二次元恋愛の実践法 (B-PRINCE文庫 い 6-2)

著者 :
  • アスキー・メディアワークス
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本棚登録 : 101
感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (257ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048867269

感想・レビュー・書評

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  • 「三次元恋愛の攻略法 」のスピンオフ。前作のレビューでも書きましたが、栗生×桃木の話が面白く印象的だったので、続編に期待していたんですよね。桃栗は幸せになれてよかったけど、脇キャラだった柿が感じのいいイケメンだっただけに気になっていました。
    今回は、その柿本の話です。
    家柄・地位・顔の三拍子揃ったリア充男・柿本と、二次元に生きる腐男子・夏瑠との格差恋愛ストーリー。趣味でBL同人誌をやってるゲイの男の子とゲーム会社の社長が、雪の日のアクシデントから親しくなり一夜を共にするのですが、意識の違いでその場限りの関係になってしまいます。ところが、コミケの会場で運命的な再会をすることに。
    ありえない夢物語のようで、柿本と夏瑠の心情は真に迫るものがありリアルです。オタクの生態もかなり掘り下げて描かれていてさすがです。

    お坊ちゃま育ちの柿本は、相手を大事にしようとする気持ちが強く、優しいオトコ。しかし、夏瑠を愛するあまり、相手も男としてのプライドを持っているのだということをすっかり見落としてしまっています。要するに猫かわいがりしちゃってるんです。
    夏瑠は夏瑠で、自分にまったく自信がなくてひたすら柿本に嫌われたくないばかりに考えすぎになっていて。
    パッと見ラブラブで上手くいってる二人ですが、相容れない部分や理解に苦しむ部分もいっぱいあって、実は悩んだり迷ったり。そのすれ違いがとても身近に感じられて、思わず感情移入してしまいました。
    柿本は理想的で夢の王子様のような現実離れした存在。一方の夏瑠はオタクで同人誌やっていて、コミケでがんばって女装で売り子さんをしていたりして、非常に親近感を持ってしまいます。
    理想の王子様に好かれたいと願いながらも、臆病で積極的になれない夏瑠の気持ちが痛かったです…
    夏瑠は柿本に自分が男だからという理由で嫌われることを恐れていたりするんです。でも、そこからただかわいがられるだけじゃなく、柿本のために頑張って変わっていこうとするところが凛々しくて好感でした。

    夢の王子様だった柿本も、女と軽い恋愛をするのとはまったくわけが違う男との恋愛に四苦八苦して、嫌いな栗生からもアドバイスを貰うことすらも厭わない精神力を身につけ、一段と男としての度量が上がった感じです。
    柿本のベッドテクに前作からとても関心があったんですよね~今回たっぷり堪能させてもらって満足。男相手でも立派な攻で超絶。ストレートな口説きと言葉責めにとても煽られました。

    前作と読み比べると面白さ倍増なのは、「ホテルでトラブル」「バーラウンジ」「ホテルH」「10万円」「再会」というキーワードによる流れがあえて同一だからです。どっちが好みのシチュエーションかというのも比較できます。
    栗生のほうが場慣れしていてちょっとクロい攻だったので、お坊ちゃまでかわいいところもある柿本の方が好感は持てたような…

    今回は、夏瑠の不幸な兄ちゃんが気になったので、また続編をお願いしたいです。

  • また、やってしまった、、、スピンオフを先行読了w
    前作分の人物描写が足りないのと、差別化のためのアレコレに若干の違和感があり、どうにも気になってしまったのが残念。
    ネガティブ過ぎて基本苦手な受の子ではあったけど、その辺はさっぱりした進行に救われたかも。
    犬飼先生のエロさが清々しくて良かった!

  • 攻の幸せな人の傲慢さが受を追いつめててすれ違っているのがいいです。基本気持ちがすれ違いが好きなので、受の卑屈な感じが攻の傲慢さの対比になってていいかも。

  • スピンオフなんだけど、前作で華麗に振られた攻めが幸せになってよかった。受けが段々自信を付けて自立できて泣けた。前作より断然こっちの方が好き。

  • スピンオフものとは知らず買ったけど、全然大丈夫でした。

    社長×同人作家

    この社長救済のスピンオフらしいですが、納得w
    すごく真っ直ぐな人。良くも悪くも育ちが良くて曲がらなかったんだろうなぁ。
    8年想ってたらしい同じ会社の副社長に振られ(?)て、ちょうど出会った夏瑠の声が似てるってところから始まって一夜を過ごして・・・・

    その朝が最悪w
    夏瑠のことを考えて(?)、チェックアウトを伸ばし2時間前にアラームをセットするところまではものすごいスマートなのに。
    封筒に10万入れておくとは。
    夏瑠は一目ぼれだけど、そのお金で男娼のような扱いだったことに愕然。

    その後、コミケで再会。ゲーム会社の社長だけど妹に同人誌を買いに行くようにお願いされていったところに夏瑠が・・・。

    そこから始まるんだけど、もう好きになったら一直線w
    独占欲、庇護欲丸出しで可愛がるのなんの。
    でも、夏瑠が可愛い頼りない子なら良かったけど、男としてやっぱり社長という立派な人の傍にちゃんと立ちたいと思う芯の持ち主。
    最初は後ろ向きで控えめで暗かったのが、社長と付き合ううちにこの人のそばにずっといたいと変わっていくさまはすごく良かった!
    そう思わせたのは例えちょっと方向が間違ってたとはいえ夏瑠に自信をつけさせようと奔走する社長の行動。

    エロ満載だけど、それだけじゃなくて話の筋道がしっかりしてたし丁寧に心情がつづられてたから読んでてズレたり突拍子もない気持ちの飛び越しがないし、同人のシステムも詳しくでも難しくなく触れていて興味深かったし周りも魅力的な人が多かったし、第三者介入のいざこざじゃなく、お互いを想うからこそのすれ違いをちゃんと足元観ながら相手を想いながら解決できたところはホント良かったし、全体的にすごく納得できる一冊でした!!
    ☆4.5

  • 前作でふられた柿本のお話。前作完璧に見えた柿本ちょっといい男度が落ちてます。恋愛は人を変えちゃいますね。独占欲丸出しでぐいぐい夏瑠を囲い込みます。結果、夏瑠の方が大人なようです。
    嗚呼それにしてもお兄ちゃん。ちょっとしか出ないのにその後幸せになれるのか気になります。

  • 発売時に出会わなくて、今までしらなかったけど、タイトルでスピンオフではと思ったらやっぱりで、そう思いつつ誰つながりか考えてなかったら、鷹揚なせいで逃げられた社長くんでした。なかなかクセのある相手と、でも社長キャラらしい恋愛してて、話のタイプが前と違ってて楽しかった!エロもしっかりだったし。お幸せにね。

  • 実業家(金持ち)×オタク(貧乏)
    ネガティブ受でもあった。好きな方のネガティブでした。
    あと軽いけど女装があるので地雷な人は注意ですね。
    ストーリーは面白かったです。Loveな話以外も結構多くて
    マイノリティに関する事だったり、コミケの事とか
    とにかく盛りだくさんで読みごたえがあったw

  • いい人なのに真っ正面しか見えていない攻めと、一生懸命彼について行こうとする受け。とても切なくて良かった。同人の世界の事が詳しく書いてあって面白かったです。

  • ネタかと思ったら割りと良くてこれはやられた!って感じでした。

    全てに恵まれたイケメン金持ち社長さま攻め×オタクかつゲイかつ貧乏かつ弱気けど美人受け

    攻めの空気読めない具合がなかなかにw
    これが…リア充…ww

    オタク作業がわかりやすく(もちろんあえての過剰かつご都合主義)て、即売会とかいく人はそっちはそこも楽しめるかもです。

    最後のひとり立ちできるようにしようとがんばった受けがかわいかっこいい。

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著者プロフィール

『不夜城のシンデレラ』がホワイトハート初作品。
現代ものからファンタジーまで幅広いジャンルを書き分ける。
竹書房、プランタン出版などで活躍。

「2013年 『料理男子の愛情レシピ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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