恋する寄生虫 (メディアワークス文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
4.02
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本棚登録 : 1906
感想 : 132
  • Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048924115

作品紹介・あらすじ

何から何までまともではなくて、
しかし、紛れもなくそれは恋だった。

「ねえ、高坂さんは、こんな風に考えたことはない? 自分はこのまま、誰と愛し合うこともなく死んでいくんじゃないか。自分が死んだとき、涙を流してくれる人間は一人もいないんじゃないか」

失業中の青年・高坂賢吾と不登校の少女・佐薙ひじり。一見何もかもが噛み合わない二人は、社会復帰に向けてリハビリを共に行う中で惹かれ合い、やがて恋に落ちる。
しかし、幸福な日々はそう長くは続かなかった。彼らは知らずにいた。二人の恋が、<虫>によってもたらされた「操り人形の恋」に過ぎないことを――。

感想・レビュー・書評

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  • 思ったより硬派な文体で読みやすい。アレルギーの原因について清潔すぎて発症するとかも聞いたことある。「寄生虫」とか「ウィルス」とか「バグ」とか虫に絡ませて物語を作ってるのは上手いなぁ。「そんな…」な終わりを思わせる終わり方…2021年映画公開作品とのこと。

  • ラノベって基本読まないのだけど、なんだか気になって予約待ちしてた一冊。
    不器用で人間嫌いな、少女と青年が恋に落ちるまでのストーリー。
    小説の核として寄生虫がモチーフにされているのがとても良かった。
    二人の恋は寄生虫によってもたらされた、操られた、錯覚の恋。
    そんな恋を運命だと信じてしまうことは、なんて滑稽で哀しいことなんだろう。
    でも現実にもそんなのよくあることかな。たいていどんな恋だって都合のいい思い込みなんだ。
    だからこそと言うか、佐薙ひじりの精一杯の反論と切実さはかなり私の胸に響いた。
    操り糸の存在を知った上であえて身を任せることはたしかに自分の意志だ。
    運命ってのはなんなんだろうとぐるぐる考えさせられました。
    そして、結局抗えないラスト。切なくなるけど、でも二人はこれで良かったのだとも思える。

    あとがき素敵でした。
    引き算の幸せね。作者が美しいバグだと述べる、価値観の倒錯。
    本人たちにはきっとかけがえのない何かだと私も知ってる。

  • 表紙と内容の世界観に惹かれてしまい即購入。その日に読了しました。
    ラノベの定義は曖昧らしいのですが、私の中では「読者が主人公や表面的な内容を、読む前から予めイメージできるもの」だと考えています。(異論反論は受け付けます。)
    現実に疲れた時、非日常を味わいたい時に、ラノベを手にとってみてはいかがでしょうか。

    当該小説の「あとがき」に書かれてある三秋先生の言葉 『引き算の幸せ、とでも言うのでしょうか。僕はこうした価値観の倒錯を、人間のもっとも美しいハグのひとつだと思っています。』がとても印象的です。

  • 何から何までまともではなくて、しかし、紛れもなくそれは恋だった。
    「ねえ、高坂さんは、こんな風に考えたことはない?自分はこのまま、誰と愛し合うこともなく死んでいくんじゃないか。自分が死んだとき、涙を流してくれる人間は一人もいないんじゃないか」失業中の青年・高坂賢吾と不登校の少女・佐薙ひじり。二人は、社会復帰に向けてリハビリを共に行う中で惹かれ合い、やがて恋に落ちる。しかし、幸福な日々はそう長くは続かなかった。彼らは知らずにいた。二人の恋が〈虫〉によってもたらされた「操り人形の恋」に過ぎないことを…。

  • 重度の潔癖症の青年と視線恐怖症の少女を中心に動く物語。
    様々な困難に苦しみ、葛藤を抱えながらも惹かれあい進む様は引き込まれました。
    きっと幸せだったんでしょうね。

  • 精神的欠陥を持った二人のお話

    二人だけの閉じられた世界観がスゴイ

    他人に理解されるものではないけど二人の中にはちゃんと答えがあるような…

    ただ長続きしないんだろうな……

    「幸福な最期」
    ひじりにとってはもう決まっていたんだと思います

  • 何から何までまともではなくて、しかし、
    紛れもなくそれは恋だった。


    寄生虫によってもたらされた恋。

    アイデアが素敵だな。
    中に出てくる、色々な種類の寄生虫の話が面白かった。
    あとがきに こうした価値観の倒錯は人間のもっとも美しいバグのひとつ という言葉があって
    それもすごく素敵。
    バグかぁ、なるほどな。
    全部バグかもね。
    正解なんて分からないし
    信じていたものが、実は虫の仕業だったってこともありえるかも。
    何にも分からない、っていうのが正解なのかも。


    表紙が気になって
    本屋さんで冒頭だけ読んで
    どうしても買って最後まで読みたくなった本でした。

  • 三秋縋 先生のメディアワークス6作目。

    偶然から始まった、必然の恋の物語。
    終わりの最中にある幸福ではなく、終わってしまう直前の中に至高の幸福を感じる作品だなと感じた。

    偶然から始まって、必然の終焉を迎えるまでの過程を綴った話だけれど、その過程がとても綺麗で、美しい。
    「操り人形の恋で、何が悪いというのだろう?」という帯にあるようにまさに操り人形から始まる恋で、でもその中に三秋縋先生が描く退廃的で厭世的な雰囲気がそこかしこに散りばめられた作品。
    終わってしまう世界の中で絶頂の幸福を感じられるような出会いを出来た佐薙が悲しくも羨ましい。

    個人的には今までの三秋先生の作品の中で一番好きな作品。

    偶然から始まった必然の恋とその結末を高坂はどのように受け取けとるのかどうか、読後感も非常に良い作品。

  • 今まで読んできた中でも結構上位に上がった感。
    言葉の使い方とか結構好きだと思った。
    こういう風に言葉使えるの羨ましい…。
    もっと語彙力を養いたい。

    お話もとても興味惹かれる内容で
    読みながら寄生虫について調べちゃいました。

    • ゆのさん
      突然コメント失礼します。
      三秋さんの言葉って、ひとつひとつが生き生きとしていて無駄が無いですよね。
      私は、本を読む側だけれども、書けない側な...
      突然コメント失礼します。
      三秋さんの言葉って、ひとつひとつが生き生きとしていて無駄が無いですよね。
      私は、本を読む側だけれども、書けない側なので本当に憧れます。

      めーこ@語彙力皆無。さん、全然語彙力あるじゃないですか。他の感想も読まさせてもらいました。素敵な感想でした。
      2018/11/11
  • (2021年映画化!!)
    第1章 蟲毒
    第2章 コンピュータ・ワーム
    第3章 虫愛ずる姫君
    第4章 This Wormy World
    第5章 冬虫夏草

    第6章 虫が良い話
    第7章 疳の虫
    第8章 寄生虫なき病
    第9章 恋する寄生虫

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著者プロフィール

WEBで小説を発表していた作家

「2015年 『僕が電話をかけていた場所』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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