サクラの音がきこえる―あるピアニストが遺した、パルティータ第二番ニ短調シ (メディアワークス文庫 あ 5-3)

著者 :
  • アスキー・メディアワークス
3.58
  • (19)
  • (35)
  • (29)
  • (9)
  • (4)
本棚登録 : 280
レビュー : 30
  • Amazon.co.jp ・本 (345ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048866224

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 偉大なピアニストだった亡き父を未だに憎む智也に遺されたのは、440HzのAというたったひとつの音を聴きとる絶対音感だった。今は音楽から離れ細々と便利屋を営んでいる彼の元へ、ある日突然野良犬のごとく転がり込んできた英治は、ワケアリの過去を持つ一文無し。そんな彼らの所に、音楽学校首席の女子高生・奏恵からとんでもない依頼が舞い込んだ。 「私を、音楽で感動させてください」 優れた絶対音感を持つ彼女から高飛車に告げられた不可思議な依頼に巻き込まれ、音楽に翻弄される彼らが奏でるそれぞれの“音”物語。

  • 音楽を題材として伝えたい事、言わんとしたい事が充分に伝わってきます。
    絶対音感やピアノ、シャコンヌの曲に対する描写は分かり易く丁寧。
    ストーリー展開が ややライト過ぎたかなーというのが個人的な感想。
    かといって面白くないわけではなく、どのキャラクターにもとても愛着が湧くし、音楽の良さを沖縄民謡でどんちゃん騒ぎをするシーンなんかで上手く描かれていて笑顔になれた。

    タイトルにある通り、ナイスタイミングな桜の季節に読めたのはじんわりあたたかい気持ちになれて良かったかなぁ。

  • ラノベっぽいキャラにラノベっぽい軽めの話……なんて思って読んでいたのに、最後には泣いてしまった。よい話。音楽を文字にするというのは難しいのに、目に浮かぶようだった。シャコンヌを聞かなければ!

  • ふと本屋で目にとまったので、読んでみた本です。

    表紙の帯で買ってしまったのかも。(写真にはないけど)

    「私を、音楽で感動させてください」
    偉大なピアニスト西崎賢吾を父にもつ智也は、幼い頃受けた厳しい教育に反抗しピアノと父を嫌うようになる。
    父がコンサート中に心臓発作で亡くなった後も憎み続け、遺されたのは、440HzのAというたったひとつの音を聴きとる絶対音感だった。

    今は音楽から離れ細々と便利屋を営んでいる彼の元へ、
    ある日突然野良犬のごとく転がり込んできた英治は、
    良すぎる耳を持つがゆえに社会をドロップアウトせざるを得なかった青年だった。
    騒音に敏感で、安定した職業につけない。そんな青年。

    そんな彼らの所に、音楽学校首席の女子高生・奏恵からとんでもない依頼が舞い込んだ。

    「私を、音楽で感動させてください」
    超有名な有瀬音楽学校高等部主席入学だという雨宮奏恵は、高度な絶対音感の持ち主。
    すべての音を楽譜に記していくことができる。
    それがゆえに、どんな音楽も音符の連なりでしかなく、これまで一度も音楽で感動したことがないらしい。

    「あなたの音には魂がない」と言われた彼女に講師が参考資料として渡したのが、智也の父・西崎賢吾の最後のシャコンヌ演奏の生音源だった。

    ピアノ版バッハのパルティータ第二番ニ短調シャコンヌ

    自分が西崎賢吾の息子であると言うことを隠したまま、
    彼女の依頼に応えるべく、様々な音楽を聴かせに連れ歩く。

    ロックコンサート、沖縄の三線、インドのシタール
    そこには絶対音感では表せない音の世界が広がっていく。

    そして、この話のキーワードともいえる
    「ベーゼンドルファー・インペリアル」

    私が先日ベーゼンのショールームでネコ踏んじゃったを弾いたピアノです・・・。爆

    97鍵盤あるピアノ。
    (普通のピアノは88鍵)

    インペリアルっていうんですって・・・

    父・西崎賢吾はシャコンヌをベーゼンドルファー・インペリアルでしか弾かなかった、
    それはなぜか?というのが大きなテーマになっています。

    この普通のピアノでは出せない音域の音に、感動の手がかりがある・・・というお話でした。

    まさかの再び「ベーゼンドルファー・インペリアル」にちょっとびっくりしましたが(笑)

    音の感動探しをする。
    ちょっと自分に重ね合わせてみたりして、なかなか楽しんで読めました。

    ただ・・・私は元々ライトノベルが嫌いなので・・・、
    (好きな作家は遠藤周作という重~い系が好きなので)
    もう少し会話にキャピキャピ感がなくなれば、もっとしっくり読めたと思います。


    私の好きなバッハのパルティータ第二番ニ短調シャコンヌとくれば、チェロ4重奏ですけどね!

  • 音楽ネタ小説とゆうことで、「音楽は魂で唄って、血で奏でるもの」「音楽への純粋な情熱」「子供のように無垢で、風のように透明な、ただ音を奏でる喜び」等、印象に残りました。
    そして、そうゆう音楽家に人々は惹かれるのかなと、思いました。

  • 智也の父親が西崎賢吾と知った奏恵の反応から『奏恵の実父は西崎!?』...などと深読みしてしまいました。
    西崎の家族への想いが明らかになるシーンがとても良いです。
    "よろずやシリーズ"として続編も読んでみたい。

  • タイトルの印象と違った。絶対音感て音程がわかるくらいの程々がよさそう。楽器メーカーの名前は格好いいのたくさんあるね。後書きに笑った。

  • 便利屋をしている主人公の所に転がり込んだのは
    やたらに偉そうな絶対音感をもった女子高生。

    ピアノをひたすらやらせていたら、それはもう
    嫌いになるのは確かです。
    たとえ、最初が自分の言葉でも、です。
    転がり込んできた青年に、連れてこられた女子高生。
    主人公も入れて、やたらに問題を抱えた人達。

    少しずつ見えてくるのは、憎んでいた父親の事。
    ある意味王道な状態で進んで行く話ですが
    女子高生ツンデレですか? と聞きたくなるような
    依頼完了の、その後w
    何だかほっこりとした仕上がりになっていましたが
    結局、自分で気がつかなければどうにもならない。
    そういう事、でしょうか?

  • あとがきではそれほど音楽に詳しくないようなことを書いていたが、どうしてなかなか音楽が流れるシーンは緊張感や躍動感があってよかったです。
    登場人物のキャラクターはメディアワークスらしい若者向けの設定なので、将来はもう少し落ち着きのある作品を書いて欲しい。

  • 読了♪

    ピアニストだった父親の記憶に縛られる、440HzのAを正しく聞き取るよろず屋、
    音楽なんて何もしないのに持っている絶対音感のせいで普通に生活できない男、
    絶対音感があるがゆえに音楽を「音の連なり」としてしかとらえられないピアノの神童な女子高生。

    「私を音楽で感動させてください」
    という女子高生の依頼に、いやがおうにも巻き込まれていくふたりの男。
    それぞれが見付ける“音”の物語。

    たのしく軽く読みました。
    重いテーマがありますが、ラノベらしい優しさと甘さと軽さがあるから、気にならずに読めます。
    表紙の絵が美しいです。

    音を書く、ということに最近興味があって、そういう本を読むのが好きです。

全30件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

浅葉なつ(あさば なつ)
2010年「空をサカナが泳ぐ頃」で第17回電撃小説大賞メディアワークス文庫賞受賞、同作でデビュー。2013年に刊行された『神様の御用人』がシリーズ化され、コミック化されるヒット作・代表作となった。
その他代表作に、『山がわたしを呼んでいる!』『サクラの音がきこえる―あるピアニストが遺した、パルティータ第二番ニ短調シ』など。

サクラの音がきこえる―あるピアニストが遺した、パルティータ第二番ニ短調シ (メディアワークス文庫 あ 5-3)のその他の作品

浅葉なつの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
米澤 穂信
有効な右矢印 無効な右矢印

サクラの音がきこえる―あるピアニストが遺した、パルティータ第二番ニ短調シ (メディアワークス文庫 あ 5-3)に関連する談話室の質問

サクラの音がきこえる―あるピアニストが遺した、パルティータ第二番ニ短調シ (メディアワークス文庫 あ 5-3)を本棚に登録しているひと

ツイートする