- Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048926034
作品紹介・あらすじ
この物語さえあれば、他に何もいらない。この小説『十四歳』と、その中に確かに息づく主人公、トキコがいれば──
だが、彼女は俺の前に現れた。
灰色の毎日の始まりになるはずだった、新学年のホームルーム。黒板の前に立った彼女こそは、俺が手にした物語の中にいたはずの「トキコ」だった。
不器用に近づいていく二人の距離。
物語の中にいる「トキコ」と、目の前にいる「柊時子」のあいだで、奇妙に絡まってゆく想い。出会うはずがなかった読者と主人公の物語。その結末にあるものは──。
感想・レビュー・書評
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1冊。
hitenの描く時子は神々しい。
主人公クラス二人以外の物語にもおもいを馳せた。膨らませ方次第ではドロドロの愛憎ライトノベルになったかも。
ラストシーンに悶える -
三角の距離~とキャラが繋がっていたので読んでみたが、きらきらとした宝石のような描写が印象的な所や主人公だけでなくヒロインの心情も魅せる展開が面白かった。
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話のテーマそのものは悪くないんだけど全体的な文章にこなれ無さがあって気になってしまう。
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好きな小説の大好きなヒロインが現実に現れたら……というとファンタジーのようだけどそんなことはなく、ありそうで無かった設定として面白い導入だった。
ボーイミーツガールものとしての基本的な展開自体に驚きは無いが、「物語で出会い、物語で別れる」を軸に丁寧に描かれる心理描写が、物語好きの心に刺さる。中で綴られる言葉も印象的で、特に『ときに幸福に背を向けても、(中略)美しく生きていきたい。』は自分の信条に重なった。
しかしこれ、高校時代に読んだとしたら、「耳をすませば」並にダメージ受けてたな……。