サクラの音がきこえる あるピアニストが遺した、パルティータ第二番ニ短調シャコンヌ (メディアワークス文庫)
- KADOKAWA (2012年5月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (402ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048866224
作品紹介・あらすじ
「音楽で私を感動させてください」ピアニストだった亡き父を未だに憎む智也のもとへ音楽学校首席の天才女子高生からとんでもない仕事の依頼が舞い込んだ。音楽に翻弄される彼らが織りなす自分たちの音物語。
感想・レビュー・書評
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インスピレーションの元ネタがベーゼンドルファー・インペリアルの「字面」というのが可笑しい。30 歳目の前にしてはちょっと青い気もするけど、ラノベだし軽くていいのかな。桜のモチーフの使い方には、最後に妙に納得させられた。
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やっぱり音楽ものは難しい。
プロから見ると、
だいたいchaconneをピアノで弾くところから認められないし
今時チューニングは442…
そのほかいろんな意味で、音楽ものを書くなら
もうちょっとリアリティが欲しかった。
そういう意味でも、蜜蜂と遠雷はすごかったと思う。 -
偉大なピアニストだった亡き父を未だに憎む智也に遺されたのは、440HzのAというたったひとつの音を聴きとる絶対音感だった。今は音楽から離れ細々と便利屋を営んでいる彼の元へ、ある日突然野良犬のごとく転がり込んできた英治は、ワケアリの過去を持つ一文無し。そんな彼らの所に、音楽学校首席の女子高生・奏恵からとんでもない依頼が舞い込んだ。 「私を、音楽で感動させてください」 優れた絶対音感を持つ彼女から高飛車に告げられた不可思議な依頼に巻き込まれ、音楽に翻弄される彼らが奏でるそれぞれの“音”物語。
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音楽を題材として伝えたい事、言わんとしたい事が充分に伝わってきます。
絶対音感やピアノ、シャコンヌの曲に対する描写は分かり易く丁寧。
ストーリー展開が ややライト過ぎたかなーというのが個人的な感想。
かといって面白くないわけではなく、どのキャラクターにもとても愛着が湧くし、音楽の良さを沖縄民謡でどんちゃん騒ぎをするシーンなんかで上手く描かれていて笑顔になれた。
タイトルにある通り、ナイスタイミングな桜の季節に読めたのはじんわりあたたかい気持ちになれて良かったかなぁ。 -
ラノベっぽいキャラにラノベっぽい軽めの話……なんて思って読んでいたのに、最後には泣いてしまった。よい話。音楽を文字にするというのは難しいのに、目に浮かぶようだった。シャコンヌを聞かなければ!
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音楽ネタ小説とゆうことで、「音楽は魂で唄って、血で奏でるもの」「音楽への純粋な情熱」「子供のように無垢で、風のように透明な、ただ音を奏でる喜び」等、印象に残りました。
そして、そうゆう音楽家に人々は惹かれるのかなと、思いました。 -
智也の父親が西崎賢吾と知った奏恵の反応から『奏恵の実父は西崎!?』...などと深読みしてしまいました。
西崎の家族への想いが明らかになるシーンがとても良いです。
"よろずやシリーズ"として続編も読んでみたい。 -
タイトルの印象と違った。絶対音感て音程がわかるくらいの程々がよさそう。楽器メーカーの名前は格好いいのたくさんあるね。後書きに笑った。