感じませんでした。
最後の方にいろいろ詰め込まれた感は少しあったかなー
再読は作中の曲を聴きながらにしようと思います-
「オーケストラで人情物。」
ふ~ん、良さそうですね!
どんな曲が登場するのかな・・・「オーケストラで人情物。」
ふ~ん、良さそうですね!
どんな曲が登場するのかな・・・2013/02/25
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芽が出ないがさりとて音楽で飯を食うことがあきらめられないヴァイオリニストがアマオケコンマス兼公民館職員になって、曰くありげな車椅子の女性や団員と出会い、さまざまな呪縛から解きほぐしたり解きほぐされたりする物語。
ヒロイン格の口が悪い七緒や、個性的な商店街の人々が魅力的。 -
物足りない。
文章がくどい。
感情移入し辛い。
設定は良いのに、生かしきれてない感じがする。
あと一歩、何か足りない。
星は3.4とする。
続編に期待か。
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ドタバタとしながらも、街を家族と捉える庶民的な温度感覚が心に優しい。徐々に明かされていく伏線もまた楽し。[more]優しさが残酷さに豹変してしまう怖さを感じつつも、音楽にひそむ神と悪魔は表裏一体なのかな。
ただ、「<a href="http://mediamarker.net/u/sannomiya/tag1/%3C%E3%81%B2%E3%81%B3%E3%81%8D%3E/">天にひびき</a>」(やまむらはじめ著) を知っていると、人に振り回されてしまうコンマス (志望) という構図と、かつて聴いた演奏に心を囚われてしまったこと、などのほぼ最初に提示される (つまり一番長く印象に残る) 要素によって類似性が目に付いてしまうのが残念。 -
じっくり音楽を味わって読んだ。町もオーケストラも一つの“家族”なんだなと思った。
続編も読む。 -
話の展開は途中で読めたので置いておく。
最初の指揮と、ラストの演奏シーンはなかなか。音楽はあまり詳しくないが、引き込まれるものがあった。
文章や構成にもう少し磨きがかかったら…
本業持ちの方相手にそれは酷な話かもしれない。 -
音大卒業後絶賛ニート中だった響介が、とある街のアマオケのコンマスをやることになるお話。こういう話を読むたびに、クラシックの知識がないことが残念だなぁと思うし、オーケストラを聴きに行きたくなる。生で聴くと違うんだろうなぁ。とても読みやすくてキャラもたってて楽しかった。
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20200919読了
#商店街
#音楽
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美奈川護の作品





