きじかくしの庭 (メディアワークス文庫 さ 1-1)

著者 :
  • アスキー・メディアワークス
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  • Amazon.co.jp ・本 (338ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048914154

作品紹介・あらすじ

恋人の心変わりで突然フラれた亜由。ちょっとした誤解から、仲たがいをしてしまった千春と舞。家でも学校でも自分の居場所を見つけられずにいる祥子。高校生の彼女たちが涙を流し、途方に暮れる場所は、学校の片隅にある荒れ果てた花壇だった。そしてもう一人、教師6年目の田路がこの花壇を訪れる。彼もまた、学生時代からの恋人との付き合いが岐路を迎え、立ちつくす日々を送っていた。彼らは、"悩み"という秘密を共有しながら、その花壇でアスパラガスを育て-。第19回電撃小説大賞"大賞"受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 高校時代の三年間、あなたはそこにどんな時代を過ごしたでしょうか?

    十代の青春、さまざまなことが見えてきたことで、それまでにはなかった思いに悩み、苦しみ、それでいて、まだまだ未来にさまざまな可能性を見ることができる高校時代。そんな時代を過ぎ去ったあなたはそこに何を見たのでしょうか?

    そんな場所には、同じ時代を共に駆け抜けた人たちがいたはずです。今も連絡を取り合う仲間たち。その一方で今の自分にとってかけがえのない一言をくれた、かけがえのない転機をくれた、そんな先生もいたと思います。私たちが長い人生を生きる中では、そんな高校時代は一瞬で、そんな先生との出会いも一瞬のことでした。

    では一方で、視点を180度変えるとそこには何が見えてくるでしょう。それは、高校という場所を駆け足で過ぎ去っていく生徒を毎年新しく迎え、送り出していく先生の視点です。そんな先生の視点に立つとそこには全く異なるものが見えてくると思います。私たちが高校という場所を思い出すと、そこには決まった先生の顔があります。しかし、先生の側から見るとあなたという存在は毎年移り変わっていく高校の景色のある一点のスナップショットな存在になってしまいます。

    さて、ここに、ある高校を舞台にした先生と生徒を描く物語があります。毎年移り変わっていく生徒たちの一方で、先生は、そんな生徒たちと向き合いながら、一方で一人の男性として自分の人生を生きていきます。そして、そんな先生は校内の片隅に生徒が植えた『キジカクシ』が育っていくのを守り続けてもいきます。

    この作品は、高校時代という青春を駆け抜けていく女子高生たちの悩み、苦しみを見る物語。そんな彼女たちに向き合いながら、一方で自身にとって大切な人との向き合い方を模索する教師の物語。そしてそれは、『オランダキジカクシの一般名称は「アスパラガス」だ』という、そんな植物、野菜の姿に、読後しみじみと感じ入る物語です。

    『二人きりになれる場所は、互いの距離をゼロにする』という『校舎の壁と、道路を隔てる高いフェンス』が姿を隠してくれるというその場所で過ごした楽しい時間を思い出すのは花谷亜由(はなや あゆ)。そんな亜由は、彼と『二人で食べたお弁当』のことも思い出しますが、『それが終わった』という今を思います。そして、足下の『花壇を埋め尽くす雑草を手当たり次第抜』く亜由。場面は変わり、『ざわついた教室に足を』踏み入れたのは田路宏昌(たじ ひろまさ)。『出席簿を開き、空いている席を探』し、『花谷が欠席、と』斜線を引く田路は、『亜由、さっきまでいたよね』、『仕方がないよ』と噂しあう生徒の声を聞きます。『厄介な結果になる可能性もある。ひとまず、状況を正確に把握する必要がありそうだ』と思う田路。場面は戻り、『休むことなく草むしりを続けた』亜由は『忘れてしまえばいい』と『すべてなくなった ー 現実』を思います。そんな時、『何してんだ』と声がして『驚いて立ち上が』った亜由の前に『煙を燻らせ』る教師の姿がありました。『授業中ですよね?田路先生』と訊く亜由に『そういう花谷こそ授業中だろ。確か今は英語だよな?』と返す田路。『俺も見逃すから、お前も見逃せ』と言う田路は『ここをどうするつもりだ?』、『何か植えるつもりで草を取っていたんだろ?』と訊くも『それは ー、まだ決めていません』と返す亜由。そんな亜由に『次の時間は出ろ』と言う田路は、『それにしても、ここに何を植えればいいかな』と呟きます。そんな問いかけに『彼との思い出の場所にふさわしいもの』をと考える亜由。そして、土曜日になり『大学時代の友人に呼び出された田路』は指定された『居酒屋』へと向かうと、すでに飯塚幸成はジョッキを持ち上げていました。そんな幸成は『彼女は元気か?』と訊きます。『香織の方がとにかく仕事が忙しい』と、弁護士をしている彼女・松下香織の今を説明する田路。そんな田路に『ちょっと心配な話を耳に挟んだ』と幸成は話し始めます。『前田がさ、見たって言うんだよ。松下と、加藤が一緒にいるところを』というその話は、二人が『ラブホテル』へと入っていくところだったと補足され、動揺を隠せない田路。そんな高校教師の田路がさまざまな悩みの中に青春を生き抜いていく高校生たちと対峙する一方で、七年もつきあってきた恋人・香織との微妙に影を感じる関係性を続けていく日常が描かれていきます。

    “ちょっと疲れたアラサーたちへ、心を癒やすこの1冊”と帯に書かれたこの作品は、桜井美奈さんのデビュー作でもあります。四つの短編が連作短編の形式を取っています。では、まずはそんな短編タイトルと共にそれぞれの短編の内容をご紹介しましょう。

    ・〈一年目 亜由の復讐〉: 構内に見つけた二人の場所で彼との幸せな時を思い出す花谷亜由。『二年生の頃から付き合っていた同じクラスの藤崎透が、春休みの間に、これまた同じクラスの京野由莉絵と付き合い始めた』ことで『すべてなくなった』と涙する亜由。しかし、そんな亜由は透からのメールを受信します。『俺は、亜由のことを嫌いになったわけじゃないし、今でも大切な人だよ』と勝手なことを言う透の言葉に混乱する亜由は、田路に促され『復讐』を考えていきます。

    ・〈二年目 舞の親友〉: 『ずっと一緒にいようね。いつまでも友達だよ』と『二人の間には秘密はなかった』という時を過ごしてきた川久保千春と堀北舞。そんなある日、千春とは仲が良いものの、舞とは険悪という戸成いずみが二人のところにやってきて『堀北さん、バイトしているよね?』『うちの学校、バイト禁止なのにまずいんじゃない?』と『クラス中に響き渡るように』言いました。ショックを受けた舞は、『私は千春以外には言っていない』と親友を疑いはじめます。

    ・〈三年目 祥子の居場所〉: 『自分の居場所がないと思ったのは、いつからだろうか』という今を思う和久井祥子。母親の再婚により血の繋がらない父と年の離れた妹と四人暮らしという祥子は『校内で喫煙が見つかって停学』となり、二度目の三年生の日々を送ります。しかし、学校にも家庭にも居場所がないと感じる祥子は再び『煙草に火をつけ、白煙を吐き出』します。そんな瞬間を担任の田路に見つかった祥子は『これで二度目だ。今度は停学では済まない』と詰め寄られます。

    ・〈六年目 田路の便乗〉: 三つの短編に登場した主人公たちが、それぞれの未来を歩む中に、田路の前に姿を現す、まさしく大団円を見る物語。

    四つの短編の内容は以上の通りです…というのが実は半分正しくて半分正しくないというのがこの作品の大きな特徴です。上記の内容紹介を見ると、この作品は高校生活の中にそれぞれの悩みを抱えながら青春を生きる女子高生たちの物語という見え方だと思います。しかし、実はこの連作短編全てに登場し、本当の主人公を演じるのは彼女たちではありません。本来の主人公、それが現代社会を担当する教師、田路宏昌です。〈三年目 祥子の居場所〉で『三十歳になったばかり』と記述が登場する田路。そう、この作品はそんな田路が二十八歳から三十四歳までのまさしく”アラサー”な時代を教師として、そして一人の男として生きる様が描かれていく物語、これこそがこの作品の本質です。〈二年目 舞の親友〉を読む中に読者はこの作品の立ち位置が理解できると思いますが、〈一年目 亜由の復讐〉では、同じクラスの男子がこれまた同じクラスの女子に乗り換えるという悲劇を見る物語がひたすらに描かれていくこともあって、正直、なんじゃこれは?と、途中で読むのを投げ出しそうになりました。しかし、本来の構成が分かってくると、なかなかに面白いストーリーがそこに見えはじめます。それこそが、学校という同じ場所にいる主人公の前をどんどん成長しながら過ぎ去っていく生徒たちの姿、という見え方です。内容こそ違いますが、物語の作りとしては、18歳の青春を駆け抜け一歩ずつ大人になって行く高校生を見続けた犬のコーシローの物語を描いた伊吹有喜さん「犬がいた季節」に似たテイストを感じました。

    そんな「犬がいた季節」のコーシローの立場に立つもの、それが主人公の田路ではありますが、桜井さんはもう一つ、この作品の書名にも繋がる一つの植物を用意されます。それこそが、一編目の主人公・亜由が『二晩ほど水につけた種を等間隔に蒔いていく』と、花壇に撒いた『アスパラガス』でした。『オランダキジカクシ』とも言われるその植物、もしくは野菜。そんな『アスパラガス』のその後が、二編目以降物語を彩るように、連作短編を結びつけるように、そして、一編目からの時の流れを感じさせるように絶妙に描かれていきます。「犬がいた季節」のコーシローは犬である以上、歳をとって老いていきます。一方で、この作品の『アスパラガス』は、収穫までに年数を要する植物、野菜であり、後半に向かってどんどん育っていきます。似たテイストとは書きましたが、この老いと成長は相反するものであり、読者が受ける印象は当然に異なります。そういう意味でも、この作品は結末のクライマックスに向けてどんどん上り詰めていく物語です。私のように冒頭、イライラされる方もいるかもしれませんが、結末へのクライマックスを信じて、是非途中で投げ出さずに読んでいただきたいと思います。そこには、”いい話を読んだ感いっぱい”に包まれる読書の時間がきっと残ると思います。

    そして、そんなこの作品でもう一つ忘れてはならないのが、田路の『男』としての生き方を見る物語です。一編目で『香織と田路が付き合うことになったのは、意外にも香織からの告白だった』という起点から始まる弁護士の香織の存在が語られる物語。しかし、そんな香織への想いを遂げるに至らない日々が描かれていきます。上記した学園ドラマのような女子高生たちの物語は一編の中に完結していきます。その一方で四編ともに登場する本来の主人公・田路と香織の恋の物語は、四編に渡って展開していきます。作者の桜井美奈さんは、物語を四つの章に分けられることが多い作家さんだと思います。少なくとも私が読んできた三冊とも四編で構成されていました。そして、そんな四編は見事なまでに”起承転結”のルールを守ります。これは、読者に間違いなく分かりやすく自然な流れの中の読書を約束してくれるものです。この作品においても田路と香織の恋の物語は、四つの短編にまたがって見事な”起承転結”を見せてくれます。そう、この作品は作品全体に描かれる田路と香織の恋の物語の上に各章ごとに女子高生たちの青春の物語が描かれ、そして、それら全体を見守るかのように『アスパラガス』の成長が描かれていく、この三層の物語が絶妙に絡み合いながら展開する物語、構成をまとめるとこのようになると思います。”ちょっと疲れたアラサーたちへ”とうたわれるこの作品。単なる学園ものではなく複層的に編み上げられた物語はとても読み応えを感じる中に心温まる世界観が描かれていたと思います。

    『見ている方が恥ずかしくなるくらい、痛いくらいの若さは、どこか羨ましかった』と青春を駆け抜ける女子高生たちの姿を見るアラサーの教師・田路宏昌の六年の日常を見るこの作品。そこには、それぞれにそれぞれの悩みを抱える生徒たちのまっすぐな生き様が描かれていました。そんな生徒たちを見守る田路の姿を描くこの作品。

    『泣くのも走るのも、青春は生徒に任せて、自分はもう眺めている立場だと思っていた。でもまだ違ったらしい』。

    そんな気づきのその先に自身も一歩ずつ人生の歩みを進めていく田路の姿が描かれるこの作品には、”アラサー”の今を生きる読者への温かい眼差しを感じるものがありました。”一生投稿者だろうと腹をくくったら、なぜかあとがきを書くことになり、とても緊張しています”とおっしゃる桜井さん。そんな桜井さんの思いに溢れるデビュー作でした。

  • 桜井美奈のデビュー作。
    高校教師の田路の6年間を軸に、様々な女子高生の葛藤と岐路を描いた作品。
    高校時代の悩み。好きな人や友達、そして家族。
    青春時代にある出来事と、主人公の20代社会人によくある悩み。
    彼も生徒達と向き合う事により自身の岐路について悩む。
    総じて少し痛みを感じるものの、爽やかな読了でした。
    新潟市のご出身、在住の作家さん。
    今後の新作も読んでみたいと思います。

  • 先生と生徒の二面性の話でした。

    高校卒業して、社会人して、結婚して今ですが、あんま変わってないなあ~って、つくづく思いました(笑)
    小学校一年生の頃、六年生は大人に見えたのに。っていうあれです。

    高校生の頃、恋愛が全てみたいなことあったなあ…。
    友達と喧嘩して、そのまま卒業したなあ…。
    親は肝心なこと言わなくてギスギスしてたなあ…。
    と、懐かしく読みました。

    最後はやっぱり教師ていいなあ…。と思っちゃう本でした。


    亜由の復讐
    春休み中に、彼氏と喧嘩して一週間連絡しなかったら、同じクラスの女と付き合ってた話。
    優柔不断で、自分を持ってなくって、元カノの亜由に甘い言葉を影でささやきながら、今カノの前では拒絶する。
    復讐として、彼氏が嫌いだったアスパラガスを庭に植えて卒業。
    先生、三年間アスパラガスのお世話よろしくね。


    舞の親友
    舞の家は父親が病気で、兄が下宿大学生で、弟が中学生で母はパートをしているけど、家計が苦しかった。
    高校でバイトは禁止だけど、家計を支えるにはバイトをするしかなかった。
    そのバイトしていることを知っているのは、親友の千春だけだった。のに、ある日同級生のいずみから、バイトしていることをバラされ、千春を疑ったまま三日間停学。
    舞が謹慎明けをしたら、千春が田路の花壇の世話をしていることに激昂。
    千春はちゃんとメールで伝えていた。それを千春がバイトしていることを言ったと思い込んで読まなかったのは舞。
    家庭の事情もあって、気軽に進路の話もできない、趣味の話もできない。お互い傷つきあっていた。

    祥子の居場所
    親が再婚して、居場所がないとふさぎ込んだ祥子の話。
    文化祭まで二週間を切ったとき、ペンキが教室中にばらまかれていた。
    最初に教室に来た祥子が疑われたが、父親がペンキの会社で働いている祥子にとって、水性ペンキの特徴はわかっていた。
    犯人は同級生の優奈。
    田路と仲良くする祥子が気に食わなく、祥子が朝早く登校することを知って、祥子のせいにしようとした。
    文化祭に間に合わせるために、祥子は今まで避けてきた父に「使わなくなったペンキがあったら欲しい」と持ちかけた。
    父は嬉嬉としてペンキを提供。
    祥子は居場所を見つけた。


    田路の便乗
    七年付き合った香織が、旅行へ行くと言って別れ、産休代理で来た新卒の志帆と付き合うが、香織が忘れられず、産休代理の雇用期間満了で田路との関係も解消。
    そう連絡を取り合う仲でもなかったために、同級生の幸成が色々世話を焼いて、六年後にようやく結婚。

    卒業した亜由もいい恋愛をしている様子を見せに。
    舞と千春も仲良くコンサートに行っていると報告。
    教育実習に来ていた祥子は暴走し、校内放送で「美人の奥さんが~」「妊婦さんが~」と個人情報を暴露。

  • 一人の教師と世代が違う女子生徒との交流を学校の片隅にある花壇を中心に描いた作品。

    なんかこういった構成の作品は結構好き。
    女子生徒たちも悩みがあり、教師にも悩みがある。
    それを花壇であれこれあいながら進んでいくのは楽しみがあります。
    が、文章力と表現力が弱く感じますね。
    心の移り変わりをもっと表現できればもっと面白くなったはず。

  • 「亜由の復讐」が一番好きだった。 
    高校生の気持ちを繊細に書いていて、とても共感できた。
    また、田路先生のエピソードも個人的には好きだなと思った。

  • メインの主人公「田路先生」と、3年間を通してそれぞれの年に、それぞれの悩みを抱える生徒たちとの心のふれあいが描かれている話でした
    高校生/思春期特有の、恋愛・友情・家族問題を、リアルにかいてあるなぁと思った
    田路先生も恋人との関係において、さまざまな悩みに突き当たる流れが書かれているのですが、生徒の悩み・解決と並行して、そこがうまく書かれている感じがしました
    生徒たちに、べったり親しいわけでもなく、むしろ少しそっけなくらいな先生だけど、その距離感がいい塩梅だと思うし、生徒たちもそんな先生だから心のうちを話せたのかもしれない

    自分が学生の頃、こんな先生はいませんでした
    まぁ、実際生徒の前でタバコ吸う先生なんてダメだろうけど(笑)
    それよりも、先生というのは、どこかとっつきにくく、自分の悩みとかを話せそうな感じじゃなかったよなーって
    そう思うと、こんな先生に出会えた彼らが少しうらやましくもありました

  • 面白かった。ただ・・・彼女が何をしたかったのかは謎?もう一度読めばわかるかなぁ。

  • 学校の片隅にある荒れ果てた花壇 古ぼけたベンチ アスパラを育てる 事情を抱える者たちが一休みする場所 見送る人・田路先生 学生時代からの恋人・香織 情報通の友人・幸成 奔放過ぎる香織との関係で悩む田路
    《亜由の復讐》一年目 恋人の心変わりで振られた亜由 嫌いになり切れない 未練を断つには……?
    《舞の親友》二年目 仲違いしてしまった舞と千春 友人の密告? 環境の違いからすれ違う コンサートと宇宙語
    《祥子の居場所》三年目 家にも学校にも居場所を見つけられない祥子 複雑な家庭事情 クラスにも馴染めない 父親との確執
    《田路の便乗》六年目 実るもの 再会 アスパラの花壇に集う 田路と香織の関係 きじかくし

    悩みを抱える生徒たちと田路先生がちょうどいい距離関係で良い 田路と香織の話も読み進めるアクセントになっている 

  • 回り道したけど、ハッピーで何より。面白かった。

  • 大人の青春っていいなと思いました。

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著者プロフィール

2013年、第19回電撃小説大賞で大賞を受賞した『きじかくしの庭』でデビュー。21年、コミカライズ版『塀の中の美容室』が、第24回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞。著書に、『幻想列車 上野駅18番線』『殺した夫が帰ってきました』など多数。本書は、相続を通し、バラバラだった家族が過去の軋轢や葛藤を乗り越える期間限定の家族の物語。

「2022年 『相続人はいっしょに暮らしてください』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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