断章のグリム 白雪姫・下 (XVII) (電撃文庫)

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  • アスキー・メディアワークス (2012年5月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (344ページ) / ISBN・EAN: 9784048865630

作品紹介・あらすじ

 日々苦しみ続けていた蒼衣の過去の悪夢の真相、雪乃が抱える様々な想いや誇り、そして神狩屋から消えてしまった颯姫と夢見子……。謎が謎を呼び、混沌としていく神狩屋で、また一人『白雪姫』の悪夢に巻き込まれ、騎士たちが消えていく。だが全ては、蒼衣の過去より、始まるべくして始まっていた──。

みんなの感想まとめ

物語は、蒼衣の過去の悪夢と神狩屋の陰謀が絡み合い、登場人物たちの運命が交錯する緊迫した展開を描いています。最終巻では、主人公たちが絶望的な状況に直面しながらも、意外な結末が待ち受けていることに驚かされ...

感想・レビュー・書評

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  • 気づいたら17巻、電撃文庫の中でも結構長い方になっていましたが、ついに終幕です。

    うん、これだけ「幕を下ろす」という言葉の似あう物語も他にあるまい。作者もあとがきで何度か言及していましたが、その気になればいくらでも続けられたシリーズ。無理にキャラを殺す必要もなければ舞台を壊す必要もない。ただ、これまで毎回ゲストキャラに降りかかっていた悪夢や、主人公が住む以外の街で起きていた悲劇が、今回は主人公たちに降りかかったというだけのこと。

    エピローグでも書かれていましたね。「断章のグリム」という物語中では最悪のクライマックスとなった今回の事件も、事件の規模としては決して空前のものではないと。

    決して主人公やその周辺をいたずらに悲劇に落とし込めたりせず、ご都合主義に優遇したりもせず、ただただ無慈悲に平等に扱い続けた作者の姿勢は、ただただ、見事だと思うばかりです。

    最終巻だけの評価を言うなら、あるいは他の作品と比べて少し落ちるかもしれない。が、それは最終話「白雪姫」に不満があるのかというと、断じて違う。ただ前回の「ラプンツェル」で期待値が跳ね上がった故に、ちょっと届かなかったかなという感じです。

    今までのレギュラーキャラをきちんと使い切って、全てを曖昧にせず描写し切ってくれた点は非常に高評価。
    「今回本当にあの人が死んだら、9巻のあれはどうなっちゃうの?」とかひそかに思っていたんですが、これ下手な作者ならスルーしていても不自然ではないですよ。
    また、記憶を消す能力者の存在や情報操作が出来る組織がありながら、「全てがなかったことに」ならないあたりが、作者の物語に対するこだわり的なものを感じます。

    あとはまあ、やはり特筆すべきは神狩屋さんなんですが、彼については前々巻の「ラプンツェル」で全てが吐き出されているわけだから、敢えてここで言及するまでもあるまい。

    最後の最後まで、良い意味で後味の悪い、「え?これで終わり?」感がたまらない。

    他のレビュー等を見ると、雪乃が最後の最後でデレたというコメントが多いようですが、僕はそうは思いませんね。
    少なくとも恋愛感情っぽいものはないでしょう。騎士として、友人として、仲間としては、少しだけ認め始めていたのかもしれませんが。
    〈雪の女王〉なんて呼ばれた彼女だけど、常に颯姫のことは守ろうとしていたし、「幸せな王子」では委員長のことを忘れていなかったし、何度か言及されているように「根は素直で優しい」娘なんですよ、彼女は。

    とりあえず、非常に満足。

  • 断章のグリム、ついに完結です。
    長い物語の集大成と言える巻でした。

    これまでの事件で関わってきた<ロッジ>の人々が、
    思い思いに行動し、巻き込まれ、死んでゆく。
    それぞれに衝撃的な結末がありましたが、
    リカさんの台詞が印象深いです。

    今回は<泡禍>としては地味なものだったかもしれませんが、
    その分神狩屋さんの狂い方への気味の悪さにじわじわと飲み込まれました。
    1巻からの親切な顔の積み重ねがあるだけに、
    泡禍の「得体の知れなさ」とは別の恐怖がありました。

    また、<効果>や<異形>の表現が、
    今回はいつにも増して鳥肌ものでした。
    暫くの間は、ふと思い出しては怖気が走りそうです。

    そしていちばん印象的だったのは、風乃さんと葉耶の対話でした。
    風乃さんの言葉によって、葉耶もようやく心が救われました。
    神狩屋さんの持論は
    「死者にその後はなく、泡禍がそれを見せているだけ」でしたが、
    果たして風乃と葉耶は本当にその通りだったのでしょうか。
    「ラプンツェル」でも、
    「大切な人に再会することを諦めていた」ことで<泡禍>に織り込まれなかった神狩屋さんでしたが、
    彼の持論は正しかったのでしょうか。
    最後には彼の望みは叶うわけですが、
    最期の一言で彼は何を想ったのか。
    考えさせられます。

    色々あったけれど、
    最後に雪乃さんが蒼衣をほんの少し認めてくれたのが、
    ああ、よかったなあ、という感じです。
    どうか、このまま大きな<泡禍>に巻き込まれることなく、
    穏やかに<ロッジ>の活動を続けて欲しいな、と、
    矛盾したことですが、切実に思ってしまいました。

  • 「六人目の『小人/しびと』」
    明かされてなかった断章。
    戻ってくる可能性を考えて、始めから頼れる騎士を一人でも残していたら状況は変わっただろ。

    「七人目の『小人/こびと』」
    断章に飲み込まれ死んだ。
    近いうちにと覚悟はしていただろうが、ここまで早く侵食されてしまうなんて予想外だろうな。

    「八人目の『小人/ゆきの』」
    自殺志願者に巻き込まれ。
    近くに寄せ付けず逃げるのが最善策だろうが、どれだけ逃亡を続ければ心が落ち着くのだろう。

    「九人目の『小人/あおい』」
    壊されるために壊してく。
    普通に頼み込んで出来ることではないとはいえ、ここまで狂った思考で動くとは思わないだろ。

    「十人目の『小人/あくむ』」
    配役を上手くこなせたか。
    ここまで堕ちてしまったら、どれだけ手を伸ばし助けようとしても手を取る事は出来ないだろ。

  • シリーズ最終巻。

    蒼衣の断章の力を利用してこの世に別れを告げることをもくろむ神狩屋は、颯姫と夢見子を連れ出します。蒼衣たちは彼のゆくえを追いますが、神狩屋は蒼衣の力の発動を誘発するために、けっして許されない行為に手を染めていきます。

    神狩屋の陰謀の背景を蒼衣が「理解」し、事件に最終的な結末が訪れることになるのですが、登場人物たちの魅力がじゅうぶんにえがかれることのないまま物語の終結がやってきたような印象を受けてしまいました。多少活躍の場面を見せた勇路も、いささかスケールの小ささがめだってしまいますし、それなりに複雑な背景をもっていたはずの笑美やリカはモブキャラのようなあつかいになっています。なかでも、入谷と夢見子はとつぜん物語の中心に引っ張り出されて、たいしてめだつ活躍もないまま結末にいたります。

    わたくしのような読みかたをする読者ばかりではないことは承知していますが、本シリーズはライトノベルなので、もうすこし登場人物たちのキャラクター性を掘り下げてほしかったと感じてしまいました。

  • どんなにひどいことでも終わりはある。それはただの句読点でしかないのかもしれないけれど、終わりはある。そしてまた、少しずつ変化しながらも次に向かってゆくしかない。粛々と。
     
     
    群草さんへ。いつか、いつか。……いつか。祈ってる。

  • 最高だった。
    後日譚とかないかな〜

  • 物語的にはバットエンドというよりトゥルーエンド寄り・・・なのかな?

    物語の集大成ともいえる出来でした。飽泡そのものが控えめですが、それが余計人間である神狩屋さんの狂気を引き立たせる。色んな人たちが死んでいく。まさか神狩屋さんが一般人にまで手を出すなんて・・・。『人魚姫』の巻を再び詠みたくなる。大人たちもバシバシ死んでしまいうわあああ、。そして蒼衣と夢見子の繋がり、葉邪と風乃の話、物語が一気に収束しました。

    最終的に日常に雪乃を引き戻そうとした白野と雪乃は共に非日常の世界を二人で歩んでゆきます。ハッピーエンンドではないがバットでもなく比較的しっくりきた終幕です。

    グロ耐性ある(ココ重要)ホラー、童話好きには読んでほしいシリーズです。

    この作者の特筆すべきところは、描写による音が、文字が、痛い。想像力豊かな人ほどハートフルボッコになる(それがクセになる

    童話好きだけどハッピーエンド好きや痛い描写苦手な人にはものっそい向かないシリーズだと思います

    (あと最近のグリム童話系だけどエロは全くといってないよ!)

  • 可哀そうでしたが思った以上のバッドエンドでも無かったです。少し未来の希望を感じる終わり方をしてくれて良かった・・・

    また外伝とか書いてほしいな(´ω`)

  • ハッピーエンドではないけれどこのシリーズの終わりとしてはこれがふさわしいんだろうな。

  • 逃げていった先、連れ去られた彼女達。
    その頃、過去を思い出していた彼。
    そうして、封印されていた過去が、出てくる。

    あらびっくりというか…年の差を考えると
    ものすごく彼女ちっさくないですか!?
    そして予想通りなスプーン一杯。
    両親の所でぞっとしてしまいました。
    想像禁止! です。

    狂い具合がすごい自然でした。
    とか言ったら、意味が分からない、と言われそうですが
    どうしてこうなった!? という疑問がわきませんでしたし。
    しかし、最強は彼女だったという切り札に驚きです。
    うん、これは確かに分かったら「殺せ」と言われそう。

    そういや出てくるのかと思っていた彼も、一応登場。
    ざまぁみろ、とか言ってる己は、殺人の手助けですか? と
    聞き返したかったです。
    これほども、人に責任転嫁しているのもすごいです。

    結局、人魚姫の<断章詩>は謎のまま。
    それがちょっと心残りです。

  • 日々苦しみ続けていた蒼衣の悪夢の真相、雪乃が抱える様々な想いや誇り、そして神狩屋から消えてしまった颯姫と夢見子…。
    謎が謎を呼び、混沌の悪夢に巻き込まれ、騎士たちが消えていく。
    だが全ては蒼衣の過去より、始まるべくして始まっていた――。

    長かった断章のグリムもついに最終巻。
    まさか夢見子ちゃんと葉耶が親戚だったとは…そして蒼衣と子供の頃に接触してたなんて…。
    しょっぱなから子供にはあんまりにも酷いトラウマ現場出てきた。相変わらず表現が生々しくて気持ち悪くなる。
    おまけに大人組が…大人組が大変な事に…。笑美さん結構好きだったのに…。
    一回読んだだけだとちょっと夢見子ちゃんの断章効果がどういうものなのかいまいちよくわからないんだけど、皆自分の断章が暴走したって感じでいいのかな?
    悲惨すぎて言葉もない。入谷さん最後までマジ頑張った。
    神狩屋さんは蒼衣を追い詰める為とはいえ、本当にえげつない。まさか一般人巻き込むとは思わなかった…。
    あれだけ残酷な事をしたのに心が動かない辺り、相当な狂気を宿してたんだなぁ彼。
    最後ということもあって、これまでに関わった保持者達がちょっとでも出てきたのは嬉しかった。
    若者組が死ななくて本当に安心。後味は決して良くはないけど、区切りとしては悪くない終わり方だったかな。
    蒼衣が世話役の第二シーズンやってほしい。

  •  断章のグリム17巻、最終章「白雪姫」下巻。これで本当に最後です。

     掘り返される蒼衣の<悪夢>の記憶。何を見たか、そこには誰がいたのか?穴の中で溶けて、それでも母親に殺され続けていた、葉耶。同じく他人の<悪夢>に干渉する形の<断章>を持つ者が蒼衣と夢見子、同じ時期に同じ場所に現われた理由。

     加速する神狩屋狂気。夢見子の<グランギニョルの索引引き>は<悪夢>を童話の形にエスカレートさせる<断章>。蒼衣と夢見子が出会ってから、童話級の泡禍が頻発している原因がここに。
     加速されられた<悪夢>に<断章>は暴走し、笑美、リカ、入谷…次々と騎士を食う。さらには「白雪姫」の童話を完成させるため神狩屋が仕掛けた「毒リンゴ」つまりは神狩屋自身の血によって、蒼衣の両親までもが犠牲に…。

     蒼衣が神狩屋を消したのは、神狩屋を救うためだったのか?それとも、神狩屋の断章によって「生かされ続ける」人たちを救うためだったのか?

     いずれにしろ、蒼衣に戻るべく日常は無くなってしまう。日常とは、泡禍と戦う日常。かつて雪乃をその非日常から引き戻そうとしていた蒼衣が、そちら側に取り込まれる。これは、二人のハッピーエンドか、それとも…。

     最後までこの割り切れなさ、どうしても大好きでなりません。

  • …結局、志弦さんが余計なことしなければよかったって話?

  • 09/13/2012 読了。

    かくして、
    読んでいたシリーズ物が、
    終わってしまった・・・。

    これはこれで、
    幸せな終わり方だったのかと思います。

  • 913.6 コ (17) 登録番号9088

  • 神様の悪夢はこの世にあふれ出して来ると恐怖に変わる。だがしかし、その恐怖を加速させているのは一体誰だったのか? 「白雪姫」をモチーフに、終に悪夢は蒼衣の日常を浸食しはじめた。そうして――

    続きを楽しみにしていたシリーズが……!終わってしまう……!
    新作を待つ。

  • 最高のバッドなハッピーエンド。
    不思議の国の配役を考える作業にはいります。
    雪乃さんのツンデレ大好きだ。

  • 全巻図書館から借りて読了。
    これは下手なホラー小説よりもグロいしえげつない。
    Missingとは比べもんにならないわ-。
    よく読み切ったと自分をほめてあげたい。

  • 「白雪姫」後編、そして断章のグリム最終巻

    何も始まらず、内側に抱えた終わりにただ翻弄され続けたお話
    ごちそうさまでした。

  • 断章のグリム、最終巻。

    白雪姫前編からグロテスクと言うか、あんまり楽しくない描写が続いていましたが、それは毎回のことかと思いつつ、スプラッタはともかく、ゴのつく生物の断章だけは想像していやになりました。ああ、彼のトラウマというか、断章のきっかけってどんな悪夢? 私の頭が残念なせいか、過去の話にそれが記載されていたのか思い出せません。

    さて、童話のなかで「本当は怖いおとぎ話」題材に高位にランキングされる「白雪姫」。昔話は、メルヘンと言うより寓話や教訓の色が強いので、訳の分からない話から、罪には罰! と凄まじく苛烈に残酷な話も多いですが、白雪姫って本当に、風乃さんが言ったとおり、見方によってはダブーのコンプリート作品。よく知られているだけに最後を飾るにも相応しいですけど、「そして末永く幸せに暮らしました」には絶対なりえない話でした。

    普通はすでに砕け散り、悪夢に目が覚めていく。
    踏み出したらもう戻る道もないというさいごですが、それでも進んでいく結論を出して終幕。
    主人公もヒロイン(?)と同じ世界に立ち、歩んでいく。
    ハッピーエンドになるとはつゆとも思っていなかったですが、まだすっきりした終わりかただったと。

    ある意味、番外編だとか、スピンオフできそうな作品ですけど、多分しないんだろうなぁとおもいます。

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著者プロフィール

1977年、岡山生まれ。津山三十人殺しの舞台となった津山市出身。二松学舎大学卒。民俗学および魔術に関して知識を豊富に持ち、『Missing 神隠しの物語』で電撃文庫デビュー。著書に『断章のグリム』『時槻風乃と黒い童話の夜』『夜魔』『ノロワレ』『霊感少女は箱の中』シリーズなど。

「2022年 『Missing13 神降ろしの物語〈下〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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