サクラの音がきこえる あるピアニストが遺した、パルティータ第二番ニ短調シャコンヌ (メディアワークス文庫)

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  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (402ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048866224

作品紹介・あらすじ

「音楽で私を感動させてください」ピアニストだった亡き父を未だに憎む智也のもとへ音楽学校首席の天才女子高生からとんでもない仕事の依頼が舞い込んだ。音楽に翻弄される彼らが織りなす自分たちの音物語。

感想・レビュー・書評

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  • インスピレーションの元ネタがベーゼンドルファー・インペリアルの「字面」というのが可笑しい。30 歳目の前にしてはちょっと青い気もするけど、ラノベだし軽くていいのかな。桜のモチーフの使い方には、最後に妙に納得させられた。

  • 途中までバラエティ感があり面白かったけど途中からシリアスな感じになり訳分からなくなった。
    女子高生が音楽で感動させて欲しいから、誘拐事件があり、なんじゃこりゃな展開だった。

  • やっぱり音楽ものは難しい。
    プロから見ると、
    だいたいchaconneをピアノで弾くところから認められないし
    今時チューニングは442…
    そのほかいろんな意味で、音楽ものを書くなら
    もうちょっとリアリティが欲しかった。
    そういう意味でも、蜜蜂と遠雷はすごかったと思う。

  • 偉大なピアニストだった亡き父を未だに憎む智也に遺されたのは、440HzのAというたったひとつの音を聴きとる絶対音感だった。今は音楽から離れ細々と便利屋を営んでいる彼の元へ、ある日突然野良犬のごとく転がり込んできた英治は、ワケアリの過去を持つ一文無し。そんな彼らの所に、音楽学校首席の女子高生・奏恵からとんでもない依頼が舞い込んだ。 「私を、音楽で感動させてください」 優れた絶対音感を持つ彼女から高飛車に告げられた不可思議な依頼に巻き込まれ、音楽に翻弄される彼らが奏でるそれぞれの“音”物語。

  • 音楽を題材として伝えたい事、言わんとしたい事が充分に伝わってきます。
    絶対音感やピアノ、シャコンヌの曲に対する描写は分かり易く丁寧。
    ストーリー展開が ややライト過ぎたかなーというのが個人的な感想。
    かといって面白くないわけではなく、どのキャラクターにもとても愛着が湧くし、音楽の良さを沖縄民謡でどんちゃん騒ぎをするシーンなんかで上手く描かれていて笑顔になれた。

    タイトルにある通り、ナイスタイミングな桜の季節に読めたのはじんわりあたたかい気持ちになれて良かったかなぁ。

  • ラノベっぽいキャラにラノベっぽい軽めの話……なんて思って読んでいたのに、最後には泣いてしまった。よい話。音楽を文字にするというのは難しいのに、目に浮かぶようだった。シャコンヌを聞かなければ!

  • ふと本屋で目にとまったので、読んでみた本です。

    表紙の帯で買ってしまったのかも。(写真にはないけど)

    「私を、音楽で感動させてください」
    偉大なピアニスト西崎賢吾を父にもつ智也は、幼い頃受けた厳しい教育に反抗しピアノと父を嫌うようになる。
    父がコンサート中に心臓発作で亡くなった後も憎み続け、遺されたのは、440HzのAというたったひとつの音を聴きとる絶対音感だった。

    今は音楽から離れ細々と便利屋を営んでいる彼の元へ、
    ある日突然野良犬のごとく転がり込んできた英治は、
    良すぎる耳を持つがゆえに社会をドロップアウトせざるを得なかった青年だった。
    騒音に敏感で、安定した職業につけない。そんな青年。

    そんな彼らの所に、音楽学校首席の女子高生・奏恵からとんでもない依頼が舞い込んだ。

    「私を、音楽で感動させてください」
    超有名な有瀬音楽学校高等部主席入学だという雨宮奏恵は、高度な絶対音感の持ち主。
    すべての音を楽譜に記していくことができる。
    それがゆえに、どんな音楽も音符の連なりでしかなく、これまで一度も音楽で感動したことがないらしい。

    「あなたの音には魂がない」と言われた彼女に講師が参考資料として渡したのが、智也の父・西崎賢吾の最後のシャコンヌ演奏の生音源だった。

    ピアノ版バッハのパルティータ第二番ニ短調シャコンヌ

    自分が西崎賢吾の息子であると言うことを隠したまま、
    彼女の依頼に応えるべく、様々な音楽を聴かせに連れ歩く。

    ロックコンサート、沖縄の三線、インドのシタール
    そこには絶対音感では表せない音の世界が広がっていく。

    そして、この話のキーワードともいえる
    「ベーゼンドルファー・インペリアル」

    私が先日ベーゼンのショールームでネコ踏んじゃったを弾いたピアノです・・・。爆

    97鍵盤あるピアノ。
    (普通のピアノは88鍵)

    インペリアルっていうんですって・・・

    父・西崎賢吾はシャコンヌをベーゼンドルファー・インペリアルでしか弾かなかった、
    それはなぜか?というのが大きなテーマになっています。

    この普通のピアノでは出せない音域の音に、感動の手がかりがある・・・というお話でした。

    まさかの再び「ベーゼンドルファー・インペリアル」にちょっとびっくりしましたが(笑)

    音の感動探しをする。
    ちょっと自分に重ね合わせてみたりして、なかなか楽しんで読めました。

    ただ・・・私は元々ライトノベルが嫌いなので・・・、
    (好きな作家は遠藤周作という重~い系が好きなので)
    もう少し会話にキャピキャピ感がなくなれば、もっとしっくり読めたと思います。


    私の好きなバッハのパルティータ第二番ニ短調シャコンヌとくれば、チェロ4重奏ですけどね!

  • 音楽ネタ小説とゆうことで、「音楽は魂で唄って、血で奏でるもの」「音楽への純粋な情熱」「子供のように無垢で、風のように透明な、ただ音を奏でる喜び」等、印象に残りました。
    そして、そうゆう音楽家に人々は惹かれるのかなと、思いました。

  • 智也の父親が西崎賢吾と知った奏恵の反応から『奏恵の実父は西崎!?』...などと深読みしてしまいました。
    西崎の家族への想いが明らかになるシーンがとても良いです。
    "よろずやシリーズ"として続編も読んでみたい。

  • タイトルの印象と違った。絶対音感て音程がわかるくらいの程々がよさそう。楽器メーカーの名前は格好いいのたくさんあるね。後書きに笑った。

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著者プロフィール

第17回電撃小説大賞で<メディアワークス文庫賞>を受賞。「空をサカナが泳ぐ頃」でデビュー。

「2023年 『神様の御用人 継いでゆく者』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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