神さまは五線譜の隙間に (メディアワークス文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
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本棚登録 : 126
感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (338ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048921794

作品紹介・あらすじ

それは、ピアノに神さまをおろす仕事――
心に触れる「音」を作る調律師たちの物語。

念願かなって町の小さな調律事務所に就職が決まった幹太は、業界内で「エスピー調律師」と揶揄される時子の助手として働くことに。シンプルな黒スーツに鋭い目つき、無愛想な態度――時子の醸し出すエスピーのような雰囲気に最初は尻込んでいた幹太だが、彼女の天才的な手腕と真摯な仕事ぶりに尊敬の念を抱き始める。
依頼人たちが望むさまざまな「音」を作り上げるために奮闘し、ときにピアノと音に隠された謎を解き明かしてゆく時子たち。そして調律が終わり、ピアノに神さまがおりた瞬間、それぞれの依頼人の心に小さな奇跡が訪れる――。

感想・レビュー・書評

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  • ピアノやクラシックの奥深い世界を垣間見ることができました。
    ちょうどピアノを習い始めたばかりなので、いろいろ想像を巡らせ楽しく読めました。

  • スーパー調律師の時子さんと新米調律師の幹太くん。無愛想な先輩に気後れしていた幹太くんだけど、その手が作り出すピアノの音に憧れている。

    「忘れられた周波数」
    何度調律してもその音に納得出来ないピアノ演奏家。足りないのはピアノの音か、それとも演者の気持ちか

    「小さなピアニストの憂鬱」
    シとドの音が大きくズレている奇妙なピアノの調律を頼まれる。二人の少女の憂鬱

    「家族に囲まれた旋律」
    幹太くんの父親が亡くなった。遺されたピアノに遺言書が残されているというが…。

    「上様は五線譜の隙間に」
    時子さんを憎むピアニストからの依頼。

    ☆お仕事小説あるあるでデジャヴを感じる箇所も。第一話と第二話が好きだ。
    ☆地の文が、時子さんと幹太くんとで語り手が頻繁に変わり、少しややこしかった。
    ☆恋愛パートは抑えめのほうがお仕事パートをもっと描けたかも。
    ☆調律師のお仕事の緊張感が伝わってきた。

  • 何かに秀でた人って、かっこいい。真摯に向き合う様がかっこいい。
    こんなふうにピアノが聴けたら世界が広がるだろうなぁ。
    表紙の色合いが素敵。

  • 音楽が好きな私にとって、場面設定も含め斬新であり驚愕だつた。
    文面から奏でる音が聴こえてくる、こんな経験は二作目かな。
    人生挫折からの歩みを教えてもらった。

  • 最初は知識的に難しいなぁ、と。3番目のお話は良かった。

  • 調律の仕事が丁寧に書かれていて興味深く読みました。
    個々のキャラもちゃんと立っていて、皆真剣にピアノに向き合っているのが良かったです。

  • 何気なく買って何気なく読んだら思いのほかよかった。
    表紙のワン太がだいぶ若い印象だったけれど
    読み進めるうちにしっくり来たし
    どのキャラもとても人間味あふれていて印象に残る。

    ピアノをやった人間ならば
    エスピーの調律したピアノを弾いてみたい、聴いてみたい、
    という気持ちにさせられるのでは?
    わたしはそれらの音を夢中で想像して
    あっという間に読み終えてしまった。

    まだ読んでいないけれど
    調律つながりで受賞して話題となった、
    宮下さんの本も買おうかな、読んでみるかなと
    そんな気持ちになるほどに
    この本との出会いが嬉しかった。

  • 面白かった。
    これは社会人向けの良いライトノベル。
    調律師にも興味あったから題材も良かったし、ほんと社会人らしい行動をキャラたちが取っているから違和感なく読めた。

    時子はやっぱり昔ピアニスト目指していたんだな。
    交通事故は音楽家の人生をこれ以上なく左右する出来事だよなぁ。
    リハビリしても筋力が落ちるってのはそういう状態になってしまっただけだよな?精神的な理由からではないんだよな…?それならワンチャンあるかなと思ったけど。
    あとは手術かな。
    腕の良い医者が見つかってピアニスト復帰ってのないかな。
    いや、調律師の時子も良いんだけどピアニストの時子の話も見てみたい気がする。

    ワン太は耳が良いんだな。
    音を聞いただけでその楽器が何故今の状態になってしまったのか何となく感じ取れるって…。
    最後、コンサートピアノの調律を見事に仕上げたから、調律師としてもちゃんと見込みありそう。
    実家の問題も片付いて良かった。
    いいお父さんがいたんだな。
    ワン太のお父さんほんと良いな、ああいうお父さんほしいわ(笑

    続編は出ないかな~?
    あれば読みたいな。

  • 調律師のお仕事小説。ソムリエみたいに音の表現がいろいろ出てくる。調律によってピアニストの悩みまで解消してしまう技の持ち主。筋トレを欠かさないとか、音楽の才能についてはかかれてるけど、どうやって調律の技術を師匠から学んだのか気になる。その辺を後輩君に伝授してほしい。

  • 男女ペアものだけど、恋愛要素を無理矢理ねじこまないところに好感が持てた。
    ピアノに興味がある人ならば、色々感じて楽しめると思う。

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著者プロフィール

1983年兵庫県生まれ。2007年に第14回電撃小説大賞銀賞を受賞し、『under 異界ノスタルジア』でデビュー。真っ直ぐで透明感のある文章、高い構成力が魅力の注目作家。他の著作に、「花魁さんと書道ガール」シリーズ、『雪には雪のなりたい白さがある』『フルーツパーラーにはない果物』『今日も君は、約束の旅に出る』『わたしたち、何者にもなれなかった』などがある。

「2021年 『パンダより恋が苦手な私たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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