俺の妹がこんなに可愛いわけがない(12) (電撃文庫)

著者 :
制作 : かんざきひろ 
  • KADOKAWA
3.73
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  • (20)
  • (6)
本棚登録 : 822
レビュー : 95
  • Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048916073

作品紹介・あらすじ

『-人生相談があるの』あれから色々なことがあった。隠していたエロゲーが見つかって、バカにされるかもって怯えたこと。昔の兄貴の面影に、思わず人生相談を切り出したこと。アイツは親身になって、大嫌いなあたしのために、オタク友達を作ろうとしてくれたっけ。オフ会で孤立したときも、親友と絶交しちゃったときも、留学先で落ち込んでいたときも、お父さんにエロゲーを捨てられそうになったときもそう。あいつはいつだって一生懸命、あたしを護ってくれていた。だから、今さら『なんで』なんて聞かないでよね。人生相談から始まった、どこにでもいる兄妹の、ほんのちょっぴり特別な、物語。ずっと隠し続けてきたあたしの秘密を、いま、明かそうと思う。

感想・レビュー・書評

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  • まずは、12巻という長きに渡り続けてきたこのシリーズをしっかり完結させた伏見先生に「お疲れ様」と「ありがとう」を言いたい。
    これだけの人気作、書き続けることは大変だったでしょう。実際色々あったようだし。
    そんな中、なかなか思うとおり完結できない作品も多い中、見事終わらせたことはほんとすごいと思う。
    作者とイラストレーターと編集者に拍手。

    さて…賛否両論のこの最終巻。
    私はこれまでの京介と桐乃の関係が好きでした。
    具体的には、軽口を言い合いながらも信頼していて、素直になれないながらも困ったときにはお互いのことを思って助け合える、そんな関係。
    先日アニメで放映された、黒猫に振られて落ち込んでいる京介を引っ張る桐乃や、撮影がおしてイベントに間に合わない桐乃を自転車で迎えに行く京介なんてまさにその象徴。
    心温まるエピソードだし、そんな二人の関係が好きだった。
    そしてその根底にあるのは血の繋がった兄妹の絆なんだよね。
    だからこそ今まで安心してみていられた。
    京介が桐乃のことを好きだ好きだと言うのも妹として好きだと解釈していたし、京介が他の女の子と仲良くしていると不機嫌になる桐乃もお兄ちゃんっ子の延長だと思っていた。
    そのため、今回の結末も京介は桐乃のために誰ともくっつかないエンドを予想していたし、希望もしていた。

    結果はご存知のとおり。
    京介と桐乃が出した答えは「期間限定の恋人になる」ということだった。
    自分たちの想いやその行為に対する周囲への影響など、色んなことを考えた結果の妥協点なのであろう。
    しかし 、期間限定とはいえ、恋人関係である。
    二人の「好き」は兄妹としての「好き」ではなく、いつのまにやら異性としての「好き」になっていた。
    特に読者には、最初期間限定と言うことがわからなかっただけに、率直な感想は「気持ち悪い」の一言。だけど。
    ただ、京介も桐乃も馬鹿じゃない。周りからどう見られるか、特に親がどう思うかなんてことは散々悩んだんだろう。
    常識的に考えて駄目なのは分かっている。麻奈美にも釘を刺されている。
    それでも止まれなかったのを若さ故の過ちと言ってしまうのは簡単だけど、そこまで好きになれる相手がいるというのは、正直ちょっと羨ましくもある。
    ようやく素直になれて、相手も同じ気持ちでいてくれて。そのことが分かって。
    終わりがあるからこそ思い切ることができた。
    その時間、二人は本当に幸せだったんだろうな。
    理解はできないけど、この二人なら・・・と納得はしてしまう。

    ただし、読み手が覗ける物語はここで終わったが、京介と桐乃の人生は続いていく。
    それを考えると少し不安にもなる。
    魔法の時間が過ぎて、二人はきっぱり割り切ることができるのだろうか。
    一度知ってしまった幸せな時間を、再び味わいたいと思わなくはないのだろうか。
    まして手を伸ばせば触れられる距離にいるのだ。
    あれだけ好きあっていて、さらに良くも悪くも行動力もある二人のこと。
    このまますんなりもとの兄妹に戻るとは到底思えない。
    実際、早速京介は桐乃にキスをしている。
    「兄妹なんだから別にいいだろ」と言っているが、普通の兄妹はそんなことしないよ、京介。
    京介だって桐乃と付き合う前に問われたら、「妹とキスなんて有り得ない」と答えていたはず。
    既に常識という名の枷は外れてしまっている。
    再び付き合うという形にはならないにしろ、「兄妹なんだから別にいいだろ」という言葉を免罪符に、堕ちるところまで堕ちちゃうんじゃないかなぁ…。
    そうなる前に、お互いによりよい人と出会うことを願うばかりである。


    以下、作品を盛り上げてくれたサブキャラたちについて簡単に。
    ・ 黒猫…京介と桐乃を焚きつけてすらいる、ある意味厄介な人。この子がもう少しわがままだったら、多くの人が納得のいく結末に落ち着いてたんだろうに。
    ・ 沙織…唯一の良心。京介に惚れなかったことが個人的に高ポイント。その分徐々に物語からフェードアウトしていったのが残念。
    ・ あやせ…可愛くていいキャラだったんだけどさ、ラスト近辺の扱いがちょっと…。物語の都合上、盛り上げる都合上いい様に使われてしまったなという印象。
    ・ 加奈子…こいつまで参戦させる必要はなかったんじゃないか。告白はかっこよかったけど。この行動について作中のこの子のファンはどう思ったんだろう。事務所的にも心配。
    ・ 麻奈美…小さい頃から京介を自分好みに仕立てていた黒幕。でも、京介は手に負える相手じゃなかった。ある意味加害者で、ある意味被害者。大学行ったら吹っ切れるんだろうな。


    この「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」は、作品としての面白さはもちろん、友人たちと「どのキャラが好き」とか「京介は誰と付き合うか」とか話すのが非常に楽しかった。
    素敵な作品をありがとうございました!

  • これまでのこの作品は、出だしがイマイチの場合でも、いつも最後は満足させてくれる作品でした。
    しかし、最後の最後にきて空中分解した印象です。
    この作品の良かったところは、ギャグなり事件なりセリフなりで、一見はじけているようでいて、常識的なところは意外におさえているバランス感覚が大きかったと思うのです。
    それを思えば、一時的であれ実の兄妹が恋人になるというエロゲ展開は、正直気分の良いものではなく、読むのが辛かったし、それに巻き込まれた周囲が哀れというか、、、
    個人的には、京介は桐乃以外の誰かをきちんと選び、そのうえで兄妹の新しい関係を構築していくような展開を期待していたので、結局のところ主人公も取り巻くヒロイン達も、誰一人幸せになれなかった最終巻となり、なんとも後味の悪い読後感となりました。

  • 読み進めるごとに切なくなる。。
    もうこれで完結するとか悲しい。
    もっと続いて欲しかった。
    自分の中では神作品でした。
    もう、これを超えるラノベには出会えない。

  • 完結。
    非常に後味の悪い終わり方だけど、上手く終わらせたと思う。
    後味は悪いが、これぞトゥルールートと感じた。
    とりあえず、唯一嫌いな地味子エンドにならなくて本当に良かった。
    地味子はねぇ・・・ホント感じ悪いねぇ。
    都合の良い幼馴染の仮面の下に隠されていた顔も実は仮面で出来ています、見たいなイメージ。
    仮面を作っているうちに、素顔も仮面になってしまった、みたいな。

    地味子視点で見れば、ボタンを掛け違えたまま最悪のルートに突き進んでしまったんだと思う。
    ほんの少し要素が変われば、地味子の望んだ結末にたどり着けたんだろうけど、やり方が腹黒すぎる。ざまぁとしか思えない。
    もう少しこいつが純粋だったなら、間違ったルートには行かなかっただろうに。自業自得。
    地味子がもっと感情のままに行動する、可愛気のあるキャラならあんなことにはならなかっただろうに。
    地味子は決して悪いキャラクターだとは思わないけど、こいつのどろりとした内面を突きつけられると嫌悪感しか沸いてこない。
    そういう意味でも実に後味の悪い終わり方だった。

    でも、面白かった。
    他ヒロインルートはゲームなんかで補完できるから、オリジナルのトゥルールートはこれで大正解だったと、思うよ。
    最後にもうひとこと。
    地味子ザマァ。

  • いやもうなんだろう。結末というかその選択自体は綺麗にまとめようと思ったらこんなもんかな。とは思うんだけど、それに至るまでの過程がアレだったので読了後かなりもにょもにょする。桐乃ENDとは言うけれども期間限定。期間が過ぎその関係は終わらせても、互いに「彼氏彼女ができたら嫌だ」という感情にケリをつけたとは読めなかったので、今後は周りとはずっと友人のまま。普通の兄妹関係ももちろんそのまま。というまことに煮え切らない終わり方で後味が悪くてもにょもにょします。出口が見えない。下手したら一生そのまま?と思えてしまう。せめてその感情にケリをつけてくれていたらそこまで思わなかったんだけど。まあケリをつけれてたら残りの誰かENDになっていたかなあ。ちなみに黒猫派でしたが、PSPのゲームではかなり加奈子に傾いたクチです。
    [追記]でまあ、黒猫の書いていたノートがありましたがあの絵の光景は、そのへんの感情をクリアしてあの光景を実現したい。というような解釈をしていましたんで、今回の終わらせ方には非常にもったいないなと思った次第です。

  • なるほどねー。京介の戦いはこれからだ…!!あと、ヒロインたちの戦いもこれからだ!!だね。

  • その日の内に読み終えてしまいました。
    いろいろ批判も多い結末みたいですが、僕自身は納得です。
    切なさが漂うところに、ホロリときそうになりました。

  • 京介さんのツッコミがキレキレで、端々では大いに笑えたのが良かった。
    全体としては駆け足な印象。
    もうちょっと一人ひとりを掘り下げた方が良かったと思うけど、ページ数との闘いがあるんでしょう。

    エンディングについては、想定され得る中では最も正道な終わり方だったように思う。
    作品としては綺麗にまとまったと言って良い。
    ハーレムエンドの真裏で、爽快感みたいなものは何もないけど、様式美を感じた。
    残念だけどしょうがない、という納得感。

    もったいなかったのは、ラスト一巻だけで結末に至るまでの決断を書いてしまった点で、そこに葛藤らしい葛藤がなかったこと。
    爽快感のないエンディングに向かってストレスを描くという選択肢は取れなかったのだろうと思うけど、そこをしっかり書いていたら重みのあるラストに出来たのになぁ。
    結果として、ラノベらしくない結末をライトに書いてしまうという中途半端な印象になってしまった。

    後日譚で短篇集とか出せばいいんじゃないかな。
    その時はあやせたんがもうちょっと報われる形で。。。

  • 人気の長期シリーズの幕引きってこういうものなのかというの印象。
    でも、本作はアニメ2期のオンエア中というところで終わるのですから、某作と比べて関係者は潔いといえますが。

    これまでの俺妹の底流にあった精神を蹴り飛ばすかのような、気持ちの悪さと違和感があります。
    主人公は、期間限定とはいえ、妹との関係を守るために、ハーレム構成員からの心からの告白、心遣いを次々と拒絶していきます(あやせ、真奈美あたりが特に可愛そう過ぎます)。
    兄妹の関係を終えた後でも、彼女らとの関係は一生修復できないかのようです。
    それでも、関係が終わったはずのラストでふたりは懲りもせず、いちゃラブを止めていません。
    長期作品の迷走はよくあることですが、「俺妹」って、妹を始めとして、裏表の友人たちが入り乱れながら仲間を拡げていくことが基本フォーマットではなかったですかね。
    兄妹周辺で、非常に傷ついたままの人が数人いて、後味が悪いというしかありません。

  • あかん終わり方や。
    やり直しやな。

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著者プロフィール

電撃文庫『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』『エロマンガ先生』著者。

「2019年 『エロマンガ先生(12) 山田エルフちゃん逆転勝利の巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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