七人の王国: 総理大臣は十七歳 (メディアワークス文庫 ほ 1-5)
- アスキー・メディアワークス (2012年10月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (334ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048864817
作品紹介・あらすじ
小笠原諸島の中に浮かぶ、ある小さな島。東京から南に1000kmも離れたその島には、さまざまな過去をもつ男女七人が、数年前から暮らしていた。ある日、彼らは、日本からの独立を宣言する。国名は多生島共和国。そして驚いたことに、総理大臣は十七歳の少年だという。独立宣言を記した国書を受け取った日本政府は不快感を示し、マスコミは飛びつき、日本中が動揺した-。これは、日本での生活に馴染めない人間たちが、自由を求め夢想した、壮大な物語。
感想・レビュー・書評
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小笠原諸島に浮かぶ島で、7人の男女が暮らしていて、ある日、日本で生活のなじめない人間たちが自由を求め独立を宣言する。
総理大臣は17歳。
しかし、日本政府は認めずに……
ただの無人島の生活記と思っていたけど、人の心理状態や葛藤、政府との対立など作り込まれていて読んでいたまとまっていると思う。
MW文庫なんで挿絵がないのがちょっと痛く、雰囲気の伝え方をもっとやればもっと面白い作品になったと思います。
独立から離島まで書かれているのがなんか共感が持てましたね!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ただただ17才の若者が理想郷を作るという、単純で楽しい話ではなかった。(自分はタイトルとストーリーを聞いてそんな話だと勘違いしていたが…)
でもこの楽しいだけではない話の中には、リアルな世界の苦しさの中に希望も描かれている気がする。だから読み終わった後に苦しみや憤りと共に何というか清々しいようなスッキリとした気持ちが残るんだと思う。 -
日本国内に新しい国を作ろうという野心あふれるストーリーに圧倒された。
島の内外で次々と起こる事件にどきどきしながら読める。
目次の時点でオチがわかってしまうのが少し残念だが、野心に始まり、野心に終わるというなかなか面白い内容だった。 -
とある無人島を領土とし、日本から独立宣言する7人の男女を描いてます。現実に有っても不思議ではない設定なので、なかなか良かったです。
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20130407
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物語のテーマとストーリーがうまく噛み合っており、芯があって楽しめる良質な作品だった。小笠原の一島が日本国より独立をするという、現実味があるとは言い難い話だけれど、だからこそ楽しめたのかもしれない。独立してやったね万歳で終わらない、苦みがあるところも魅力。著者には是非、この方向で今後も色んな作品を出して欲しい。読むよ!さて、応援のアンケート葉書を出すかぁ。
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日本からの独立を宣言した小さな島を舞台にした物語。現実的には、かなり無理な展開もあるが、キャラクターそれぞれに魅力があり、読み進む内に思い入れが強くなって来る。後味もよく、単純に楽しめた。
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今年トップ3に入る日本の小説。
リアルであり、フィクションである。
少なくともオレは今の日本なら、
彼らの王国に行く方を選ぶと思うわ。