本当はこんな歌

著者 :
  • アスキー・メディアワークス
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本棚登録 : 341
感想 : 39
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  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048915946

作品紹介・あらすじ

グリーン・デイ、R.E.M.、エミネム、パール・ジャム、ビースティ・ボーイズ…意味も知らずに口ずさんでいたあの歌この歌の正体を探る!

感想・レビュー・書評

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  • 先日帰省した際に、高速バスの中で読んだ本の一冊。
    奇しくも、洋楽の歌詞についての本を二冊立て続けに読んだので、両者を比較しつつ楽しむことができた。
    ちなみに、もう一冊はこちら。
    https://booklog.jp/users/rapiya/archives/1/4845633310

    本書は著作権の関係で、英詞は掲載されておらず、町山氏翻訳の歌詞が掲載されている。
    紹介されている楽曲は主にロックであるが、およそ幅広く取り上げられている印象。
    自分としては、社会派バンドとして知られるRage Against The Machineや、
    System Of A Downなどの部分は特に興味深く読んだ。
    こういった曲が受け入れられる欧米リスナーの懐の深さを少し羨みつつ。

    以下はこの書で取り上げられたRage Against The MachineのPV。
    バンドがニューヨーク証券取引所でゲリラライヴを行い、警官に連行される場面をマイケル・ムーアが撮影したもので、非常に刺激的。
    よければ視聴してみてほしい。

    Rage Against The Machine - Sleep Now in the Fire (Official Music Video)
    https://www.youtube.com/watch?v=kl4wkIPiTcY
    ※リンク切れにつき差し替え(201214)

  • 映画評論家の町山さんの本。

    洋楽の歌詞が普通に受け取られているのと違い、実はこういう歌詞だったという本。

    私は洋楽の歌詞をあまり理解しようとしないタイプなので、なるほど~と知らない事ばかりで面白かった。

    映画評論では、メジャーなものもマニアックなものも幅広く、鋭く批評しているイメージだが、この本に紹介されている曲は、割とメジャーな有名曲が多く、町山さんのイメージからは意外だった。

    印象に残ったのは以下。

    Pearl Jam  Jeremy
    この曲は知っているけど、こんなに大変な悲劇を書いていたのは知らなかった。それを知って改めて聞くと数段かっこよく聞こえる。

    OzzyOsbourne CrazyTrain
    亡くなったギタリストのランディーローズを追悼するイメージばかりだったけど、戦争反対のニュアンスもあったとは。
    ブラックサバスのWarPigsも反戦なんですね。
    ジョンレノンを敬愛する平和主義というのも私の考えるOzzyのイメージと違って、より好感が持てました。

    BeastieBoys SureShot
    もともと好きなアルバムの曲だけど、いままでの悪ガキ路線を改める、マジモードの宣言だったんですね。

    System Of a Dawn B.Y.O.B
    メンバー全員がアルメニア難民というのは知らなかった。
    イラク戦争への反対のメッセージだったのも。
    政治的なイメージがあまりなかったのだけど、勉強不足でした。

    NeilYoung Cortez the Killer
    聞いたことなかった曲で、ギターがとってもかっこいい。
    これは歌詞ではなく、曲を紹介してもらったことに感謝。

  • 何気に耳に入ってくる英米のロックやポップの楽曲。
    実際に翻訳したその歌詞と意味、背景を詳細に説明している。
    本文(歌詞と解釈、背景)・その曲の概要(ヒットチャート等)・
    ミュージシャンの情報での構成。
    主にロックで、オルタナティブ、グランジ、ラップ、ヘビメタ、
    パンク、ヒップポップ等々、様々な年代の曲が紹介されています。
    レコードやCDに挿入された歌詞カード。
    読んでも意味不明なこと、ありました。
    ましてや、解釈や背景が書かれてないものがある。
    そんな曲のメロディーライン、
    キレイだなぁと惑わされてはいけない。
    実は歌詞には本当の意味、とんでもない事実が!
    政治批判・人種差別・戦争・無差別殺人・嫉妬・恨み・・・など。
    愛の歌と思っていたのはストーカーですって?
    歌詞に込められた本当の意味がわかって、面白かったです。

  • 洋楽の歌詞とその曲の背景を解説した本。
    それぞれの文章は短いけれど深い。Eコステロ「レイディオ、レイディオ」にIデューリー「S&D&R&R」が続くページが泣けた。
    日本のアーティストでもこんな本があればいいのに。

  •  『週刊アスキー』連載の単行本化。映画のみならず音楽にも造詣の深い著者が、初めて出した音楽コラム集だ。

     1回につき1曲の洋楽ロックを取り上げ、歌詞の意味と歌の舞台裏を探っていくもの。
     作者であるアーティストのインタビューなどの資料を読み込み、曲に込められた真意を探っていく鮮やかな手際は、『映画の見方がわかる本』で名作映画の見事な謎解きをした手際と同じだ。

     本書の「はじめに」で、著者自身も次のように書いている。

    《映画評論家としての著書『映画の見方がわかる本』や『トラウマ映画館』は思春期に観て衝撃を受けた映画を、大人になってから集められる限りの資料を基に腑分けしていく作業だったが、これはそのロック歌詞版です。》

     私は、町山の著書では『映画の見方がわかる本』がいちばん好きだ。その「ロック歌詞版」(ただし、町山の思春期にあたる昔の曲のみならず、ごく最近の曲も俎上に載る)である本書も、当然のごとく面白かった。
     町山は映画評論家の枠を超え、当代を代表する優れた文筆家の一人だと私は思っているが、本書でその感をいっそう強くした。

     帯に大槻ケンヂが「英語できない身としては目からウロコの連続!」という推薦の辞を寄せているが、まったく同感。歌詞の意味がよくわからないまま聴いていた曲のほんとうの意味と舞台裏がわかって、いちいち目からウロコ。

     スマッシング・パンプキンズの「ディスアーム」が、ビリー・コーガンの凄絶な少年時代を歌った曲だとは知らなかった。
     フィル・コリンズの「夜の囁き」に、自分を裏切った元妻への激しい怒りが秘められていたとは知らなかった。
     ザ・フーの「フー・アー・ユー」が、ピート・タウンゼントが酔っぱらってセックス・ピストルズの面々に説教したことを元にしているとは知らなかった。
     カーリー・サイモンの「うつろな愛」の冒頭で、カーリーがボソッとつぶやく言葉が「Son of a gun(あんちくしょう)」なのだとは知らなかった。
     ……そんな具合で、まさに「目からウロコの連続!」なのである。 
     
     最近は音楽好きでも洋楽をまったく聴かない人が多いらしいが、洋楽ロックが好きな人なら間違いなく楽しめる本。180ページに満たない薄い本だが、内容は濃密だ。

     欧米のロック・アーティストの多くが、想像以上に重い社会的メッセージを曲に込めていることがわかって、驚かされた。それにひきかえ、日本のロックの多くは歌詞がなんと空疎であることか。

  • 有名だし聴いたこともあるけどイマイチ意味は判ってない、そんな洋楽を解説した本。エルビス・コステロの「レディオ レディオ」が放送禁止だったエピソードとか普通に知らなかった。R.E.M.「マン・オン・ザ・ムーン」がこんなにユーモアある歌詞なのも知らなかった。著者得意の面白くてタメになる1冊でした。……しかし、このタイトルなんとかならんかったかね(笑)

  • 【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
    https://opc.kinjo-u.ac.jp/

  • 2021.4.2

    「本当はこんな歌」とはまさにそうで、こんな事を歌っていたなんてと衝撃を受けました。悲しい背景のものが多いです。
    自分にとってはベンフォールズファイブのブリックがショックだったな…。勝手に「彼女の愛が重い」みたいな歌なのかなと思っていて。こんなに悲しい歌だったなんてなぁ…
    第二弾、第三弾も是非読みたいです!

  • ロックのトリビアが好きな方には是非読んで欲しい本!

    いやいや面白かった!

    スマパンの「Disarm」が両親への憎しみを歌った曲だったり、パール・ジャムの「ジェレミー」が自殺した少年の歌だったり、ピンク・フロイドの「ようこそマシーンへ」のレコード会社への皮肉もすごかった。ピンク・フロイドは相当骨のある人々なのだと知った。

    ビースティーボーイズの「シュア・ショット」が出直し宣言だったのも良かった。

    自分は基本的に輸入盤を買ってしまうので、こうゆう歌詞を解説した本がもっとあったら嬉しいです。

  • 取り上げられている歌の内、手元に歌詞、和訳があるのがBeastie Boys「Sure Shot」だけだったのけど、それと町山訳を照らしあわせてみた。

    町山さんは歌の背景と意味(メッセージ)を第一義に訳している印象が強い。
    まぁ、Beastieだから余計にそうなのかもだけど、言葉遊び(韻とか)より意味を優先させている感じ。

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著者プロフィール

1962年生まれ。映画評論家。1995年に雑誌『映画秘宝』を創刊した後、渡米。現在はカリフォルニア州バークレーに在住。近著に『トランピストはマスクをしない コロナとデモでカオスのアメリカ現地報告』(文藝春秋)、『映画には「動機」がある「最前線の映画」を読む Vol.2』(集英社インターナショナル)、『最も危険なアメリカ映画』(集英社文庫)、『町山智浩のシネマトーク 怖い映画』『町山智浩の「アメリカ流れ者」』(スモール出版)などがある。

「2021年 『町山智浩のシネマトーク 恋する映画』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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