- Amazon.co.jp ・本 (561ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048869256
作品紹介・あらすじ
数多一人は超有名劇団『パンドラ』の舞台に立つことを夢見る青年。ついに入団試験を乗り越え、劇団の一員となった彼だったが、その矢先に『パンドラ』は、ある人物の出現により解散してしまう。彼女は静かに言う。「映画に出ませんか?」と。役者として抜擢された数多は、彼女とたった二人で映画を創るための日々をスタートするが-。果たして彼女の思惑とは。そして彼女が撮ろうとする映画とは一体…?全ての謎を秘めたまま、クラッパーボードの音が鳴る。
感想・レビュー・書評
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驚きの連続。
えっ………
うそでしょ? と思ったけれど、でも突き詰めればそんなこともあるよなぁ、セリフひとつでも、きっと奥が深いのでしょう、と思いながら読み進めました。
進化論まで出てきました。
創作って何だろう。人を感動させたい? ほんとそうですね。
愛してるって、なんだろう。実は一方的なことではなかったのですね。
いい意味で、日常のこと、言葉について、など改めて考えさせられる小説だと思いました。(ちょっとぶっ飛んでる感はありますけど…)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
『バビロン』を読んだことをきっかけに、野崎まどさんの作品を全て読みたくなり、過去の作品を読み始めました。
発売された順を追って読み進めてきて本当に良かった。この作品にはこれまで登場してきた人たちが登場しています。今回もどんな結末に導かれるのかまったく予想もできない展開で、時間を忘れて読み耽りました。
野崎さんの作品は、読者を選ぶかもしれません。この魅力をできるだけ多くの人に伝えたいのですが、端的に伝えることが難しい。なので、この年末年始の宿題として、野崎まどさんの作品の魅力を語る、という命題を自らに課したいと思っています。笑 -
前フリに5冊も読まないといけない
なんという 鬼畜な小説
しかし この5冊を読んでから
「2」を読むと
その用意周到に張り巡らされた
野崎ワールドのすごさが実感できます -
あー、分かった。ワシはこの著者の文章が好きで、創作に対する考え方が好きで、それらの集束された本作(とそこに繋がる過去作)が大好きなんだ。芸術学部に身を置き、自身も周りも少なからず創作を志しそれに悩んだことのある身として、ある種の爽快感を持って読んだ。それは、創作についての答えを得たからではない。こういうアプローチもあるのではないかという選択肢/可能性を楽しんだ爽快感だ。創作の世界には間違いなく存在する「天才」を軸に据え、マジックリアリズムを織り交ぜつつも、その異常性を納得感ある物語に仕上げたのは、見事。
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背表紙に書かれている紹介文と
タイトルに引かれて購入。
シリーズを今作から読み出した私にとっては驚きの展開。
今は、この物語に登場する人物のそれぞれの元ストーリーを
探して読んじゃおうと思っとります。 -
集大成ではあるが、この物語自体が蛇足。
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やられた、完璧にしてやられた。
文字情報であるという小説という媒体を逆手に取った作品は他にもあるだろうけど、こうまで謀られたのは久しくなかったので素直に賞賛。いや脱帽。
野崎まどは、パーフェクトフレンドから入ったんですが、本作を読むまでに既刊をすべて読んであったのは幸いだった。
このオールスターぶりはファンにとっては楽しい。最初の1冊としてこれを読んじゃうと辛いけど。
今までの作品にどこまで伏線を張っていたのか、確認のために読み返したくなってきたなぁ。 -
【読了】野崎まど「2」 9月11冊目
野崎まど6冊目の本である。全てメディアワークス文庫から刊行されている。そして「2」はもっとも長編な作品である。550ページを超えるボリューム。最初、書店に買いに行った時に、その厚みを見て、3分の2ホライゾン・・・と表現してしまったくらいである。
野崎作品はいつも独特の着眼点と、世界の捉え方、思わずうなってしまうような概念を提示してきた。今作においてもそれは失われてはいない。むしろ原点回帰であり、集大成でもある。
そして野崎ファンは読み進めていくと気づくのである。この「2」という作品の壮大なる仕掛けに。そして歓喜するのである。その周到なる企みに。このような形式の作品は、ある種の賭けでもある。その仕掛けに気づけば、熱心なファンならば先が読めてしまうのかもしれない。しかしその予測すら、また違う仕掛けで巧妙に煙に撒いてしまうのである。
仮に「2」を初めて読む人だったとしても、その細やかな構成、配置、転換など、野崎作品の魅力を十二分に堪能することができるだろう。なにしろ集大成ともいえる作品なので、全てのエッセンスが凝縮されている。この本を「単独」で読んでも面白さは享受できることは疑うべくもない。
しかし、どうだろう! ネタバレを回避して書こうとすると、語りたいことの数パーセントも書けやしない。いっそのこと書いてしまえばいいのか・・・・。なんとも悩ましい作品である。