おはよう、愚か者。おやすみ、ボクの世界 (電撃文庫)
- KADOKAWA/アスキー・メディアワークス (2016年9月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048923163
作品紹介・あらすじ
逃げろ。たった一つの愛を守るために――。
デビュー作に続く、待望の衝撃作がついに!
あるSNSの書き込みが話題になっている。一人の高校生・大村音彦が何人もの中学生を支配し、恐喝した。その額、累計3000万円――。そして今晩、ついに三人の中学生を半殺しにしたという。
「けれど、それは最悪な嘘だと知っている。だって、大村音彦は俺の名前なのだから」
最悪な一夜の逃走劇の中で、唯一掴んだ手がかり。それは、榎田陽人という女子中学生の存在。壊れた世界に生きる少年と少女が出会う時――。
圧倒的感動を呼んだ第22回電撃小説大賞≪大賞≫受賞作『ただ、それだけでよかったんです』に続く、待望の衝撃作。
感想・レビュー・書評
-
電撃文庫だけれど、ヘビーな内容なのは松村涼哉先生ならでは。
複数名で視点が切り替わるのですが、少々把握しにくく、折角のイラストも誰が誰なのか分かりにくいのが残念でした。
『ただ、それだけで〜』の後の作品なので、先生の成長途中なのかな?とも感じました。
読後感はやるせない気持ちになり、悲しいような虚しいような……
あとその後が気になるのも困ります!
結局彼らはどうしたんだろう!?
それだけ惹きつける内容である証拠ですね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
全1冊。前作『ただ、それだけでよかったんです』の衝撃同様、やりきれない話。
-
う~ん……?
人間って哀しい生き物だなぁ……。 -
前作と比べて感情移入しやすくて、読みやすかった。
荒唐無稽な内容でもSNSで容易に拡散してしまうところとかがリアルっぽかった。
音彦も陽人も逆のベクトルで同じ目的のために動いていたのが何か切ない。
正義が悪役であり、悪役が正義であり、表層をなぞるだけでは何も分からないと思った。
ただ、斉藤がクズ過ぎる。
今回の話自体がこの少女の虚言がもとで起きて、斉藤のため思って動いた二人が報われないのが辛い。
音彦と陽人のチート設定に多少突っ込まざる得ないような気がするが、前作と比べると私はこの作品の方が好き。 -
読んでいて、ため息をつきたくなるくらいにすばらしい物語でした。
何度も何度も裏切られました、ここまで仕組まれていたとは...
前作「ただ、それだけでよかったんです」にも楽しませていただきましたが、今作もすばらしい作品です。
是非読んでみてください。
あーあ、また騙された。 -
うー、デビュー作で期待のハードルを上げちゃったかな。衝撃的な作品でデビュー作した作者の2作目。事件は凶悪。はじめは大村の一人称で進むため大村に共感しようかという時に恐喝が明らかになり、大村への共感がストップしてしまった。事件に裏がありそうだと気付いてから真相が気になってあまり集中できなかった。物語の落としどころは悪くない。陽人の一人称から物語が始まっていたら違かったかもしれない。
-
胸糞悪い物語だ。だが、デビュー作を超えるインパクトを出そうとしたらこうなるのだろうか。
作品の感想としては余計なお世話だが、そんなことを考えてしまったし、これを電撃文庫から出したのもすごいな、と思う(これも余計なお世話だが)。
散らばっていた各キャラクターの物語がひとつに収束していくさまは、多少のレトリックの綻びを感じつつも中々に手練手管で、ゆえに、先を察することはできるがどんでん返しの畳み掛けはそれなりにカタルシスがある。
ミステリーというには物足りないが、人の清濁を感じる青春小説として面白いのではないか。 -
登場人物がどいつもこいつもいい感じにゲスい。
悪意が充満しきっていてなんだかファンタジーでも
読んでいるような気分になった。