ビブリア古書堂の事件手帖 栞子さんと消えない絆 (3) (メディアワークス文庫)
- アスキー・メディアワークス (2012年6月23日発売)


- 本 ・本 (274ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048866583
作品紹介・あらすじ
鎌倉の片隅にあるビブリア古書堂は、その佇まいに似合わず様々な客が訪れる。すっかり常連の賑やかなあの人や、困惑するような珍客も。
人々は懐かしい本に想いを込める。それらは予期せぬ人と人の絆を表出させることも。美しき女店主は頁をめくるように、古書に秘められたその「言葉」を読みとっていく。
彼女と無骨な青年店員が、その妙なる絆を目の当たりにしたとき思うのは? 絆はとても近いところにもあるのかもしれない──。
これは“古書と絆”の物語。
感想・レビュー・書評
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篠川家の秘密が徐々に暴かれる…。ジワジワ面白くなってきてる感じ。そして古書についても深く知ることができて、古書に興味が湧いた。神保町とか神田を歩く方々の気持ちがちょっぴり分かった気がする。
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古書にまつわる謎解きもさることながら、栞子さんと大輔との恋の行方も気になりますが、2人が車でお出かけと言ってもデートではなく、行き先はもっぱら古本屋巡りのようで…。
古書店同士のあいだで、それぞれの地域に古書組合というのがあって、会館などに集まって同業者同士の古書の売り買いが行われているそうです。
どの世界にも一般人の知らない裏事情があって、この本でさまざまな知識が得られて面白いです。
一癖も二癖もありそうな個性的な古書店仲間も登場して、さらに物語が広がっていきます。
宮沢賢治『春と修羅』
この、パラフィン紙に包まれた函入りの古い本にまつわる謎は、読んでいて鳥肌が立ちました。
宮沢賢治が生前に刊行された著書は、『注文の多い料理店』と『春と修羅』の二作品だけで、探してほしいと依頼を受けた初版の『春と修羅』は、賢治自身が推敲した手入れ本だったのだそうです。
文学好きにはたまらない逸品ですよね。
母智恵子の存在が、まだまだ謎めいたままで、姉とは正反対で、人付き合いのよい妹の篠川文香がその鍵を握っていそうです。 -
プロローグ『王様の耳はロバの耳』(ポプラ社)
2010/11.23最近のできごと 篠川文香
第一話 ロバート・F・ヤング『たんぽぽ娘』(集英社文庫)
「ヒトリ書房」という古書店の店主井上に戸塚の古書会館で栞子は「お前もあの母親の娘だから」落札した本の中から『たんぽぽ娘』を盗んだだろうと言われます。
大輔は「栞子さんだったら1冊といわず全部盗むはずだ」といい栞子をかばいますが、栞子は見事に真犯人をみつけだします。また、井上は「栞子は母の智恵子と連絡を取り合っている」ということを大輔に教えます。
『たんぽぽ娘』の結末だけが書かれていないので、結末が知りたいと思いました。
第二話『タヌキとワニと犬が出てくる絵本みたいなの』
大輔と栞子は常連客となった坂口夫妻の妻、しのぶに探求書の依頼を受けます。それはしのぶが子供の頃読んだ1970年代の後半、新刊書店に並んでいた児童書でしたが、ヒントをきいても今回栞子は、いつものようにはひらめきません。
そして、しのぶと仲の悪いというしのぶの実家を訪ねてみますが…。
最後は文香が持っていたキーホルダーであっけなく謎は解け、しのぶが本を探していた本当の理由がわかり、実家と仲直りします。
第三話 宮沢賢治『春と修羅』(關根書店)
栞子の母の同級生の玉岡聡子から父の死後「部屋から盗まれた本を取り返してほしい」と宮沢賢治の『春と修羅』の初版本を探してほしいと依頼されます。
「犯人はおそらく兄か兄嫁なので、警察には届けなかった」といいます。栞子は情況から判断して、二人は犯人ではないと推理しますが、兄嫁のアリバイを調べるために聡子の甥の中学生の昴に会いますが…。
またしても栞子は真相解明して『春と修羅』は戻すべき人の元へ返ってきます。
真の本好きな人というものは(ここでは栞子と昴)文章(この場合は詩)全部を暗唱しているものなのだと感心しました。
エピローグ 『王様の耳はロバの耳』(ポプラ社)・Ⅱ
2011/3.18今日のできごと 篠川文香
(ここだけネタバレしていますのでこれから読まれる方は気を付けてください)
『クラクラ日記』がカギです。
文香が持っていました。
母の智恵子の情報源がわかりました。
さて、智恵子はどういう風に物語に絡んでくるのでしょうか。次巻も楽しみです。 -
シリーズ第三弾。
今回も安定の面白さだった。
栞子の母である智恵子の存在が少しずつ大きくなっていく。
不気味な存在に思えるけど今後どういった展開になるのか楽しみだ。 -
シリーズ第三弾。
この本は、古書店の仕事内容を知ることが出来るのも、おもしろいです。前巻は、宅買い。今回は、古書交換会です。それぞれのお店によって、得意分野があります。ミステリーに強いとか、マンガが充実しているとか。自分の店では売れないだろうなぁという本を売ったり、売れそうな掘り出し物を見つけることが出来る場所です。とても興味深かったです。
ストーリーは、いまだ姿を現してはいないけれど、栞子さんの母親、千恵子さんの存在が、大きな影を落としています。昔馴染みの古本屋さんから母親の話を聞いたり、なんと、母親の高校時代の同級生から、本にまつわる謎を持ち込まれ、解いていきます。なんだか、目に見えない母親に操られるように、話が進んでいきます。次巻あたり、ついに姿を現すのかしら?そんな期待を持たせる3巻でした。 -
'24年12月16日、AmazonAudibleで、聴き終えました。シリーズ三作目。
①と②は、以前に何度か読んでいましたが…本作からは、初めてになります。で…
とても、楽しめました!
「プロローグ」、「たんぽぽ娘」、「タヌキとワニと犬~」、「春と修羅」、そして「エピローグ」…どれも、素晴らしかったಥ‿ಥ
でも…中でも一番好きなのは…実は「プロ&エピ」だったりして⟵(๑¯◡¯๑)ハハハ&トホホ!
主人公達が、少しずつ、お母さんに迫っていく…なんかドキドキします。④も、楽しみ♪ヽ(・ˇ∀ˇ・ゞ) -
2022/05/22読了
#三上延作品
古書にまつわる日常の謎解き。
第3弾。
一気読みできる文体が良いし、
ストーリーも面白い。
あとで知ったけどドラマ化もしてたんやね。
剛力彩芽じゃないだろ感はあるが。
続きも読みたい。 -
このシリーズはそこはかとなく暗さがあるところが好きです。流行りものが好きじゃないので話題になっていた当時は読んでいなかったのですが友人が第1巻を譲ってくれて読んだら面白かったし好みにも合いました。
この巻は特に『春と修羅』がよかった。シリーズ通して、それぞれの逸話に登場する脇役も嘘っぽい良い人でなくて、悪いことや人には言えない事を考えたりしていて、そこが気に入っています。 -
ついに栞子さんとふたりっきりでお酒を飲むまでになり、
酔っぱらった姿まで目の当たりにし、
ふたりだけのお出かけ率も大幅にアップした五浦くん、おめでとう♪
せっかくキミの前ではすねたりふくれたりしてくれてるんだから、
もうちょっと積極的にがんばりましょう!
妻にさばさばと出ていかれた夫が、失くした愛の記憶を重ねて執着するのが
変わらぬ愛を描いた、ロバート・F・ヤングの名作『たんぽぽ娘』だったり、
第二話の『タヌキとワニと犬が出てくる、絵本みたいなの』では
初期の挿絵と、本がポピュラーになってからの挿絵のギャップがカギになったり、
第三話『春と修羅』では、金銭的な価値云々ではなく、
本当にその本を愛する人にこそ大切にしてきた本を遺したいと願った
故人の遺志が事件を引き起こしてしまったり
相変わらず、本を愛してやまない読者の琴線に触れるエピソードが心憎い♪
前巻からあれだけひっぱってきた『クラクラ日記』の秘密が
勝手に思い込んでいたような風情のあるものではなく
あまりにイマドキというか、味も素っ気もない仕掛けだったのには拍子抜けだったけど
結婚するとき『たんぽぽ娘』を夫にプレゼントし、
婚約者に贈る本を探しているお客にも、迷わず同じ本を薦めたという
栞子さんのお母さんが、家族を捨てても平気な、情のない人だとは
どうしても思えなくなってくる、ビブリア古書堂シリーズ第3巻。-
あやこさん☆
ほんとうに!
飲めるとしてもせいぜい梅酒くらいかな?というイメージだったので
日本酒、しかも銘柄指定という予想外の展開にびっ...あやこさん☆
ほんとうに!
飲めるとしてもせいぜい梅酒くらいかな?というイメージだったので
日本酒、しかも銘柄指定という予想外の展開にびっくりしました。
「春と修羅」の昴くん、第一印象はとっつきにくい、無愛想な感じだったのに
やることは律儀で、宮沢賢治をほんとうに敬愛しているのがわかって
なんだか愛おしくなってしまいました♪2012/11/15 -
1,2巻とは違う印象を3巻に持ちました。
謎解きにあった軸足が、人間関係に移ったような。読んでいる最中は、謎解きの巧みさみたいなものが薄い...1,2巻とは違う印象を3巻に持ちました。
謎解きにあった軸足が、人間関係に移ったような。読んでいる最中は、謎解きの巧みさみたいなものが薄いな、と思ったけれど人の厚みが増したような気がします。
2013/02/21 -
nicoさん☆
確かに確かに!
謎よりも人の繋がりに重点が置かれてきましたよね。
今日、第4巻の発売ですけれど、栞子さんとお母さんの溝は
...nicoさん☆
確かに確かに!
謎よりも人の繋がりに重点が置かれてきましたよね。
今日、第4巻の発売ですけれど、栞子さんとお母さんの溝は
果たして埋まっていくのでしょうか?!気になりますね~!2013/02/22
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今期楽しみにしているドラマに、日本テレビの『泣くな、はらちゃん』がある。
越前さん(麻生久美子)が、日々のうっぷんを晴らすために日記代わりに書いている漫画から、主人公の「はらちゃん」(長瀬智也)が飛び出してくるという話。次第に殺伐としてゆく世界(=漫画)を平和にするためには神様(=越前さん)に幸せになってもらうしかないと奮闘する「はらちゃん」
光石研や白石加代子などの実力派が脇を固め、脚本が『ちゅらさん』や『最後から二番目の恋』の岡田惠和なので、コメディタッチのあり得ない展開にも、心の機微や人生の真理がさらりと織り込まれ面白い。
日テレは昔から、設定は荒唐無稽だけど味わい深いドラマを作るのがうまい。
いまだDVD化されていないが好きだったドラマ『俺はご先祖さま』
石坂浩二演じる未婚の新聞記者宅に、銀色の全身タイツで時間警察に追われながら未来からやってきたマリアン演じる子孫のミミ。子供はすべて試験管で製造される未来。絶滅した「愛」というものを一度みてみたいという。コミカルな中にも結構深いテーマがあったような気がする。いまならば大泉洋とローラでリメイクするのも面白いかもしれない。
現実の事件をなぞるばかりが「リアル」ではない。
作り物の世界の中に心情的な「リアル」が垣間見える時、おもわず感動したりもする。
SFやミステリを始めとするエンタテインメントの魅力はそこにある。
タイムトラベルものの傑作と言われる『たんぽぽ娘』
きっと面白いんだろうなぁ。読んでみたい。
『ビブリア古書堂の事件手帖3』は本を巡る家族のはなし。
若いころの妻から現在の自分へ。
子供のころの「あたし」から未来の子供へ。
本を愛する旧世代から、本を愛する次世代へ。
タイムマシンはまだ発明されていないけど、古書は人の気持ちを乗せて時空を自由自在に駆け巡る。
本好きで控えめな美人で細身で巨乳の古書店主なんているわけないけど、だからこそ心動かされる物語もある。
(なんだか『泣くな、はらちゃん』のレビューみたいになってしまった。そして『俺はご先祖さま』が1月末にまさかのDVD化!)-
まあ、なんと!
『たんぽぽ娘』、刊行予定があるのですか?!
若かりし頃に読んだきりなので
刊行されるなら、ぜひ買いたいです!
河出書房さ~ん...まあ、なんと!
『たんぽぽ娘』、刊行予定があるのですか?!
若かりし頃に読んだきりなので
刊行されるなら、ぜひ買いたいです!
河出書房さ~ん、今出さなくてどうするの~?!
チャンスチャンス!
私も真似して叫んでみました♪2013/01/24 -
『泣くな、はらちゃん』は
我が心の女優No.3の
麻生さんが
久々にテレビドラマに出るという噂だけで
舞い上がって録画したんやけ...
『泣くな、はらちゃん』は
我が心の女優No.3の
麻生さんが
久々にテレビドラマに出るという噂だけで
舞い上がって録画したんやけど(笑)、
kwosaさんが絶賛するなら
録っといて良かったぁぁ(笑)(*^o^*)
(実はまだ観てないのです汗)
しかも大好きな光石さんや
岡田惠和さんが脚本書いてたなんて驚愕の事実に、
嬉し過ぎて
今イヤッホーっと
小躍りしてます(笑)♪
『俺はご先祖さま』内容忘れかけてたけど、
マリアン好きやったんで(笑)
観てました観てました!
大泉洋とローラいいっスよね〜(笑)
もしくは
トリンドルなんちゃらっていう子(笑)
(名前ど忘れしました)
比較的最近の日テレドラマなら
やっぱ「Q10」か
「野ブタをプロデュース。」かなぁ〜(笑)
どちらもアイドルを主役に置いて
コミカルで軽いドラマに見られがちやけど、
描いてるテーマは
深かったですよね。
てか、自分も
ドラマの感想になってしまってすいません!(>_<)
この巻まだ読んでないんで(汗)
そろそろまとめ買いしなきゃなぁ〜☆
あとビブリアドラマ版自分も見たけど、
栞子と五浦のキャストは
「う〜ん…」やけど(笑)
ドラマ自体は丁寧に作られてて
普通に面白かったです♪
巷でボロカスに叩かれるような
駄作ではなかったけどなぁ(笑)
2013/01/28 -
円軌道の外さん
そうです。
『泣くな、はらちゃん』のヒロインは麻生久美子さんなんです。
そして円軌道の外さんの心の女優No.1 No.2が...円軌道の外さん
そうです。
『泣くな、はらちゃん』のヒロインは麻生久美子さんなんです。
そして円軌道の外さんの心の女優No.1 No.2がとっても気になります。
そういえば『Q10』も気になっていたんですよね。観逃したけど。
ビブリアドラマ版、だんだん面白くなってきましたよ。いつの間にかハマってしまいました。
なんだかドラマの感想ばかりになってしまいましたが『ビブリア古書堂の事件手帖4』も2月末に発売されるみたいですし、これを機に一気読みしてみてはいかがでしょうか。2013/02/02
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著者プロフィール
三上延の作品





