2 (メディアワークス文庫)

著者 :
  • アスキーメディアワークス
4.23
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本棚登録 : 554
レビュー : 78
  • Amazon.co.jp ・本 (561ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048869256

作品紹介・あらすじ

数多一人は超有名劇団『パンドラ』の舞台に立つことを夢見る青年。ついに入団試験を乗り越え、劇団の一員となった彼だったが、その矢先に『パンドラ』は、ある人物の出現により解散してしまう。彼女は静かに言う。「映画に出ませんか?」と。役者として抜擢された数多は、彼女とたった二人で映画を創るための日々をスタートするが-。果たして彼女の思惑とは。そして彼女が撮ろうとする映画とは一体…?全ての謎を秘めたまま、クラッパーボードの音が鳴る。

感想・レビュー・書評

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  • あー、分かった。ワシはこの著者の文章が好きで、創作に対する考え方が好きで、それらの集束された本作(とそこに繋がる過去作)が大好きなんだ。芸術学部に身を置き、自身も周りも少なからず創作を志しそれに悩んだことのある身として、ある種の爽快感を持って読んだ。それは、創作についての答えを得たからではない。こういうアプローチもあるのではないかという選択肢/可能性を楽しんだ爽快感だ。創作の世界には間違いなく存在する「天才」を軸に据え、マジックリアリズムを織り交ぜつつも、その異常性を納得感ある物語に仕上げたのは、見事。

  • 著者の作品は初読。森博嗣作品に登場する真賀田四季を西尾維新が書いたようだな、と思った。
    叙述トリック作品は久しぶりに読んだが、認識がファッとひっくり返る感覚はやはり気持ちいい。
    あとがきに、「恋愛小説」とあった。ふむ。末尾にある過去作の広告を見ると、シリーズものではないようだがデビュー作から登場人物がリンクするスター・システムを採用している模様。読む順番を間違えたか?それらも読んでみたい。

  • 背表紙に書かれている紹介文と
    タイトルに引かれて購入。

    シリーズを今作から読み出した私にとっては驚きの展開。

    今は、この物語に登場する人物のそれぞれの元ストーリーを
    探して読んじゃおうと思っとります。

  • 集大成ではあるが、この物語自体が蛇足。

  • やられた、完璧にしてやられた。
    文字情報であるという小説という媒体を逆手に取った作品は他にもあるだろうけど、こうまで謀られたのは久しくなかったので素直に賞賛。いや脱帽。
    野崎まどは、パーフェクトフレンドから入ったんですが、本作を読むまでに既刊をすべて読んであったのは幸いだった。
    このオールスターぶりはファンにとっては楽しい。最初の1冊としてこれを読んじゃうと辛いけど。
    今までの作品にどこまで伏線を張っていたのか、確認のために読み返したくなってきたなぁ。

  • 2012 9/20読了。WonderGooで購入。
    "あの"最原最早さんの再登場作。
    それだけでも期待感が高まるのに、さらに野崎まどのメディアワークス文庫過去作品の集大成にもなっていて、そのこと自体が本作のテーマともなっている、「創作とは何か」の答えを探す本。

    冒頭、伝説級の超劇団「パンドラ」に入団し、現役団員の稽古で実力差を見せつけられ、多くの新入りがやめる中でも必死でくっついていった主人公たち・・・含めた劇団員全員が、最原さんの演技を見て自信を失って主人公以外、全員やめていくシーン。
    あの心の折れる描写/主人公が最後までくいついていく描写以降は、ジェットコースターかってくらいに一気に読んでしまった。

    最早さんだけでなく、過去の野崎作品登場人物たちが総出演していく。
    まるですべてがこの「2」のために書かれていたかのように。
    幾度ものどんでん返しの末にたどりついたラストは、この「2」もまた次の作品へのステップと位置づけられたかのようでもある。

    野崎まどは相手に気を抜いてはいけない、というのを『アムリタ』以来に痛感した。
    なんなんだこの人。

  • 【読了】野崎まど「2」 9月11冊目

    野崎まど6冊目の本である。全てメディアワークス文庫から刊行されている。そして「2」はもっとも長編な作品である。550ページを超えるボリューム。最初、書店に買いに行った時に、その厚みを見て、3分の2ホライゾン・・・と表現してしまったくらいである。

    野崎作品はいつも独特の着眼点と、世界の捉え方、思わずうなってしまうような概念を提示してきた。今作においてもそれは失われてはいない。むしろ原点回帰であり、集大成でもある。

    そして野崎ファンは読み進めていくと気づくのである。この「2」という作品の壮大なる仕掛けに。そして歓喜するのである。その周到なる企みに。このような形式の作品は、ある種の賭けでもある。その仕掛けに気づけば、熱心なファンならば先が読めてしまうのかもしれない。しかしその予測すら、また違う仕掛けで巧妙に煙に撒いてしまうのである。

    仮に「2」を初めて読む人だったとしても、その細やかな構成、配置、転換など、野崎作品の魅力を十二分に堪能することができるだろう。なにしろ集大成ともいえる作品なので、全てのエッセンスが凝縮されている。この本を「単独」で読んでも面白さは享受できることは疑うべくもない。

    しかし、どうだろう! ネタバレを回避して書こうとすると、語りたいことの数パーセントも書けやしない。いっそのこと書いてしまえばいいのか・・・・。なんとも悩ましい作品である。

  • 『怖い』

    300ページを一気に読んでしまうことくらいざらにある。読み終わるのが惜しいと思う作品だってたくさん出会ってきた。でも野﨑まどの作品は違う。早く終わって欲しい。自分に主導権のない夢を永遠と見せられているような。まだ終わらないのか。まだ、読まなければならないのか、そんな恐怖が襲ってくる。

    コミカルでもシニカルでもない、よくわからなければ、簡単に何かに例えてしまえるような、100円で買えるスナック菓子のような。騙されないと意気込みながら、300万を持って銀行のATMに走らされるような。わかりやすく例えようとするとなにも伝わらない。脳を洗われるような怖い。

    『本を閉じて、私は』


    安心した。ああ、よかった。と思った。大丈夫。私は、変わってない。その変化に気がつくことができない状態のままだ。冷静にこの小説が収まった場所に生きていられる。ああ、安堵している。

    書きたいことがあるのだけど、全てが蛇足に思える。語りたいけれど、友達もいない。作法が、あれがこれがと言いたいこともあるけど、ここには書けない。

    終わったと思わされていたとしても、それで構わない。私は多分感動したから。やっぱり、怖い。

  • いい意味でとんでもない作品。

    スラスラ読める文面でアッという間に読破してしまった。 自主映画を作ったことがある人は感情をこれでもかと刺激されます。

    なんども固定概念が壊されました。 このオチは絶対読めない。

  • 「読ませる」作品だなと。ページを繰る手が止まらない。「マジメ」「ギャグ」の緩急のつけ方がうまく、それだけでも楽しめます。そのぶん、オチが野崎まどさんにしては普通だったかなという印象。

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著者プロフィール

2009年『[映]アムリタ』で、『メディアワークス文庫賞』の最初の受賞者となりデビュー。2013年に刊行された『know』(ハヤカワ文庫JA)は第34回日本SF大賞や、大学読書人大賞にノミネートされた。その他の作品に『2』(メディアワークス文庫)、『野崎まど劇場』(電撃文庫)などがある。

「2018年 『正解するカド(3)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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